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第12話 リニューアルオープン
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「おい、ここ屋台街じゃん、うまい店って言うから来たのによ」
フォルテの案内についた鎧を着てない兵士は、フォルテに言われて仕事が終わった同僚を連れて来ていた。
同僚の苦情を背中に受けながら、領主ガストンに頼まれたフォルテの指示なので苦笑いでとりあえずついて来いと言ってケルクの屋台へ向かう。
到着すると、待ってましたとばかりに満面の笑みのフォルテが出迎えた。
隣に立つケルクとマテナの顔色が戻っているのを見て、少しホッとする。
「来たな。まず一本目は俺の奢りだ。食ってみろ!」
兵士の同僚の合わせて4人分の苦情を自信ありげにフォルテが差し出したので、兵士は有無を言わさずに受け取った。
「ありがとうございます」
焼いてあるので見た目が変わっているが、先程ケルクの家で作った物だと分かる。
同僚に一本ずつ渡すと、同量もその見た目を見て顔を顰めた。
屋台は普通の串焼きでもカスカスで不味い為、金の無い住民しか買わないのに、これは見た目も見たことがない物だった。
兵士はフォルテがガストンの客人だと言う事は同僚に伝えてある為、同僚達は顔を見合わせて、まずはお前が食べろとでも言わんばかりに兵士の方を見た。
兵士は客人に失礼をしてはいけないと覚悟を決め、勢いよく軟骨つくね串に齧り付いた。
次の瞬間目を見開き、兵士は幸せそうな顔で咀嚼した。
「お前ら、食わないなら後で俺が食べてやるから少し待ってろ!」
兵士は急いで次を口に入れる。
味が変わった事に驚き、好みの味だったのか先程よりも味わってから飲み込み、三つ目を流れで口に入れた後に、同僚も美味しそうに串に齧り付いている事に気づいた。
もらう事は出来なくなってしまって残念だと思いながら、最後を味わって食べる。
しかし、その横からフォルテがスッとコップを出した。
「食べた後にグイッといってみろ」
兵士はフォルテに言われるがままにコップに入った酒を流し込んだ。
口の中の旨みの強い脂が流されていく爽快感と、口の中にあった美味しさが無くなった寂しさでまたあの串を食べたいと思ってしまった。
同僚も同じ気持ちなのか、兵士の方をじっと見ていた。
「フォルテ様、これはおかわりをいただけないのでしょうか?」
兵士の言葉にフォルテはニヤリと口角を釣り上げた。
「おかわりはまだまだある。しかしこれからは有料だ。美味い飯にはそれなりの対価が必要になる。普通の屋台の串焼きより高い。だからキチンとした店に今から行ってもいいが、あそこのテーブルに座って食べるだけ注文して同僚と酒を飲み交わしながら語り合ってもいいぞ、どうする?」
客人であるフォルテの許可はおりた。
しかし、兵士達は今食べた軟骨つくね串の味を思い出した。
いつも食べに行く定食屋の焼いた肉に負けない、いや、溢れる肉汁はそれ以上。
旨味を比べてもこちらに軍配が上がった。
定食屋と同じ金額を払えば5本。それに酒を飲んでもお釣りがくる。
確かに屋台の値段にしてはべらぼうに高いが、それだけ出す価値はある。
「フォルテ様____」
フォルテが首を横に振った事に兵士は不安な顔をする。
もう口は軟骨つくね串の口になっているのだ
「違う。店主はケルクだ」
「はい!ケルクさん、串を5本と酒をくれ!」
「俺もだ!」
「俺達にも同じだけ焼いてくれ!」
店主はケルク。フォルテの言葉に兵士達の注文がケルクに伝わる。
この4人が頼んだだけでいつもの売り上げに達してしまう。
まだまだ串の在庫はあるにも関わらずだ。
ミンチにパン粉などを混ぜてかさ増ししているし、いつもより串の量も多い。
普段よりも盛り上がる屋台通りに見回りの兵士が見に来て、その兵士が屋台で食事をする兵士の話を聞いて仕事が終わったらケルクの店に来る。
