ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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自分を責めることは簡単だけど・・・

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いやぁ~、なんかスッキリした!チェリーって、アトランティーナとは、
また違った視点で色々なことを教えてくれるし、気づかせて
くれるんだよね。ホント、マジで二人には感謝だよ。

私の中で、つっかえてたものが、スーッと流れた感じで、めっちゃ気持ち良い!
これで、アトランティーナとの買い物&ディナーも楽しめそう♪

ヤバイ、ウキウキしてきた。スキップしたい気分かも(笑)
私のこういうところをアトランティーナは、素直って
言ってくれるのかもしれないね。

「おっはようございま~す!」

「なになに、今朝は一段と元気だね。昨日、デートだったの?」

「いいえ!ずっと家にいましたよ」

「えっ、そうなの?だって、ご機嫌じゃない(笑)」

「そうですか?いつも通りですよ。今週も張り切っていきましょう!」

「あはは。久遠さんが来ると一気に空気が変わるね。明るくなるっていうか、
楽しくなるっていうか。久遠さんは、うちの部になくてはならない存在だよ」

「ホントですか!?それ、お世辞でもめっちゃ嬉しいです!
ありがとうございます!」

「お世辞なんかじゃないよ!こちらこそ、毎日、元気をくれてありがとう」

いつも、朝、声をかけてくれる、部員の中で、一番年長者の湊さん。
まだ、挨拶しても、ほとんどの人に無視されてた頃もずっと、
<おはよう!今日も元気だね>って、声をかけてくれて、本当に感謝してる。

無視され続けても、部に入る時、元気に挨拶し続けられたのも湊さんのお陰だと
思う。同じチームになったことはないけど、きっとチームの中でも、あの優しさは
活かされてるんだろうな。

「チーフ、おはようございます!」

「おはよう!週末は、リフレッシュ出来た?イベントまで1ヶ月を切ったけど、
最後まで妥協せず、私たちらしい、私たちも来てくれたお客さんも楽しめる、
ワクワクするイベントに仕上げて行こうね!」

「はい!」

「ということで、各自、作業を進めてください。何かあったら、遠慮なく
私のところに来てね」

「あの、早速なんですが、ちょっと良いですか?まだ始業前ですけど」

「もちろん!何かあった?」

中川理沙子、相変わらず、前のめりで、やる気が前面に出てて良い!
彼女は、計画を立てて進めて行くタイプじゃなくて、とりあえず、やってみちゃう
タイプ。それで、上手く行かなかったら、修正していくっていうスタイル
なんだよね。

きっと、火のエレメントなんじゃないかなって思う。当たって砕けろって感じ?
だから、デスクに張りついて、考えを巡らせるよりも、実際に動いてみた方が
良いんだよね。

っていうか、誰でもそっか!火のエレメントとか、関係ないね(苦笑)だってさ、
いくら分析力に長けていたとしても、材料がなかったら、分析どころじゃないし、
まずは、現場を見ないことには、始まらないよね。

あ~、自己嫌悪。なんで、こんなことに気づかなかったんだろう。
頭で考えてるだけじゃ、イベントなんて成功させられないよ!もちろん、
知らない場所ではないけど、まさか、そこでイベントをすることになるなんて、
想像すらしてなかったもんね(汗)

ある意味、夢のような話で、このイベント自体、奇跡みたいなもんだし(苦笑)
奇跡を現実に引き寄せたんだから、悔いが残らないように、全力を出し切ろう
って思ってたのに・・・。私としたことが、色ボケしちゃってたのかな?
う~ん、情けない!

