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二章 〜思惑〜
二十七話 『冗談だから!』
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テストも無事に終わり。ゆっくりと出来る時間になっていた。紅茶を飲み、一息ついていると、
「よー。ナタリーちゃん元気?」
そんなことを思っていると、スティーブン様がやってきた。相変わらずヘラヘラとした笑顔を浮かべているわー。自分がイケメンだと理解しているムーブだ。
「スティーブン様。お久しぶりです。何か用ですか?」
「いやー。君の専属メイドに話があるんだよねぇ。……ちょっと、いいかな?」
「リリィに……?」
スティーブン様がリリィに話があると? 一体なんなのだろうか?因みに、リリィは今先生に呼ばれており、この場にはいないがすぐ戻っては来るだろう。
「そう。リリィちゃんに。ね? いいでしょ?」
有無を言わせない笑顔だ。絶対に拒否させてやらないという意志と圧をビシビシと感じるし……。
「だから放課後。リリィちゃんを貸して……ね?」
イケメンスマイルで見つめられて、断れる人がいるだろうか……?
――いや、いない。スティーブン様は苦手だけど顔だけ見たら好みだし……。
「はぁ……分かりました」
だからつい了承してしまった。リリィにこの後どんな恨み言を言われるか……。想像するだけで胃が痛いわー!胃薬を用意しておこう……なんて思った。
△▼△▼
そして放課後。リリィには返事も聞かずに用件だけを言って、スティーブン様にリリィを引き渡し、私はそそくさと退散した。
リリィにはめちゃくちゃ睨まれたが、まぁ仕方ないよね?私は悪くないよね? そんなことを思いながら、私はローラと合流した。ローラと一緒ならリリィは文句は言わないし。
「ローラ!今日から寮に入るんでしょう?荷物は大丈夫?」
ローラは今日から寮生活で、学校に残るらしい。家のトラブルがあったとかそんなのではなく、純粋に学校から遠いから、という理由でだ。
今までは寮に住むとなると金がいるがローラは成績優秀者だったのでタダで寮に住めるようになったらしい。
「寮生活。とても楽しみです。今まで一人で生活したことなかったですし、不安ですが……」
不安そうな顔を見せるがすぐに笑顔になる。いじめとかなければいいかな、とは思うが、ローラなら大丈夫だとは思うが……
「何かあったら言ってね? 私で解決出来ることなら協力するし。必ずレオン様やアシュリーより先に相談してね?」
「はい、わかりました。でも、何でレオン様より先にですか?」
「負けたくないからよ!」
そう、負けたくないのだ。レオン様にアシュリーにも!私はレオン様やアシュリーにローラを取られたくないし。
「…な、何にですか?」
「私はローラのことが好きなのよ。だから、レオン様とかにローラを取られたくないの!」
先の宣戦布告以来の告白をした。私はローラが好きだ。だから、私が一番になりたいし、他の奴に取られるなんて御免だ。
「す、好き……ですか? 私の事が?」
「そうよ!だから、私以外に取られたくないの!」
ぐいっと勢いよくローラに詰め寄る。私は真剣だ。本気でローラのことが好きなんだ。
「えっ、えっと……私も、ナタリー様のことは……好きですよ?」
私があまりにも勢いよく迫ってきたからか若干困惑しながらもローラはそう言った。
「そうなのね?じゃあ、お付き合いしましょう!」
勢い余っての言葉でもちろん、本気では言ってなかった。冗談で言ったつもりだった。だけど、
「え?」
まじもんの反応をされてしまった。
――真面目に嫌そう! ローラの顔色が困惑を通り越して、嫌悪感が出ている。これはまずいやつでは?と私は思い直し、冗談だと言おうとしたら、
「ご、ごめんなさい! わ、私……ナタリー様とはお付き合い出来ません!」
冗談だと弁明する前にローラからそう言われてしまった。冗談だと言いづらすぎる!
