297 / 297
ひとつずつ
しおりを挟む
たぶん、私だけじゃなくて、部長はもちろんだけど、メンバーのみんなも
同じことを感じてると思う。でも、誰も何も言わないんだけどね。
それは、たぶん、どう表現したら良いのかが分からないだけなんだと
思うだよね。そんな私たちの気持ちを踏まえて、部長が五十嵐智美に
答えてくれたんだ。
「そうですか。五十嵐さん、すでに一歩前身ですね。おそらく、この環境が
五十嵐さんに影響を与えたのだと思いますよ。今のチームでは、
五十嵐さんのことを嫌う人も攻撃する人もいないですよね?
それは、五十嵐さん自身は気づいていなかったことかもしれませんが、
五十嵐さんの内側の深いところでは、ちゃんと気づいていたんですよ。
だから、今までは誰にも話さなかったかもしれない苦しかった過去のお話も
されたんじゃないですか?それに今、五十嵐さん、とっても良い顔を
されていますよ」
「えっ、良い顔?・・・。でも、確かにそうかもしれないです。全部では
ないけど、自分の過去について、誰かに話したことなんて、今までなかった
もんなぁ・・・。だから、何の抵抗もなく、ペラペラ喋ってる自分を不思議に
思ってる自分も居て、なんか、不思議な感じっていうか、変な感じがしてました」
「今、この場所にいる全員が五十嵐さんのことを受け容れていることを
無意識のうちに五十嵐さんが感じ取っているということなんです。
五十嵐さんは、と言いますか、このチームは、皆さん、とっても素直ですからね。
それは、チーフの久遠さんの影響なのかもしれない。組織というのは、その上に
立つ者に似てくると言いますからね。
先程、久遠さんに<みんなが素直に言いたいことを言える環境を作ってきた>
と言ったのは、そういうことなんですよ。久遠さんが、率先して素直な方です
からね」
「それはそうかもしれないです!だって私、さっきも言ったけど、
前のチームの時、こんなに思ったこと言えてなかったような気がするもん」
「それは、理沙だけじゃないよ。俺も優一もそうだもんな。なんかさ、
このチーム、居心地が良いんだよ。家族以上に家族っぽいっていうかさ。
安心するんだよな」
「あっ、それ、分かる!僕も会社に来るとなんかホッとするもん。ところでさ、
さっきからレオンがひと言も発してないけど、レオンは、何も問題ないの?」
「僕は、自信も矜持もあるので、特に問題はないかと・・・」
「なんか、レオンって、どこに行っても変わらなさそうだよね(笑)」
「確かに!(笑)でも、それって、スゴイことだよね。尊敬しちゃうよ」
「そうだよね。私だけだったら、きっと挫けちゃったかもしれないことも
レオンくんのお陰で乗り越えられたこと、結構あるからね(苦笑)いつも冷静で、
落ち着いてて、客観的視点がブレないって、やっぱりスゴイことだと思う」
「チーフのお墨付きなんだね、レオンは!」
「う~ん、そこまでストレートに褒められると、さすがに照れますね(苦笑)」
「僕は、レオンとはつきあいが長いんですけど、僕にとっても頼りになる仲間って
いうか、友人なんです。未だにレオンには怒られることもありますからね(笑)」
「え~っ、藤崎さんがですか!?なんか意外・・・。だって、藤崎さんも
いつも冷静で、客観的で、落ち着いてる雰囲気、醸し出してますよね(笑)
チーフの周りには、頼もしい存在が溢れてるってことですね。部長も
めっちゃ頼りになるし!」
「私は、久遠さんだけの部長ではなく、皆さんの部長でもあるわけですから、
何かあれば遠慮なく、話に来てくださって良いんですよ」
「ありがとうございます!でも、まずはチーフなんですよね。ウチのチーフは、
どんなことでも親身になって聞いてくれるし、話してるうちに、なんとなく
ヒントが浮かんでくるっていうか、解決しちゃうから、部長のところに行く
機会がないんですよね(笑)だから、これからは、定期的にこうしてランチ会
してくださいよ!そしたら、もっと部長とも話しやすくなると思うし、
チームだけでなく、部全体が一枚岩になったら、もっと良いと思うんですよね」
「それは言えてる!理沙もたまには良いこと言うじゃん!」
「潤也、それ、めっちゃ失礼なんですけど!たまにはって何よ!(笑)」
「私、今、思いました。このチームで良かったなって。ここでなら、変われる気が
する。っていうか、たぶん、もっと早く変われたのかもしれない。それなのに、
私の中で、変わることを邪魔するっていうか、抵抗してるっていうか、
そういうのがあって、必死で変わらないように、踏ん張ってたような気がします。
ホント、私ってバカですね(苦笑)変われば楽になるのに、なんで、わざわざ
苦しいところに留まろうとしちゃってたんだろう。それで、起こさなくても
良い問題まで起こしたりして・・・。自分で呆れちゃいますよ(苦笑)」
「智ちゃん、何も問題なんて起こしてないじゃない。それに、智ちゃんのお陰で、
新しい試み?チャレンジに取り組むことが出来たワケじゃない?何気に智ちゃん、
功労者なんだよ」
