ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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ワンネス

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アトランティーナの話を聞いてて、なんか、今まで勝手に
勘違いしてたなって思った。そうだよね。
同じチャクラかもしれないけど、それぞれ機能が違ってて、
それぞれの役割があるんだから、他でカバーとか出来るかもしれないけど、
その分、負担をかけることになるんだもんね。

例えば、目は見えるけど、耳が聞こえなかったら、
ちゃんと見ないと危ないよね。例えば、後ろから車や自転車が来ても
分からないワケだから、目も見えて、耳も聞こえる人よりも目が疲れるよね。
それに、目の視力がずば抜けて良かったとしても、その影響で、
耳が聞こえるようになることはないもんね。

それと同じで、1つのチャクラの状態が良いからといって、
他のチャクラの状態が良くなるワケではないんだよね。
無意識ではあるんだけど、なんとか、楽しようとしてるって
いうことだよね(苦笑)こういうとこも直した方が良いなぁって思った。

「じゃあ、ミウ、そろそろ始める?」

「は~い。お願いします」

「大丈夫?何か考え事していたでしょ?」

「うん。考え事っていうか、楽しようとしてるなぁって反省してたの」

「ん?何を楽しようとしていたの?」

「ほら、第5チャクラの状態が良ければ、自動的に他のチャクラも
調整してくれるんじゃないかなとか(汗)」

「あ、そのことね」

「でも、違うんだなって。ちゃんと1つずつ調整してあげないと
いけないんだなって分かったの。目が見えても耳が聞こえなかったら、
耳の役割を目でカバーすることになるけど、いくら視力が良かったとしても、
それで、耳が聞こえるようになることはないよなぁって。
それと同じっていうか、似てるのかなって思ったんだ」

「それは、ちょっと極端な考え方かもしれないけどね(苦笑)
でも、それぞれに機能と役割があって、それぞれが違う働きをしている
という点では、そういうことになるかしらね。ミウが理解しやすいなら、
そういう例えもアリかもしれないわね」

「うん。いずれにしても、きちんと1つずつ向き合って、
どのチャクラも整えておく必要があるんだなって思った」

「そう思ってくれたのなら良かったわ。
チャクラって、1つだけ状態が良くても、あまり意味がないのよね。
例えば、ステキな恋愛がしたいからといって、ハートチャクラだけを
整えても他のチャクラの状態が悪ければ、ステキな恋愛は出来ないのよ。

逆に、全てのチャクラのバランスが整っていれば、ステキな恋愛も出来るし、
他の人間関係も良好になるだろうし、仕事も健康も何もかもが
上手く回るようになるの。

あと、恋愛さえ上手くいっていれば幸せになれると思っていても、
実際は、恋愛だけが上手くいったとしても、他のことが上手くいかなかったら、
幸せを感じることは出来ないでしょ?

恋愛だけじゃなくて、お金もそう。お金さえあれば幸せになれるのかといえば、
そうじゃないと思うのよね」

「うん。確かにそうだね。お金はたくさん持ってるんだけど、
心を許せる友達がいなくて、いつも独りで、カップ麺食べてる人がいるって
聞いたことがある。なんか、それって悲しいなって思ったことがあるもん」

「そうね。そんな人生じゃ、楽しくないわよね。
だからといって、お金がない方が良いのかっていったら、
そういうことでもないでしょ?あった方がもちろん良いわけだから」

「そうだね。全てがバランスなんだね。何かが飛び抜けて多いっていうより、
色々なことが、その人に合った分だけ揃っているのが良いんだと思う。
たぶん、人によって必要な量が違う気がするから。
お金でも、仕事でも、友達でも・・・」

「そうね。ミウの言う通りね。だから、まずは、自分に必要な量を
知ることが大切なのかもしれないわね」

「そうだね。意外と自分に必要な量って、分かんないかもしれないよね。
だって、私、分かんないもん(笑)」

「でも、自分に必要な量がどのくらいなのか、分からないということが、
分かっただけでも大きな一歩だと思うわよ。気がつかなかったら、
ずっと分からないまま、迷走することになるものね」

「そうだね!これも算数の問題とおんなじだ!」

「算数の問題?」

「そう!何が分からないのかが分かったら、解けたようなもんだって、
先生が言ってたんだよね。何が分からないのかが分からないから、
問題を解くことが出来ないんだって。言われてみれば、そうだよね。

何が分からないのかが分かれば、その分からないことについて、調べたり、
考えたりすれば良いだけだもんね。これって、算数だけじゃなくて、
他のことでも言えるなぁって思って、分かんなくなると
『何が分かんないんだろう?』って考えるようになったんだ。
だから、あの先生には感謝してるんだよね」

「それは、良い考え方ね。分からないことが分からないから対処することが
出来ないんだものね。良いことを教えてもらったわね、ミウ」

「うん。他に何を教えてもらったのか、覚えてないけど、
それだけは覚えてるんだ(笑)」

「それで良いんじゃない?必要なことを覚えていれば、良いのよ。
だって、ミウみたいに覚えていない人も多いと思うわよ」

「そうだよね。私ね、学校で習った時、『これ、社会に出てから役に立つかな?』
って思うことが多かったの。それで、『これは、役に立つ!』って
思ったことだけ、覚えてたような気がする。試験に出るとか、
出ないとかってことより、社会に出てから役に立つかどうかの方が
重要だったんだと思う」

