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幕間 ケインのつぶやき
ケイントス=ディ=サー=ヴィクセレーネ
ヴィクセレーネ公爵家の長男だ。
妹のシャーリーがザイン家のルーズローツと婚約してそろそろ3年経つのか。
早いな。
次の新年を迎えると妹も16歳になる。
父や母は覚悟を決めている。
ルーズローツがあれだけ溺愛しているんだ。多分16歳になった途端結婚するんだろうな。しかし、妹は全く彼の気持ちには気づいていない。
周りから見るとかわいそうなくらいだ。
同情する。
妹の意思を尊重するとか言っていたが、シャーリーも満更嫌そうではない。
兄としては可愛い妹が家から出て行ってしまうのはやはり寂しいものだ。
先日、ダマガラン王太子の留学の際の騎士団の配置、警護の人選、また送迎の際の護衛についてルキシスに話をしに行った。
同い年の彼とは小さな頃から仲良くしてもらっている。
彼の父親は第一騎士団の団長をしていて、素晴らしい剣の使い手だ。
息子のルキシスも負けないくらい強いがまだまだだ。
息子のルキシスから父親のシュライン騎士団長に送迎の際の責任者として着任してくれるように打診をして欲しいとお願いした。
今彼は任務中で王都にいない。
家族なら定期的に連絡をとっているはずだ。今はレオンハルト王太子の護衛という重要な任務についている彼自身にもダマガラン王太子が留学している間はレオンハルト王太子殿下の護衛から外れ、ダマガラン王太子に着いてもらうようにお願いした。
すでにレオンハルト王太子殿下からは許可は取ってある。
しかし…しかしだ。
「お前の妹は何故ルーズローツ様と婚約していることを知らないのだ?あまり気の進まない婚約なのか?」
と、質問された。
それは婚約の際にルーズローツ本人が言い出したことだ。
こちらこそ、その意図を是非聞いてみたいくらいだ。
「彼女があの時熱をだしたりしなければ私は彼女の幼なじみのままでいられただろうか?ルーズローツ様と婚約解消とかにはならないのか?」
何故そんなことを言うのだ?もしかしてルキシスはシャーリーを気にしているのか?
そういえばさっき2人は知り合いのような感じだったな。
ルキシスは確かにシャーリーを幼い頃から知っている。
途中、父上同士が楽しんで二人を婚約させようとしていた。
しかし王太子妃候補に名前が上がってからはその話はしなくなった。
もしかしてこいつが義理の弟になるかもしれなかっのだ。
しかし、シャーリーが数年前に高い熱で二週間寝込んで起きた時にはすっかりルキシスのことは忘れていた。
医者曰く高熱で細菌が脳に入り込み記憶障害を起こしたのではないかと言った。
しかもあの時を境に妹は別人みたいになった。
引っ込み思案でいつも母上に隠れていたシャーリーの面影は全くなかった。
自由奔放で明るくなった。
突飛もない行動を起こして周りを巻き込んだかと思うといつのまにかみんなと仲良くなっている。
今では彼女が何をしようと家の使用人達はシャーリーの味方だ。
お忍びで出かける街でもかなりの人気者らしい。
さらにこの国の五本の指にはいるほど美しかった母上に似てきた。
光にあたると亜麻色に輝きだす瞳は父上譲りだ。多分もっと綺麗になるだろう。
ルーズローツみたいな小生意気な奴にやるのは勿体ない。
まあ妹が好きなら仕方ない。
しかし目の前のこいつだけには妹は譲れない。ある一つの難点を除いてルーズローツより断然ルキシスの方がいい。
しかし!
