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幼少期 旅立ち編(前)
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AM5:30
目を覚ます。
「ふぁぁああ…よく寝た。」
隣のベットを見るとアルクがまだ寝ていた。
(子供の寝顔って…可愛いな。)
そんなババくさいことを考えながらアルクを見つめるが、そろそろトレーニングの支度をしなくてはいけないので、ベットから立ち上がる。
寝起きの足取りで洗面台まで行き顔を洗い歯を磨く。
あの襲撃事件以降に少しだけ伸びた髪が肩のあたりで少し跳ねている。
(…寝癖じゃん。恥ずかしい。)
鏡に映る自分の寝癖が恥ずかしく1人赤面する。
顔を洗った後に髪を梳かすとそのまま洗面台で着替えをする。
宿のルームサービスの寝巻きから動きやすい格好に着替える。
最後にヘアゴムで髪を括ればトレーニングの格好の完成。鏡で自身の姿を確認する。
簡単に括られた銀色の髪、無地のTシャツに柔らかい生地のショートパンツ。いつもの見慣れた姿である。
(よし!これでOK!一応アルクにも声をかけてから行こ。)
アルクが寝ているベットの方へ戻るとアルクが既に起きていた。
「あれ?起きてたんだ。アルク、おはよう。」
「おはよう。俺も少しは身体を鍛えるぞ。」
「そっか。じゃあ、私は先に走ってるね!」
「おう。じゃあ次のトレーニングから参加しようかな。」
「わかった。じゃあ、あとでね。」
アルクを置いて部屋を出る。
私は6歳の誕生日を迎える少し前から毎日ランニングとストレッチ、筋トレに精神統一は欠かさず行なっている。最初は努力をしている感じであったが、今となれば完全に習慣になっており、朝から動かないと落ち着かないとすら考えられるようになった。
(ま、ちゃんと運動しないと太っちゃうしね…。)
将来太らない事を祈っていたのである。
宿の外に出る頃には時間は6時頃となっており、起床時に比べて太陽が少し高い位置にきていた。
(新しい街でのランニング!なんか、新鮮でワクワクするかも!)
いつもの通り精神統一で自身の身体に魔力を纏いながら走り出す。
街の道路は綺麗に舗装されており、道脇には綺麗に木が植えられている。人通りはそこまで多くないが、店の開店準備をしている人達はちらほらと居る。
この街には何日くらい滞在するかを後でアルクに相談しよう。
ランニングを終えて宿の部屋に戻るとアルクは支度を終えた状態でベッドに腰掛けて左手に付いているミズキの形見を見ていた。
「アルクっ!ただいま!」
「アーシャか。おかえり。…何キロ走ったんだ?」
「今日はねぇ…7キロくらいだね。」
数ヶ月前に購入してからランニングに使っている万歩計を確認しながら答える。
「へぇ…アーシャってほんと凄いよな…強くなるためには、それくらい努力しないとだよな…」
アルクが感心したように返事をする。
「そうかな?慣れれば習慣になるからそこまで苦でもないよ!やっぱり明日からアルクも走る?」
ニヤリ顔で言う。
「そうだな…少しづつランニングも始めようかな…体力付けたいし。」
「お!やろやろ!」
「で、これからストレッチでもやるのか?」
「うん。アルクもやる?」
「そうだな…ストレッチからなら俺にも出来るかなって思って準備してた。」
「そっか。ベットの上でやっちゃお。」
「おう。やり方、教えてくれ。」
「勿論。」
ベットに乗るとアルクも自分が座っていたベットに乗る。
そして長座体前屈の体勢をとるとアルクも見様見真似で同じ体勢を取ろうとする。
「いってぇ!」
「アハハっ!身体硬いと痛いよね。」
私は慣れているため難なく頭を自分の足につけるが、アルクはそこまで柔らかくないようで頑張ってはいるが膝が曲がっている。
「アルク、膝曲げちゃ駄目だよ。柔軟は大切だけど、毎日少しずつやるのが大事。続ければちゃんと柔軟つくよ。」
そう言いながらアルクの背後まで移動するとアルクの背中をゆっくり押す
「そ、そうか…にしても痛えぇ…」
アルクが痛がっているが、少しづつ押し続ける。
