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第16話 医者
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深夜。
ルアンとゼリンダはシュヴァルツ邸の裏庭に立っていた。
「ここから登れば部屋に上がれるから」
ルアンが壁の突起を指し示せば、ゼリンダが顔をしかめた。
「うそ。よじ登れってこと?」
「正面玄関から堂々とお邪魔するわけにはいかないだろ?大丈夫だから早く」
渋るゼリンダに対して、ルアンは早く上るようにと促す。
ゼリンダは文句を言いながらも上手に壁を上っていった。
彼女がアルトゥールの部屋のベランダにたどり着いたのを確認した後、ルアンも壁を上る。
想像していた通りとても簡単で、伯爵邸の警備が少し心配になった。
「ちょ、ちょっと待ってよ。不審者じゃないんだってば!」
ベランダに降り立てばゼリンダがローデリックから銃を突きつけられていた。
「ローデリックさん。その人は俺が連れてきたんです。大丈夫です」
「なんだ、あなたの客人でしたか。もしかして、例のお医者様ですか?それならそう伝えておいてくれないと、不審者かと思ったでしょう」
「すみません」
まったく、とローデリックがため息をつき、ゼリンダの方に向き直った。
「お医者様、先程は大変失礼いたしました。よろしければ中へお入りください」
ローデリックが恭しくベランダのガラス戸を開く。
「うわあ。ほんとにお貴族様のお屋敷じゃん」
ゼリンダはおっかなびっくり中へと入っていった。
ローデリックとルアンもそのあとに続く。
ローデリックがさっとゼリンダの前に先回りして、アルトゥールが眠るベッドへと案内した。
ルアンがベッドを覗き込めば、穏やかな表情で眠るアルトゥールの姿があった。
苦しんではいないようだ。よかった、と胸をなでおろす。
「昨日の夜からずっと目を覚まさずにお休みになっていらっしゃいます」
ローデリックがゼリンダに向かって言う。
ゼリンダは、ふうん、とアルトゥールを覗き込んだ。
「触れても?」
「もちろんです。どうぞ診て差し上げてください」
ゼリンダがアルトゥールにかかっていた布団をまくる。
血圧、瞼の裏の色、腹部胸部の聴診、触診。隅々まで診察した後アルトゥールの周囲を整えて、ルアンとローデリックの方へ振りかえった。
「ニハ君—今はルアン君でしたか。この子の見立て通り、長期的な毒物の摂取による症状で間違いないでしょう」
「そうですか・・・」
ローデリックが沈んだ声を出す。ゼリンダは淡々と言葉を続けた。
「毒の種類はほぼ金毒で間違いないでしょう。吐血の具合やのどの炎症から見ても、そこそこの期間摂取していたでしょうね」
「薬はないのか?」
ルアンからの質問に、ゼリンダは首を振った。
「治療薬はないんだ。ただ、金毒のある環境から離れれば症状はよくなるし、体内の毒素も徐々に排出されていくはずだ。日々の食事に注意するしかないね」
「薬で早く体調を治して差し上げたかったのだが、無理か」
ローデリックがうなだれた。
ルアンとゼリンダはシュヴァルツ邸の裏庭に立っていた。
「ここから登れば部屋に上がれるから」
ルアンが壁の突起を指し示せば、ゼリンダが顔をしかめた。
「うそ。よじ登れってこと?」
「正面玄関から堂々とお邪魔するわけにはいかないだろ?大丈夫だから早く」
渋るゼリンダに対して、ルアンは早く上るようにと促す。
ゼリンダは文句を言いながらも上手に壁を上っていった。
彼女がアルトゥールの部屋のベランダにたどり着いたのを確認した後、ルアンも壁を上る。
想像していた通りとても簡単で、伯爵邸の警備が少し心配になった。
「ちょ、ちょっと待ってよ。不審者じゃないんだってば!」
ベランダに降り立てばゼリンダがローデリックから銃を突きつけられていた。
「ローデリックさん。その人は俺が連れてきたんです。大丈夫です」
「なんだ、あなたの客人でしたか。もしかして、例のお医者様ですか?それならそう伝えておいてくれないと、不審者かと思ったでしょう」
「すみません」
まったく、とローデリックがため息をつき、ゼリンダの方に向き直った。
「お医者様、先程は大変失礼いたしました。よろしければ中へお入りください」
ローデリックが恭しくベランダのガラス戸を開く。
「うわあ。ほんとにお貴族様のお屋敷じゃん」
ゼリンダはおっかなびっくり中へと入っていった。
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ルアンがベッドを覗き込めば、穏やかな表情で眠るアルトゥールの姿があった。
苦しんではいないようだ。よかった、と胸をなでおろす。
「昨日の夜からずっと目を覚まさずにお休みになっていらっしゃいます」
ローデリックがゼリンダに向かって言う。
ゼリンダは、ふうん、とアルトゥールを覗き込んだ。
「触れても?」
「もちろんです。どうぞ診て差し上げてください」
ゼリンダがアルトゥールにかかっていた布団をまくる。
血圧、瞼の裏の色、腹部胸部の聴診、触診。隅々まで診察した後アルトゥールの周囲を整えて、ルアンとローデリックの方へ振りかえった。
「ニハ君—今はルアン君でしたか。この子の見立て通り、長期的な毒物の摂取による症状で間違いないでしょう」
「そうですか・・・」
ローデリックが沈んだ声を出す。ゼリンダは淡々と言葉を続けた。
「毒の種類はほぼ金毒で間違いないでしょう。吐血の具合やのどの炎症から見ても、そこそこの期間摂取していたでしょうね」
「薬はないのか?」
ルアンからの質問に、ゼリンダは首を振った。
「治療薬はないんだ。ただ、金毒のある環境から離れれば症状はよくなるし、体内の毒素も徐々に排出されていくはずだ。日々の食事に注意するしかないね」
「薬で早く体調を治して差し上げたかったのだが、無理か」
ローデリックがうなだれた。
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応援しております。
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いわ様!
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以前の更新から大分時間が空いているにも関わらず、欠かさず感想を寄せてくださりありがとうございます
ただいま最新話を執筆中です
もしまだ興味を持っていただけているようでしたら、更新の際には読んでくださると嬉しいです
待ってました~!!
新しい話が読めて嬉しいです^_^
いわ様、ありがとうございます!
次の投稿も楽しみにしてくださると嬉しいです!