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本編
90.「え?今日は尻尾ハムハムしてもいいの?」
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月明りが周囲を照らす。街は昼間の活気を失い、静かに眠っていた。
ここは清波の町。織波家の本拠地である清波城の城下町である。
そんな町のとある一角……人気の無い裏路地にて三匹の白いキツネの尻尾が揺らめいていた……。
ここはキツネの集会所。ここでは何日かに一度、キツネたちが集まって情報交換やお互いの近況報告などをしている。
そして今、三匹のキツネが集会所に集まっている。無論、そのキツネとはただのキツネではなくキツネの半化生、白狐であった。
「……という事があったのです」
下働きの女中の格好をしたお手伝い白狐……もとい密偵白狐が城での出来事を他の白狐達に報告していた。
お城を散策していたら信根のオナニーを目撃したり、三匹の半化生の先輩忍者に会ってウサギさんの身体を洗ってあげたり、芝村という感じの悪い家老に会ったり、市野とイチャイチャしたり、信根のオナニーを見たりといった主要な出来事を共有しているのだ。
情報を共有する事で他の二匹が会った事のない芝村や先輩の忍に出くわしても話についていけるという訳である。
……ぶっちゃけ融合すれば意識や経験は統合されるので口で説明するよりも早いのだが、もう一度分身の術を行うのは痛くて嫌なのでこうして夜な夜な集まって情報共有の場を設けている白狐達だが……
「へぇ、そんな事があったんだ。市野様っていうのは女の子みたいな男の子なんだね」
「僕もウサギさんと会いたいなぁ。そのしまむら……?って人には会いたくないけど」
別に人から隠れるように町の路地裏で集会を開かなくてもいいのだが、なんとなく癖になっているので集まっているのだ。
「お手伝い白狐くんの報告は終わりかな。じゃあ次は……小姓白狐くんのお話にしよう」
「えっと僕の方は特に何もないけど……敢えて言えば信葉様が金平糖早く作って寄越せってうるさくてさぁ」
三匹のキツネがわいわいと話し合いながら尻尾を揺らす。三匹集まれば姦しい……という訳でもないが、三匹集まると結構騒がしいのだ。
「金平糖?でもあれって沢山の砂糖がないと作れないけど」
「僕もそう言ったんだけど、なんとかして作れって」
「相変わらず無茶言うなぁあの人は」
「後は……最近信葉様と一緒に勉強してるからなんとなくこの国の情勢みたいなのが分かってきたよ」
小姓白狐は信葉から色々な教育を受けていた。
幻魔から教わったのは生きる術と昔の教養と忍術、そしてエッチな事であるが信葉から教わるのはこの国の情勢や歴史、政治などだ。
「なんでそんな事僕に教えるんだろ?」
「さぁ……信葉様の考える事はよく分からないから」
「そもそも小姓ってなにするのさ。よく分からないよ」
やいのやいのと三匹が騒ぐ。白狐は自分が忍として大成する事を望んでいるが、信葉は自分に何を望んでいるのかさっぱり分からない。
「まぁいいじゃない。僕は面白そうだからいいんだけど」
「面白い?何が?」
「あの人といると退屈しないし、飽きないからさ」
そう言うと小姓白狐の尻尾がゆらりと揺れる。どうやらこのキツネ……結構楽しんでいるようだ。
「それで?住民白狐くんの方はどんな感じなの?」
「えっとねぇ……こっちは皆頑張ってるよ。不良の人達も毎日練兵所で真面目に訓練してるし、もうすぐ碧波村の皆も領地に来るみたい」
「そうなんだ。綾子さんと薫ちゃんと会うの楽しみだなぁ」
白狐達は綾子や薫の事を思い出す。
