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夏休み編
殺人鬼が守りたかったのは唯一の最愛-13
「ん!!・・・ちゃんっ!!」
体が熱い。まぶたが重い。
ああ、このハアハアと荒い息遣いは自分の呼吸か。
でも目を開けなければ、誰かが呼んでいる。
「・・・ちゃん・・・・華ちゃん!!・・・・」
重々しいまぶたを上げた先に、ボヤっとした影が映る。次第に視界がクリアになっていくのを待ったが、いつまで経っても歪んだままだ。
目をこすらなきゃダメか。よしと、腕を上げようとしたが持ち上がらない。
「ぃ、ぃ・・・」
ボヤっとした影は稲荷。それは何となく認識できた。声をかけたかった、だが駄目だ。声も出ない。
「恭華ちゃんっ!?・・・・センセー、センセーっ!!!」
稲荷がバタバタと駆けていく音がする。
でも良かった、稲荷、元気になったんだ。そう思うと涙が出る。ホッという心から息を吐くと共に恭華の目尻から溜った涙が零れ落ちた。
「恭華さん、ツライんですか?」
不意に低い声が耳元に響き、ビクッと恭華の身体が跳ねた。
流れ出た暖かい涙を冷たい手が拭っていく。
一体いつやってきたのだろう。最初からいたのだろうか。何にしてもキツネがそばにいるそれだけで恭華の心は満たされた。
頬に当てられたキツネの手の冷たさにどこか温かさを感じながら安堵に包まれた恭華が目を閉じる。
しばらくすると一定のリズムを刻む寝息へと変わっていった。
「恭華、起きたって?」
九尾が寝室に足を踏み入れた後で、扉をノックした。
「センセー、入ってからノックしても意味ないッスよ・・・」
毎回思う。
九尾は必ず入った後にノックをするのだ。その行為に何の意味があるのか、どうしても気になってつっこんでしまう。
そしてちょうど今のように九尾に睨まれるのだ。
「二人とも静かにしてください。恭華さん眠っているんですから」
バタバタと部屋に騒々しさを運ぶ二人を迷惑そうに見つめる。
その瞬間、九尾の鋭い視線が稲荷に向けられる。お前のせいでキツネに苦言を吐かれたではないかという非難の目ではない。
恭華、起きてないじゃないか、謀ったな、という攻撃的な目だ。
「え?あれ?いや、さっきはホントに・・・」
混乱しながら身振り手振りで嘘ではないと表現する。
「それよりも何で稲荷の方が元気に走り回っているんでしょうねぇ?その血、恭華さんに返してくださいよ」
恭華の血を輸血した後、稲荷の意識は戻り、意識の戻った稲荷の回復は目覚ましかった。数分後には歩き回り、家事を始めた。
揚羽を筆頭に止めたが、何かしていないと落ち着かないのだと言い、動き回っていた。
危篤?誰の話?何かの冗談でしょ?と本人が思ってしまうくらい元気も元気だった。
それからすぐにキミちゃんが訪れてきた。キミちゃんが稲荷に謝罪をしに来たのだ。いやそもそも稲荷はキミちゃんに対して怒ってなどいなかった。
稲荷に謝りに来たキミちゃんの手には、いつものように花が握られていた。
いつもと異なっていたのはその両手に花束が握られていたことだ。一つは言わずとも恭華への花だ。
そしてもう一つは稲荷へと差し出したのだ。申し訳なさそうに上目遣いで稲荷を見つめながら、恐る恐る。
フワリと微笑んだ稲荷が嬉しそうに『ありがとう』と受け取ると、キミちゃんもグワッと笑い、稲荷を抱きしめた。
意表を突かれた稲荷だったが、キミちゃんの気の済むまで大人しくその暑苦しい胸元に抱えられ付き合った。
「きょ、恭華ちゃん・・・そんなに悪いんッスか?俺の血、全部あげるッス!!」
泣きそうになりながら稲荷が駆け寄り、腕を差し出す。
「泣くな。熱さえ下がれば落ち着く。やめておけ、お前の血なんか入れたらバカになる」
やっぱりまだ熱が高いなと、恭華の手首を取った九尾が口にした。
「ヒドイッス!!俺バカじゃ・・・」
「いいえ、稲荷やめてください。稲荷の血なんかが恭華さんに入ったら・・・バカになります」
「キツネさんまでっ!?バカじゃないッス~!!・・・それに、それに恭華ちゃんのためにぃ~!!・・・うわぁん」
泣きそうだった稲荷の顔はブワッと涙を溢れさせ恭華の掛け布団に顔をグリグリと押し付ける。
「稲荷・・・恭華さんの布団が湿ってしまいます」
