【本編完結】君の悪夢が終わる場所【番外編不定期更新】

蓮蒔

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番外編

ノイ一族と生真面目騎士・2

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 そんな事もあったと思いながらオリヴァーは時計を眺める。結局本当にイリスとヴァイス、そしてロートスは例の鞄を誕生日にプレゼントしてくれたのにはオリヴァーも驚く。翼膜を結局ロートスが調達したからとイリスからは鞄いっぱいに詰められたレモン味の飴を貰った。ヴァイスはヴァイスで、剣を扱うのに邪魔にならないように改良を施してくれたのは嬉しかったのを今でも覚えている。そんなどこか柔らかく温かい記憶を思い出す反面、最近はイリスやヴァイスとお茶を飲む時間が取れない事が僅かに心を重くする。
 学園に入る前に茶の淹れ方を教えてくれたのはあの二人であった。生徒会に入る事を拒否した二人だが、新入生役員が茶坊主をするという話を聞いた彼等はオリヴァーに茶の淹れ方を覚えたほうが良いと言ってきたのだ。
 同学年で生徒会に入るのは自分と第二王子だけだと考えれば、流石に自分がやらなければならないと生真面目なオリヴァーはノイ伯爵家へ行って何種類かの茶葉の扱いを学んだ。
 元々几帳面で、手順はきっちりと守る性格なのが良かったのだろう、研修終了!!と高らかにイリスが宣言するまでにそう時間はかからなかった。
 イリスの焼いた甘さ控えめのアップルパイと自分の淹れたお茶を飲みながらオリヴァーが二人に礼を言うと、ヴァイスは僅かに眉を寄せた。

「俺等は生徒会に入らねぇからな。ルフトの面倒見るのは手前ェメインになる。外からできることはすっけど、限度があっからな」
「はい。ヴァイスだけでも入って頂ければ殿下の仕事を減らせるのですが……」
「俺の仕事が増えんだろ。殺す気かよ」

 ヴァイスは卒業後にミュラー伯爵家へ養子として入り商会を継ぐことが決まっている。その勉強が今まで以上に忙しくなるのはオリヴァーも分かっていた。逆にイリスは今まで王族教育が忙しかったのだが、かなり前倒しで進んでいるのもあり今後は学園の方で魔術師としての訓練に重点を置くことになっていた。

「私で手伝えることがあったら仰ってくださいねオリヴァー様」
「ありがとうございます」

 いずれイリスと共に戦場に立つこともあるだろうかとぼんやりと考えながらオリヴァーはお茶を飲み干した。

***

 一年目はそこそこ上手くやれていた様に思う。オリヴァーは基本護衛という立場なので第二王子の業務を手伝うという事は今までなかったのだが、生徒会役員になったのをきっかけに簡単なものや、書類整理などは手伝うようになったのだ。ありがたいことにヴァイスが全体の仕事の流れなどのメモを作ってオリヴァーに渡してくれていたし、生徒会の仕事の方もヴァイスの兄が会長であったので、気安さもあり比較的友好的に仕事を教えてもらえた。それでも流石にヴァイス程の処理能力はない。多少軽減できるというレベルであった。
 内政面を支える側近が欲しいところだと第二王子が零すのも仕方ないだろう。学校を卒業すればイリスが補佐につくが、彼女にばかり負担をかけるわけにもいかないと考えたのか、自分たちの下の学年の生徒会役員候補に書類仕事が得意そうな面子も入れることとなった。
 そして候補は五名。内二名は辞退。
 イリスの弟であるロートスは姉やヴァイスがいないのなら興味がないと言い放ち、末姫は国政に携わる事はないだろうとその枠を他に譲るように進言した。
 聖女候補に関してはヴァイスが最後まで反対していたが、結局神殿との仲を案じた第二王子が己の考えを通す。今までヴァイスが第二王子の考えに反対するという事は別に珍しくもなかったのだが、提案を却下されれば交換条件のように妥協案を出すことが多い。
 けれど今回はそれがなく、だったら生徒会で面倒を見ろ、と一切の関与を拒否して丸投げしてきたのがオリヴァーは少し気になっていた。ヴァイスが贔屓にするノイ伯爵家もミュラー商会も神殿とはお世辞にも良好の仲とは言えない。それが理由だろうかとその時はぼんやりと考えていたのだが、いざ聖女候補を迎えればオリヴァーは少し胃が重たくなった。

