生贄になりし少女はドラゴンの王太子に溺愛される

中七七三

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7.ついカッとなってやってしまった。今は反省している

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「なにオマエ、角はやし――」

 男はその言葉を最後まで言えなかった。
 リュークがぶん殴ったのだ。
 非常に軽くである。
 それでも、体が吹っ飛び、砂浜を三回くらいバウンドして止まった。
 生きているのかどうかは知らなかった。

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ」
「あうあうあうあうあう」
 
 残ったふたりはガクガクト震え、失禁していた。

「シャノーラの村の者か?」

「は、はい。そうです……」

「シャノーラ」

 リュークは、シャノーラを見やる。
「リューク様、素敵、強いわ」って感じの表情では一切なかった。
 血の気が引いて、呆然としているようで、目には恐怖の色が見えた。
 で、返事をしない。

「シャノーラ」 

「え、はい……」

「ぶっ飛ばすのはまずかったかな……」

 リュークはちょっとショボーンとした顔になる。

(ダメだ、嫌われてしまったのか…… ついカッとなってやってしまった。今は反省している)

「あの、少し怖いです……」

「ああああああああああああーーーーーー!!」

 リュークは頭を抱えその場に崩れ落ちた。

        ◇◇◇◇◇◇
 
 べそをかくリュークを連れてくるような感じでシャノーラはドラゴンの洞窟に戻ってきた。
 行くところが他にないのだから仕方ない。

(わたしも、言いすぎてしまったのかもしれない)

 シャノーラがちょっと怖がっただけで、リュークは凄まじく落ち込んでしまったのだ。

(わたしのためにやってくれたのに……)

 圧倒的な暴力(リュークとしては相当に手加減していた)を見たせいで驚き、恐怖してしまった。
 でも、リュークは基本的に「いいドラゴン」ではないかと思う。
 シャノーラには凄く優しいのだ。
 だから、シャノーラをバカにした相手に怒ったのだろう。

(今まで、そんな人いなかった…… 人じゃないけど、ドラゴンだけど……)

 シャノーラはリュークに「もう気にしてない」と言って「お礼」をいいたいと思ったのだった。

        ◇◇◇◇◇◇

「どーしたらいいのだ! セバスチャン!」

「もーどうしようもないですな」

「なに! そこで良いアイデアを出すのが執事というものだろうッ!」

「とにかく、お食事には同席して、弁明するしかありませんな」

「う…… そうか…… それはそうかもしれん」

 リュークはその日の夕食をシャノーラと一緒にとるため、彼女の部屋に向かうのだった。
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