「現実的だったのね。でも、ミウみたいな考え方をする子って
少なかったと思うわよ」

「そうだろうね。だから、どこに行っても<変わってるね>って
言われてたんだと思う。でもね、変わってるねって言葉、私にとっては、
褒め言葉みたいなもんだったんだよね。
だから、全然、気にならなかったんだ」

「自分の人生だから、人と同じである必要はないものね。
ミウが生きやすいように生きるのが一番だし、ミウが生きていく上で
必要なものと他の人が生きていく上で必要なものが同じとは限らないもの。
それが個性でもあるわけだしね」

「そうだよね!私、人と同じって、子供の頃から
好きじゃなかったかもしれない。いかに人と違うかってことを
追求してたような気がする。洋服でも流行って好きじゃなくて、
ミニスカートが流行ったら、ロングスカートを履いたりしてたかも(笑)」

「それは、天邪鬼とも言えるわね(笑)」

「まぁね(笑)」

「何が流行っているかということより、自分が今、着たいものを
着るっていうのは、良いと思うけどね」

「そうだね(汗)でも、自分が着たいと思うもの、履きたいと思うものを
選んでたような気もするよ」

「それなら良いと思うわよ」

「だよね?真冬でも靴の中で汗かくのがイヤだったから、
ブーツじゃなくて、ミュールを履いてたりね」

「ずいぶん、極端ね」

「それもよく言われてた(苦笑)」

「でも、貫いていたんでしょ?」

「うん!もちろん」

「自分の価値観を貫く強さは必要よね。他の人に何を言われても
貫き通せるのは、自分を大切にしていることにもなるものね」

「良かった。その点では合格だね。っていうか、私、自分のこと
大切にしてる部分もあるんだね」

「そうね!新しい発見があって、良かったわ。じゃ、そろそろ始める?
あら?そういえば、さっきも始める?って聞いたわよね?(笑)

もう・・・どんどん話が広がっていっちゃうわ(苦笑)ミウが相手だと、
思わぬ方向に話が膨らんでいって、楽しくなっちゃうのよね(笑)」

「ホントに!アトランティーナと話してると色々イメージが浮かんで、
理解が深まるっていうか、賢くなっていくって感じがして、楽しいし、
嬉しいんだよね。だから、次から次へと話が膨らんでいくんだと思うな」

「ミウは、誰かと話していた方が、理解が深まるから余計ね」

「そうなんだけど、アトランティーナは、別格だよね」

「あら、そうなの?」

「よく分かんないけど、アトランティーナと話してるとイメージが
湧きやすいっていうか、膨らみやすくて、『あっ、そういうことなんだ!』って、
突然、理解できちゃうことが多い気がするよ」

「やっぱり、ミウと私は相性が良いのかもしれないわね」

「それも相性と関係があるの?」

「もちろん、あるわよ!それに、ミウは第5チャクラの状態が良いから、
ミウが知りたいと思ったことを私が話して、ミウの理解が深まる
ということも起こりやすくなるのよ」

「へぇ~っ!チャクラってスゴイんだね!」

「そうよ。全ては繋がっているって話を何度もしているでしょ?
肉体を持っていると個々人っていう認識が強いかもしれないけど、
心の深い部分では、みんな繋がっていて、一つなのよ」

「この世に生きている全ての人が一つに繋がってるってこと?」

「そう。人だけじゃなくて、動物も植物も宇宙も、全てが繋がっていて
一つなの。それをね、ワンネスっていうのよ」

「ワンネスかぁ・・・。一つっていう意味なんだよね?」

「英単語では、同一性とか、単一性、一致、調和という意味があるわね。
だから、全てが同一で、単一で、一致して、調和していると
理解したら良いと思うわよ」

「なるほどね・・・。そっか、だから、エネルギーが伝播したり
するんだね。離れていても通じるっていうのは、そういうことなんだ」

「そうよ。また、理解が深まったかしら?」

「うん。この間、『ここに気づかせるために、これが起こったんだ』とか、
『これのために、あれは起こったんだ』みたいなことがあるのは、
バラバラだと思っていることが、実は一つなんだって、アトランティーナが
言ったでしょ?こういうことだったんだね。

なんか、言葉で上手く言えないけど、やっと私の中で腑に落ちたっていうか、
理解できたと思う」

「良かったわ。だから、自分の意識がどこを向いているのかが
重要だということも理解できたかしら?ミウの意識がネガティブに傾いたら、
他の人もネガティブに傾きやすくなるし、逆にミウのハートが
愛で満たされれば、他の人も愛で満たされて、気分が良くなるのよ」

「うん。分かったような気がする。でも、なんか・・・面白いね」

「面白いか・・・。ミウは、そう感じるのね。まだ、少し違和感が残っている
かもしれないけど、それが自然というか、もっと身近なことに
感じられるようになると思うわよ」

「そうなのかもしれないね。それも、そんなに遠くない未来に、
そうなるような気もするよ」

「そう。じゃ、きっと、そうなるわね」


<次回へ続く>
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