王立魔法大学の禁呪学科 禁断の魔導書「カガク」はなぜか日本語だった

中七七三

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14話:異世界社会の産業はなぜ停滞しているの?

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 俺とツユクサ先生は、製紙工房を出た。

「意外に早くすんだわね」

 そう言って先生は空を見上げた。
 空は相変わらずの曇天。
 辛うじて太陽の位置が分かる。
 西の方に低くなりつつある太陽。
 ただ、日が沈むまでには、余裕をもって市街中央まで戻れるだろう。

 製紙工房は、市街の中央から外れた場所にある。
 ここは言ってみれば、工場地帯だ。
 周囲に森があり、木材の入手がしやすい。
 それは、水源があることも意味していて、工房の敷地内にはこの世界では珍しい井戸があった。
 
 そして、このエリアと市街とをつなぐ道路は整備されている。
 石畳になっていて、大きな馬車でも通れる。

 さっきも、大きな幌付の荷台を引いた馬車が市街に向かって走っていった。
 なにかの製品を運んで行ったのだろう。
 ここには、製紙工房だけではなく、色々なモノづくりの工房があった。

「先生、乗せていってもらわなくていいんですか?」

「せっかくだから歩いて行きましょう。時間はあるわ」

「そうですね」

 ツユクサ先生と2人で歩く。小柄なのに、結構歩くのが速い。
 市街へと続く道はひたすら真っ直ぐ続く。
 
 荷物を運ぶ馬車とすれ違ったり、追い越されたり。

「乗ってかないか?」と声を書ける親切な人もいたが、丁寧に断った。

 俺も悪くないと思った。
 歩いて見る光景は新鮮だった。しかも、俺は市街に出ることなど滅多になかったのだ。

 ここは、市街とは違う風景が広がっている。

 行きは、さすがにこのエリアに向かう馬車に同乗していた。
 馬車の上から見る光景と、自分の脚で歩きながら見る光景。
 それは何かやはり違っていた。

 広大な畑。

「教会の荘園ですかね?」

「そうでしょうね」

 畑には小麦が穂を揺らしていた。
 遠くで刈り取りを行っているのが見えた。
 おそらく、教会が抱え込んでいる奴隷だ。

 畑の奥には森が広がる。緑の光景。市街内にも緑がないわけではない。
 ただ、その密度が圧倒的だった。

 南の方角だろう。巨大な山が見える。
 雲に挟まれ、空中に稜線だけが浮いているような感じだ。

 シュミ山――
 そう言われる山だ。

 市街からでも見ることが出来る巨大な山だ。
 結構遠くにあるはずだが、それが凄まじく大きいことは分かる。
 山頂部は見えない。雲で稜線が途切れている。
 裾野の果ては、地平近くの雲や地平線で全貌が見えない。
 
 それでも、市街から見るときより、近くに見える気がした。

「シュミ山が近くに見えますね」

「そうね、いつか行ってみたいわ」

「実際は遠いんですけどね……」

 エベレストの3倍近くありそうな山。
 だから、意外に近くにありそうな感じがする。
 しかし、実際は、王国からというか、ユラシルド大陸の南、ネグロニア大陸の方にあると聞いている。

「運がよかったわ。色々と――」

 先生が口にした言葉。
 それは、今回の製紙工房訪問で色々なことが一気に動いたことを示していた。

「ええ、そうですね。こうとんとん拍子にいくとは思いませんでした」

 風がふわりと吹いた。ツユクサ先生の亜麻色の髪の毛が風に揺れる。

「隣の工房がそのままの状態で残っていたのよかったわ」

「そりゃ、夜逃げするのに、重たい物はもっていけませんからね」

 カタクリ親方の隣にあった工房は夜逃げしていた。
 経営が傾いていたらしい。

「奴隷たちを放置するなんて、よっぽど切羽つまっていたのね」

 使っていた奴隷も多くが放置されていた。
 夜逃げという事態が分かると、カタクリ親方のところで、引き続き奴隷として働かせて欲しいと懇願するものが多数だった。
 決して逃げようとはしなかった。
 奴隷の身分の物が逃げても、生きていくことができないからだ。

 生きていくための最後の手段が奴隷なんだ。
 正規の手続きを踏まないで自由になったところで、また奴隷になるか、飢え死にするかのどちらかしかない。
 それが、現実だった。

