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八話 『語り合いと告白』
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屋上につくと、本当に開いていた。俺は、屋上の扉をゆっくりと開けた。
するとそこには、上原悠馬がいた。
俺に気づいたのか、上原悠馬は笑顔で手を振ってきた。
「屋上の鍵とかって……どうやって手に入れたんだ?」
俺は、屋上の扉を閉めながら、上原悠馬にそう聞いた。
「あぁ、それはね……コネだよー」
「コネ?」
上原悠馬の言葉に少し驚いた。だって……コネって……
俺が、驚いた顔をしていたからか、上原悠馬は笑いながら続けた。
「教師に脅す……とでも言ったらいいのかな? まぁ、そんな感じだよ?」
上原悠馬は笑いながらそう言った。さらっととんでもないこと言ってるよ!この人……!
「……それにさ。屋上なら誰でも、いつでも入れるわけじゃないでしょ?ここなら……稔のことも独占できるし、〝貴方に花束を〟のことを思う存分に語れるし……ね?」
上原悠馬は、そう言いながら俺の横に来て、フェンスにもたれかかりながら、俺を見た。その目は単純に好きな作品を語りたい……というそんな目だった。
所謂、オタクの目ってやつだ。
「ああ。俺もあの漫画好きだぞ。あの……悪女はストレスだったけど」
「ああ。城ヶ崎透華ねー。あれは、確かに悪女だったね。でもさ……僕は、あの悪役が結構好きだったなー」
「ええ!?そう?俺は、あの悪女が嫌いだったなー」
「あははは!稔らしいね!」
それから俺達は、漫画の感想を言い合った。好きなシーンや、名言など……とにかく語りまくった。そして――。
「……なぁ。〝貴方に花束を〟にはキスシーンあるんだけどさぁ、それってちょうど屋上なんだよねぇ」
上原悠馬は、少し顔を赤らめながらそう言った。
確かにそうだ……キスシーンは屋上だったはず。……ん?屋上……? 俺は、あることに気づいた。だって……俺と上原悠馬は屋上にいる。
これって……もしかして……いや、もしかしなくてもこれは……! 俺が、そう思った瞬間。唇に何かが触れた。それが何かなんてすぐにわかった。
それは――上原悠馬の唇だった。
「ん……!んん……!」
俺は、抵抗しようとしたが……力が入らなかった。息が苦しく、頭がボーッとする。俺は、上原悠馬の胸を叩くが、無視され、さらに深くなっていく。そして……唇の隙間から、舌が入ってくる。
そして、俺の舌と絡める。
俺は、息が苦しくなっていくのに……何故だろう。
「(気持ち……いい……)」
俺は、抵抗することをやめた。そして……上原悠馬は、満足したのか唇を離す。俺と上原悠馬の間には銀色の糸が引いていた。
俺がボーッとしていると、上原悠馬は俺を抱きしめてきた。
そして、耳元で囁いた。
「好きだよ。俺……稔のこと」
その言葉を聞いた瞬間。俺の顔は熱くなっていくのを感じる。そして、俺は……無意識に頷いていた。
それから俺達は、付き合うことになった。
するとそこには、上原悠馬がいた。
俺に気づいたのか、上原悠馬は笑顔で手を振ってきた。
「屋上の鍵とかって……どうやって手に入れたんだ?」
俺は、屋上の扉を閉めながら、上原悠馬にそう聞いた。
「あぁ、それはね……コネだよー」
「コネ?」
上原悠馬の言葉に少し驚いた。だって……コネって……
俺が、驚いた顔をしていたからか、上原悠馬は笑いながら続けた。
「教師に脅す……とでも言ったらいいのかな? まぁ、そんな感じだよ?」
上原悠馬は笑いながらそう言った。さらっととんでもないこと言ってるよ!この人……!
「……それにさ。屋上なら誰でも、いつでも入れるわけじゃないでしょ?ここなら……稔のことも独占できるし、〝貴方に花束を〟のことを思う存分に語れるし……ね?」
上原悠馬は、そう言いながら俺の横に来て、フェンスにもたれかかりながら、俺を見た。その目は単純に好きな作品を語りたい……というそんな目だった。
所謂、オタクの目ってやつだ。
「ああ。俺もあの漫画好きだぞ。あの……悪女はストレスだったけど」
「ああ。城ヶ崎透華ねー。あれは、確かに悪女だったね。でもさ……僕は、あの悪役が結構好きだったなー」
「ええ!?そう?俺は、あの悪女が嫌いだったなー」
「あははは!稔らしいね!」
それから俺達は、漫画の感想を言い合った。好きなシーンや、名言など……とにかく語りまくった。そして――。
「……なぁ。〝貴方に花束を〟にはキスシーンあるんだけどさぁ、それってちょうど屋上なんだよねぇ」
上原悠馬は、少し顔を赤らめながらそう言った。
確かにそうだ……キスシーンは屋上だったはず。……ん?屋上……? 俺は、あることに気づいた。だって……俺と上原悠馬は屋上にいる。
これって……もしかして……いや、もしかしなくてもこれは……! 俺が、そう思った瞬間。唇に何かが触れた。それが何かなんてすぐにわかった。
それは――上原悠馬の唇だった。
「ん……!んん……!」
俺は、抵抗しようとしたが……力が入らなかった。息が苦しく、頭がボーッとする。俺は、上原悠馬の胸を叩くが、無視され、さらに深くなっていく。そして……唇の隙間から、舌が入ってくる。
そして、俺の舌と絡める。
俺は、息が苦しくなっていくのに……何故だろう。
「(気持ち……いい……)」
俺は、抵抗することをやめた。そして……上原悠馬は、満足したのか唇を離す。俺と上原悠馬の間には銀色の糸が引いていた。
俺がボーッとしていると、上原悠馬は俺を抱きしめてきた。
そして、耳元で囁いた。
「好きだよ。俺……稔のこと」
その言葉を聞いた瞬間。俺の顔は熱くなっていくのを感じる。そして、俺は……無意識に頷いていた。
それから俺達は、付き合うことになった。
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