 蒸らし時間ぴったりにオリヴァーは紅茶をカップに注ぎ込む。そしてそのお茶を生徒会室で仕事をしている面々の前に順番に置いていった。

「オリヴァー様。先程は申し訳ありません」

 眉を下げて謝罪するのは聖女候補であるエーファ・アプフェル子爵令嬢。先程というのは彼女が淹れたお茶のことだろうと察したオリヴァーは、構いませんよ、と短く返事をした。
 新入生の仕事だとお茶を聖女候補が淹れたのだが、余りの渋さに数名が思わず吐き出してしまい結局オリヴァーが淹れ直したのだ。涙目で詫びる彼女を同じく新入生であるオスカー・クレマース伯爵令息が慰めていたが、このお茶をここまで渋くできるのって逆に凄いよね、とベルント・ゲルラッハ侯爵令息は笑っていた。
 実際ミュラー商会の新作茶葉はどちらかと言えば甘みが強い。オリヴァーの好みかどうかと聞かれれば微妙なのだが、正直にそのことを調合しているイリスに言えば彼女は笑って、次はもう少し飲みやすいようにすると言ってくれた。それが楽しみだと思うとなんとなく今の茶葉も美味しく飲めたのだ。
 それを驚きの渋さで淹れられたので思わずオリヴァーは、茶葉の無駄遣いですね、と零してしまい第二王子に窘められた。
 ただ、こうやってオリヴァーが本来の味の茶を出せば皆口に出さないが、心の中では彼と同じことを考えてしまったのも仕方がないだろう。
 黄金色の髪に翡翠の瞳。初めて彼女の姿を見た時は可愛らしいとは思った。ただ、どうしても長く一緒にいたのがイリスであるために、細かい所作が気になってしまう。
 第二王子の婚約者として完璧だった彼女と比べてしまうのも失礼だろうと余り考えないようにしていたのだが、生徒会役員として彼女が第二王子と一緒にいるのを眺めているとどうしても目につく。
 座学の成績は中の下。ただ、下位集団は概ね軍属希望の者で、座学が下位でも実技で挽回できる面々が多く、そう考えれば褒められた成績でもない。イリスやヴァイスのように座学も実技も抜群の成績を収めているものも当然いる。
 一応第二王子の護衛という立場なのもあり、ヴァイスの力を借りてだがオリヴァーはそれなりの成績をおさめている。ただ、ミュラー商会の仕事もあるというのに常に座学では首席のヴァイスには敵わないし、実技も魔術師と騎士という違いはあれどイリスが常に首席であった。二人に比べて自分は半端だと時折落ち込むが、イリスに言わせればオリヴァーが常に第二王子のそばにいてくれるから自分はここまでできるのだと返事をくれる。
 イリスの王族教育の進捗が良かったのも、護衛であるオリヴァーが常に第二王子を守っているので安心して勉学に励めるからであるし、王族教育に必須である他国言語や文化、流行等の事もミュラー商会の後継者であるヴァイスが仕事に必要であると一緒に学んでくれているからだとイリスは笑いながらよくオリヴァーに言ってくれていた。
 ちらりとオリヴァーは第二王子の方へ視線を送る。せっせと積まれた書類に目を通していた。おそらく予算関係の整理をしているのだろう。この手の書類では余り役に立てないのを自覚しているオリヴァーは、各サロンやクラブへ配布する書類を第二王子から受け取り、それを顧問に渡すために生徒会室を後にした。


「あ、オリヴァー様」

 無事に書類を届けて生徒会室に戻る途中。オリヴァーに声をかけてきたのはイリスの弟であるロートスであった。
 一緒にいるのは騎士志望の生徒であった筈なのだがオリヴァーは名前を覚えていなかった。ただ、基本姉やヴァイスにべったりでそれ以外は一人でさっさと行動するタイプであるロートスが誰かと話をしながら歩いている姿は珍しかったので、オリヴァーはいささか驚いたような顔をする。