「うん。今日はこのくらいかな。じゃ、次やろっか。」
「あ、あぁ…」
アルクは既に疲れていたが、それを見なかった事にして、どんどんトレーニングを続ける。
アルク自身もストレッチはきつそうであったがその後の筋トレはそこまでキツくなかったようですんなり最後まで一緒にやっていた。
トレーニングの最期に精神統一をやる。
「俺、精神統一なんてやった事ないな。」
「そうだろうね…元々精神統一は心を鍛えるトレーニングだからね。」
「心を…?」
「そう。心を鍛えるの。集中力を高めて落ち着く。強さって言うのはさ、何も腕っぷしだけじゃないって思うんだよね。」
「…確かにな。どんな時も心を落ち着かせれる人は強い人だと思う。」
「そうでしょ?精神統一はその修行なの。まぁ…私はそれをしながら魔力量の増加もしちゃってるけど。」
「魔力の増加?」
「そう。こうやって魔力を自身に纏うの…」
アルクに説明しながら魔力を自身に纏う。
「このまま精神統一と同時に魔力を使い果たして、限界になるまでこのままやるの。魔力は身体から枯渇しそうになったタイミングで増加するからね。」
「へぇ…」
「魔力の増加は限界を超えないと出来ないんだよね。余力を持って練習、とかでは魔法が上手くなっても魔力は増えないし、減った魔力の回復力も上がらない。こうやって毎日地道にやっていくしかないってこと。」
アルクに説明しながらも既に自身の精神統一は始まっていた。
アルクもそれに気付き魔力を纏う事が出来なくても精神統一は一緒にやる事にしたようでベットの上で座禅を組んで集中しだした。
暫くして自身の魔力がギリギリになったところで精神統一を止める。
アルクはまだ精神統一を続けていた。
アルク、集中してるな…少し汗かいたしシャワーでも浴びてこよう。
アルクの邪魔にらならないように静かに動き出しシャワーを浴びた。
シャワーから出るとアルクは流石に精神統一を終わらせており、ベットの上で楽な体制をとっていた。
「アーシャ。ごめん。俺が待たせたんだよな?」
アルクが眉を下げて申し訳なさそうに言う。
「ううん。全然!私もシャワー浴びたかったし。ちょうど良かった!」
「そっか。精神統一っていいな。俺は魔力を纏う事はできないけど、毎日やろうかな。」
「うん。それがいいよ!精神統一に慣れてきたらアルクにも魔力の扱い方、教えるね。」
「いいのか?ありがとう。」
「いえいえ~。」
2人がそんな会話をしている時に
ギュルギュル
自身のお腹が鳴る。
「…アルク、私、お腹空いちゃった。」
恥ずかしい所を見せてしまったと誤魔化すように笑う。
「フハッ…そうだな。俺も腹減った。朝食の時間、まだあるし行こうぜ。」
「うん!」
2人は部屋を出て宿の食堂まで向かった。
食堂に着くと宿泊客が何人かおりそれぞれ食事をとっていた。
アルクと一緒に空いている席を取ると、宿の従業員に話しかけられる。
「おはようございます!ご注文が決まりましたらお呼びください!」
「はい、ありがとうございます。」
従業員の言葉にアルクが答える。
「アーシャ、何食べる?」
「う~ん…そうだな。」
アルクと2人で一緒にメニューを見る。
それなりの種類があるようだ。
「私、卵トーストと、サラダとスープにしよっかな。」
「う~ん…俺は目玉焼きプレートにするわ。」
「朝から結構ガッツリいくね?」
「そうか?朝って腹減るだろ?」
「減るけど…あんまり重たい物は食べないかな。」
だって精神年齢59歳だし…
「ふーん。そうか。」
「とりあえず、注文しちゃお。」
2人は従業員を呼んで注文をする。
「お待たせいたしました。」
注文した食事が到着する。
「「いただきます。」」
2人はきた食事を食べる。
「アルク、この街にはどのくらい滞在したいとか、ある?」
「いや、特に何も考えてない。」
「そっかぁ…私達は冒険者として生活している以上、ギルドのある街を移動し続けるのが前提だよね。それで、アーノルド国を目指すとなると東に向かう事になるから、次の目的地はクラレンス王国のギルド在中街の最東端である【イースト】になるんだよね。だけど、ここからイーストまでは結構な距離があるの。だから…」
