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15.水問題解決
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とりあえず、農場まで帰還。
うじゃうじゃと蝟集する埴輪軍団を連れての。
本当であれば、直接川までいってカッパの定吉に話をすべきである。
が、埴輪を大量に引き連れた状態では、異常に面倒くさいことになりそうなので、ひとまず農場に戻ることにしたのだ。
人間、子鬼、カッパ、埴輪が一堂に会する状況はカオスにすぎる。
「女神様ぁ――」
「わッ、なんじゃこれは……」
流石の女神様も大きな目を更に丸くする。
「森の中に埴輪がいっぱいいたんですけど」
「埴輪か……」
と、思案気にする女神様。
思い当たる事があるのだろうか。
「神域内に古墳があったやもしれぬ」
「そう言えば、小高い丘のような場所があったな」
とキコに同意を求めるように目を向ける。
「うむ、あったのだ。だが古墳だかなんだかしらんのだ。古墳とはなんだ?」
「昔の人の墓だな。土を盛って山のようにするんだ」
ボクはキコに古墳には埴輪が一緒に埋めらるものだと、雑な説明をした。
それで、キコも納得する。
「諸君は、欲すのである。キュウリを。持ってきたのはキュウリなりけり」
埴輪はキュウリを持ってアピールする。
「で、何でこやつ等がついてきたのだ?」
「なんでも、主が欲しくて、命令して欲しいということらしいです」
「ほう…… なんともなぁ。人形故に魂がやどり、その魂も主を求めるということか……」
物に魂が宿るというのは、付喪神というのを聞いたことある。
古い道具などが自我に目覚めるわけだが、埴輪は古いといえば、徹底的に古い。
「どうしましょうか? 女神様」
「うむ、オヌシを主とするのであるから、そうさせておけばよかろう」
「そうですか」
ボクは埴輪軍団を見やる。
これを支配下に入れたとして、なんの得があるのかよく分からない。
割れ物の集団である。
「ま、これから役に立つことがあるやもしれぬ」
「そうですかね――」
「キコの方が役に立つのだ! だからおにぎりは、ワシが食べるのだ」
キコが妙なライバル心を燃やす。
別に焼き物人形に対抗しなくていいから。
「とにかく、川に言って、カッパの定吉と交渉しよう」
埴輪軍団は連れて行くと面倒くさそうなので、農場で待機させる。
で、ボクとキコで川に向かったのだった。
◇◇◇◇◇◇
「おお、キュウリを採ってきたのか! くれ! 直ぐくれ!」
カッパの定吉が川から這い上がって、キュウリを求める。
「いや、上げてもいいけど」
「水はいいだろう。定期的にキュウリをくれるならばな!」
水かきつきの手を伸ばし、キュウリを奪おうとするカッパ。
ボクは、埴輪から受け取ったキュウリを手に持ち思案する。
「このキュウリを上げて平気か? もっとキュウリ採ってこれるかい?」
「更なるキュウリを求めるか? ならば与えんなりけり」
埴輪に任せれば、キュウリは採ってこれるようだ。
「じゃあ、これで水は使わせてもらうからな」
「よかろう。その水を使って農場でキュウリを育ててくれ。キュウリがいっぱい食えるなら文句はない!」
キュウリは、根っ子ごと自生するものを、畑に持って来ればいいだろう。
後は、豊穣の女神様がなんとかしてくれそうな気がする。
というわけで、水問題は解決。
ボクの農業生活は、いろいろあるけど、まあ順調なのかもしれない。
うじゃうじゃと蝟集する埴輪軍団を連れての。
本当であれば、直接川までいってカッパの定吉に話をすべきである。
が、埴輪を大量に引き連れた状態では、異常に面倒くさいことになりそうなので、ひとまず農場に戻ることにしたのだ。
人間、子鬼、カッパ、埴輪が一堂に会する状況はカオスにすぎる。
「女神様ぁ――」
「わッ、なんじゃこれは……」
流石の女神様も大きな目を更に丸くする。
「森の中に埴輪がいっぱいいたんですけど」
「埴輪か……」
と、思案気にする女神様。
思い当たる事があるのだろうか。
「神域内に古墳があったやもしれぬ」
「そう言えば、小高い丘のような場所があったな」
とキコに同意を求めるように目を向ける。
「うむ、あったのだ。だが古墳だかなんだかしらんのだ。古墳とはなんだ?」
「昔の人の墓だな。土を盛って山のようにするんだ」
ボクはキコに古墳には埴輪が一緒に埋めらるものだと、雑な説明をした。
それで、キコも納得する。
「諸君は、欲すのである。キュウリを。持ってきたのはキュウリなりけり」
埴輪はキュウリを持ってアピールする。
「で、何でこやつ等がついてきたのだ?」
「なんでも、主が欲しくて、命令して欲しいということらしいです」
「ほう…… なんともなぁ。人形故に魂がやどり、その魂も主を求めるということか……」
物に魂が宿るというのは、付喪神というのを聞いたことある。
古い道具などが自我に目覚めるわけだが、埴輪は古いといえば、徹底的に古い。
「どうしましょうか? 女神様」
「うむ、オヌシを主とするのであるから、そうさせておけばよかろう」
「そうですか」
ボクは埴輪軍団を見やる。
これを支配下に入れたとして、なんの得があるのかよく分からない。
割れ物の集団である。
「ま、これから役に立つことがあるやもしれぬ」
「そうですかね――」
「キコの方が役に立つのだ! だからおにぎりは、ワシが食べるのだ」
キコが妙なライバル心を燃やす。
別に焼き物人形に対抗しなくていいから。
「とにかく、川に言って、カッパの定吉と交渉しよう」
埴輪軍団は連れて行くと面倒くさそうなので、農場で待機させる。
で、ボクとキコで川に向かったのだった。
◇◇◇◇◇◇
「おお、キュウリを採ってきたのか! くれ! 直ぐくれ!」
カッパの定吉が川から這い上がって、キュウリを求める。
「いや、上げてもいいけど」
「水はいいだろう。定期的にキュウリをくれるならばな!」
水かきつきの手を伸ばし、キュウリを奪おうとするカッパ。
ボクは、埴輪から受け取ったキュウリを手に持ち思案する。
「このキュウリを上げて平気か? もっとキュウリ採ってこれるかい?」
「更なるキュウリを求めるか? ならば与えんなりけり」
埴輪に任せれば、キュウリは採ってこれるようだ。
「じゃあ、これで水は使わせてもらうからな」
「よかろう。その水を使って農場でキュウリを育ててくれ。キュウリがいっぱい食えるなら文句はない!」
キュウリは、根っ子ごと自生するものを、畑に持って来ればいいだろう。
後は、豊穣の女神様がなんとかしてくれそうな気がする。
というわけで、水問題は解決。
ボクの農業生活は、いろいろあるけど、まあ順調なのかもしれない。
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お久しぶりです。3話のセリフで二人のセリフが混ざってるところがあったので報告させていただきました。
和風な内容の作品の雰囲気作りの勉強になりますので読み進めようと思います。