35 / 35
第36話 未来。
しおりを挟む
「あ、母しゃま、ネコッ、ネコッ!!」
庭園の茂みに向かって、幼い子どもが指をさす。
いいものを見つけた。
そのキラキラと輝く目が、連れ添う母親に興奮を伝えている。
「まあ、猫? 珍しいわね、こんなところで」
母親も、笑って子どもを見る。
自分の見つけたものを、早く母に見せたくて、グイグイとその手を引っ張る。だが、そうしているうちに、猫は姿を消しそうだ。
パッと手を離し、猫を見つけることを優先する。先に見つけて、それから母に見せればいい。名案だ。
「ネコ、どこ~~!?」
庭園のすみっこまで走ると、器用に茂みのなかに潜る。子どもの小さな体なら、茂みなど大したことない。それどころか、洞窟探検のようでワクワクする。
「ネコ~、ネコしゃん、どこ~~?」
ガサガサと派手な音をたてて這ってゆく。しかし、なかなか目当ての猫が見つからない。
「うう~、ネコしゃん……」
見つけたのに。さっきまで近くにいたのに。そこの茂みに隠れたはずなのに。
悔しくて目に涙が溜まってくる。
見つけて、母しゃまに見てほしかったのに。
最近の母しゃまは、お腹が大きくなって辛そうだから。こうして自分と一緒にいてくれるのも、久しぶりのことだから。
ネコを見て、喜んでほしかったのに。
「ミャア……」
涙にゆがんだ視界の向こうで鳴き声がした。
ポロリとこぼれた涙を、何かが舐めた。
「ネコ……しゃん!?」
あわてて手を伸ばすが、ヒラリとかわされる。ネコは泣いてる子供には優しいが、だからといって、捕まってオモチャにされるのはうれしくないらしい。
茂みのさらに奥、誰の手も届かないような先へと姿を消した。
「シルヴェ、もういいわ。出ていらっしゃい」
いつまでも茂みにもぐりこんだままの息子に、母親が声をかけた。
再び涙を溢れさせた子供。その声に逆らうことは出来ず、しかたなく茂みから出てゆく。
「うう~」
目にいっぱい涙をためて、悔しそうに下唇を噛む息子に、母親は少しだけ笑った。
「大丈夫よ。母さまも少しは見えたから。かわいい猫だったわね」
父親譲りの銀灰色の髪についた枯葉を払いのけてやる。深い青色の瞳は涙で揺れている。
よく見れば、白いシャツも泥だらけだ。
「こんなに汚したら、エレンに叱られちゃうわね」
その言葉に、シルヴェは身を硬くした。
エレンはこの屋敷のメイドだが、シルヴェにとって家政婦頭のミセス・アマリエよりもずっと怖い。エレンの息子、アントニーと一緒にいたずらをしてくり返しているから、彼女の怒るさまは簡単に想像できてしまう。
「大丈夫よ。今日は、母さまも一緒に謝ってあげるわ。お洋服を汚しちゃってごめんなさいってね」
「ホントッ!? 母しゃまっ!!」
「ええ、本当よ」
母しゃまと一緒なら、大丈夫だ。エレンも、きっとそこまで怒らないだろう。エレンは厳しいけど母しゃまにはすこぶる優しい。
「母しゃま、大好きっ」
幼い手で、せいいっぱい母を抱きしめる。
柔らかい、甘い香りのする母を独り占めする。大きなお腹は邪魔だけど、それでも頬をよせれば、幸せな気持ちになれる。
「あらあら、大きな赤ちゃんね。もうすぐお兄ちゃんになるのに」
お兄ちゃんになっても、こうして甘えたい。そう思ってギュッてしがみついたら、お腹のなかからポコリと蹴飛ばされた。
「うう~」
痛いわけじゃないけど、悔しい。ボクだって、母しゃまを独り占めしたい。
再びこぼれ落ちた涙を拭ってもらう。
公爵家の跡取りとして、いつまでもこんな弱虫じゃダメだってわかってるけど、まだ子供なんだから少しぐらいいいじゃないかって思う。
「大丈夫よ。シルヴェはいつか立派なお兄ちゃんになるわ。母さまと父さまの子ですもの。きっと誰よりも素敵なお兄ちゃんになるわよ」
「ホント?」
「ええ。絶対なれるわ」
だから安心して。
「母しゃま!!」
うれしくって、再び母しゃまに飛びつく。
母さまがそうおっしゃるのなら、絶対ボクは立派なお兄ちゃんになる。公爵家の跡取りとして恥ずかしくない、素敵なお兄ちゃん。ちょっとぐらいお腹の中の赤ちゃんに蹴られても、ボクは立派なお兄ちゃんなんだから、平気だもん!!
