サッカーに注げた僕らの青春

7、ストレッチしよう！

「よーし、お前ら、アップ始めんぞー」
　矢島先生がパンパンと手を叩き、部活開始を告げた。
「まずはランニングだー、３０周な」
　え？　３０？
「始め！」
部員達は一斉にスタートした。
「え、ちょ、待っ」
さっそく出遅れた。


「ハァハァ、ア、アップじゃないよこれ・・・・・・」
　もうバテバテである。
「次はストレッチ、むっちゃん、伊織に教えてやれ」
「ういーっす」
　小走りで、むっちゃんが近づいてきた。
「ストレッチするぞー」
「あ、ああ」
　意外とむっちゃん、体力あるな･･･。
「じゃあ、先に足のストレッチからな」
　股関節を伸ばす重要なストレッチだ。
「じゃ、いくぞー」
「や、優しく頼むよ･･･」
「とりゃー！」
「痛い！　これ以上は開かないから！」
「まだ、まだイケるっ！」
「痛いわ！　止めい！」
　股関節が有り得ないぐらい軋んでいる。
「はい、終わり」
「お、終わった･･･」
　俺、毎日風呂場でストレッチしよう。