机の空いたスペースに持っていたクラレンス王国の地図を広げる。
そしてアルクに上がるように今の現在地であるルクシアを指差す。
「今ここね。で、ここが今言った【イースト】。」
ルクシアとイーストまでを指でなぞる。
「おう。」
「うん。で、ここからイーストだと私達の足だとおそらく3ヶ月って所かな…。」
「3ヶ月っ⁉︎」
「そう。だから、選択肢としては2つあって…1つ目の選択肢は、ここ、迂回ルートにはなるけど、ここから足で2ヶ月くらいの距離にある南東のギルド在中街の【リクドウ】に一旦寄って、そこからまた2ヶ月かけてイーストまで向かう。」
「それか、この街から出ている列車に乗るか、になりそうだけど、列車の代金は結構高いから、この街で路銀を結構稼ぐ必要があるかな…。2ヶ月の旅の路銀より列車の方が高いだろうから…」
そう。この世界では前世の日本に比べて公共交通機関の料金が高いのである。
しかし、この世界の列車のいうのは普通の車両が日本でいう新幹線であり、高級車両となると最早リニアに相当する代物である。それは高いに決まっている。
この世界では隣町くらいの移動は基本的に馬車等で移動するから列車の利用頻度も日本程高くない。魔法という概念があるのもそのあたりの技術発展に遅れを出している要因であろう。
列車は高級品のため、ギルドの冒険者だと、Bランク以上の上級冒険者でもない限り気軽に列車に乗ろうとは思えないだろう。
今の私達はまだDランク。少し離れた街に行くにもそれなりのお金がかかる列車に乗るには、普段の生活費とは別でこの列車代金を稼ぐ必要があるのだ。
現に昨日の魔物の部位の代金も数日間の宿代と食事代で飛ぶ。それにプラスして列車となるとそれなりの依頼をこなさなければならない。
「そうかぁ…列車か…便利そうだけど、確かに高いイメージはあるな」
「うん。一応迂回ルート先のリクドウにも列車はあるだろうから、同じイースト行きでもリクドウからの列車の方が格段に安いとは思うけどね。」
うーん。と2人は唸りながら考える。
「とりあえず、この後駅に行って列車料金とか見てみる?考えるのはその後でも良いわけだし。」
「そうだな。行くか!」
私の駅に行くという提案にアルクが賛成し、2人は食べ終わっていた朝食の食器を返却口に戻し、宿を出るのであった。
目を覚ます。
「ふぁぁああ…よく寝た。」
隣のベットを見るとアルクがまだ寝ていた。
(子供の寝顔って…可愛いな。)
そんなババくさいことを考えながらアルクを見つめるが、そろそろトレーニングの支度をしなくてはいけないので、ベットから立ち上がる。
寝起きの足取りで洗面台まで行き顔を洗い歯を磨く。
あの襲撃事件以降に少しだけ伸びた髪が肩のあたりで少し跳ねている。
(…寝癖じゃん。恥ずかしい。)
鏡に映る自分の寝癖が恥ずかしく1人赤面する。
顔を洗った後に髪を梳かすとそのまま洗面台で着替えをする。
宿のルームサービスの寝巻きから動きやすい格好に着替える。
最後にヘアゴムで髪を括ればトレーニングの格好の完成。鏡で自身の姿を確認する。
簡単に括られた銀色の髪、無地のTシャツに柔らかい生地のショートパンツ。いつもの見慣れた姿である。
(よし!これでOK!一応アルクにも声をかけてから行こ。)
アルクが寝ているベットの方へ戻るとアルクが既に起きていた。
「あれ?起きてたんだ。アルク、おはよう。」
「おはよう。俺も少しは身体を鍛えるぞ。」
「そっか。じゃあ、私は先に走ってるね!」
「おう。じゃあ次のトレーニングから参加しようかな。」
「わかった。じゃあ、あとでね。」
アルクを置いて部屋を出る。
私は6歳の誕生日を迎える少し前から毎日ランニングとストレッチ、筋トレに精神統一は欠かさず行なっている。最初は努力をしている感じであったが、今となれば完全に習慣になっており、朝から動かないと落ち着かないとすら考えられるようになった。
(ま、ちゃんと運動しないと太っちゃうしね…。)
将来太らない事を祈っていたのである。
宿の外に出る頃には時間は6時頃となっており、起床時に比べて太陽が少し高い位置にきていた。
(新しい街でのランニング!なんか、新鮮でワクワクするかも!)
