すれ違い実行委員会

ステルススター

文字の大きさ
17 / 29
第一章-すれ違い-

-part15-実行の後

しおりを挟む
 中村は彼女に土下座して、帰って行った。

 「えーと。大丈夫ですか?」

 「・・・うぅぅぅ・・・」

 「ほら、ハンカチ。これ使って」

 「・・・・・」

 「怖がらなくていいよ。その人、顔は怖いけど、めっちゃ優しい人だから」

 「会長。顔の事、気にしてるんですけど」

 場を和ませる為に、中村が帰った後にフードで顔を隠して、さっきまで中村と一緒にいた女子に話しかけた。
 ずれ違い実行は概ね成功。
 まず、すれ違い実行委員会のOBである竹谷《たけや》さんに連絡して、中村を脅してほしいと頼んだ。これで、中村は誰が竹谷さんと付き合っているか分からないから全員と別れないといけなくなる。しかも、泣かなとも言われてるせいで、円満に別れないといけない。
 これが、今回の計画。
 ちなみにだが、計画を実行する前に、この女子にはこちらからコンタクトをして、話をしていた。つまり、協力関係者である。
 
 「・・・ありがとうございます。教えて頂けなかったら、啓輝がこんなにもクズだって、気づきませんでした」
 
 「いや、すいません。つらい思いさせてしまって」

 女子に頭を下げて謝った。
 「そんなに謝らないでいいです」と女子は言うが、しっかり謝らないといけない。
 失恋はつらい。相手が本当にクズで愛想も愛情もなければいいが、今回は違う。
 中村はどの女子に対しても、愛情をもって接触ていた。
 それが駄目なのだ。
 優しくされていたのに、いきなり別れを。それも別の女子と付き合ってました。なんて事実を聞かされては、立ち直れずに引きこもってしまうかもしれない。
 だから、少しでも円満に別れるようにさせた。中村が付き合っていた女子たちにはできる限り、複数の女子と付き合っていた事実を気づかれないように。
 でも、誰か一人はこの事実を知って欲しかった。
 誰か一人でも知っているなら話が広まっていると思い、中村への抑止力になるからである。そこで、付き合っている女子の中で一番、正義感の強くて立ち直りが早そうな、今、目の前にいる女子にコンタクトを取って、聞きたくなかったかもしれない、中村の事実を話した。

 「・・・あの。ところで、竹谷さんは、彼女がいるんですか?」

 「え。あー。彼女の話?あれは嘘だよ。顔が怖くてなかなか女の人が近寄ってくれないんだって」

 「会長。やめて下さいよ。本気で顔は気にしてるんですから」
 
 「竹谷さんが、俺に敬語を使うのを辞めたら考えるよ」 

 「・・・・そうなんですね。竹谷さん」

 「はい?」

 「今度、食事でもどうでしょうか?今日のお礼がしたいです!」

 もう、次の恋愛。
 とても心が強い女子。これなら、竹谷さんの事を引っ張って行ってくれそう。
 安心していると。プルプルと顔を震わせる竹谷さん。
 女子との付き合いなし、しかも相手は年氏。テンパっているのである。
 俺は、こっそり竹谷さんに親指を立てた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

SSS級の絶世の超絶美少女達がやたらと俺にだけ見え見えな好意を寄せてくる件について。〜絶対に俺を攻略したいSSS級の美少女たちの攻防戦〜

沢田美
恋愛
「ごめんね、八杉くん」 中学三年の夏祭り。一途な初恋は、花火と共に儚く散った。 それ以来、八杉裕一(やすぎ・ゆういち)は誓った。「高校では恋愛なんて面倒なものとは無縁の、平穏なオタク生活を送る」と。  だが、入学した紫水高校には《楽園の世代》と呼ばれる四人のSSS級美少女――通称《四皇》が君臨していた。  • 距離感バグり気味の金髪幼馴染・神行胱。  • 圧倒的カリスマで「恋の沼」に突き落とす銀髪美少女・銀咲明日香。  • 無自覚に男たちの初恋を奪う、おっとりした「女神」・足立模。  • オタクにも優しい一万年に一人の最高ギャル・川瀬優里。  恋愛から距離を置きたい裕一の願いも虚しく、彼女たちはなぜか彼にだけ、見え見えな好意を寄せ始める。 教室での「あーん」に、放課後のアニメイトでの遭遇、さらには女神からの「一緒にホラー漫画を買いに行かない?」というお誘いまで。  「俺の身にもなれ! 荷が重すぎるんだよ!」  鋼の意志でスルーしようとする裕一だが、彼女たちの純粋で猛烈なアプローチは止まらない。 恋愛拒否気味な少年と、彼を絶対に攻略したい最強美少女たちの、ちょっと面倒で、でも最高に心地よい「激推し」ラブコメ、開幕!

処理中です...