日数にすればそれほど長く離れていない筈なのだが、妙に長く会っていないように感じた。
あの碧波村での生活は幻魔の元から旅立った白狐にとって初めての人間との生活であり、色々な女性達と仲を育んだ大切な時間であった。
特に薫は友達であり、親友である。身体の弱い薫がここまで来れるか不安であったが、どうやらなんとかなっているようだ。
「村長さんも最近は落ち着いて、前みたいな笑顔が増えてきたよ」
村長は戦の時から思い詰めた表情をしていたので白狐は心配していたのだが、平穏な時間が増えると彼女も徐々に村に居た時のような穏やかな雰囲気を取り戻してきた。
白狐はそれがなによりも嬉しかったし、彼女の笑顔を見るとなんだか暖かい気持ちになるのだ。
そうして三匹の白狐が互いに情報を交換しつつ、わいわいと話し合っているとふと周りが少し明るくなってきているのに気付く。
どうやら夜が明けてきたようだ。
「あれ?そろそろ夜が明けるね」
「本当だ。それじゃあ僕はそろそろ戻ろうかなぁ」
キツネの集会は夜の間だけだ。朝になったらそれぞれの生活に戻るのである。
「うん、じゃあまたね。僕」
白狐達は立ち上がると集会所を後にしようとする。
これから彼等は忙しいのだ。時間を無駄にする訳にはいかない。
夜更かしした分、お昼寝もしなければならないしおやつも食べたいし女の人と触れ合いたいし、やる事は山積みである……。
ふわぁと欠伸をした後白狐達は一斉に飛び立ち、後には白いキツネの毛だけが路地裏にふわりと舞っていた。
ーーーーーーーーー
「せい!せい!」
信葉の領地にある練兵場。そこでは日夜信葉の子分……もとい兵士が訓練に励んでいた。
一心不乱に槍を振るうその姿は最早元の不良ではなく立派な兵士の卵としてその身を鍛えていた。
「おらぁ!槍の握りが甘いぞ!そんなんで敵を倒せると思ってんのか!」
そんな兵士達に檄を飛ばしているのは……力丸だ。
彼女は訓練には一切の手加減はしないし、容赦もない。今だって汗と泥まみれになった兵士達を一人で打ち据えている最中だった。
「ぐぇ……」
どさりと不良達の手から槍が落ちる。その数は既に二十人程。これでも半数以下だ。
「どうした?まだまだこんなもんじゃないだろ?」
「ま、待ってくれよ……力丸さん……」
へたり込む不良達を見下ろしながら力丸がニヤリと笑みを浮かべる。それに対して必死に槍を振るう前利。
「なんだぁ?もう終いか?」
そう言って力丸が前利に槍を向けて脅す。
「ぐ……くそぅ!」
力丸の槍を必死に捌く前利だったが、ついに槍を弾き飛ばされてしまう。
そしてそのまま尻餅をついて動けなくなってしまう。
しかしその瞬間、力丸の背後から笹と川知の二人が襲い掛かった。
「やあぁ!」
「てやぁ!!」
笹と川知が左右から力丸に槍を振るう。しかし……
「おおう!?」
ひらりと身を躱すと、力丸は笹を槍の柄で吹き飛ばし、川知は剛腕で槍ごと握り潰す。
「ぎゃう!」
「ぐぇえ……」
笹と川知が悲鳴を上げる。二人は吹き飛ばされて地面を転がるとぴくぴくと全身を痙攣させていた。
「……ふぅ、今日はこんなもんか」
一仕事終えたように額の汗を拭うと力丸は倒れた不良達を見渡すと満足気な笑みを浮かべていた。
泥と汗に塗れた不良達。その姿にはかつての慢心や怠惰な心は欠片も見られない。
今ここにいるのは、真剣に訓練に励む信葉の親衛隊候補であった。
「お前らも見違えたじゃねーか。まぁこの俺様が直々に訓練してやってんだから当たり前だが……もう少し精進すれば俺様を抜いちまうかもな!」
そう言ってガハハと笑う力丸。その姿を見て不良達はチッと舌打ちをし忌々しげに力丸を睨みつける。