いつもの通り精神統一で自身の身体に魔力を纏いながら走り出す。
街の道路は綺麗に舗装されており、道脇には綺麗に木が植えられている。人通りはそこまで多くないが、店の開店準備をしている人達はちらほらと居る。
この街には何日くらい滞在するかを後でアルクに相談しよう。
ランニングを終えて宿の部屋に戻るとアルクは支度を終えた状態でベッドに腰掛けて左手に付いているミズキの形見を見ていた。
「アルクっ!ただいま!」
「アーシャか。おかえり。…何キロ走ったんだ?」
「今日はねぇ…7キロくらいだね。」
数ヶ月前に購入してからランニングに使っている万歩計を確認しながら答える。
「へぇ…アーシャってほんと凄いよな…強くなるためには、それくらい努力しないとだよな…」
アルクが感心したように返事をする。
「そうかな?慣れれば習慣になるからそこまで苦でもないよ!やっぱり明日からアルクも走る?」
ニヤリ顔で言う。
「そうだな…少しづつランニングも始めようかな…体力付けたいし。」
「お!やろやろ!」
「で、これからストレッチでもやるのか?」
「うん。アルクもやる?」
「そうだな…ストレッチからなら俺にも出来るかなって思って準備してた。」
「そっか。ベットの上でやっちゃお。」
「おう。やり方、教えてくれ。」
「勿論。」
ベットに乗るとアルクも自分が座っていたベットに乗る。
そして長座体前屈の体勢をとるとアルクも見様見真似で同じ体勢を取ろうとする。
「いってぇ!」
「アハハっ!身体硬いと痛いよね。」
私は慣れているため難なく頭を自分の足につけるが、アルクはそこまで柔らかくないようで頑張ってはいるが膝が曲がっている。
「アルク、膝曲げちゃ駄目だよ。柔軟は大切だけど、毎日少しずつやるのが大事。続ければちゃんと柔軟つくよ。」
そう言いながらアルクの背後まで移動するとアルクの背中をゆっくり押す
「そ、そうか…にしても痛えぇ…」
アルクが痛がっているが、少しづつ押し続ける。
「うん。今日はこのくらいかな。じゃ、次やろっか。」
「あ、あぁ…」
アルクは既に疲れていたが、それを見なかった事にして、どんどんトレーニングを続ける。
アルク自身もストレッチはきつそうであったがその後の筋トレはそこまでキツくなかったようですんなり最後まで一緒にやっていた。
トレーニングの最期に精神統一をやる。
「俺、精神統一なんてやった事ないな。」
「そうだろうね…元々精神統一は心を鍛えるトレーニングだからね。」
「心を…?」
「そう。心を鍛えるの。集中力を高めて落ち着く。強さって言うのはさ、何も腕っぷしだけじゃないって思うんだよね。」
「…確かにな。どんな時も心を落ち着かせれる人は強い人だと思う。」
「そうでしょ?精神統一はその修行なの。まぁ…私はそれをしながら魔力量の増加もしちゃってるけど。」
「魔力の増加?」
「そう。こうやって魔力を自身に纏うの…」
アルクに説明しながら魔力を自身に纏う。
「このまま精神統一と同時に魔力を使い果たして、限界になるまでこのままやるの。魔力は身体から枯渇しそうになったタイミングで増加するからね。」
「へぇ…」
「魔力の増加は限界を超えないと出来ないんだよね。余力を持って練習、とかでは魔法が上手くなっても魔力は増えないし、減った魔力の回復力も上がらない。こうやって毎日地道にやっていくしかないってこと。」
アルクに説明しながらも既に自身の精神統一は始まっていた。
アルクもそれに気付き魔力を纏う事が出来なくても精神統一は一緒にやる事にしたようでベットの上で座禅を組んで集中しだした。
暫くして自身の魔力がギリギリになったところで精神統一を止める。
アルクはまだ精神統一を続けていた。
アルク、集中してるな…少し汗かいたしシャワーでも浴びてこよう。
アルクの邪魔にらならないように静かに動き出しシャワーを浴びた。
シャワーから出るとアルクは流石に精神統一を終わらせており、ベットの上で楽な体制をとっていた。
「アーシャ。ごめん。俺が待たせたんだよな?」
アルクが眉を下げて申し訳なさそうに言う。
「ううん。全然!私もシャワー浴びたかったし。ちょうど良かった!」
「そっか。精神統一っていいな。俺は魔力を纏う事はできないけど、毎日やろうかな。」
「うん。それがいいよ!精神統一に慣れてきたらアルクにも魔力の扱い方、教えるね。」