どんどん涙を吸い込み濡れていく布団を見て困ったキツネが九尾に目配せする。
「いいから、出るぞ」
九尾が稲荷の頭上に溜息をこぼす。
ベッドにかじりついて離れない稲荷を引きはがし、ズリズリと引きずっていく。
扉を閉じた廊下から、稲荷のキャーという悲鳴が響いている。
稲荷の声には悲壮感がたっぷり伝わってくるが、九尾が今回の件に責任を感じ、稲荷への態度が改まったことをキツネは知っている。
今日の昼、放っておくと一日中動き回る稲荷を安静にさせるため、稲荷を抱え込むように抱きしめ、ソファに腰を落ち着かせていた。
意図の分からない稲荷は訳が分からないままひたすら九尾の腕に包まれてガタガタと震え、九尾の一挙一動に怯えていた。キミちゃんに包まれていた時よりも遙かに震え、遙かに緊張で顔を強張らせていた。
だが傍から見ていたキツネや揚羽はそれが稲荷のためであることは明白だった。
顔色が悪いと冷えピタを額に貼られ、経口だけでは足りないと点滴を打たれ、震えている稲荷を見て、震えているのは九尾が近くにいるせいだとは言えない稲荷に寒いのかと毛布を被せ、欲していない水分を随分頻繁に取らされる。
この光景はいつも九尾が呆れて見ていたキツネが恭華に対する過保護な振る舞いと全く同じだ。
本人は良かれと思ってやっていることだが、稲荷にとっては脅威でしかない。なるほど、有難迷惑に他ならないのかと、キツネも我が身を振り返るいい機会となった。
やがて熱が下がった恭華の回復と共に、波乱の避暑は終わりを迎えた。
「ええ!?嘘だろ?納得できないっ!!俺、殆ど寝て過ごしたぞ?」
帰ると知った時、恭華は悲嘆に暮れた。
その事実はキツネに抱え上げられ、今日、まさに今帰ると告げられた。
「フフッ、恭華さんってばお寝坊さん❤」
衝撃を隠せず、珍しく大きな声を出す恭華の額にチュッと口づけする。
その瞬間、恭華が拳をキツネの腹に全力で埋めた。
ガンっと肉を打ったとは思えない無機質な音を立てる。
「痛っ!!クッソ、硬いんだよ!!誰のせいで寝てたと思ってんだよ!!」
打った拳が相当痛かったらしく、顔を歪めて手をブラブラと振る。
そんな恭華の赤くなった拳を撫でまわしながら、キツネがニヤニヤと笑う。
「ポチ達ですね。いけませんねぇ、恭華さんご立腹のようですし、やはり殺しましょうか?」
「違うだろ!お前のせいだって言ってんだよ!!お前に対してご立腹なんだ!殺すならお前だ、お前!!」
「フフッ、殺ってみます?」
不気味に笑うキツネは殺気に満ち、一瞬にして周囲の空気を凍らせていく。
二人のやりとりを静観していた九尾や揚羽、稲荷もただならぬキツネの雰囲気にどぎまぎしながらも、何も言い出せずに、やはり静観するしかない。
「殺ったら・・・お前と同じになっちゃうだろ」
「しまえよその殺気」と震える手でベシッとキツネの頬を押す。
「フフッ、そんなに怯えられるともっといじめてしまいたくなります❤」
震える手を取ると、ビクッと体を揺らした恭華をクスクスと笑いながら見つめる。
和らいだ空気に周囲がホッとする。
「怯えてねーよ。ホント、いい性格・・・」
諦めに満ちた表情で目をそらすと深い溜息を吐いた。
「恭華さん、来年は海に行きましょう」
キツネの言葉に「え?」と恭華の目が輝く。やはり夏休みと言えば海。
「海っ!!いいな!山の幸もいいけどやっぱり夏は海の幸だよな!来年か・・・楽しみだな」
サザエ、ホタテ、カニ、エビ、サカナ♪とすかさず海鮮の歌が始まった。
帰りの車の中、終始恭華の機嫌が良かった。それだけでキツネの雰囲気が尋常ではない程に柔らかい。
ずっと膝に恭華を乗せ、一緒に海鮮の歌を歌い、うつらうつらする恭華に悪戯したり、お昼ご飯を一緒に作ったり、マンションに着くまでキツネが片時も離れることがなかったが、それを恭華が疎ましいと感じ、邪険にすることもなかった。
周囲から見たらイチャイチャしているカップル・・・いやもはやラブラブ夫婦のようだ。
キツネが来年の約束をした。それだけで天地がひっくり返ったような驚くべき出来事だ。
来年もその先も恭華と居たい、そう願ってのことなのだろう。
その意味を恭華は分かってか分からずか、喜んでいる。このまま来年、再来年、さらにその先もこんな夏休みが続けばいい、約束が増えていけばいい、そう願う稲荷だった。
