夢と現のまにまに

Moa

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現実の夢

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不思議な夢を見た。

異世界のような、僕らの世界リアルでいうゲーム、それこそRPGの世界のような場所で
不思議な儀式に参加させられ
そこにいた一人の少女
皮肉にも彼女の名前は
聞いた声は神らしく
龍のような炎など
ファンタジーの世界はたぶんこんな感じなのだろう。

不意に感じた
右手の痛みに僕の脳は
その職務を放棄したかのように
真っ白に染まる。

見たら何かが
或いは僕が、
狂い始めるような。

あり得ないはずのあり得ないことを
現実を、事実を
夢だったはずのモノが。

僕にある。
まさに、僕自身にだ。

いっそ夢が現実化するなら超能力とかのほうがいい。
なんて考える余裕があることに笑ってしまう。
いや、むしろ余裕がないからこそなのか。

未だ見れず居るその右手の痛みに
僕は自問自答する。

一体何なんだと
夢だろう、と。

自問自答を繰り返す僕に
右手の痛みが
否応なく現実を突きつけてくる。

どうせ見るのなら今も後もそう変わらない。
そう自分で自分の背中を押しつつ
恐る恐る右手を見る。

そこにあるのは、そう。
どうだ、見たことしかないものだ。
本来、

 あの傷がある。

その事実は揺らぎようもなく
どこかでまだと思いたい僕に
突きつける。

声すらでない
頭の中はぐちゃぐちゃで
どうしたらいいのか
そもそも何なのか
一体どうなってるのか

何もわからない

それでも進んでいく時間
流されるしかない大きなものに
僕は追い付くことができないまま
ただ座り込み
傷を見つめていた。
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