いや、自分を責めちゃダメ。慣れないことが、色々とあり過ぎて、自分でも
よく分かんなくなっちゃってただけ。だって、こうして気づけたんだから、
良しとしようよ。

逆に『よく気づけたね。エライぞ!』って、褒めてあげよう。こうした日常に
起こる小さなことの積み重ねで、私は出来ていくんだから。自分を責めることは
簡単。でも、それじゃ、何も解決しないし、次に繋げることなんて出来ないよ。
だから、気をつけようね。

「理沙ちゃん、じゃあ、ここで話してても、イメージ湧かないかもしれないから、
実際に会場になるシネコンに行ってみようよ。それで、今、理沙ちゃんが
考えてることをやってみない?」

「えっ、いいんですか!?」

「もちろん!だって、理沙ちゃんは、そういうタイプでしょ?っていうか、
タイプ以前の話として、プレゼンに勝って、イベントやることになってから、
一度も行ってないよね?個人的に行った人はいる?申し訳ないけど、私は行って
ないんだよね(苦笑)

でもさ、行ってみないと分かんないよね?だから、みんなもどうかな?
これからイベントやるシネコンに行ってみない?」

「えっ、僕たちも一緒に行って良いんですか?でも、プレゼン勝ってから、
みんなで行ったような気がしないでもないんですけど・・・」

「えっ、そうだっけ?私が忘れてるだけ?いずれにしても、私は、すっかり
忘れちゃってるのね。もし、行ってたんだったら、ごめん。行かなくても、
しっかり現場が頭の中にあって、行く必要がないし、行きたくないって
いうなら話は別だけど、どうかな?私としては、全員で行きたいんだよね。
どうだろう?」

「行きます!っていうか、行きたいです!現場にいく機会を作ってくれて、
ありがとうございます!一応、見取り図を見ながら、進めてはいるんですけど、
直接、会場に行った方がイメージ出来るし、行きたいなって思ってました。
一人じゃなくて、出来ればチームのメンバーで」

「確かに!そうだよね。じゃ、みんなで、これから行ってみようか」

「はい!やった!」

「あの・・・、僕は留守番しています」

「レオンくん、行かないの?っていうか、行けない?何か、抱えてる仕事、
あったっけ?」

「いいえ、そういうのではなくて。一人くらいは会社に残っていた方が
良いんじゃないのかなと思ったので」

「そうなの?そこは、部長にお願いしようかなって思ってたんだけど・・・。
ちょっと部長に聞いてみるわ」

結局、レオンくんも含めて、チーム全員で、イベントが開催されるシネコンに
行くことになった。部長に相談したら、何か急ぎの案件があったら、
連絡くれるってことになったんだよね。部長も

「そういうことなら、チーム全員で行った方が良いでしょ」

って言ってくれたし。それで、あまり乗り気ではなさそうなレオンくんも一緒に
引っ張り出したってワケ(笑)レオンくん、行きたくなかったのかなぁ?

「レオンくん、無理に引っ張り出して、ごめんね。イヤだった?」

「別に、イヤということではなくて、週明けの午前中に、予定外に全員が
居ないというのは、いかがなものかと思っただけです」

「なるほどね」

こうは言ってたけど、本当は行きたくなかったんだと思う。
だって、思いっきりイヤそうな顔してるもん(汗)私と一緒で、顔に出ちゃう
タイプなんだな、レオンくんは(苦笑)理由は、分かんないけどね。

でも、まぁ、全員で情報は共有した方が良いと思うし、全員一緒に行けることに
なって良かったなって感じかな。

現場に到着すると、みんな一気にテンションが上がった。デスクで、パソコンを
睨みながら作業してたけど、やっぱり、現場に来るとイメージが湧きやすい
みたい。そりゃそうだよね。知らない場所ではないって言っても、そんなに
色々な場所を細かくチェックしたりしないもんね。私自身も改めて、現場を
見てみると当日の様子を思い描きやすい。

それぞれが、自分の担当するエリアに散らばって、ああでもない、
こうでもないって言いながら、熱心にメモをとっている。みんなのやる気を
感じると同時に、みんなの顔がイキイキしてて、輝いているように見えた。
こういう光景を見ると、私自身も幸せな気分になる。

自分一人で背負うのではなくて、みんなで協力して、一つのモノを
創り上げるって、こんなにワクワクして楽しいことだったんだね。

今更ながら、そんなことを感じつつ、チーフっていう役割、今までは
負担でしかなかったけど、今は、チーフって仕事も悪くないなって
思い始めてるんだ。


<次回へ続く>
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