力丸は不良達を力で抑え込み、訓練付けの日々を送らせている。それは信葉からの指示があるというだけではない。
力丸という女は強い女が好きだ。性的な意味ではなく、戦いや生き様という意味でだ。
最初は笹や川知のような軟弱者の相手は面白くなかったが、彼女らが必死に食らい付いてくる姿勢に段々と興味を持つようになり……今ではこうして前利も合わせて毎日直々に訓練をつけてやっている。
強くありたいというその在り方が力丸は好きであった。そして幸運な事に彼女達は鍛えれば鍛える程メキメキと力を付けていっている。
恐らくはすぐに抜かれるだろう、しかし力丸はそれが嬉しかった。
「チッ……おめーみたいな化け物みたいな奴に勝てる訳ねーじゃねーか!」
前利がそう言うが、自分が強くなってきているのに気付いていないのだろう。力丸はフッと笑うと地面に横たわる三人に言い放つ。
「化け物ね……。戦場には俺以上の化け物なんざごまんといる。死にたくなかったらさっさと俺くらい片手で倒せるようになっとけ」
力丸はそう言うと三人に背を向けそのまま練兵場を出て行ってしまった。
彼女の役割はここまでだ。後は『彼』の役目である。
力丸の背中を不良達は忌々しげに見つめながら、よろよろと起き上がり口々に呟く。
「ちっ……!力丸の野郎、調子に乗りやがって……!」
「いつかぶちのめしてやる!」
次々に力丸への憎悪と怒りを言葉にする不良達。
しかしその中の一人がぽつりと言った。
「まぁ、いいや。取り合えず『お楽しみ』の時間だ」
その声を皮切りに不良達は立ち上がると、ニヤニヤと笑みを浮かべながら次々に立ち上がる。
そして練兵場の隅に配置されている、ちゃぶ台や座布団が置いてある場所に行くと、疲れた身体を休めるように座り込んだ。
「はぁ~今日も訓練疲れたぜ~」
「冷えた水くれー」
「いや、まずは飯だろ!」
思い思いに身体を休ませながらホッと一息つく不良達。そこへポン!と音を立てて煙と共に現れたのはキツネの半化生……白狐であった。
彼はエプロンを付けてその手と尻尾にはほかほかのご飯とおかずがたんまりと乗っかったお膳を持っている。
「皆さんお疲れ様です!ご飯にしましょ!」
にこにこと笑みを浮かべながらお膳をちゃぶ台に置く白狐。すると不良達は疲れた顔から一転、嬉しそうな顔を浮かべ白狐の登場を拍手で迎えた。
「おー待ってたぜ白狐!」
「腹減ったー!早くお前の飯食いてー!」
そう言って我先にと群がる不良達を優しく押しのけると、お膳の上に次々とおかずや白米を並べていく白狐。
あっという間に何十人の食べ盛りの胃袋を満足させる量の料理がちゃぶ台の上に並べられ、白狐はごほんと咳払いをすると皆に声を掛ける。
「みんな今日も頑張ったねー!。信葉様も喜ぶよ!さぁ、いっぱい食べて強くなってねー!」
『おー!』
各々が声を上げて返事すると、皆ちゃぶ台の前に座り茶碗を手に取り思い思いのおかずに手を伸ばす。
「あ、お野菜も食べないと駄目ですよ~」
『はーい』
白狐からの注意を聞きながら不良達はパクパクとお膳に行儀よく並べられたおかずとご飯を口に運んでいく。
その姿は最早不良ではなく、餌付けされた犬である……。
そんな情けない不良達の姿を見る女が一人。前利である。
彼女はかつての仲間が不甲斐なくも食べ物を口に運んでいる姿に溜息を漏らすと、その場にどっかりと腰を下ろして自分の分のご飯を食べ始めた。
「はぁ……ったく、情けないったらねぇぜ……」
そうぼやく前利だったが、ちゃっかりと自分も白狐の作った飯を食べている。
しかしこれは仕方のない事なのだ。訓練の後には腹が減る。腹が減っては訓練は出来ぬ……。
そんな状況で美味しそうな(実際美味しい)白狐の手料理を見て我慢出来る奴などいないのだ。
