オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ

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その7 市井にて(2)

街の中央にある噴水公園の東側にあるレストランに着いたのはお昼を少し過ぎていた。
時間的にもうお客さんもまばらで落ち着いていた。
私は店主に頼んで階段の下のあまり人の目に見えない席に座らせてもらった。
まあここまでの道のりはフードは被ってもたったらったが
食事をしている時もフードでは楽しくおいしく食べられないじゃない。
金髪の殿下は目立つからね。

「シャーリー、いつものでいいのか?こちらのお客さんはどうする?」
「ああ、私も彼女と一緒のものでいいよ。」
「オーナー、彼のは大盛りね。たまにはサービスしてよね。」

こんな気兼ねのないやり取りは良い。
本当に貴族なんて嫌よね。お淑やかに…静かに…毎日毎日肩凝るわ。

「シャーリー、君はとても街に溶け込んでいるんだね。」
「まあ、こっちの方が楽というか、性にあってるかというか…。ははは」
「あんまりお茶会とは顔出さないのはいろいろこっちの方が忙しいからなのかな?」
「そうですね。堅苦しくてあまり社交的な場は好きじゃないんです。あ、すみません。」
「ああ、良いんだよ。攻めてるわけじゃないから。
公爵令嬢だと言うのに今まで会わなかったのがちょっと不思議でね。
こういうことだったのか。いつもはルースと?」
「ええ、いつも一緒についてくるんです。
過保護すぎて困っちゃいます。このくらい大丈夫なのに。」
「ああ、でも私でも同じかな?街には危険なところもあるから安心してはいけないよ。わかるかい?」
「殿下も同じことをおっしゃっるんですね。
ありがとうございます。心に留めておきます。」
「特に君はかわいいからね。」
「はい?」
「あ、いやいやなんでもないよ。」

殿下は少し顔を赤くしてあごに手をかけて窓の外を見ていた。

「はい、お待ち!」
大好物のスパゲティとサラダ、グレープフルーツのジュースがやってきた。
「今日はボロネーゼなのね。大好きだから嬉しいわ。」
「ん?シャーリー?3人前あるんだが?」
「あら?あちらに控えている騎士さまにご一緒して欲しいかったので3人分頼んでしまいました。」

殿下が窓の外をみてうなずいた。
すると先程のグレイの髪の護衛が店に入ってきて殿下の隣に控えた。

「ルキシス、君もお腹が空いているだろう。君の分もあるみたいだ。せっかくだから一緒に食べよう。」

彼は少し戸惑っていたが殿下に椅子を引かれて仕方なく座った。

「えっ?ケインの妹!!」
「あらお兄様をご存知でしたか?」
「友達ですよ。ああ!君はシャーリーだったんだ。大きくなったね。
ああ、もうそんな風に呼んだら失礼かな?シャーロレット嬢だったね。
あなたが小さいときよく家に遊びに行きましたが私を覚えてないでしょうか?」
「???」

実は私は転生前のシャーリーとしての記憶がほとんどない

「ああ、あの時から思い出せていないんですね。
私も三年前に学校に行くようになってからはほとんど行ってないので覚えていないかもしれませんね。」

「すみません…」
「よくケインの後ろにくっいていましたよね。一緒にもう15歳になったんだ。本当に見ないうちに綺麗になったね。」

ん?もしかして私が転生して記憶が無くなってなければこの人は私の幼なじみだったのかしら?

「なんだお前たち私をのけ者にして!話についていけないぞ。」
「殿下、久しぶりの幼馴染の再会を邪魔しないでいただきたいのですが。」
「はあ?何だって!」
「まあ冗談ですよ。それにしても本当にあの時は心配しましたが元気でよかった。」
「ほら!また自分たちだけしかわからない会話を始める!」
「殿下・・って面白い方ですね。」
「シャーリー、君にだけは言われたくないのだが・・・」
「どういう意味ですか?」
「自分が天然なのに気づいてないのか?なあルキシス、私とシャーリーどっちが面白いと思う?」

三人で楽しい話をしながら食事をした。その姿をルピアさんに見られていたなんて知らなかった。

※※

「ルキシス、どう思う?」
「あの場合は殿下の方が面白かったですが・・」
「お前も私に冗談がいえるようになったな。」
「まあいつも一緒にいますから。」

「お前はどう思った?」
「よろしいかと。」
「なぜ、よりによって彼女はルースの婚約者なんだ。」
「ほぼ、ヴィクセレーネ公爵令嬢に決まっていたのをルーズローツ様が無理を通して自分の婚約者にしたのだという噂を耳にしましたが…?」
「まあ、無理にではないがね。彼女が私の婚約者になるのはほぼ決まっていた。」
「確かにヴィクセレーネ公爵家は国ができた当初からの古く伝統のある家柄です。
新興勢力内が拮抗している中、あのような伝統のある家からお妃を選ぶのは無難かと思われます。」
「今まで誰でもいいと思っていたのだが・・・。」
「殿下・・・。」
「彼女なら愛しく大切にしていけると思う。相手があいつなのは痛い。
敵に回したくないし、厄介なことになりそうだからな。」
「今はまだ可愛らしいですが、あと3年ほどしたら綺麗になると思いますね。
公爵夫人は綺麗な方ですから。きっとあなたの隣にたっても見劣りするどころがあなたの方がかすんでしまいますね。」
「亜麻色の宝石眼か・・。確かに。本当に惜しいな…。
外見ではない。私は出来れば彼女がいいと思ってしまうよ。」
「私も同感にございます。」

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