「いいのか?ありがとう。」
「いえいえ~。」
2人がそんな会話をしている時に
ギュルギュル
自身のお腹が鳴る。
「…アルク、私、お腹空いちゃった。」
恥ずかしい所を見せてしまったと誤魔化すように笑う。
「フハッ…そうだな。俺も腹減った。朝食の時間、まだあるし行こうぜ。」
「うん!」
2人は部屋を出て宿の食堂まで向かった。
食堂に着くと宿泊客が何人かおりそれぞれ食事をとっていた。
アルクと一緒に空いている席を取ると、宿の従業員に話しかけられる。
「おはようございます!ご注文が決まりましたらお呼びください!」
「はい、ありがとうございます。」
従業員の言葉にアルクが答える。
「アーシャ、何食べる?」
「う~ん…そうだな。」
アルクと2人で一緒にメニューを見る。
それなりの種類があるようだ。
「私、卵トーストと、サラダとスープにしよっかな。」
「う~ん…俺は目玉焼きプレートにするわ。」
「朝から結構ガッツリいくね?」
「そうか?朝って腹減るだろ?」
「減るけど…あんまり重たい物は食べないかな。」
だって精神年齢59歳だし…
「ふーん。そうか。」
「とりあえず、注文しちゃお。」
2人は従業員を呼んで注文をする。
「お待たせいたしました。」
注文した食事が到着する。
「「いただきます。」」
2人はきた食事を食べる。
「アルク、この街にはどのくらい滞在したいとか、ある?」
「いや、特に何も考えてない。」
「そっかぁ…私達は冒険者として生活している以上、ギルドのある街を移動し続けるのが前提だよね。それで、アーノルド国を目指すとなると東に向かう事になるから、次の目的地はクラレンス王国のギルド在中街の最東端である【イースト】になるんだよね。だけど、ここからイーストまでは結構な距離があるの。だから…」
机の空いたスペースに持っていたクラレンス王国の地図を広げる。
そしてアルクに上がるように今の現在地であるルクシアを指差す。
「今ここね。で、ここが今言った【イースト】。」
ルクシアとイーストまでを指でなぞる。
「おう。」
「うん。で、ここからイーストだと私達の足だとおそらく3ヶ月って所かな…。」
「3ヶ月っ⁉︎」
「そう。だから、選択肢としては2つあって…1つ目の選択肢は、ここ、迂回ルートにはなるけど、ここから足で2ヶ月くらいの距離にある南東のギルド在中街の【リクドウ】に一旦寄って、そこからまた2ヶ月かけてイーストまで向かう。」
「それか、この街から出ている列車に乗るか、になりそうだけど、列車の代金は結構高いから、この街で路銀を結構稼ぐ必要があるかな…。2ヶ月の旅の路銀より列車の方が高いだろうから…」
そう。この世界では前世の日本に比べて公共交通機関の料金が高いのである。
しかし、この世界の列車のいうのは普通の車両が日本でいう新幹線であり、高級車両となると最早リニアに相当する代物である。それは高いに決まっている。
この世界では隣町くらいの移動は基本的に馬車等で移動するから列車の利用頻度も日本程高くない。魔法という概念があるのもそのあたりの技術発展に遅れを出している要因であろう。
列車は高級品のため、ギルドの冒険者だと、Bランク以上の上級冒険者でもない限り気軽に列車に乗ろうとは思えないだろう。
今の私達はまだDランク。少し離れた街に行くにもそれなりのお金がかかる列車に乗るには、普段の生活費とは別でこの列車代金を稼ぐ必要があるのだ。
現に昨日の魔物の部位の代金も数日間の宿代と食事代で飛ぶ。それにプラスして列車となるとそれなりの依頼をこなさなければならない。
「そうかぁ…列車か…便利そうだけど、確かに高いイメージはあるな」
「うん。一応迂回ルート先のリクドウにも列車はあるだろうから、同じイースト行きでもリクドウからの列車の方が格段に安いとは思うけどね。」
うーん。と2人は唸りながら考える。
「とりあえず、この後駅に行って列車料金とか見てみる?考えるのはその後でも良いわけだし。」
「そうだな。行くか!」
私の駅に行くという提案にアルクが賛成し、2人は食べ終わっていた朝食の食器を返却口に戻し、宿を出るのであった。
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