「えっ、私が、ですか!?」
「確かに!智がキッカケだよ!ありがとう、智!」
「うん、ありがと、智」
「なんか、コイツにありがとうって言うの、ちょっと癪(笑)
でも、智、ありがとな」
「ま~ったく、潤也はひと言余計だし、素直じゃないんだから!」
「えっ、俺は素直だよ。さっき部長もそう言ってただろ?理沙、人の話は
ちゃんと聞け!(笑)」
なんだか、よく分かんないけど、最後は笑顔で締まったっていうか、
なんというか(苦笑)ハッキリと目指すものが決まったワケではないんだけど、
たぶん、みんなの意識の深いところには、何かしら、実りが残ったかなって
感じだから、いっかな(笑)
単なるランチ会だったはずが、2時間以上にもなるランチ・ミーティングに
なったけど、私としても学ぶこと、気づくこと、再確認することがあって、
豊かな時間だった。誰かが言ってたけど、定期的に部長を交えたランチ会、
あっても良いのかもしれないね。
それより、私の中で引っかかってることが、実は一つあるんだよね(苦笑)
それは、五十嵐智美が言った言葉。
<もっと早く変われたのかもしれない。それなのに、私の中で、変わる
ことを邪魔するっていうか、抵抗してるっていうか、そういうのがあって、
必死で変わらないように、踏ん張ってたような気がします。
変われば楽になるのに、なんで、わざわざ苦しいところに留まろうと
しちゃってたんだろう>
これって、分かるような気がするし、きっと彼女だけの問題では
ないと思うんだよね。だから、この話はまた、みんなとした方が
良いと思う。そうじゃないと、また、自分の中に変わりたいところが
見つかっても、身動き出来ないってことが起こりそうだから。
っていうか、今だよね!まだ、みんなが覚えてるうちにした方が
絶対に良い!だって、時間が経ったら、私もだけど、みんなも、
それに言った本人でさえ、忘れちゃってる可能性が高いもんね。
早速、部長に相談してみよう!
それにしても・・・一つ解決すると、ちゃんと次の課題が
見えてくるんだね(汗)ちゃんとっていうのも変か(笑)
これが宇宙の導きってことなのかな?だとしたら、やっぱり有り難いよね。
<次回へ続く>
同じことを感じてると思う。でも、誰も何も言わないんだけどね。
それは、たぶん、どう表現したら良いのかが分からないだけなんだと
思うだよね。そんな私たちの気持ちを踏まえて、部長が五十嵐智美に
答えてくれたんだ。
「そうですか。五十嵐さん、すでに一歩前身ですね。おそらく、この環境が
五十嵐さんに影響を与えたのだと思いますよ。今のチームでは、
五十嵐さんのことを嫌う人も攻撃する人もいないですよね?
それは、五十嵐さん自身は気づいていなかったことかもしれませんが、
五十嵐さんの内側の深いところでは、ちゃんと気づいていたんですよ。
だから、今までは誰にも話さなかったかもしれない苦しかった過去のお話も
されたんじゃないですか?それに今、五十嵐さん、とっても良い顔を
されていますよ」
「えっ、良い顔?・・・。でも、確かにそうかもしれないです。全部では
ないけど、自分の過去について、誰かに話したことなんて、今までなかった
もんなぁ・・・。だから、何の抵抗もなく、ペラペラ喋ってる自分を不思議に
思ってる自分も居て、なんか、不思議な感じっていうか、変な感じがしてました」
「今、この場所にいる全員が五十嵐さんのことを受け容れていることを
無意識のうちに五十嵐さんが感じ取っているということなんです。
五十嵐さんは、と言いますか、このチームは、皆さん、とっても素直ですからね。
それは、チーフの久遠さんの影響なのかもしれない。組織というのは、その上に
立つ者に似てくると言いますからね。
先程、久遠さんに<みんなが素直に言いたいことを言える環境を作ってきた>
と言ったのは、そういうことなんですよ。久遠さんが、率先して素直な方です
からね」
「それはそうかもしれないです!だって私、さっきも言ったけど、
前のチームの時、こんなに思ったこと言えてなかったような気がするもん」
「それは、理沙だけじゃないよ。俺も優一もそうだもんな。なんかさ、
このチーム、居心地が良いんだよ。家族以上に家族っぽいっていうかさ。
安心するんだよな」
「あっ、それ、分かる!僕も会社に来るとなんかホッとするもん。ところでさ、
さっきからレオンがひと言も発してないけど、レオンは、何も問題ないの?」
「僕は、自信も矜持もあるので、特に問題はないかと・・・」
「なんか、レオンって、どこに行っても変わらなさそうだよね(笑)」
「確かに!(笑)でも、それって、スゴイことだよね。尊敬しちゃうよ」
「そうだよね。私だけだったら、きっと挫けちゃったかもしれないことも
レオンくんのお陰で乗り越えられたこと、結構あるからね(苦笑)いつも冷静で、
落ち着いてて、客観的視点がブレないって、やっぱりスゴイことだと思う」
「チーフのお墨付きなんだね、レオンは!」
「う~ん、そこまでストレートに褒められると、さすがに照れますね(苦笑)」