軟骨つくね串販売初日、ケルクの屋台は大繁盛。
一店舗だけ稼げば周りの店が僻むかもしれないが、兵士御用達の屋台となる事で屋台通りの治安は以前よりも良くなるのであった。
フォルテの案内についた鎧を着てない兵士は、フォルテに言われて仕事が終わった同僚を連れて来ていた。
同僚の苦情を背中に受けながら、領主ガストンに頼まれたフォルテの指示なので苦笑いでとりあえずついて来いと言ってケルクの屋台へ向かう。
到着すると、待ってましたとばかりに満面の笑みのフォルテが出迎えた。
隣に立つケルクとマテナの顔色が戻っているのを見て、少しホッとする。
「来たな。まず一本目は俺の奢りだ。食ってみろ!」
兵士の同僚の合わせて4人分の苦情を自信ありげにフォルテが差し出したので、兵士は有無を言わさずに受け取った。
「ありがとうございます」
焼いてあるので見た目が変わっているが、先程ケルクの家で作った物だと分かる。
同僚に一本ずつ渡すと、同量もその見た目を見て顔を顰めた。
屋台は普通の串焼きでもカスカスで不味い為、金の無い住民しか買わないのに、これは見た目も見たことがない物だった。
兵士はフォルテがガストンの客人だと言う事は同僚に伝えてある為、同僚達は顔を見合わせて、まずはお前が食べろとでも言わんばかりに兵士の方を見た。
兵士は客人に失礼をしてはいけないと覚悟を決め、勢いよく軟骨つくね串に齧り付いた。
次の瞬間目を見開き、兵士は幸せそうな顔で咀嚼した。
「お前ら、食わないなら後で俺が食べてやるから少し待ってろ!」
兵士は急いで次を口に入れる。
味が変わった事に驚き、好みの味だったのか先程よりも味わってから飲み込み、三つ目を流れで口に入れた後に、同僚も美味しそうに串に齧り付いている事に気づいた。
もらう事は出来なくなってしまって残念だと思いながら、最後を味わって食べる。
しかし、その横からフォルテがスッとコップを出した。
「食べた後にグイッといってみろ」
兵士はフォルテに言われるがままにコップに入った酒を流し込んだ。
口の中の旨みの強い脂が流されていく爽快感と、口の中にあった美味しさが無くなった寂しさでまたあの串を食べたいと思ってしまった。
同僚も同じ気持ちなのか、兵士の方をじっと見ていた。
「フォルテ様、これはおかわりをいただけないのでしょうか?」
兵士の言葉にフォルテはニヤリと口角を釣り上げた。
「おかわりはまだまだある。しかしこれからは有料だ。美味い飯にはそれなりの対価が必要になる。普通の屋台の串焼きより高い。だからキチンとした店に今から行ってもいいが、あそこのテーブルに座って食べるだけ注文して同僚と酒を飲み交わしながら語り合ってもいいぞ、どうする?」
客人であるフォルテの許可はおりた。
しかし、兵士達は今食べた軟骨つくね串の味を思い出した。
いつも食べに行く定食屋の焼いた肉に負けない、いや、溢れる肉汁はそれ以上。
旨味を比べてもこちらに軍配が上がった。
定食屋と同じ金額を払えば5本。それに酒を飲んでもお釣りがくる。
確かに屋台の値段にしてはべらぼうに高いが、それだけ出す価値はある。
「フォルテ様____」
フォルテが首を横に振った事に兵士は不安な顔をする。
もう口は軟骨つくね串の口になっているのだ
「違う。店主はケルクだ」
「はい!ケルクさん、串を5本と酒をくれ!」
「俺もだ!」
「俺達にも同じだけ焼いてくれ!」
店主はケルク。フォルテの言葉に兵士達の注文がケルクに伝わる。
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普段よりも盛り上がる屋台通りに見回りの兵士が見に来て、その兵士が屋台で食事をする兵士の話を聞いて仕事が終わったらケルクの店に来る。
軟骨つくね串販売初日、ケルクの屋台は大繁盛。
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