「甘えん坊だな、シルヴェは」
ネコの消えた先、茂みの向こうから聞こえた笑い声に、シルヴェとその母親、リーナは視線をむけた。
「お帰りなさい、アナタ」
「父しゃまっ!!」
シルヴェが駆け寄ると、その勢いのままに父親、クラウドが息子を抱き上げる。
「いい子にしてたか、シルヴェ」
「はいっ!!」
クラウドに振り回され、シルヴェがキャッキャと声を上げて笑った。
父しゃまのお腹には、弟も妹も入ってないから、好きなだけギュッと出来る。母しゃまも大好きだけど、この父しゃまも大好きだ。シルヴェは、自分と同じ髪色の父しゃまに顔を寄せて、思いっきり甘える。
「元気にしてたか、リーナ」
「ええ。今日は体調もいいから、シルヴェと散歩を」
夫のいたわりに応えるように、リーナは自分のお腹をさすってみせた。
「この子も、今日はとても元気なのよ」
先ほどだって、母親を独り占めしようとした兄を蹴飛ばしたぐらいだ。
「それはよかった」
シルヴェを片手で肩に抱き上げながら、リーナも抱き寄せる。
「俺は、お前がいなくて寂しかったがな」
「まあ……」
額に軽く口づけられて、リーナは苦笑するしかない。
この春、父親の地位を継ぎ、ヴィッセルハルト公爵となった彼は、ここ数日かけて公爵家の領地を回っていた。
爵位継承とともに、本来なら公爵家の本宅に引っ越さねばならなかったが、いまだに以前と同じ屋敷で暮らしている。公爵夫人となったリーナが、たくさんの使用人に囲まれて生活することに慣れていないのと、クラウドが、気兼ねなくリーナと過ごす時間を作りたいというワガママがその理由だった。
そのせいで料理人のハンスをはじめバートン家の者たちは、街でレストランを開くことなく、家族ぐるみでいまだにこの屋敷で働いてくれている。ジョージと結婚したエレンは、メイドであるだけでなく、先に子どもを産んだ経験者として、リーナのよき相談相手となってくれている。
もうすぐ二人目の子どもも生まれるというのに。
クラウドのリーナへの愛情は変わらず、離れることを嫌い、戻ると容赦なく甘える。
(シルヴェよりも手のかかる、大きな子どもだわ)
外では、立派なステキな公爵さまだと言われているのに。社交界で、いまだに彼に秋波を送っている令嬢、夫人たちが見たら、さぞ驚くに違いない。
「父しゃま、あのねっ、さっきそこにネコがいたんだよ!!」
抱き上げられたままのシルヴェが声を上げた。
「猫!?」
「うんっ、すぐにいなくなっちゃったけど。でもちゃんといたんだよ? こーんな真っ白いキレイなネコしゃん!!」
身振り手振りで、シルヴェが一生懸命父親に伝える。
クラウドの方は、そんな息子に一瞬だけ苦いものを噛んだような顔をしてみせた。
「父しゃま……?」
理由がわからないシルヴェは、キョトンとするだけだ。
もしかして、父しゃまはネコがお嫌いなのだろうか。猫を飼いたいなんて言ったら嫌われてしまうかな。
「シルヴェ。大丈夫よ。父さまも猫はお嫌いではないわ」
シルヴェの不安を察したように、リーナが語りかけた。
「それより、シルヴェ。灰色猫には気をつけたほうがいいわよ」
「はいいろ?」
さっき見たのは白色だったけど。
「灰色猫はね、とっても甘えん坊さんなのよ。ちょっぴりワガママで独占欲の強い甘えん坊さん」
クスクスと笑いながら、リーナが教える。
「リーナ」
自分を抱き上げる父親が、眉をしかめ母親をたしなめる。顔を赤くして、少し怒ってる。
どういうことなのかな。
わからないシルヴェは、首をかしげるしかなかった。
* * * *
「覚悟しろよ」
シルヴェに聞かれないように、囁くようにクラウドがリーナに告げた。
「子どもが生まれたら、猫らしく、タップリ甘えてやるからな」
庭園の茂みに向かって、幼い子どもが指をさす。
いいものを見つけた。
そのキラキラと輝く目が、連れ添う母親に興奮を伝えている。