「あ、あのね……今のはあの冗談で……」
「あ……そ、そうで……すか……」
何か私が滑ったみたいになってる……いや、実際に滑ったんだけど。
「と、とにかく!冗談だから! 本気にしないでね!」
嗚呼!もう!今日はダメ!帰って寝て忘れよう!と思いながら私は立ち去った。
「よー。ナタリーちゃん元気?」
そんなことを思っていると、スティーブン様がやってきた。相変わらずヘラヘラとした笑顔を浮かべているわー。自分がイケメンだと理解しているムーブだ。
「スティーブン様。お久しぶりです。何か用ですか?」
「いやー。君の専属メイドに話があるんだよねぇ。……ちょっと、いいかな?」
「リリィに……?」
スティーブン様がリリィに話があると? 一体なんなのだろうか?因みに、リリィは今先生に呼ばれており、この場にはいないがすぐ戻っては来るだろう。
「そう。リリィちゃんに。ね? いいでしょ?」
有無を言わせない笑顔だ。絶対に拒否させてやらないという意志と圧をビシビシと感じるし……。
「だから放課後。リリィちゃんを貸して……ね?」
イケメンスマイルで見つめられて、断れる人がいるだろうか……?
――いや、いない。スティーブン様は苦手だけど顔だけ見たら好みだし……。
「はぁ……分かりました」
だからつい了承してしまった。リリィにこの後どんな恨み言を言われるか……。想像するだけで胃が痛いわー!胃薬を用意しておこう……なんて思った。
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そして放課後。リリィには返事も聞かずに用件だけを言って、スティーブン様にリリィを引き渡し、私はそそくさと退散した。
リリィにはめちゃくちゃ睨まれたが、まぁ仕方ないよね?私は悪くないよね? そんなことを思いながら、私はローラと合流した。ローラと一緒ならリリィは文句は言わないし。
「ローラ!今日から寮に入るんでしょう?荷物は大丈夫?」
ローラは今日から寮生活で、学校に残るらしい。家のトラブルがあったとかそんなのではなく、純粋に学校から遠いから、という理由でだ。
今までは寮に住むとなると金がいるがローラは成績優秀者だったのでタダで寮に住めるようになったらしい。
「寮生活。とても楽しみです。今まで一人で生活したことなかったですし、不安ですが……」
不安そうな顔を見せるがすぐに笑顔になる。いじめとかなければいいかな、とは思うが、ローラなら大丈夫だとは思うが……
「何かあったら言ってね? 私で解決出来ることなら協力するし。必ずレオン様やアシュリーより先に相談してね?」
「はい、わかりました。でも、何でレオン様より先にですか?」
「負けたくないからよ!」
そう、負けたくないのだ。レオン様にアシュリーにも!私はレオン様やアシュリーにローラを取られたくないし。
「…な、何にですか?」
「私はローラのことが好きなのよ。だから、レオン様とかにローラを取られたくないの!」
先の宣戦布告以来の告白をした。私はローラが好きだ。だから、私が一番になりたいし、他の奴に取られるなんて御免だ。
「す、好き……ですか? 私の事が?」
「そうよ!だから、私以外に取られたくないの!」
ぐいっと勢いよくローラに詰め寄る。私は真剣だ。本気でローラのことが好きなんだ。
「えっ、えっと……私も、ナタリー様のことは……好きですよ?」
私があまりにも勢いよく迫ってきたからか若干困惑しながらもローラはそう言った。
「そうなのね?じゃあ、お付き合いしましょう!」
勢い余っての言葉でもちろん、本気では言ってなかった。冗談で言ったつもりだった。だけど、
「え?」
まじもんの反応をされてしまった。
――真面目に嫌そう! ローラの顔色が困惑を通り越して、嫌悪感が出ている。これはまずいやつでは?と私は思い直し、冗談だと言おうとしたら、
「ご、ごめんなさい! わ、私……ナタリー様とはお付き合い出来ません!」
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「あ、あのね……今のはあの冗談で……」
「あ……そ、そうで……すか……」
何か私が滑ったみたいになってる……いや、実際に滑ったんだけど。
「と、とにかく!冗談だから! 本気にしないでね!」
嗚呼!もう!今日はダメ!帰って寝て忘れよう!と思いながら私は立ち去った。
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