「まだお前はザイカラアの娼館に行っているのか?」
私が知らないとも思ってるのかい?ルキシス。
兄としては妹の幸せを願う。娼婦に熱を上げているお前の下に行かせるわけないだろ。
「レオンハルト王太子殿下の護衛に付いてからは忙しくて行けない。」
「そろそろお前も落ちつけよな。」
「でもアリーナが悲しがるんだよ。」
アリーナとはルキシスお気に入りの娼婦だ。
「所詮は娼館の女だろ。そろそろお前も身を固めたらどうだ。」
「アリーナはかわいいんだよ。私は彼女とは離れられないな。なんならケインも今度一緒にいかないか?他にもかわいい子たくさんいるぞ。楽しいぞ。」
「私は遠慮しておく。私は婚約者を愛しているから泣かしたくない。あとエンリスト男爵のご令嬢や他にも親密にしているらしいがほどほどにしておけよ。婚約者がいないのが救いだな。」
そう、私は来年には婚約者と結婚するように動いてはいるが隣国王太子の留学やレオンハルト王太子殿下の婚約、結婚。
もうイベントが目白押しで婚約者に会いにいくのがやっとだ。
彼女は笑って私を癒してくれる。
そんな彼女を悲しませたくはない。とにかく結婚は来年としても今年の内に彼女には家に来てもらうようにお願いしている。
「そんな堅くてどうする。女遊びくらいしないと。なあ。」
その点は絶対にお前に賛成はできない。
シャーリー一筋のルーズローツの方が何倍も良い。
シャーリーが悲しむところなんてみたくない。
愛人が何人もいて、女遊びに溺れる男に妹はやれない。
せっかく仕事のできるよい友人なのだが…。シュライン騎士団長もさぞかし頭を抱えていることだろう。
仕事以外の話で時間を使ってしまった。
シャーリーを待たせてしまったな。
ん?シャーリーはどこ行った?
周りを見渡してもいない。
あの跳ねっ返り。
なんでじっとしてられないんだ。ったく。
騎士団の近くには立ち入り禁止区域がある。そんなところに立ち入ったら大変なことになるぞ。いくら迷ったとかでも取り調べで三日くらいは牢獄行きだ。
少し探すとシャーリーがルーズローツに手を引かれて歩いているのを見つけた。よかった。ん?
何だか2人とも下を向いて無言で歩いているが喧嘩でもしたか。
違うな。2人とも顔が赤い。何か進展でもしたのかな。
婚約してから随分経つがルーズローツはシャーリーには手を出していないようだ。
少しくらいはいいんじゃないかなんて思うくらいだ。
まあ、いいだろう。
ルーズローツが王宮にいるならシャーリーは彼が送ってくるだろう。
父上も知っていたんだろうな。
シャーリーのことは彼に任せて時間潰しをしているだろう父上を迎えに行こうかな。
やはりシャーリーを任せられるのはルーズローツしかいなそうだな。
まあ妹をよろしく頼む。
ヴィクセレーネ公爵家の長男だ。
妹のシャーリーがザイン家のルーズローツと婚約してそろそろ3年経つのか。
早いな。
次の新年を迎えると妹も16歳になる。
父や母は覚悟を決めている。
ルーズローツがあれだけ溺愛しているんだ。多分16歳になった途端結婚するんだろうな。しかし、妹は全く彼の気持ちには気づいていない。
周りから見るとかわいそうなくらいだ。
同情する。
妹の意思を尊重するとか言っていたが、シャーリーも満更嫌そうではない。
兄としては可愛い妹が家から出て行ってしまうのはやはり寂しいものだ。
先日、ダマガラン王太子の留学の際の騎士団の配置、警護の人選、また送迎の際の護衛についてルキシスに話をしに行った。
同い年の彼とは小さな頃から仲良くしてもらっている。
彼の父親は第一騎士団の団長をしていて、素晴らしい剣の使い手だ。
息子のルキシスも負けないくらい強いがまだまだだ。
息子のルキシスから父親のシュライン騎士団長に送迎の際の責任者として着任してくれるように打診をして欲しいとお願いした。
今彼は任務中で王都にいない。
家族なら定期的に連絡をとっているはずだ。今はレオンハルト王太子の護衛という重要な任務についている彼自身にもダマガラン王太子が留学している間はレオンハルト王太子殿下の護衛から外れ、ダマガラン王太子に着いてもらうようにお願いした。
すでにレオンハルト王太子殿下からは許可は取ってある。
しかし…しかしだ。
「お前の妹は何故ルーズローツ様と婚約していることを知らないのだ?あまり気の進まない婚約なのか?」
と、質問された。
それは婚約の際にルーズローツ本人が言い出したことだ。
こちらこそ、その意図を是非聞いてみたいくらいだ。
「彼女があの時熱をだしたりしなければ私は彼女の幼なじみのままでいられただろうか?ルーズローツ様と婚約解消とかにはならないのか?」
何故そんなことを言うのだ?もしかしてルキシスはシャーリーを気にしているのか?