「まあ、猫? 珍しいわね、こんなところで」
母親も、笑って子どもを見る。
自分の見つけたものを、早く母に見せたくて、グイグイとその手を引っ張る。だが、そうしているうちに、猫は姿を消しそうだ。
パッと手を離し、猫を見つけることを優先する。先に見つけて、それから母に見せればいい。名案だ。
「ネコ、どこ~~!?」
庭園のすみっこまで走ると、器用に茂みのなかに潜る。子どもの小さな体なら、茂みなど大したことない。それどころか、洞窟探検のようでワクワクする。
「ネコ~、ネコしゃん、どこ~~?」
ガサガサと派手な音をたてて這ってゆく。しかし、なかなか目当ての猫が見つからない。
「うう~、ネコしゃん……」
見つけたのに。さっきまで近くにいたのに。そこの茂みに隠れたはずなのに。
悔しくて目に涙が溜まってくる。
見つけて、母しゃまに見てほしかったのに。
最近の母しゃまは、お腹が大きくなって辛そうだから。こうして自分と一緒にいてくれるのも、久しぶりのことだから。
ネコを見て、喜んでほしかったのに。
「ミャア……」
涙にゆがんだ視界の向こうで鳴き声がした。
ポロリとこぼれた涙を、何かが舐めた。
「ネコ……しゃん!?」
あわてて手を伸ばすが、ヒラリとかわされる。ネコは泣いてる子供には優しいが、だからといって、捕まってオモチャにされるのはうれしくないらしい。
茂みのさらに奥、誰の手も届かないような先へと姿を消した。
「シルヴェ、もういいわ。出ていらっしゃい」
いつまでも茂みにもぐりこんだままの息子に、母親が声をかけた。
再び涙を溢れさせた子供。その声に逆らうことは出来ず、しかたなく茂みから出てゆく。
「うう~」
目にいっぱい涙をためて、悔しそうに下唇を噛む息子に、母親は少しだけ笑った。
「大丈夫よ。母さまも少しは見えたから。かわいい猫だったわね」
父親譲りの銀灰色の髪についた枯葉を払いのけてやる。深い青色の瞳は涙で揺れている。
よく見れば、白いシャツも泥だらけだ。
「こんなに汚したら、エレンに叱られちゃうわね」
その言葉に、シルヴェは身を硬くした。
エレンはこの屋敷のメイドだが、シルヴェにとって家政婦頭のミセス・アマリエよりもずっと怖い。エレンの息子、アントニーと一緒にいたずらをしてくり返しているから、彼女の怒るさまは簡単に想像できてしまう。
「大丈夫よ。今日は、母さまも一緒に謝ってあげるわ。お洋服を汚しちゃってごめんなさいってね」
「ホントッ!? 母しゃまっ!!」
「ええ、本当よ」
母しゃまと一緒なら、大丈夫だ。エレンも、きっとそこまで怒らないだろう。エレンは厳しいけど母しゃまにはすこぶる優しい。
「母しゃま、大好きっ」
幼い手で、せいいっぱい母を抱きしめる。
柔らかい、甘い香りのする母を独り占めする。大きなお腹は邪魔だけど、それでも頬をよせれば、幸せな気持ちになれる。
「あらあら、大きな赤ちゃんね。もうすぐお兄ちゃんになるのに」
お兄ちゃんになっても、こうして甘えたい。そう思ってギュッてしがみついたら、お腹のなかからポコリと蹴飛ばされた。
「うう~」
痛いわけじゃないけど、悔しい。ボクだって、母しゃまを独り占めしたい。
再びこぼれ落ちた涙を拭ってもらう。
公爵家の跡取りとして、いつまでもこんな弱虫じゃダメだってわかってるけど、まだ子供なんだから少しぐらいいいじゃないかって思う。
「大丈夫よ。シルヴェはいつか立派なお兄ちゃんになるわ。母さまと父さまの子ですもの。きっと誰よりも素敵なお兄ちゃんになるわよ」
「ホント?」
「ええ。絶対なれるわ」
だから安心して。
「母しゃま!!」
うれしくって、再び母しゃまに飛びつく。
母さまがそうおっしゃるのなら、絶対ボクは立派なお兄ちゃんになる。公爵家の跡取りとして恥ずかしくない、素敵なお兄ちゃん。ちょっとぐらいお腹の中の赤ちゃんに蹴られても、ボクは立派なお兄ちゃんなんだから、平気だもん!!
