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その14 立ち入り禁止区域にて
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やばい!
隣国王太子殿下を引っ叩いてしまいピンチ!ピンチです!!
「はははっ。ますます気に入った。」
いや…叩かれてそのセリフ…危ない人ですか?
「ヴィクセレーネと言ったな。
公爵令嬢か。家柄的には問題ないな。
さあ、我が国では丁重にもてなしてやる。
喜べ。
それではこの国に国王に許しを貰いに行くとしようか。」
喜べません!
ダマガラン王太子殿下に手を引かれた。力の差ありすぎてずるずる引きづられて行く!!
「嫌っ!!」
「嫌なのか?抱えていって欲しいのか?」
「違う。何でそういう解釈になるの!もう手ぇ離して!」
「ダマガラン王太子殿下!!」
少し遠くから声がした。
誰かが走ってきた。よく見えないがこの声は…
「ルース!!」
慌てて息を切らしてルースが走ってきた。
何でここにいるの?
そんなことはどうでもいい!助けて!!
ルースはダマガラン王太子殿下の前に立った。
「ハイドフランツ=ダマガラン王太子殿下、彼女を離してくれないかな?」
「嫌だ。私は彼女を連れて帰る。私の妃にするのだ。」
「彼女を渡すわけにはいかないんだ。」
「君は誰だ?」
「ルーズローツ=ディ=サー=ザインだ。」
「ザイン公爵家の次男か…」
ルースは頷いた。
そのままずっとダマガラン王太子を見ていた。
「そういうことか…」
ダマガラン王太子が大きなため息をついた。
と、思ったら私から手が離された。
なんか蛇に睨まれたカエルのようだ。ザインって呪文か何かなの?
私は慌ててルースの後ろに隠れた。
「申し訳ないけど、彼女だけには絶対手を出さないで欲しい。」
そう言って私の手を引っ張ってその場を後にした。
さっきのルースはかっこよかったな。と、思いながらルースに手を強く引かれながら歩いていた。
無言だ。かなり怒っている。
この頃ルースいつも怒ってない?
私はやはり何か気に触ることした?
「シャーリー…ったく、こんなところで何してるんだ。ここは騎士団からは少し離れているよ。王族が住む領域なんだ。だから君はここにいてはいけないんだ。」
「えっ!!」
つまり私は立ち入り禁止区域にいたってこと!
「もう僕が見つけたからいいものの、他の人だったら侵入罪で捕まるよ。」
「…ごめんなさい。」
「でもよかった。シャーリーが無事で。
あいつに何かされた。」
「うん。大丈夫。ありがとう。ルースが来てくれてよかった。」
ルースが突然立ち止まった。そして頬に手を当てた。
「赤くなってる。どうしたの?」
「ちょっと光る…冷たいものをつきつけられて…」
「あいつ…許さない…」
あ、ルースの目つきが怖い。
「わ、私があんなところにいたのが悪いんだから。それに痛くないし!大丈夫よ。」
「他には。」
「…ちょっと……」
触れただけだけど、頬にキスされたなんて言ったらどう思うんだろ。
私はとっさに頬を抑えた。
「ちょっと、何?」
怖い!怖いんですが…ルース。
怒りのオーラを納めてください。
視線が痛い…。
私は下を向いて答えた。
「頬に…触れたというか…キ…スされたというか…。」
あ!いや。納めてください。
黒いです。
ルースの周り真っ黒です。
突然ルースがつないでいる方の手を引っ張った。
私はルースに引き寄せられた。
そして私の頬にキスをしてきた。
「…上書き。本当に君は隙だらけなんだよ。」
ルースはそれだけ言うとくるりと周り私に背中を見せて歩き出した。
私はルースに手を引かれたまま歩いた。
私の顔は今真っ赤だ。見られたくない。よかった。
私は頬に手を置きながらルースの背中を見ていた。
恥ずかしいが嬉しい。
※※※
「ハイドフランツ殿下、どちらにいかれてました?」
「また金髪碧眼…この国は嫌な奴ばかりだな。」
「何かいわれましたか?」
この国の王太子レオンハルト殿下が前に立ちはだかった。
「ちゃんとこの部屋にいて下さいと言いましたよね?」
「あの…なんか怪しい影を見つけたから…」
「怪しい影?侵入者がいましたか?」
「迷子だったみたい。ザイン公爵家の紋章が入った青いリボンをした子猫ちゃんだったよ。」
「シャーリーが来てたのか?」
「かわいいね。多分数年すればこの国で三本の指に入るくらい綺麗になるな。できれば国に連れて帰りたかったけど、ザイン公爵の次男に連れていかれちゃった。」
「連れて帰る、だと?!」
「ひっ!!あ、いや。冗談だよ。冗談。はははっ。」
やはり金髪碧眼、この国の王族は苦手だ。
ダマガラン王国内で言われていることがある。
『ザインの持ち物には手を出すな。国が滅ぶ。』
隣国王太子殿下を引っ叩いてしまいピンチ!ピンチです!!
