70 / 120
その24 湖にて
「すごい!これはシャーリーが作ったの?」
「あ、そのくらいは作れるわよ。なんたって主婦だったんだから。」
単に朝のパンが余っていたからおやつにフレンチトーストを作っただけだ。
「ふ~ん。じゃあ今度何か作って貰おうかな?」
「じゃあ明日お弁当つくろうか?せっかく雨も止んだし出かけない?」
昨日あんなことがあったが今日はいつも通りだ。
彼は何もいわない。私に言うことでもないのか。
まだ言いたくないのか…
もし必要ならそのうち言ってくれるだろう。
そんなことで別荘滞在四日目にしてようやく旅行らしいことができた。
って!!!!!
今私の目の前には馬がいる。いつも馬車で移動するから馬は見慣れているのだが、どうみてもこの馬は乗馬用??よね。
「ルース!なんなの?」
「えっ?馬だけど?」
「そんなの見ればわかるわ。で?」
「乗るんだけど。」
「誰が?」
「君と僕が…」
私の時間は止まった。
気がつけば私は馬に横乗りになって叫んでいた。
「ルース!怖いって!無理。」
「大丈夫だって。僕は馬の扱いは上手なんだよ。だから安心して。」
「だって高い…速い……」
生きた心地がしない。馬なんて前世あわせて初めて乗った。
馬が跳ねるたびに頭が飛んでいきそうだわ。あ~無理だ。
魂が口から出て行く~。さようなら~。
「嫌だなシャーリー。せっかく華麗に乗馬を楽しむ恋人同士みたいなのに君の叫び声で雰囲気台無しじゃないか。」
「誰が恋人同士なの~!いや~速くなった!もっとゆっくりにして、ジェットコースターは苦手なの!嫌!無理!」
「シャーリー、面白いね。もっと跳ばそう!」
「あ~!嫌!ルース!いじめないでよ!」
目的地の湖についた。
周りに緑がたくさんあって空気が気持ちいい。遠くに見える山が湖に映る。
素敵な場所だ!
リアルでアルプスの少女ハ◯ジだ。
素敵なのだが景色に感動している気分ではない。
ひとまず水を飲んで、半分出かけていた魂を胸に押し返す。
本当に怖かったんだから!人が嫌がってるのに何であんなに走らせるかな。近くの木に手をついてゼェゼェと大きく息をしていた。
「もう!ルースなんて嫌い!!」
「ごめん、ごめん。ジーザスに乗るのが久しぶりだったから嬉しくて。」
「もう!ジーザス、二人も乗せて重かったわよね。ごめんね。」
ルースの愛馬ジーザスの顔を撫でるとぶるるるっと顔を振った。
「いやジーザスは力持ちだもんね。でもよく頑張ったよ。ほら、お食べ。」
ご飯の草をやりながらルースはジーザスを撫でている。
「じゃあ私達もランチにしましょう。やっぱりこういった外で食べるのはサンドイッチに限るわね!」
もう空気が違う。
空気が美味しいとかよくわからなかったが
こういうことなんだと思う。
朝から頑張って作ったサンドイッチを並べる。
まあさすがは公爵家。食材がいいのでかなり高級そうなサンドイッチが出来上がってしまっていたが…。
ローストビーフにエビ…私が作ったサンドイッチですが美味しそうです。
たくさん作ったのでお付きの人の分もある。
私はシートを広げてランチの用意をし始めた。
何とか支度ができたからルースを呼ぼうとした。
しかし私の足は一緒止まった。
ルースは木の幹に体を預けて腕組みをしていた。何か遠くをみるかのようだった。怖い目をしている。表情に冷たさを感じる。
先日も見た同じルースを見た。あれは一体誰なの?怖い。近寄りがたさを感じる。
「お昼の支度できた?」
しかしルースは私に気づくといつもの笑顔をして近寄ってきた。
「うん!さあ食べよう。」
私も普通に笑う。
引きつってないわよね?