「うめっ……!うめっ……!」
川知はそれこそ犬のように意地汚く飯にかぶりついている。
「お代わりもありまーす!」
「え?今日は尻尾ハムハムしてもいいの?」
「それは駄目です」
笹は白狐と仲良さげに話している。
牙の抜かれた仲間達の姿に前利のイライラは増すばかりだ。
「ちっ……なんでこいつらはこんな腑抜けになっちまったんだ……」
そう呟くも、答える者はいない。
……確かに今の生活は、どこか充実感があるのは事実だ。
安心して寝られるちゃんとした寝床に、優しい村人達。訓練は辛いが代わりに飯の心配はしなくてもいいし、なによりその飯が美味い。
不良として街を彷徨っていた時とは大違いだ。まるで自分が野生の獣から人間に戻ったような感じさえする。
しかし、それはそれ。これはこれ。前利は今の自分達の堕落っぷりを快く思ってはいなかった。
「ふん……くだらねぇ」
前利はそう吐き捨てると握り飯を飲み込み一人、その場を後にしようとする。
しかし、そんな彼女の前に一匹のキツネ……白狐が立ちはだかった。
「あら~前利ちゃん全然食べてないじゃないの!もっと沢山食べないと強くなれないわよ!」
「……その口調、ムカつくからやめろ。ぶっとばすぞ」
ふざけた口調でそう言い放つ白狐に前利は額に青筋を浮かべて睨み付ける。
しかし白狐はそんな視線など意に介さないようにニコニコと笑っていた。
白狐が前利の目の前にお膳を置き、お茶を淹れる準備を始める。
「ほらほら!もっとゆっくりしていってね!」
「……うるせぇ、ほっとけ」
前利はそう吐き捨てると、踵を返してその場を後にしようとする。だがそんな彼女の周囲に急に突風が吹き荒れ、風に吹き飛ばされるようにして前利は再びちゃぶ台の前に座らされてしまった。
「ぐっ……くそっ!妙な術使いやがって!ずりぃぞ!」
このキツネは奇妙な術を使い、こうして自分達を翻弄するのだ。
それに加え半化生特有の高い身体能力まで兼ね備えており、前利がいくら力を込めても抵抗虚しく結局席につかされてしまう。
「くそったれ……!」
白狐は悔しそうに悪態をつく前利をニコニコと眺めながら、お膳の上に湯気の立つ料理を並べていった。
「はいはーい!今日は豚肉の生姜焼きに野菜たっぷりの豚汁、それから山盛りご飯ねー!」
「……いやこんなに食える訳ねーだろ」
前利は握り飯を食べたのだ。更にこんな本格的な料理を出されても食べられる訳がない。
しかし前利がそう言うと白狐は涙目になって俯き、口を開く。
「えっ……?せっかく作ったのに……食べてくれないの……?」
ぐすりと鼻を鳴らし、その大きな瞳から涙がこぼれる。周囲にいた不良達はそれを見て「あーあ」と非難するような目で前利を見てきた。
「あーあ、前利が白狐の事泣かした~」
「おいおい、こんな小さいの虐めてどうすんだよ?女の風上にも置けねー奴だなぁ」
次々に前利を非難する声が上がる中、前利は
「ちっ……わかったよ!」
と吐き捨てるとお膳に並べられた料理を食べ始めた。
周囲は完全に白狐の味方であるし、前利も何故かこのキツネが泣く姿は見たくなかった。
そしてそれを見た白狐がぱぁっと笑顔になり、うんうんと満足気に頷いている。
「いっぱい食べてね!いっぱい食べて大きくなろうね!」
「……ふん」
前利は無視するように食事をしていたが、それでもその視線はずっと自分の方に向けられていた……。
結局はこうして自分も奴の作ったご飯を食べさせられてしまうのだ。今日だけではなく、昨日も、そのまた昨日もそうだった。
いつか反抗してやろうと思うが、白狐に上手く乗せられてしまう。前利はそれが悔しくて仕方なかった。
「味どうだった?」
「……悪くねぇよ!」