「甘えん坊だな、シルヴェは」
ネコの消えた先、茂みの向こうから聞こえた笑い声に、シルヴェとその母親、リーナは視線をむけた。
「お帰りなさい、アナタ」
「父しゃまっ!!」
シルヴェが駆け寄ると、その勢いのままに父親、クラウドが息子を抱き上げる。
「いい子にしてたか、シルヴェ」
「はいっ!!」
クラウドに振り回され、シルヴェがキャッキャと声を上げて笑った。
父しゃまのお腹には、弟も妹も入ってないから、好きなだけギュッと出来る。母しゃまも大好きだけど、この父しゃまも大好きだ。シルヴェは、自分と同じ髪色の父しゃまに顔を寄せて、思いっきり甘える。
「元気にしてたか、リーナ」
「ええ。今日は体調もいいから、シルヴェと散歩を」
夫のいたわりに応えるように、リーナは自分のお腹をさすってみせた。
「この子も、今日はとても元気なのよ」
先ほどだって、母親を独り占めしようとした兄を蹴飛ばしたぐらいだ。
「それはよかった」
シルヴェを片手で肩に抱き上げながら、リーナも抱き寄せる。
「俺は、お前がいなくて寂しかったがな」
「まあ……」
額に軽く口づけられて、リーナは苦笑するしかない。
この春、父親の地位を継ぎ、ヴィッセルハルト公爵となった彼は、ここ数日かけて公爵家の領地を回っていた。
爵位継承とともに、本来なら公爵家の本宅に引っ越さねばならなかったが、いまだに以前と同じ屋敷で暮らしている。公爵夫人となったリーナが、たくさんの使用人に囲まれて生活することに慣れていないのと、クラウドが、気兼ねなくリーナと過ごす時間を作りたいというワガママがその理由だった。
そのせいで料理人のハンスをはじめバートン家の者たちは、街でレストランを開くことなく、家族ぐるみでいまだにこの屋敷で働いてくれている。ジョージと結婚したエレンは、メイドであるだけでなく、先に子どもを産んだ経験者として、リーナのよき相談相手となってくれている。
もうすぐ二人目の子どもも生まれるというのに。
クラウドのリーナへの愛情は変わらず、離れることを嫌い、戻ると容赦なく甘える。
(シルヴェよりも手のかかる、大きな子どもだわ)
外では、立派なステキな公爵さまだと言われているのに。社交界で、いまだに彼に秋波を送っている令嬢、夫人たちが見たら、さぞ驚くに違いない。
「父しゃま、あのねっ、さっきそこにネコがいたんだよ!!」
抱き上げられたままのシルヴェが声を上げた。
「猫!?」
「うんっ、すぐにいなくなっちゃったけど。でもちゃんといたんだよ? こーんな真っ白いキレイなネコしゃん!!」
身振り手振りで、シルヴェが一生懸命父親に伝える。
クラウドの方は、そんな息子に一瞬だけ苦いものを噛んだような顔をしてみせた。
「父しゃま……?」
理由がわからないシルヴェは、キョトンとするだけだ。
もしかして、父しゃまはネコがお嫌いなのだろうか。猫を飼いたいなんて言ったら嫌われてしまうかな。
「シルヴェ。大丈夫よ。父さまも猫はお嫌いではないわ」
シルヴェの不安を察したように、リーナが語りかけた。
「それより、シルヴェ。灰色猫には気をつけたほうがいいわよ」
「はいいろ?」
さっき見たのは白色だったけど。
「灰色猫はね、とっても甘えん坊さんなのよ。ちょっぴりワガママで独占欲の強い甘えん坊さん」
クスクスと笑いながら、リーナが教える。
「リーナ」
自分を抱き上げる父親が、眉をしかめ母親をたしなめる。顔を赤くして、少し怒ってる。
どういうことなのかな。
わからないシルヴェは、首をかしげるしかなかった。
* * * *
「覚悟しろよ」
シルヴェに聞かれないように、囁くようにクラウドがリーナに告げた。
「子どもが生まれたら、猫らしく、タップリ甘えてやるからな」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる