婚約破棄される前に、王子をメス堕ち調教することにしました

中七七三

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1話

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「やばい。ここは乙女ゲーム的な中世ヨーロパ風異世界だ……」

 公爵令嬢である私、ドミニクは気づいた。
 どうやら異世界に転生して悪役令嬢になっていたようだった。
 婚約者は王子なのだけど、王立貴族学園の卒業パーティで、ヒロインをいじめていたことを告発され、婚約破棄される。で、全てを失い、最悪死ぬ。

「まずいわ。どうしたらいいんでしょうか――」

 私は「うーん」と考える。
 前世、私はいったいなにをやっていたんだろう……
 前世があることには気づいたけれども、なかなか思い出せない。
 
 豪華な自分の部屋で頭を捻るばかりだ。

 トントンとドアをノックする音。
 
「誰ですか?」
「お嬢様、家宰のセバスチャンにございます。乗馬のお時間です」
「おほほ。乗馬の予定があったわね」

 私は上品に口を隠し、鈴の音のような笑い声を上げる。
 公爵令嬢として完璧に身に付いた所作だ。

(まあ、馬でも乗ってよく考えましょう)

 私は乗馬を楽しむことにした。
 
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