「んふふ~♡」
そうして練兵場での時間は過ぎていくのであった……
ここは清波の町。織波家の本拠地である清波城の城下町である。
そんな町のとある一角……人気の無い裏路地にて三匹の白いキツネの尻尾が揺らめいていた……。
ここはキツネの集会所。ここでは何日かに一度、キツネたちが集まって情報交換やお互いの近況報告などをしている。
そして今、三匹のキツネが集会所に集まっている。無論、そのキツネとはただのキツネではなくキツネの半化生、白狐であった。
「……という事があったのです」
下働きの女中の格好をしたお手伝い白狐……もとい密偵白狐が城での出来事を他の白狐達に報告していた。
お城を散策していたら信根のオナニーを目撃したり、三匹の半化生の先輩忍者に会ってウサギさんの身体を洗ってあげたり、芝村という感じの悪い家老に会ったり、市野とイチャイチャしたり、信根のオナニーを見たりといった主要な出来事を共有しているのだ。
情報を共有する事で他の二匹が会った事のない芝村や先輩の忍に出くわしても話についていけるという訳である。
……ぶっちゃけ融合すれば意識や経験は統合されるので口で説明するよりも早いのだが、もう一度分身の術を行うのは痛くて嫌なのでこうして夜な夜な集まって情報共有の場を設けている白狐達だが……
「へぇ、そんな事があったんだ。市野様っていうのは女の子みたいな男の子なんだね」
「僕もウサギさんと会いたいなぁ。そのしまむら……?って人には会いたくないけど」
別に人から隠れるように町の路地裏で集会を開かなくてもいいのだが、なんとなく癖になっているので集まっているのだ。
「お手伝い白狐くんの報告は終わりかな。じゃあ次は……小姓白狐くんのお話にしよう」
「えっと僕の方は特に何もないけど……敢えて言えば信葉様が金平糖早く作って寄越せってうるさくてさぁ」
三匹のキツネがわいわいと話し合いながら尻尾を揺らす。三匹集まれば姦しい……という訳でもないが、三匹集まると結構騒がしいのだ。
「金平糖?でもあれって沢山の砂糖がないと作れないけど」
「僕もそう言ったんだけど、なんとかして作れって」
「相変わらず無茶言うなぁあの人は」
「後は……最近信葉様と一緒に勉強してるからなんとなくこの国の情勢みたいなのが分かってきたよ」
小姓白狐は信葉から色々な教育を受けていた。
幻魔から教わったのは生きる術と昔の教養と忍術、そしてエッチな事であるが信葉から教わるのはこの国の情勢や歴史、政治などだ。
「なんでそんな事僕に教えるんだろ?」
「さぁ……信葉様の考える事はよく分からないから」
「そもそも小姓ってなにするのさ。よく分からないよ」
やいのやいのと三匹が騒ぐ。白狐は自分が忍として大成する事を望んでいるが、信葉は自分に何を望んでいるのかさっぱり分からない。
「まぁいいじゃない。僕は面白そうだからいいんだけど」
「面白い?何が?」
「あの人といると退屈しないし、飽きないからさ」
そう言うと小姓白狐の尻尾がゆらりと揺れる。どうやらこのキツネ……結構楽しんでいるようだ。
「それで?住民白狐くんの方はどんな感じなの?」
「えっとねぇ……こっちは皆頑張ってるよ。不良の人達も毎日練兵所で真面目に訓練してるし、もうすぐ碧波村の皆も領地に来るみたい」
「そうなんだ。綾子さんと薫ちゃんと会うの楽しみだなぁ」
白狐達は綾子や薫の事を思い出す。
日数にすればそれほど長く離れていない筈なのだが、妙に長く会っていないように感じた。
あの碧波村での生活は幻魔の元から旅立った白狐にとって初めての人間との生活であり、色々な女性達と仲を育んだ大切な時間であった。