体が熱い。まぶたが重い。
ああ、このハアハアと荒い息遣いは自分の呼吸か。
でも目を開けなければ、誰かが呼んでいる。
「・・・ちゃん・・・・華ちゃん!!・・・・」
重々しいまぶたを上げた先に、ボヤっとした影が映る。次第に視界がクリアになっていくのを待ったが、いつまで経っても歪んだままだ。
目をこすらなきゃダメか。よしと、腕を上げようとしたが持ち上がらない。
「ぃ、ぃ・・・」
ボヤっとした影は稲荷。それは何となく認識できた。声をかけたかった、だが駄目だ。声も出ない。
「恭華ちゃんっ!?・・・・センセー、センセーっ!!!」
稲荷がバタバタと駆けていく音がする。
でも良かった、稲荷、元気になったんだ。そう思うと涙が出る。ホッという心から息を吐くと共に恭華の目尻から溜った涙が零れ落ちた。
「恭華さん、ツライんですか?」
不意に低い声が耳元に響き、ビクッと恭華の身体が跳ねた。
流れ出た暖かい涙を冷たい手が拭っていく。
一体いつやってきたのだろう。最初からいたのだろうか。何にしてもキツネがそばにいるそれだけで恭華の心は満たされた。
頬に当てられたキツネの手の冷たさにどこか温かさを感じながら安堵に包まれた恭華が目を閉じる。
しばらくすると一定のリズムを刻む寝息へと変わっていった。
「恭華、起きたって?」
九尾が寝室に足を踏み入れた後で、扉をノックした。
「センセー、入ってからノックしても意味ないッスよ・・・」
毎回思う。
九尾は必ず入った後にノックをするのだ。その行為に何の意味があるのか、どうしても気になってつっこんでしまう。
そしてちょうど今のように九尾に睨まれるのだ。
「二人とも静かにしてください。恭華さん眠っているんですから」
バタバタと部屋に騒々しさを運ぶ二人を迷惑そうに見つめる。
その瞬間、九尾の鋭い視線が稲荷に向けられる。お前のせいでキツネに苦言を吐かれたではないかという非難の目ではない。
恭華、起きてないじゃないか、謀ったな、という攻撃的な目だ。
「え?あれ?いや、さっきはホントに・・・」
混乱しながら身振り手振りで嘘ではないと表現する。
「それよりも何で稲荷の方が元気に走り回っているんでしょうねぇ?その血、恭華さんに返してくださいよ」
恭華の血を輸血した後、稲荷の意識は戻り、意識の戻った稲荷の回復は目覚ましかった。数分後には歩き回り、家事を始めた。
揚羽を筆頭に止めたが、何かしていないと落ち着かないのだと言い、動き回っていた。
危篤?誰の話?何かの冗談でしょ?と本人が思ってしまうくらい元気も元気だった。
それからすぐにキミちゃんが訪れてきた。キミちゃんが稲荷に謝罪をしに来たのだ。いやそもそも稲荷はキミちゃんに対して怒ってなどいなかった。
稲荷に謝りに来たキミちゃんの手には、いつものように花が握られていた。
いつもと異なっていたのはその両手に花束が握られていたことだ。一つは言わずとも恭華への花だ。
そしてもう一つは稲荷へと差し出したのだ。申し訳なさそうに上目遣いで稲荷を見つめながら、恐る恐る。
フワリと微笑んだ稲荷が嬉しそうに『ありがとう』と受け取ると、キミちゃんもグワッと笑い、稲荷を抱きしめた。
意表を突かれた稲荷だったが、キミちゃんの気の済むまで大人しくその暑苦しい胸元に抱えられ付き合った。
「きょ、恭華ちゃん・・・そんなに悪いんッスか?俺の血、全部あげるッス!!」
泣きそうになりながら稲荷が駆け寄り、腕を差し出す。
「泣くな。熱さえ下がれば落ち着く。やめておけ、お前の血なんか入れたらバカになる」
やっぱりまだ熱が高いなと、恭華の手首を取った九尾が口にした。
「ヒドイッス!!俺バカじゃ・・・」
「いいえ、稲荷やめてください。稲荷の血なんかが恭華さんに入ったら・・・バカになります」
「キツネさんまでっ!?バカじゃないッス~!!・・・それに、それに恭華ちゃんのためにぃ~!!・・・うわぁん」
泣きそうだった稲荷の顔はブワッと涙を溢れさせ恭華の掛け布団に顔をグリグリと押し付ける。
「稲荷・・・恭華さんの布団が湿ってしまいます」
どんどん涙を吸い込み濡れていく布団を見て困ったキツネが九尾に目配せする。
「いいから、出るぞ」
九尾が稲荷の頭上に溜息をこぼす。