「はははっ。ますます気に入った。」
いや…叩かれてそのセリフ…危ない人ですか?
「ヴィクセレーネと言ったな。
公爵令嬢か。家柄的には問題ないな。
さあ、我が国では丁重にもてなしてやる。
喜べ。
それではこの国に国王に許しを貰いに行くとしようか。」
喜べません!
ダマガラン王太子殿下に手を引かれた。力の差ありすぎてずるずる引きづられて行く!!
「嫌っ!!」
「嫌なのか?抱えていって欲しいのか?」
「違う。何でそういう解釈になるの!もう手ぇ離して!」
「ダマガラン王太子殿下!!」
少し遠くから声がした。
誰かが走ってきた。よく見えないがこの声は…
「ルース!!」
慌てて息を切らしてルースが走ってきた。
何でここにいるの?
そんなことはどうでもいい!助けて!!
ルースはダマガラン王太子殿下の前に立った。
「ハイドフランツ=ダマガラン王太子殿下、彼女を離してくれないかな?」
「嫌だ。私は彼女を連れて帰る。私の妃にするのだ。」
「彼女を渡すわけにはいかないんだ。」
「君は誰だ?」
「ルーズローツ=ディ=サー=ザインだ。」
「ザイン公爵家の次男か…」
ルースは頷いた。
そのままずっとダマガラン王太子を見ていた。
「そういうことか…」
ダマガラン王太子が大きなため息をついた。
と、思ったら私から手が離された。
なんか蛇に睨まれたカエルのようだ。ザインって呪文か何かなの?
私は慌ててルースの後ろに隠れた。
「申し訳ないけど、彼女だけには絶対手を出さないで欲しい。」
そう言って私の手を引っ張ってその場を後にした。
さっきのルースはかっこよかったな。と、思いながらルースに手を強く引かれながら歩いていた。
無言だ。かなり怒っている。
この頃ルースいつも怒ってない?
私はやはり何か気に触ることした?
「シャーリー…ったく、こんなところで何してるんだ。ここは騎士団からは少し離れているよ。王族が住む領域なんだ。だから君はここにいてはいけないんだ。」
「えっ!!」
つまり私は立ち入り禁止区域にいたってこと!
「もう僕が見つけたからいいものの、他の人だったら侵入罪で捕まるよ。」
「…ごめんなさい。」
「でもよかった。シャーリーが無事で。
あいつに何かされた。」
「うん。大丈夫。ありがとう。ルースが来てくれてよかった。」
ルースが突然立ち止まった。そして頬に手を当てた。
「赤くなってる。どうしたの?」
「ちょっと光る…冷たいものをつきつけられて…」
「あいつ…許さない…」
あ、ルースの目つきが怖い。
「わ、私があんなところにいたのが悪いんだから。それに痛くないし!大丈夫よ。」
「他には。」
「…ちょっと……」
触れただけだけど、頬にキスされたなんて言ったらどう思うんだろ。
私はとっさに頬を抑えた。
「ちょっと、何?」
怖い!怖いんですが…ルース。
怒りのオーラを納めてください。
視線が痛い…。
私は下を向いて答えた。
「頬に…触れたというか…キ…スされたというか…。」
あ!いや。納めてください。
黒いです。
ルースの周り真っ黒です。
突然ルースがつないでいる方の手を引っ張った。
私はルースに引き寄せられた。
そして私の頬にキスをしてきた。
「…上書き。本当に君は隙だらけなんだよ。」
ルースはそれだけ言うとくるりと周り私に背中を見せて歩き出した。
私はルースに手を引かれたまま歩いた。
私の顔は今真っ赤だ。見られたくない。よかった。
私は頬に手を置きながらルースの背中を見ていた。
恥ずかしいが嬉しい。
※※※
「ハイドフランツ殿下、どちらにいかれてました?」
「また金髪碧眼…この国は嫌な奴ばかりだな。」
「何かいわれましたか?」
この国の王太子レオンハルト殿下が前に立ちはだかった。
「ちゃんとこの部屋にいて下さいと言いましたよね?」
「あの…なんか怪しい影を見つけたから…」
「怪しい影?侵入者がいましたか?」
「迷子だったみたい。ザイン公爵家の紋章が入った青いリボンをした子猫ちゃんだったよ。」
「シャーリーが来てたのか?」
「かわいいね。多分数年すればこの国で三本の指に入るくらい綺麗になるな。できれば国に連れて帰りたかったけど、ザイン公爵の次男に連れていかれちゃった。」
「連れて帰る、だと?!」
「ひっ!!あ、いや。冗談だよ。冗談。はははっ。」
やはり金髪碧眼、この国の王族は苦手だ。
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『ザインの持ち物には手を出すな。国が滅ぶ。』
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