特に薫は友達であり、親友である。身体の弱い薫がここまで来れるか不安であったが、どうやらなんとかなっているようだ。
「村長さんも最近は落ち着いて、前みたいな笑顔が増えてきたよ」
村長は戦の時から思い詰めた表情をしていたので白狐は心配していたのだが、平穏な時間が増えると彼女も徐々に村に居た時のような穏やかな雰囲気を取り戻してきた。
白狐はそれがなによりも嬉しかったし、彼女の笑顔を見るとなんだか暖かい気持ちになるのだ。
そうして三匹の白狐が互いに情報を交換しつつ、わいわいと話し合っているとふと周りが少し明るくなってきているのに気付く。
どうやら夜が明けてきたようだ。
「あれ?そろそろ夜が明けるね」
「本当だ。それじゃあ僕はそろそろ戻ろうかなぁ」
キツネの集会は夜の間だけだ。朝になったらそれぞれの生活に戻るのである。
「うん、じゃあまたね。僕」
白狐達は立ち上がると集会所を後にしようとする。
これから彼等は忙しいのだ。時間を無駄にする訳にはいかない。
夜更かしした分、お昼寝もしなければならないしおやつも食べたいし女の人と触れ合いたいし、やる事は山積みである……。
ふわぁと欠伸をした後白狐達は一斉に飛び立ち、後には白いキツネの毛だけが路地裏にふわりと舞っていた。
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「せい!せい!」
信葉の領地にある練兵場。そこでは日夜信葉の子分……もとい兵士が訓練に励んでいた。
一心不乱に槍を振るうその姿は最早元の不良ではなく立派な兵士の卵としてその身を鍛えていた。
「おらぁ!槍の握りが甘いぞ!そんなんで敵を倒せると思ってんのか!」
そんな兵士達に檄を飛ばしているのは……力丸だ。
彼女は訓練には一切の手加減はしないし、容赦もない。今だって汗と泥まみれになった兵士達を一人で打ち据えている最中だった。
「ぐぇ……」
どさりと不良達の手から槍が落ちる。その数は既に二十人程。これでも半数以下だ。
「どうした?まだまだこんなもんじゃないだろ?」
「ま、待ってくれよ……力丸さん……」
へたり込む不良達を見下ろしながら力丸がニヤリと笑みを浮かべる。それに対して必死に槍を振るう前利。
「なんだぁ?もう終いか?」
そう言って力丸が前利に槍を向けて脅す。
「ぐ……くそぅ!」
力丸の槍を必死に捌く前利だったが、ついに槍を弾き飛ばされてしまう。
そしてそのまま尻餅をついて動けなくなってしまう。
しかしその瞬間、力丸の背後から笹と川知の二人が襲い掛かった。
「やあぁ!」
「てやぁ!!」
笹と川知が左右から力丸に槍を振るう。しかし……
「おおう!?」
ひらりと身を躱すと、力丸は笹を槍の柄で吹き飛ばし、川知は剛腕で槍ごと握り潰す。
「ぎゃう!」
「ぐぇえ……」
笹と川知が悲鳴を上げる。二人は吹き飛ばされて地面を転がるとぴくぴくと全身を痙攣させていた。
「……ふぅ、今日はこんなもんか」
一仕事終えたように額の汗を拭うと力丸は倒れた不良達を見渡すと満足気な笑みを浮かべていた。
泥と汗に塗れた不良達。その姿にはかつての慢心や怠惰な心は欠片も見られない。
今ここにいるのは、真剣に訓練に励む信葉の親衛隊候補であった。
「お前らも見違えたじゃねーか。まぁこの俺様が直々に訓練してやってんだから当たり前だが……もう少し精進すれば俺様を抜いちまうかもな!」
そう言ってガハハと笑う力丸。その姿を見て不良達はチッと舌打ちをし忌々しげに力丸を睨みつける。
力丸は不良達を力で抑え込み、訓練付けの日々を送らせている。それは信葉からの指示があるというだけではない。
力丸という女は強い女が好きだ。性的な意味ではなく、戦いや生き様という意味でだ。
