身近な不しぎ体験談

クラフト

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夢の中

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この話は私の実体験です。
この夢を最初に見たのは高校2年生の時だったと記憶しています。
テスト明けで学校が早く終わり家に帰ってきた私はジャージに着替えベッドに横になって小説を読んでいたらいつの間にか寝てしまってました。
夢の中に入った私は見たことがないけど懐かしく感じる螺旋階段がある学校で生活していました。周りには友達も家族もおらず、ただただ人の形をした影だけの人達と授業を受け廊下を歩いたり螺旋階段を登ったりしていたらいつの間にか夜が来て小さい部屋にベッドがあり1人で寝るという奇妙な生活が1日終わって気がついたらまた学校で生活をしていました。すると遠くから私を呼ぶ声がしてそこではじめて「あっ、これ夢か」と気付いたときに目が覚め起きあがると階段を上がる音が聞こえドアから母がひょこっと顔を出し「寝てたの?何回も呼んだのに返事がないからいるかわからなかった」と言われ(あぁ~あれは母の声だったんだ)とわかりました。
お母さんに「変な夢見た~」と言うと母が「変な時間帯に寝ると変な夢見たりするもんよ~」と言われたしかにそうだなと思い気にすること止めました。

そんな夢を見たこともすっかり忘れ、私は19歳になり製造会社で働いていました。
3交代勤務だったので夜働いて朝帰ってきては寝て昼に仕事に行き夜中帰ってくるという生活をしてました。その日は夜勤明けで朝帰ってきてシャワーを浴びて朝ごはんを食べて母に寝るよと言い2階に上がってベッドに横になりました。
夜勤3日明けというのもありすぐに寝入ってしまい、気がつくとまたあの夢の中にいました。
でも夢の中に入ると夢だとは思わず、その生活が現実なのだと思いまた螺旋階段がある学校に行き廊下を歩いてました…前に見た夢と違うところは顔はモヤがかかったようにはっきりと見えない制服姿の女の子が話しかけてきたことです。私はずっとその子と学校で過ごしているとまた私を呼ぶ声がし目を覚ますと姉が部屋に入ってきて「ご飯だけど?まだ寝る?」と話しかけられ、そこでようやく現実にもどってきたという感じがしました。姉に「変な夢見たからもう寝ない」というと「あぁ~私もよく見るなぁ」と話しながら階段を下りお父さんとお母さんに「夜だけどおはよう(笑)」っと言われながら夜ご飯を食べてたときに夢でのことに気付きました。
あの夢…同じ夢を前に高校生のときに見たな…夢なんてすぐに忘れるのになんで覚えてるのか自分でもわからず気にするとまた夢の中に入りそうで怖くなり徐々に忘れていくようにしました。

20歳になってからはまったく見なくなり完全に忘れてしまっていました。29歳で結婚して慣れない生活の中で疲れていたときに午後2時くらいにベッドで横になってるとあの前に見た夢の中にいました。
いつもの夢と違い私の近くにいた人の顔がはっきり見えるようになりました。
久しぶりに見た夢はとても長く授業を受け、1つの仲の良いグループと共に行動し夜になると寝て目が覚めると螺旋階段を上がる毎日を3日間過ごしたときにふと頭に家族が浮かび4人グループに話しかけました。
「ねぇ、もうそろそろ家族の元に帰らなくていいのかな?」するとグループの1人が…
「家族?なにそれ?急にどうしたの?変だよ?」っと他の子たちとクスクス笑い始め…その姿が妙に気味が悪く感じたときに自分はここにいてはいけない…早く目を覚まさないと抜け出せなくなる…そんな気がしました。
3日目の生活の中で夜が来る前に現実のことを思い出そうと必死に思い出そうとしたときに夫の顔と名前が頭に浮かんできたときに夢の中の私は涙を流し…なんで大好きな人を忘れてしまってたんだろうと胸を締め付けられ帰りたい!と思ったときにやっと目を覚ましました。
体を起こし周りを見渡すと夕方になっていて学校が終わり家と帰る子供達の声が外から聞こえてきてました…額からはイヤな感じの汗がながれそれを拭うと玄関からガチャっと音がし夫が帰ってきて私を見て「どうしたの?汗がすごいよ?」と声をかけられて安心した私は泣きながら夢の中の話をしました。
夫に夢の話をしているときに夢の中にいたグループの1人の顔が中学生のときに反りが合わなくて友達を止めた人達の1人でした。
今、思うと夢での生活は何を勉強してるかもわからず家族もおらず学校の中でずっと生活を繰り返す日々で食べることもお風呂に入ることもせず朝が来ない世界でした。
もう二度と見たくないそう思ってからも隙をつかれては同じ夢を半年に一度の感覚で見るようになりました。

夢の中に入ると私はコントロールできるくらいまでになり隙を見ては自分ですぐ目を覚ます日々を送りました。

最後に見た夢は35歳の妊娠中期のときにいつもみたいにグループで生活をしており渡り廊下を歩いていてどう抜け出そうか考えていたときに1人の女の子が後ろから声をかけてきて「ねぇ、戻らなくていいの?」と言われそこではっきりと思い出しました。
最初のときに私と一緒に行動してた子だと…その子はいつも目が覚めるときに「またね」って言って私を引き止めることもしなかった優しい子をなぜ忘れてしまったんだろう…私は一緒にいられないことや今まで忘れてしまったことの想いを込めて「ごめんね…ごめんね…」と言いました。
すると後ろの方から中学生のときに苦手だった子が「早くおいでよ~なにしてるの?」と呼ばれ私はとっさに「ごめん!先に行ってて」と嘘をつきました。
するとちょっと後ろの方にいた子がすぐ後ろにいてはじめて腕を掴まれ…
「ほんとうに?絶対帰ってくるんだよね?」と腕の痛みがわかるほど掴まれ私は何も気付いてないフリをしながら「うん!本当だよ!絶対に帰るよ(現実の世界に)」と言うと「わかった!待ってるね」と言い私の掴んでた腕を離し手を振りながら去っていきました。
私の後ろにいた優しい子を見たら戻れない…そう感じた私は後ろを振り返らずにそのまま目を閉じ目を覚ましました。

長くなりましたが夢の中の話はこれで終わりです。
夢の中から抜け出せない恐怖と不思議な体験でしたがまたいつあの夢の中に入るかは私にもわかりません。
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