そういえばさっき2人は知り合いのような感じだったな。
ルキシスは確かにシャーリーを幼い頃から知っている。
途中、父上同士が楽しんで二人を婚約させようとしていた。
しかし王太子妃候補に名前が上がってからはその話はしなくなった。
もしかしてこいつが義理の弟になるかもしれなかっのだ。
しかし、シャーリーが数年前に高い熱で二週間寝込んで起きた時にはすっかりルキシスのことは忘れていた。
医者曰く高熱で細菌が脳に入り込み記憶障害を起こしたのではないかと言った。
しかもあの時を境に妹は別人みたいになった。
引っ込み思案でいつも母上に隠れていたシャーリーの面影は全くなかった。
自由奔放で明るくなった。
突飛もない行動を起こして周りを巻き込んだかと思うといつのまにかみんなと仲良くなっている。
今では彼女が何をしようと家の使用人達はシャーリーの味方だ。
お忍びで出かける街でもかなりの人気者らしい。
さらにこの国の五本の指にはいるほど美しかった母上に似てきた。
光にあたると亜麻色に輝きだす瞳は父上譲りだ。多分もっと綺麗になるだろう。
ルーズローツみたいな小生意気な奴にやるのは勿体ない。
まあ妹が好きなら仕方ない。
しかし目の前のこいつだけには妹は譲れない。ある一つの難点を除いてルーズローツより断然ルキシスの方がいい。
しかし!
「まだお前はザイカラアの娼館に行っているのか?」
私が知らないとも思ってるのかい?ルキシス。
兄としては妹の幸せを願う。娼婦に熱を上げているお前の下に行かせるわけないだろ。
「レオンハルト王太子殿下の護衛に付いてからは忙しくて行けない。」
「そろそろお前も落ちつけよな。」
「でもアリーナが悲しがるんだよ。」
アリーナとはルキシスお気に入りの娼婦だ。
「所詮は娼館の女だろ。そろそろお前も身を固めたらどうだ。」
「アリーナはかわいいんだよ。私は彼女とは離れられないな。なんならケインも今度一緒にいかないか?他にもかわいい子たくさんいるぞ。楽しいぞ。」
「私は遠慮しておく。私は婚約者を愛しているから泣かしたくない。あとエンリスト男爵のご令嬢や他にも親密にしているらしいがほどほどにしておけよ。婚約者がいないのが救いだな。」
そう、私は来年には婚約者と結婚するように動いてはいるが隣国王太子の留学やレオンハルト王太子殿下の婚約、結婚。
もうイベントが目白押しで婚約者に会いにいくのがやっとだ。
彼女は笑って私を癒してくれる。
そんな彼女を悲しませたくはない。とにかく結婚は来年としても今年の内に彼女には家に来てもらうようにお願いしている。
「そんな堅くてどうする。女遊びくらいしないと。なあ。」
その点は絶対にお前に賛成はできない。
シャーリー一筋のルーズローツの方が何倍も良い。
シャーリーが悲しむところなんてみたくない。
愛人が何人もいて、女遊びに溺れる男に妹はやれない。
せっかく仕事のできるよい友人なのだが…。シュライン騎士団長もさぞかし頭を抱えていることだろう。
仕事以外の話で時間を使ってしまった。
シャーリーを待たせてしまったな。
ん?シャーリーはどこ行った?
周りを見渡してもいない。
あの跳ねっ返り。
なんでじっとしてられないんだ。ったく。
騎士団の近くには立ち入り禁止区域がある。そんなところに立ち入ったら大変なことになるぞ。いくら迷ったとかでも取り調べで三日くらいは牢獄行きだ。
少し探すとシャーリーがルーズローツに手を引かれて歩いているのを見つけた。よかった。ん?
何だか2人とも下を向いて無言で歩いているが喧嘩でもしたか。
違うな。2人とも顔が赤い。何か進展でもしたのかな。
婚約してから随分経つがルーズローツはシャーリーには手を出していないようだ。
少しくらいはいいんじゃないかなんて思うくらいだ。
まあ、いいだろう。
ルーズローツが王宮にいるならシャーリーは彼が送ってくるだろう。
父上も知っていたんだろうな。
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やはりシャーリーを任せられるのはルーズローツしかいなそうだな。
まあ妹をよろしく頼む。
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