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9.部屋に窓がないので
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「たらら、らちゃっちゃ~ ふふふ、ふふんふーん♪」
浮かれている若い男。岩を刳り貫かれ造られた通路を歩いている。
「ご機嫌ですな、リューク王太子殿下」
「わ――ッ!! びっくりしたぁぁ! いきなり出てくるなセバスチャン!」
「御意にござります」
全然、御意という感じをみせず、セバスチャンと呼ばれた執事の見本のような男が答えた。
「最近は、人間の娘と上手くいっているようですな」
「はぁ? なにそれ。オレが鼻歌歌っているのは、シャノーラと仲良くなれて、アーンしてでご飯を食べさせてやっているからだというのか? その餌付け感覚が可愛くて、浮かれているとでもいのか!」
「そこまで、詳細には思い描いておりませんでした」
「ふん、まあいい!」
リュークは胸を反らし、言葉を放った。
「オレは忙しいのだ。これから、シャノーラのところ行かねばならぬからな」
「左様にござりまするか」
老執事然としたセバスチャンは恭しく頭を下げる。
すっと、顔を挙げ「はて」という感じで疑問の表情を浮かべる。
「人間の娘のところへ行って何をなさるのですか、食事にはまだ時間があるはずですが」
「あ~ん、いいじゃないか。何をしに行こうか! 面談だ。面談! 人間のことを聞き取り、調べるのだ」
「何のためにですかな?」
「うるせーばーか。ばーか。そんなこと自分で考えろ!」
人間の娘・シャノーラにガチ惚れしているドラゴン王太子のリュークは、浮かれスキップを踏みながら、彼女の部屋へと向かうのであった。
◇◇◇◇◇◇
「はぁ……」
わたしはいつまでここにいればいいのかしら。
確かに、リューク様は優しいのだけど……。この部屋。
わたしは、部屋の中をくるっと見る。豪華な家具、ベットもあるし、すごく快適な場所だとは思う。
食べ物も美味しいし。そういったことには不満は無いわ。村にいたときとは全然違う。
「でも……」
シャノーラは高い天井と高い壁を見つめた。そこには、本当は無くてはならないものが無かった。
「窓がない。この部屋は窓が全然ない」
山の中に洞窟を掘って造った? 多分そうだと思うけど。だから、窓がないんだ…… やっぱり外が見えないのはつまらないし、息が詰まりそうになる。
ガチャっと音がして扉が開いた。
「やあ! シャノーラ元気にしていたか」
「ああ、リューク様」
ドラゴンの皇太子が入ってきた。
◇◇◇◇◇◇
「え? 外が見れる窓だって」
リュークは困ったような顔をして言った。
「そうなの。外が見れる窓が欲しいって思ったの。でもいいわ。リューク様とお話していると楽しいから」
(おおおおお!! おうッ!!)
リュークは心の中でガッツポーズを決めた。
どうみても、シャノーラが己に好意をもっているとリュークは判断したのだ。
「窓――。穴を開けるのは簡単だが、ここから地上に穴を開けても、井戸を覗き込むようなものだしなぁ」
ドラゴンの力をもってすれば、分厚い岩盤でも一撃で穴を開けることができる。
が、そうしたところで、遥か彼方に切り取られた小さな四角形の風景が見えるだけだ。
「いいのよ。リューク様」
外の散歩に行くのはいいが、前回のようにチンピラ・ゴロツキに絡まれると面倒だ。
斃すのは簡単だが、シャノーラがドン引きしてしまう。
「う~ん。よし! 空だ。空で散歩しよう」
「え? 空って……」
リュークは、決めた。
翼だけを生やして、シャノーラを抱っこして飛ぶということを。
(これで、シャノーラと、もっと親密になれるじゃないか)
リュークは自分の考えに喝采を叫んだ。心の中で。
浮かれている若い男。岩を刳り貫かれ造られた通路を歩いている。
「ご機嫌ですな、リューク王太子殿下」
「わ――ッ!! びっくりしたぁぁ! いきなり出てくるなセバスチャン!」
「御意にござります」
全然、御意という感じをみせず、セバスチャンと呼ばれた執事の見本のような男が答えた。
「最近は、人間の娘と上手くいっているようですな」
「はぁ? なにそれ。オレが鼻歌歌っているのは、シャノーラと仲良くなれて、アーンしてでご飯を食べさせてやっているからだというのか? その餌付け感覚が可愛くて、浮かれているとでもいのか!」
「そこまで、詳細には思い描いておりませんでした」
「ふん、まあいい!」
リュークは胸を反らし、言葉を放った。
「オレは忙しいのだ。これから、シャノーラのところ行かねばならぬからな」
「左様にござりまするか」
老執事然としたセバスチャンは恭しく頭を下げる。
すっと、顔を挙げ「はて」という感じで疑問の表情を浮かべる。
「人間の娘のところへ行って何をなさるのですか、食事にはまだ時間があるはずですが」
「あ~ん、いいじゃないか。何をしに行こうか! 面談だ。面談! 人間のことを聞き取り、調べるのだ」
「何のためにですかな?」
「うるせーばーか。ばーか。そんなこと自分で考えろ!」
人間の娘・シャノーラにガチ惚れしているドラゴン王太子のリュークは、浮かれスキップを踏みながら、彼女の部屋へと向かうのであった。
◇◇◇◇◇◇
「はぁ……」
わたしはいつまでここにいればいいのかしら。
確かに、リューク様は優しいのだけど……。この部屋。
わたしは、部屋の中をくるっと見る。豪華な家具、ベットもあるし、すごく快適な場所だとは思う。
食べ物も美味しいし。そういったことには不満は無いわ。村にいたときとは全然違う。
「でも……」
シャノーラは高い天井と高い壁を見つめた。そこには、本当は無くてはならないものが無かった。
「窓がない。この部屋は窓が全然ない」
山の中に洞窟を掘って造った? 多分そうだと思うけど。だから、窓がないんだ…… やっぱり外が見えないのはつまらないし、息が詰まりそうになる。
ガチャっと音がして扉が開いた。
「やあ! シャノーラ元気にしていたか」
「ああ、リューク様」
ドラゴンの皇太子が入ってきた。
◇◇◇◇◇◇
「え? 外が見れる窓だって」
リュークは困ったような顔をして言った。
「そうなの。外が見れる窓が欲しいって思ったの。でもいいわ。リューク様とお話していると楽しいから」
(おおおおお!! おうッ!!)
リュークは心の中でガッツポーズを決めた。
どうみても、シャノーラが己に好意をもっているとリュークは判断したのだ。
「窓――。穴を開けるのは簡単だが、ここから地上に穴を開けても、井戸を覗き込むようなものだしなぁ」
ドラゴンの力をもってすれば、分厚い岩盤でも一撃で穴を開けることができる。
が、そうしたところで、遥か彼方に切り取られた小さな四角形の風景が見えるだけだ。
「いいのよ。リューク様」
外の散歩に行くのはいいが、前回のようにチンピラ・ゴロツキに絡まれると面倒だ。
斃すのは簡単だが、シャノーラがドン引きしてしまう。
「う~ん。よし! 空だ。空で散歩しよう」
「え? 空って……」
リュークは、決めた。
翼だけを生やして、シャノーラを抱っこして飛ぶということを。
(これで、シャノーラと、もっと親密になれるじゃないか)
リュークは自分の考えに喝采を叫んだ。心の中で。
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