最初は笹や川知のような軟弱者の相手は面白くなかったが、彼女らが必死に食らい付いてくる姿勢に段々と興味を持つようになり……今ではこうして前利も合わせて毎日直々に訓練をつけてやっている。
強くありたいというその在り方が力丸は好きであった。そして幸運な事に彼女達は鍛えれば鍛える程メキメキと力を付けていっている。
恐らくはすぐに抜かれるだろう、しかし力丸はそれが嬉しかった。
「チッ……おめーみたいな化け物みたいな奴に勝てる訳ねーじゃねーか!」
前利がそう言うが、自分が強くなってきているのに気付いていないのだろう。力丸はフッと笑うと地面に横たわる三人に言い放つ。
「化け物ね……。戦場には俺以上の化け物なんざごまんといる。死にたくなかったらさっさと俺くらい片手で倒せるようになっとけ」
力丸はそう言うと三人に背を向けそのまま練兵場を出て行ってしまった。
彼女の役割はここまでだ。後は『彼』の役目である。
力丸の背中を不良達は忌々しげに見つめながら、よろよろと起き上がり口々に呟く。
「ちっ……!力丸の野郎、調子に乗りやがって……!」
「いつかぶちのめしてやる!」
次々に力丸への憎悪と怒りを言葉にする不良達。
しかしその中の一人がぽつりと言った。
「まぁ、いいや。取り合えず『お楽しみ』の時間だ」
その声を皮切りに不良達は立ち上がると、ニヤニヤと笑みを浮かべながら次々に立ち上がる。
そして練兵場の隅に配置されている、ちゃぶ台や座布団が置いてある場所に行くと、疲れた身体を休めるように座り込んだ。
「はぁ~今日も訓練疲れたぜ~」
「冷えた水くれー」
「いや、まずは飯だろ!」
思い思いに身体を休ませながらホッと一息つく不良達。そこへポン!と音を立てて煙と共に現れたのはキツネの半化生……白狐であった。
彼はエプロンを付けてその手と尻尾にはほかほかのご飯とおかずがたんまりと乗っかったお膳を持っている。
「皆さんお疲れ様です!ご飯にしましょ!」
にこにこと笑みを浮かべながらお膳をちゃぶ台に置く白狐。すると不良達は疲れた顔から一転、嬉しそうな顔を浮かべ白狐の登場を拍手で迎えた。
「おー待ってたぜ白狐!」
「腹減ったー!早くお前の飯食いてー!」
そう言って我先にと群がる不良達を優しく押しのけると、お膳の上に次々とおかずや白米を並べていく白狐。
あっという間に何十人の食べ盛りの胃袋を満足させる量の料理がちゃぶ台の上に並べられ、白狐はごほんと咳払いをすると皆に声を掛ける。
「みんな今日も頑張ったねー!。信葉様も喜ぶよ!さぁ、いっぱい食べて強くなってねー!」
『おー!』
各々が声を上げて返事すると、皆ちゃぶ台の前に座り茶碗を手に取り思い思いのおかずに手を伸ばす。
「あ、お野菜も食べないと駄目ですよ~」
『はーい』
白狐からの注意を聞きながら不良達はパクパクとお膳に行儀よく並べられたおかずとご飯を口に運んでいく。
その姿は最早不良ではなく、餌付けされた犬である……。
そんな情けない不良達の姿を見る女が一人。前利である。
彼女はかつての仲間が不甲斐なくも食べ物を口に運んでいる姿に溜息を漏らすと、その場にどっかりと腰を下ろして自分の分のご飯を食べ始めた。
「はぁ……ったく、情けないったらねぇぜ……」
そうぼやく前利だったが、ちゃっかりと自分も白狐の作った飯を食べている。
しかしこれは仕方のない事なのだ。訓練の後には腹が減る。腹が減っては訓練は出来ぬ……。
そんな状況で美味しそうな(実際美味しい)白狐の手料理を見て我慢出来る奴などいないのだ。
「うめっ……!うめっ……!」
川知はそれこそ犬のように意地汚く飯にかぶりついている。
「お代わりもありまーす!」
「え?今日は尻尾ハムハムしてもいいの?」