「僕は、レオンとはつきあいが長いんですけど、僕にとっても頼りになる仲間って
いうか、友人なんです。未だにレオンには怒られることもありますからね(笑)」
「え~っ、藤崎さんがですか!?なんか意外・・・。だって、藤崎さんも
いつも冷静で、客観的で、落ち着いてる雰囲気、醸し出してますよね(笑)
チーフの周りには、頼もしい存在が溢れてるってことですね。部長も
めっちゃ頼りになるし!」
「私は、久遠さんだけの部長ではなく、皆さんの部長でもあるわけですから、
何かあれば遠慮なく、話に来てくださって良いんですよ」
「ありがとうございます!でも、まずはチーフなんですよね。ウチのチーフは、
どんなことでも親身になって聞いてくれるし、話してるうちに、なんとなく
ヒントが浮かんでくるっていうか、解決しちゃうから、部長のところに行く
機会がないんですよね(笑)だから、これからは、定期的にこうしてランチ会
してくださいよ!そしたら、もっと部長とも話しやすくなると思うし、
チームだけでなく、部全体が一枚岩になったら、もっと良いと思うんですよね」
「それは言えてる!理沙もたまには良いこと言うじゃん!」
「潤也、それ、めっちゃ失礼なんですけど!たまにはって何よ!(笑)」
「私、今、思いました。このチームで良かったなって。ここでなら、変われる気が
する。っていうか、たぶん、もっと早く変われたのかもしれない。それなのに、
私の中で、変わることを邪魔するっていうか、抵抗してるっていうか、
そういうのがあって、必死で変わらないように、踏ん張ってたような気がします。
ホント、私ってバカですね(苦笑)変われば楽になるのに、なんで、わざわざ
苦しいところに留まろうとしちゃってたんだろう。それで、起こさなくても
良い問題まで起こしたりして・・・。自分で呆れちゃいますよ(苦笑)」
「智ちゃん、何も問題なんて起こしてないじゃない。それに、智ちゃんのお陰で、
新しい試み?チャレンジに取り組むことが出来たワケじゃない?何気に智ちゃん、
功労者なんだよ」
「えっ、私が、ですか!?」
「確かに!智がキッカケだよ!ありがとう、智!」
「うん、ありがと、智」
「なんか、コイツにありがとうって言うの、ちょっと癪(笑)
でも、智、ありがとな」
「ま~ったく、潤也はひと言余計だし、素直じゃないんだから!」
「えっ、俺は素直だよ。さっき部長もそう言ってただろ?理沙、人の話は
ちゃんと聞け!(笑)」
なんだか、よく分かんないけど、最後は笑顔で締まったっていうか、
なんというか(苦笑)ハッキリと目指すものが決まったワケではないんだけど、
たぶん、みんなの意識の深いところには、何かしら、実りが残ったかなって
感じだから、いっかな(笑)
単なるランチ会だったはずが、2時間以上にもなるランチ・ミーティングに
なったけど、私としても学ぶこと、気づくこと、再確認することがあって、
豊かな時間だった。誰かが言ってたけど、定期的に部長を交えたランチ会、
あっても良いのかもしれないね。
それより、私の中で引っかかってることが、実は一つあるんだよね(苦笑)
それは、五十嵐智美が言った言葉。
<もっと早く変われたのかもしれない。それなのに、私の中で、変わる
ことを邪魔するっていうか、抵抗してるっていうか、そういうのがあって、
必死で変わらないように、踏ん張ってたような気がします。
変われば楽になるのに、なんで、わざわざ苦しいところに留まろうと
しちゃってたんだろう>
これって、分かるような気がするし、きっと彼女だけの問題では
ないと思うんだよね。だから、この話はまた、みんなとした方が
良いと思う。そうじゃないと、また、自分の中に変わりたいところが
見つかっても、身動き出来ないってことが起こりそうだから。
っていうか、今だよね!まだ、みんなが覚えてるうちにした方が
絶対に良い!だって、時間が経ったら、私もだけど、みんなも、
それに言った本人でさえ、忘れちゃってる可能性が高いもんね。
早速、部長に相談してみよう!
それにしても・・・一つ解決すると、ちゃんと次の課題が
見えてくるんだね(汗)ちゃんとっていうのも変か(笑)
これが宇宙の導きってことなのかな?だとしたら、やっぱり有り難いよね。
<次回へ続く>
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
迎えに行ったら、すでに君は行方知れずになっていた
月山 歩
恋愛
孤児院で育った二人は彼が貴族の息子であることから、引き取られ離れ離れになる。好きだから、一緒に住むために準備を整え、迎えに行くと、少女はもういなくなっていた。事故に合い、行方知れずに。そして、時をかけて二人は再び巡り会う。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
黒騎士団の娼婦
星森 永羽
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる