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その23 雨の日にて ルース視点
雨の中歩いて別荘に帰る道を急いだ。雷も鳴っている。
地響きすらするくらい大きな音だ。絶え間なく空は光が続ける。稲光も走る。
周りは薄暗いが灯りなどなくても明るい。
雨は体に打ち付けては音を出すほど酷く降っている。
地面に打ち付けた雨がかなり足元に跳ね返る。
確かに馬車とか馬、移転魔法を使えばすぐに別荘に着けるだろう。しかし今は歩きたかった。
時間が欲しかった。
それに反して早くシャーリーに会いたいと言う思いが僕の歩みを早くする。
心を閉ざさずにはいられない。
この手で一人の人生を狂わせた。確かに必要だったのかもしれない。でも他に方法はなかったのか…。
傘はさしていないし、魔法で雨をよけてもいない。
雨は右から体を押すように降っている。
靴に水が入って足を進める度にジャブジャブと音がする。
しかし雨なんて冷たく感じない。濡れているだろうが何も感じない。
何も考えたくない。真っ暗な闇の中を1人ポツンとあるいているみたいだ。
怖い…。自分が怖い。
ザイン公爵家に生きる以上、慣れなきゃいけないことだ。
この孤独や恐怖と背中を合わせて共に生きていかなくてはならない。
僕は大丈夫だろうか。僕は養子だ。残念ながらザイン公爵家の血は引いていない。
この先、この家で生きていけるのだろうか?不安に押し潰される。
だってこの先何度こんなことがあるのだろう。こんな気持ちになることが何度あるのだろう。多分かなりの数になるのだろう。
こんな時は暖かい温もりに包まれて眠りたい。この暗い闇に手を差し伸べて救って上げて欲しい。手でなくてもいい。たった一本、細くても光を差し込んでくれればいい。
闇に落ちていこうとする心を何とかこっち側に繋ぎ止めて欲しい。
ザイン公爵家の人達は自分が愛するもの、愛してくれるものを大事にする。
自分が壊れてしまわないようにする為。
こんな心をまるごと包み込んでくれる愛しい存在。その存在が自分の全てだ。
シャーリー、君が僕の光なんだ。
早く会いたい…。願わくば抱きしめられて眠りたい。
目の前で笑っていてほしい。優しくキスして欲しい。
別荘にいつのまにか着いていた。
目の前にある玄関を見た。気が重い。
まだ瞳は赤いだろう。シャーリーには見られたくない。
きっと怖がらせてしまう。
だってこれは代償。この赤を見ると嫌でも自分が犯した罪を思い知る。
自分でも怖い。呪われた赤。
玄関の少し手前で止まる。
シャーリー…君はこんな僕を君は怖がるかい?
君は僕の手を取ってくれるかい?僕を救ってくれるかい?
二階の右の方にシャーリーの部屋がある。
僕は顔を上げて彼女がいるだろう部屋の窓を見上げた。
ちょうど雷鳴がして稲光が走る。空が割れそうなくらいだ。
シャーリーの部屋には明かりがついていない。
ラリサお姉様や使用人には僕が帰るくらいの頃には彼女を昼寝させてくれるように頼んだ。多分寝ているだろう。
シャーリーは雷が嫌いだ。怖がってないかな。
しかしこんな僕の方が雷の何倍も何十倍も怖い…。
玄関に入った。
雨に濡れていたが魔法ですぐ乾す。
玄関を入るとたまたま料理担当の使用人がいた。どうもラリサお姉様に夕食の献立の確認をしに行ったようだ。
シャーリーが部屋にいること。彼女にお昼すぎに少し睡眠薬を入れたハーブティーを差し出したことを聞いた。
階段を上がる。シャーリーの部屋に行く手前にメイドが控えていた。
シャーリーが今日一日楽しく過ごしていたと話す。よかった。
メイドはシャーリーが昨日の疲れもあり紅茶を飲んで寝てしまったと言った。
さすがザイン公爵家の使用人だ。万が一シャーリーが起きてしまっていることを危惧して変なことは絶対に言わない。
執事のガーシュインが来た。ちゃんと終わったことを話した。止められたがシャーリーの寝顔をみたかった。
背を向けて寝ていた彼女の顔を覗き込んだ。
可愛い…みているだけでも安らぐ。
本当は抱きしめてもらいたい。でも今はまだできない。
まだ彼女は僕のことを話してはいない。受け入れてくれてはいない。
そうしたのは自分だ。自分がシャーリーに距離を作っているんだ。
寝ている彼女の髪を一房取り口づけを落とした。
今の僕にできるのはたったこれだけの行為。
雷で光る部屋の中で彼女の髪が手から溢れていくのを見ていた。
しかし少しだけ落ち着いた。
シャーリーの部屋を出て、自分の部屋に入った。
鏡を見るとまだ瞳には赤色が残っていた。
しばらくは赤は残る。完全に消えるまではまだ少しかかりそうだ。
それまで寝よう…おやすみシャーリー…
少し疲れたよ。
起きたら君の笑顔を見せて。
地響きすらするくらい大きな音だ。絶え間なく空は光が続ける。稲光も走る。
周りは薄暗いが灯りなどなくても明るい。
雨は体に打ち付けては音を出すほど酷く降っている。
地面に打ち付けた雨がかなり足元に跳ね返る。
確かに馬車とか馬、移転魔法を使えばすぐに別荘に着けるだろう。しかし今は歩きたかった。
時間が欲しかった。
それに反して早くシャーリーに会いたいと言う思いが僕の歩みを早くする。
心を閉ざさずにはいられない。
この手で一人の人生を狂わせた。確かに必要だったのかもしれない。でも他に方法はなかったのか…。
傘はさしていないし、魔法で雨をよけてもいない。
雨は右から体を押すように降っている。
靴に水が入って足を進める度にジャブジャブと音がする。
しかし雨なんて冷たく感じない。濡れているだろうが何も感じない。
何も考えたくない。真っ暗な闇の中を1人ポツンとあるいているみたいだ。
怖い…。自分が怖い。
ザイン公爵家に生きる以上、慣れなきゃいけないことだ。
この孤独や恐怖と背中を合わせて共に生きていかなくてはならない。
僕は大丈夫だろうか。僕は養子だ。残念ながらザイン公爵家の血は引いていない。
この先、この家で生きていけるのだろうか?不安に押し潰される。
だってこの先何度こんなことがあるのだろう。こんな気持ちになることが何度あるのだろう。多分かなりの数になるのだろう。
こんな時は暖かい温もりに包まれて眠りたい。この暗い闇に手を差し伸べて救って上げて欲しい。手でなくてもいい。たった一本、細くても光を差し込んでくれればいい。
闇に落ちていこうとする心を何とかこっち側に繋ぎ止めて欲しい。
ザイン公爵家の人達は自分が愛するもの、愛してくれるものを大事にする。
自分が壊れてしまわないようにする為。
こんな心をまるごと包み込んでくれる愛しい存在。その存在が自分の全てだ。
シャーリー、君が僕の光なんだ。
早く会いたい…。願わくば抱きしめられて眠りたい。
目の前で笑っていてほしい。優しくキスして欲しい。
別荘にいつのまにか着いていた。
目の前にある玄関を見た。気が重い。
まだ瞳は赤いだろう。シャーリーには見られたくない。
きっと怖がらせてしまう。
だってこれは代償。この赤を見ると嫌でも自分が犯した罪を思い知る。
自分でも怖い。呪われた赤。
玄関の少し手前で止まる。
シャーリー…君はこんな僕を君は怖がるかい?
君は僕の手を取ってくれるかい?僕を救ってくれるかい?
二階の右の方にシャーリーの部屋がある。
僕は顔を上げて彼女がいるだろう部屋の窓を見上げた。
ちょうど雷鳴がして稲光が走る。空が割れそうなくらいだ。
シャーリーの部屋には明かりがついていない。
ラリサお姉様や使用人には僕が帰るくらいの頃には彼女を昼寝させてくれるように頼んだ。多分寝ているだろう。
シャーリーは雷が嫌いだ。怖がってないかな。
しかしこんな僕の方が雷の何倍も何十倍も怖い…。
玄関に入った。
雨に濡れていたが魔法ですぐ乾す。
玄関を入るとたまたま料理担当の使用人がいた。どうもラリサお姉様に夕食の献立の確認をしに行ったようだ。
シャーリーが部屋にいること。彼女にお昼すぎに少し睡眠薬を入れたハーブティーを差し出したことを聞いた。
階段を上がる。シャーリーの部屋に行く手前にメイドが控えていた。
シャーリーが今日一日楽しく過ごしていたと話す。よかった。
メイドはシャーリーが昨日の疲れもあり紅茶を飲んで寝てしまったと言った。
さすがザイン公爵家の使用人だ。万が一シャーリーが起きてしまっていることを危惧して変なことは絶対に言わない。
執事のガーシュインが来た。ちゃんと終わったことを話した。止められたがシャーリーの寝顔をみたかった。
背を向けて寝ていた彼女の顔を覗き込んだ。
可愛い…みているだけでも安らぐ。
本当は抱きしめてもらいたい。でも今はまだできない。
まだ彼女は僕のことを話してはいない。受け入れてくれてはいない。
そうしたのは自分だ。自分がシャーリーに距離を作っているんだ。
寝ている彼女の髪を一房取り口づけを落とした。
今の僕にできるのはたったこれだけの行為。
雷で光る部屋の中で彼女の髪が手から溢れていくのを見ていた。
しかし少しだけ落ち着いた。
シャーリーの部屋を出て、自分の部屋に入った。
鏡を見るとまだ瞳には赤色が残っていた。
しばらくは赤は残る。完全に消えるまではまだ少しかかりそうだ。
それまで寝よう…おやすみシャーリー…
少し疲れたよ。
起きたら君の笑顔を見せて。
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