「ロートスですか。追加講習はもう終わっていますよね?」
「うん。図書館にマルクスと寄ってた」
「マルクス・クラウスナー子爵令息です!」

 新入生のうち聖女候補とオスカーは放課後の追加講習を受けており、先程ベルントより遅れて生徒会室へ来ていた。ロートスも追加講習を受けているのはオリヴァーも知っていたのでそう尋ねたのだ。
 そして元気よく自己紹介をしたマルクスにオリヴァーは小さく頷くと自分も自己紹介をする。

「あ、これ。姉さんとヴァイスから」

 思い出したようにロートスは持っていた鞄から袋を出す。不思議そうな顔をしてオリヴァーはそれを受け取ったが、中身を覗き込んで思わず口元を緩めた。

「生徒会忙しいんでしょ?死んだ魚みたいな目してるし」
「ロートス!!言い方!!」
「僕じゃなくて姉さんとヴァイスが言ってたんだけど」

 マルクスが慌てたように突っ込むと、少々不服そうにロートスは眉を寄せる。それを眺めオリヴァーは困ったように笑った。

「新入生が入ったばかりで何かとバタバタしていまして。直に落ち着くと思いますよ」
「そう?姉さんやヴァイスにも伝えておく」
「はい。飴のお礼もお願いします」
「あ、飴なんですねそれ」
「ええ。よろしければどうぞ」

 そう言ってオリヴァーはマルクスに飴玉を握らせる。それに彼は驚いたような顔をしたが、満面の笑みで礼を言ってきた。それに僅かにオリヴァーの心は癒やされる。

「マルクスも飴好きなの?」
「人から貰った飴ちゃんは美味しいに決まってんだろ!」
「へぇ。オリヴァー様、僕にも頂戴」

 悪びれもなく手を差し出すロートスにマルクスは驚いたような表情をしたが、オリヴァーは逆に昔から変わらないロートスのマイペースさにどこか安心したように笑い飴を握らせる。
 するとロートスはその場で飴を口に放り込んだ。

「あ、これ酸っぱいやつか。オリヴァー様これ好きだよね」
「え!?酸っぱいんだ!?」

 ロートスと同じ様にマルクスが飴玉を口に放り込む。すると彼は一瞬その酸っぱさに眉を寄せたが、口内で転がしている間ににじみ出るはちみつの甘みに驚いたように声を上げた。

「あ、レモンとはちみつ風味。俺結構これ好きかも!」
「そう?じゃぁ今度ヴァイスに貰ってくる」
「ヴァイス様が作ってんの?」
「ミュラー商会の商品だって言ってた。人気ってほどじゃないけど、固定客ついてるから割りと昔からある商品だって。僕はもう少し甘いほうが好みだけど」

 そんなやり取りをしている二人を眺めオリヴァーは思わず口元を綻ばせる。

「仲が良いのですね」
「そりゃ仲が悪かったら友達にならないんじゃないの?」
「……え?」

 唖然としたようにオリヴァーが声を詰まらせたのに気が付き、マルクスは苦笑する。

「お前本当に友達いなかったんだな。イリス様もすごく吃驚してた」
「父さんに友達できたって言ったらお祝いされた」
「マジで!?そんなレベルなの!?」
「今度うちに連れてきてって言われてるんだけど」
「俺貧乏子爵の五男なんだけど!?めっちゃ歓迎されても逆に困るんだけど!!」
「そう?じゃぁ機会があればでいいや」
「……良いお友達ですね。ロートスのことをよろしくお願いします」
「はい!!いや!俺のほうがよろしくされることが多いですけど!楽しく過ごしてます!」

 あぁ、一緒にいて楽しいのか。マルクスの言葉にロートスが僅かに口元を緩めたのに気がついたオリヴァーはほんの少しだけ彼が羨ましくなる。
 決して第二王子の護衛という役目に不満があるわけではない。ただ、第二王子といたことでイリスやヴァイス、ロートスやレア、そんな人々と過ごした日々が楽しかったのだ。いつまでもそんな時間が続くわけではないと知っていたし、年齢や時間を重ねれば自然と責任も重くなっていく事も知っていた。ただ、偶に懐かしむ事ぐらいはしてもいいだろうか。そんな事を考えながらオリヴァーは二人に別れを告げて生徒会室へ戻った。
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