ベッドにかじりついて離れない稲荷を引きはがし、ズリズリと引きずっていく。
扉を閉じた廊下から、稲荷のキャーという悲鳴が響いている。
稲荷の声には悲壮感がたっぷり伝わってくるが、九尾が今回の件に責任を感じ、稲荷への態度が改まったことをキツネは知っている。
今日の昼、放っておくと一日中動き回る稲荷を安静にさせるため、稲荷を抱え込むように抱きしめ、ソファに腰を落ち着かせていた。
意図の分からない稲荷は訳が分からないままひたすら九尾の腕に包まれてガタガタと震え、九尾の一挙一動に怯えていた。キミちゃんに包まれていた時よりも遙かに震え、遙かに緊張で顔を強張らせていた。
だが傍から見ていたキツネや揚羽はそれが稲荷のためであることは明白だった。
顔色が悪いと冷えピタを額に貼られ、経口だけでは足りないと点滴を打たれ、震えている稲荷を見て、震えているのは九尾が近くにいるせいだとは言えない稲荷に寒いのかと毛布を被せ、欲していない水分を随分頻繁に取らされる。
この光景はいつも九尾が呆れて見ていたキツネが恭華に対する過保護な振る舞いと全く同じだ。
本人は良かれと思ってやっていることだが、稲荷にとっては脅威でしかない。なるほど、有難迷惑に他ならないのかと、キツネも我が身を振り返るいい機会となった。
やがて熱が下がった恭華の回復と共に、波乱の避暑は終わりを迎えた。
「ええ!?嘘だろ?納得できないっ!!俺、殆ど寝て過ごしたぞ?」
帰ると知った時、恭華は悲嘆に暮れた。
その事実はキツネに抱え上げられ、今日、まさに今帰ると告げられた。
「フフッ、恭華さんってばお寝坊さん❤」
衝撃を隠せず、珍しく大きな声を出す恭華の額にチュッと口づけする。
その瞬間、恭華が拳をキツネの腹に全力で埋めた。
ガンっと肉を打ったとは思えない無機質な音を立てる。
「痛っ!!クッソ、硬いんだよ!!誰のせいで寝てたと思ってんだよ!!」
打った拳が相当痛かったらしく、顔を歪めて手をブラブラと振る。
そんな恭華の赤くなった拳を撫でまわしながら、キツネがニヤニヤと笑う。
「ポチ達ですね。いけませんねぇ、恭華さんご立腹のようですし、やはり殺しましょうか?」
「違うだろ!お前のせいだって言ってんだよ!!お前に対してご立腹なんだ!殺すならお前だ、お前!!」
「フフッ、殺ってみます?」
不気味に笑うキツネは殺気に満ち、一瞬にして周囲の空気を凍らせていく。
二人のやりとりを静観していた九尾や揚羽、稲荷もただならぬキツネの雰囲気にどぎまぎしながらも、何も言い出せずに、やはり静観するしかない。
「殺ったら・・・お前と同じになっちゃうだろ」
「しまえよその殺気」と震える手でベシッとキツネの頬を押す。
「フフッ、そんなに怯えられるともっといじめてしまいたくなります❤」
震える手を取ると、ビクッと体を揺らした恭華をクスクスと笑いながら見つめる。
和らいだ空気に周囲がホッとする。
「怯えてねーよ。ホント、いい性格・・・」
諦めに満ちた表情で目をそらすと深い溜息を吐いた。
「恭華さん、来年は海に行きましょう」
キツネの言葉に「え?」と恭華の目が輝く。やはり夏休みと言えば海。
「海っ!!いいな!山の幸もいいけどやっぱり夏は海の幸だよな!来年か・・・楽しみだな」
サザエ、ホタテ、カニ、エビ、サカナ♪とすかさず海鮮の歌が始まった。
帰りの車の中、終始恭華の機嫌が良かった。それだけでキツネの雰囲気が尋常ではない程に柔らかい。
ずっと膝に恭華を乗せ、一緒に海鮮の歌を歌い、うつらうつらする恭華に悪戯したり、お昼ご飯を一緒に作ったり、マンションに着くまでキツネが片時も離れることがなかったが、それを恭華が疎ましいと感じ、邪険にすることもなかった。
周囲から見たらイチャイチャしているカップル・・・いやもはやラブラブ夫婦のようだ。
キツネが来年の約束をした。それだけで天地がひっくり返ったような驚くべき出来事だ。
来年もその先も恭華と居たい、そう願ってのことなのだろう。
その意味を恭華は分かってか分からずか、喜んでいる。このまま来年、再来年、さらにその先もこんな夏休みが続けばいい、約束が増えていけばいい、そう願う稲荷だった。
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