夢と現のまにまに

Moa

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うつつの朝

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朝、いつもと同じように太陽の光が窓から差し込む。

退屈な一日の始まりだと、痛いほど実感するしかない光。
重い腰を上げ、いつも通り学校の支度をする。

「おはよ、早くご飯食べなさい。」
何度聞いただろうか、いつも通りの定型文。
だが、それに僕もいつも通りの定型文で答える。
「おはよう」と

いつものいつもがいつも通りでしかない事に、いつも誰もが疑問を抱かない。

「……退屈だ」

ふと、こぼした言葉に思う。
これがいわゆる、厨二病というやつなのかと。
だが、これもいつもの事なのだ。

「あんた、ぶつぶつ言ってないで早く食べちゃって」
母に小言を言われるのも至っていつも通りだ。

朝食が終わり、家を出るまでの僅かな時間にニュースを見る。
朝のニュース番組にはアナウンサーが毎日さして大差ない言葉を吐き、違うと言えば天気くらいで
他にいつもと変わらないことを喋っている。

そしてまた思う。
いつも通りだ、と。

遅刻するわよ、という母の言葉に急かされ家を出る。
玄関を開け、初夏の風が体にまとわりつく。
朝日はもう高く昇り、空気を暖めている。
階段を下り、いつも通りの通学路を歩く。

まだ初夏だというのに肌を焼くような日差しが照りつける。
僕は、冬より夏の方が好きだがこうも暑くては雪でも降らないものかと思ったりする。

学校は、家で過ごす以上に退屈だ。
教科書に書かれたことを話すだけの教師。
学校こここそ日常いつも通りの象徴だと思う。
勉強、勉強勉強勉強ご飯を食べ勉強勉強。
繰り返し続けてきたいつも通りの事
それを思い、憂い
僕はひとつ、ため息をついた。



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