「工房が奴隷を一気に売ったら、何かあるなってバレますよね」

「当然ね」 

 奴隷を売れば金ができるが、夜逃げの気配を覚られる。
 夜逃げするのに何人もの奴隷を連れて歩けない。
 逃げた先で売れば、逃げた先がバレてしまう可能性もある。

 だから、疑われない程度、数人の奴隷を売って、それでトンズラらしい。
 残された奴隷たちは夜逃げを知った借金取りが連れて行った。
 その場で、質のいい奴隷はカタクリ親方が買ったそうだが。
 
「おかげで、実証実験をする工房がタダで手に入ったわ」

 先生の興味は夜逃げで放置されることになった工房そのものだった。

 借金取りは工場の物には手をつけなかった。
 換金性が低すぎるからだ。製紙業をやりたい人間以外にはそれほど価値のない道具ばかりだ。
 彼らは残った奴隷を連れていくことで妥協したのか、他には手を付けなかった。
 
「確かに、あそこなら使えそうですね」

 比較的近くに製材工場もあった。木材の入手も可能だ。

「製材工場、後は、ガラスや繊維を造っているところね」

「そうですね」

 苛性アルカリ溶液については、まだ手つかずだ。
 ただ、ガラス工房や石鹸を作る工房には間違いなくあるはずだ。
 まあ、無ければ作ることも可能だ。
 でも、あればある物を使いたい。その方が手間もコストもかからない。
 漂白剤は繊維工房から入手できるだろうし。
 材料の入手の見通しはある。

「本当に運がよかったわ。予算を大分節約できそう」

 大学からは1000グオルドの臨時予算が出た。
 これで、実証実験を成功させ、紙の量産の可能性に目鼻つければいいわけだ。

「でも親方言ってましたよね」

「ん? なに」

「『縁起わりぃからやめといた方がいいんじゃねぇか』って」

「アハハハ、そうね。言ってたわね。関係ないわ。只で使えるなら使うべきよ」

 商人とか職人が縁起を気にするのは当然と言えば当然だろう。
 ツユクサ先生がそれを気にしないのも、彼女らしい気がした。

「凄く有能そうな職人さんも手伝ってくれそうだし。あの可愛らしい」

「はぁ…… そうですね」

 心なしかツユクサ先生の言葉にトゲがある気がした。
 
 あの後、親方の娘さん。最初は男の子と思った彼女が、俺たちを手伝ってくれることになった。
 彼女が手伝うことになり「初めまして、スズラン・フッドといいます。よろしくです」と、俺たちにあらためて挨拶した。
 声変わりしていない少年のような声だったのを思い出す。

 全くあの親方に似ていない。先生は「連れ子ですか?」ってド直球で訊くし……
 まあ、親方は慣れているんだろう。それを笑って冗談で済ましたが。
 しかし、笑ってても恐ろしい顔をしているのは変わらなかった。
 親方の奥さんは、よほど美人だったのだろうと思った。親方の遺伝子が全部劣性で、子どもに発現しなかったのだろうな。
 ある種、生命の神秘だった。

        ◇◇◇◇◇◇
 
 市街に入る。
 常設の市場には、出店が多く出ている。
 食べ物を扱う屋台も出ている。
 肉の焼ける匂い。様々な食べ物の匂いがすきっ腹を直撃する。
 歩き通しで、疲れていたし、腹も減っていた。

「ねえ、ライ」

「なんですか、先生?」

「少し食べていかない?」

 先生の視線は、ある屋台に釘付けになっていた。
 砂糖を混ぜた小麦粉を練って、油で揚げて、さらにザラメをまぶした強烈に甘い菓子が売っている屋台だ。
 一種の揚げパンだ。
 屋台に近づくと甘い匂いが脳を直撃してくる。
 甘い物は嫌いではないし、空腹だ。それでも、この甘い匂いは強烈だった。食欲とは別のなにかを感じさせるレベルで。

「ねえ、これ四つちょうだい」

「はいよ」

 すでに先生は注文していた。
 それは、二個づつ俺と先生で食べるということですね。
 選択の余地はないんですよね。
 俺としては、もう少し「食事」という感じの物を食べたかった。例えば「肉」とか。
 串に刺した肉を焼いている店もあった。横目でそれを見ながら、俺は、揚げパンの屋台の腰掛に座った。
 
