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4.契りの口付け
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「唇を重ねよ?…… 一体何を?……」
「意味が分からぬか? 口付けだ。キスと呼んでもいい。あ~ 他の言い方をすると……」
「何で、アナタと!?」
セラフィーナは恐れと当惑の混ざった表情で囚われた男を見つめる。
仄かな明かりの下に見える顔。
肌の色は紫がかったグレーに見えた。人の肌の色には見えない。
ただ、寒気かがするほどの隙のない整った顔だった。
鍛え上げられた刃が人を惹きつける魅力を持つのと同じであったかもしれない。
「助けが要るのだろう?」
「なんで?」
「ここに来るということは、公爵家になにかがあったということだ。我は力になれる。契りの誓いの口付けをしろ。解放しろ。そして、望みを言え。叶えてやろう」
セラフィーナにはもはや頼るべきものはなかった。
父母は死に、公爵令嬢としての地位も失うだろう。
処分は良くて流刑。死罪すら十分に考えられた。
不意に男爵令嬢・トゥーリアの顔が浮かぶ。
自分に代わり、王子の婚約者となった。
そして、あのとき見せた笑み。
男爵家の密偵が反乱の証拠を見つけたという。
(絶対におかしい。トゥーリア…… 彼女が……)
疑いは胸の内に膨れ上がり、他のことが考えられなくなっていく。
「どうしたのだ? 望みは何でも叶える。不死王である我にはその力がある」
セラフィーナは決意した。
不死王・アゴールに近づく。鎖で四肢を捉えられた不死王。理由などどうでもよかった。
そして、彼女はその頬に手を当てた。
温度のない暖かさが手の中に染み込んでくる。
セラフィーナは自分からゆっくりと唇を重ねた。
「意味が分からぬか? 口付けだ。キスと呼んでもいい。あ~ 他の言い方をすると……」
「何で、アナタと!?」
セラフィーナは恐れと当惑の混ざった表情で囚われた男を見つめる。
仄かな明かりの下に見える顔。
肌の色は紫がかったグレーに見えた。人の肌の色には見えない。
ただ、寒気かがするほどの隙のない整った顔だった。
鍛え上げられた刃が人を惹きつける魅力を持つのと同じであったかもしれない。
「助けが要るのだろう?」
「なんで?」
「ここに来るということは、公爵家になにかがあったということだ。我は力になれる。契りの誓いの口付けをしろ。解放しろ。そして、望みを言え。叶えてやろう」
セラフィーナにはもはや頼るべきものはなかった。
父母は死に、公爵令嬢としての地位も失うだろう。
処分は良くて流刑。死罪すら十分に考えられた。
不意に男爵令嬢・トゥーリアの顔が浮かぶ。
自分に代わり、王子の婚約者となった。
そして、あのとき見せた笑み。
男爵家の密偵が反乱の証拠を見つけたという。
(絶対におかしい。トゥーリア…… 彼女が……)
疑いは胸の内に膨れ上がり、他のことが考えられなくなっていく。
「どうしたのだ? 望みは何でも叶える。不死王である我にはその力がある」
セラフィーナは決意した。
不死王・アゴールに近づく。鎖で四肢を捉えられた不死王。理由などどうでもよかった。
そして、彼女はその頬に手を当てた。
温度のない暖かさが手の中に染み込んでくる。
セラフィーナは自分からゆっくりと唇を重ねた。
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