「それは駄目です」
笹は白狐と仲良さげに話している。
牙の抜かれた仲間達の姿に前利のイライラは増すばかりだ。
「ちっ……なんでこいつらはこんな腑抜けになっちまったんだ……」
そう呟くも、答える者はいない。
……確かに今の生活は、どこか充実感があるのは事実だ。
安心して寝られるちゃんとした寝床に、優しい村人達。訓練は辛いが代わりに飯の心配はしなくてもいいし、なによりその飯が美味い。
不良として街を彷徨っていた時とは大違いだ。まるで自分が野生の獣から人間に戻ったような感じさえする。
しかし、それはそれ。これはこれ。前利は今の自分達の堕落っぷりを快く思ってはいなかった。
「ふん……くだらねぇ」
前利はそう吐き捨てると握り飯を飲み込み一人、その場を後にしようとする。
しかし、そんな彼女の前に一匹のキツネ……白狐が立ちはだかった。
「あら~前利ちゃん全然食べてないじゃないの!もっと沢山食べないと強くなれないわよ!」
「……その口調、ムカつくからやめろ。ぶっとばすぞ」
ふざけた口調でそう言い放つ白狐に前利は額に青筋を浮かべて睨み付ける。
しかし白狐はそんな視線など意に介さないようにニコニコと笑っていた。
白狐が前利の目の前にお膳を置き、お茶を淹れる準備を始める。
「ほらほら!もっとゆっくりしていってね!」
「……うるせぇ、ほっとけ」
前利はそう吐き捨てると、踵を返してその場を後にしようとする。だがそんな彼女の周囲に急に突風が吹き荒れ、風に吹き飛ばされるようにして前利は再びちゃぶ台の前に座らされてしまった。
「ぐっ……くそっ!妙な術使いやがって!ずりぃぞ!」
このキツネは奇妙な術を使い、こうして自分達を翻弄するのだ。
それに加え半化生特有の高い身体能力まで兼ね備えており、前利がいくら力を込めても抵抗虚しく結局席につかされてしまう。
「くそったれ……!」
白狐は悔しそうに悪態をつく前利をニコニコと眺めながら、お膳の上に湯気の立つ料理を並べていった。
「はいはーい!今日は豚肉の生姜焼きに野菜たっぷりの豚汁、それから山盛りご飯ねー!」
「……いやこんなに食える訳ねーだろ」
前利は握り飯を食べたのだ。更にこんな本格的な料理を出されても食べられる訳がない。
しかし前利がそう言うと白狐は涙目になって俯き、口を開く。
「えっ……?せっかく作ったのに……食べてくれないの……?」
ぐすりと鼻を鳴らし、その大きな瞳から涙がこぼれる。周囲にいた不良達はそれを見て「あーあ」と非難するような目で前利を見てきた。
「あーあ、前利が白狐の事泣かした~」
「おいおい、こんな小さいの虐めてどうすんだよ?女の風上にも置けねー奴だなぁ」
次々に前利を非難する声が上がる中、前利は
「ちっ……わかったよ!」
と吐き捨てるとお膳に並べられた料理を食べ始めた。
周囲は完全に白狐の味方であるし、前利も何故かこのキツネが泣く姿は見たくなかった。
そしてそれを見た白狐がぱぁっと笑顔になり、うんうんと満足気に頷いている。
「いっぱい食べてね!いっぱい食べて大きくなろうね!」
「……ふん」
前利は無視するように食事をしていたが、それでもその視線はずっと自分の方に向けられていた……。
結局はこうして自分も奴の作ったご飯を食べさせられてしまうのだ。今日だけではなく、昨日も、そのまた昨日もそうだった。
いつか反抗してやろうと思うが、白狐に上手く乗せられてしまう。前利はそれが悔しくて仕方なかった。
「味どうだった?」
「……悪くねぇよ!」
「んふふ~♡」
そうして練兵場での時間は過ぎていくのであった……
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