 座ったとたんに、ため息のように息が漏れた。

「疲れたの?」

「いや、結構歩きましたよね?」

「そうかしら? アナタの鍛え方が足らないんじゃないの?」

 俺よりずっと小柄な、女の子。まあ、先生だけど。
 それに、そんなこと言われるとちょっとショックだ。

「ライ、アナタはいくつ食べる?」

「はい?」

 どうやら先に注文した四つは全部先生の分だった。
 俺は二つ注文した。

        ◇◇◇◇◇◇

「美味しいでしょ? 私、この揚げパン大好き」

「そうですね」

 甘い匂いになれたのか、食べてみると悪くなかった。
 いや、正直言って美味かった。

 この世界の主食は小麦だ。あとトウモロコシに似た作物もあった。
 米は、食べたことが無かった。どこかにあるのかもしれないが、よく分からない。
 茶などの商業作物も作られている。
 
「どうしてですかね?」

 製紙工場を見に行く前の俺の一番の心配。
 それは、すでにこの世界でも、同じような紙の製法が成立していることだった。
 しかし、それは杞憂(きゆう)に終わった。
 製紙業は何百年も前から同じような作り方でずっと続いていたらしい。
 完全に、技術が停滞していた。

 実際に、コッチのやろうとしていることの原料に目新しいものはない。
 苛性アルカリ溶液は絶対にある。この世界にはガラスもあれば、石鹸もある。
 こういったものを作るのには、苛性アルカリ溶液を必須とするからだ。

 そして、漂白剤だってあるわけだ。
 これもなぜか、紙の工程には使用されてなかった。
 だから、この世界の紙は質の悪い新聞紙みたいな色をしている。

「うーん…… そうね」

 先生はそういうと、パクリと最後の揚げパンを頬張った。
 細く小さい身体の割にはよく食べる。甘い物だからか?

「いくつか理由は考えられるわ」

「そうですか」

「ライ、アナタはどう思う?」

 質問で切り返された。
 ツユクサ先生は、よくこれをやる。
 生徒に考えさせるということなのだろうかね。

「まあ、あれですか。気が付くと簡単なように思えて、意外に気がつきににくいとか」

 コロンブスの卵みたいな分かりやすい諺(ことわざ)はこの世界に無いのだ。
 そもそも、これ以外に思いつかないので質問しているわけだから。

「それもあるかもしれないわ―― でも」

「でも?」

「製造法が何百年も変化ない理由には弱いわね。人だけに責任を求めすぎ」

「そうかもしれません」

 確かに親方の娘のスズランのように「減価償却」という概念に一人でたどり着く人間もいる。
 繊維を柔らかくする方法や原材料について、新たな変化が無かったのを人のせいだけにはできない。
 確かになにか理由があるんだろう。分からんけど。

「変化するだけの余裕が製紙工房に無いように思うわ」

 彼女は自分の水筒からお茶を出して飲んだ。

「経営がギリギリすぎて、工程を変える投資ができないのよ。多分、親方のところだけじゃなく、他も同じだと思うわ」

「確かにこっちが500グオルド出すといったら、ものすごい喜んでましたよね」

「紙は貴重だけど。貴重がゆえに、使える場面も人も限られる。それが、市場を狭めている。市場が狭いから、生産を拡大させる理由は無い――」

 先生の説明は続いた。

 要するに、鶏が先か、卵が先かという問題だ。
 紙は情報を媒介し、人々の知識水準などを上げる。
 情報の伝達速度も上がるし、人の知恵を記録することもできる。
 紙の供給量が少なければ、知識は広く伝わらない。
 その社会全体の知識水準は停滞するだろう。

 でもって、停滞した知識水準の中にある社会ではそれほど、紙の需要が大きくなることがない。
 だから、リスクを冒してまで、紙の生産方法を変更することを考える者がいなかったということだ。

「一度、動きだせば、製紙業全体が拡大して、全体が利益を享受できるはず。でも――」

「その最初の一歩を踏み出せないってことですか」

 一瞬、ブルーの視線が俺の顔に固定された。

「ライってときどき、すごく頭がいいように見えるけど、なぜかしら?」

 それは、普段はアホウにしか見えないと言っているのですね? 
 先生…… 本気で不思議そうな顔しないでくださいよ。
 俺の視線に気づき、彼女は、ふっと柔らかな笑みを浮かべた。

「『思いついた人』はいたかもしれない。でも、『思いつく』と、『やってみる』の間には大きく高い壁あるわ」

 先生なんか「ドヤ顔」になってますよ。
 ほら、私は先生らしい、いい事いったでしょと思ってます?
 確かにそうですけど、思ったことを素直に顔に出すのは…… まあ、可愛いからいいか。

 ツユクサ先生のドヤ顔は可愛らしかった。
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