湖のほとりでのピクニックは本当に楽しい。綺麗な景色に囲まれて目の前にはルースが美味しそうにサンドイッチをたべる。楽しそうに笑う。何だか幸せだ。さっきのは何だったんだろう。
体調悪いのかな。
あの周りまでも凍りつきそうな怖い目。無表情な…。
今は笑っているんだから…気にしない。気にしない。
「ごめん!」
ルースが謝る。
「ルースのせいじゃないから謝らないで。」
「だって…」
「ジーザス濡れちゃうからもっとこっちに来て。」
せっかく湖のほとりでピクニックをしていたのだが夕立にあってしまった。
雨が真っ直ぐ落ちてくる。少し前から黒い雲があったので急いで帰り支度をしたが間に合わなかった。
「おかしいな…夕方くらいまで大丈夫なはずだったんだ。」
たまたま、この木何の木くらいの大きな木があったから雨宿りしている。
「降ってきたのは仕方ないわ。この辺は海に近いし、山もあるし天気は変わりやすいわ。すぐ上がるはずだから待ちましょう。」
ルースが近い…。すぐ隣に立っている。少しでも横に体を傾けると触れてしまいそうだ。ドキドキする。そう…だって好きな人がこんなに近くにいるんだもの。
私はチラッと隣のルースを見た。
彼はじっと雨を見ていた。青い瞳が前を見ている。
また背が伸びた。私が小さく思える。彼は男で私は女なんだと実感する。
彼のさらりとしたストレートの金髪は雨に濡れてしまっている。前髪がかなり目にかかっている。
遠くで雷鳴がし始めた。
その濡れた髪をみていたらあの日のルースを思い出してしまった。
思い出さないようにしている。怖かったから。
しかし駄目だ。受けた衝撃が強すぎる。見たのは本当に一瞬だけだ。
でもただただ怖かった。彼の周りの空気すら冷たく、ピンと張り詰めたような感じがした。自分の歩く先の一点だけを見つめ、氷のように冷たい目をしていた。ルースではないみたいだ。
あの時確かに彼のいつもの碧眼が赤に光った。その瞳で私の方をみた一瞬、体が動かなかった。赤い鋭い光がルースが纏う周り全ての空気痛く感じさせていた。
あんなルースは見たことがない。
今でもあの時のルースを思い出すと怖い。少し震える。
「寒い?震えてる。」
ルースの問いかけに私がハッと我に返った。
私は彼を見た。彼の瞳は青かった。やはり気のせいだ。気のせいだったんだ。
「シャーリー?何?ずっと僕を見てるけど何か考え事?
ほら僕の上着も着るといいよ。ほら。」
ルースが私に自分の上着をかけようとした瞬間、雷鳴が鳴り響き空全体が光った。
稲光がルースの後ろ側に走った。その光があの時のルースの赤い瞳を鮮明に思い出させた。あの時のルースに感じた痛いくらいの冷たい恐怖が蘇った。怖い…怖い。
「やっ!」
「えっ?」
思わずルースの手を跳ねてしまった。
私は手を口に当てた。肩が震えてしまっている。
私が予想外の行動で彼の手から上着が落ちた。
「あっ。違うの…」
何が違い?怖いんでしょ?私、ルースが怖い。
「また、妄想してた?僕が突然声かけたからびっくりした?」
違う…怖い。ルースを怖いと思ってしまった。
…そんな自分が嫌で、怖い。
「シャーリー…???」
わかってしまう。ルースに気付かれてしまう。
…しかし目を逸らしてしまった。
「あ、そのくらいは作れるわよ。なんたって主婦だったんだから。」
単に朝のパンが余っていたからおやつにフレンチトーストを作っただけだ。
「ふ~ん。じゃあ今度何か作って貰おうかな?」
「じゃあ明日お弁当つくろうか?せっかく雨も止んだし出かけない?」
昨日あんなことがあったが今日はいつも通りだ。
彼は何もいわない。私に言うことでもないのか。
まだ言いたくないのか…
もし必要ならそのうち言ってくれるだろう。
そんなことで別荘滞在四日目にしてようやく旅行らしいことができた。
って!!!!!
今私の目の前には馬がいる。いつも馬車で移動するから馬は見慣れているのだが、どうみてもこの馬は乗馬用??よね。
「ルース!なんなの?」
「えっ?馬だけど?」
「そんなの見ればわかるわ。で?」
「乗るんだけど。」
「誰が?」
「君と僕が…」
私の時間は止まった。
気がつけば私は馬に横乗りになって叫んでいた。
「ルース!怖いって!無理。」
「大丈夫だって。僕は馬の扱いは上手なんだよ。だから安心して。」
「だって高い…速い……」
生きた心地がしない。馬なんて前世あわせて初めて乗った。
馬が跳ねるたびに頭が飛んでいきそうだわ。あ~無理だ。
魂が口から出て行く~。さようなら~。
「嫌だなシャーリー。せっかく華麗に乗馬を楽しむ恋人同士みたいなのに君の叫び声で雰囲気台無しじゃないか。」
「誰が恋人同士なの~!いや~速くなった!もっとゆっくりにして、ジェットコースターは苦手なの!嫌!無理!」
「シャーリー、面白いね。もっと跳ばそう!」
「あ~!嫌!ルース!いじめないでよ!」
目的地の湖についた。
周りに緑がたくさんあって空気が気持ちいい。遠くに見える山が湖に映る。
素敵な場所だ!
リアルでアルプスの少女ハ◯ジだ。
素敵なのだが景色に感動している気分ではない。
ひとまず水を飲んで、半分出かけていた魂を胸に押し返す。
本当に怖かったんだから!人が嫌がってるのに何であんなに走らせるかな。近くの木に手をついてゼェゼェと大きく息をしていた。
「もう!ルースなんて嫌い!!」
「ごめん、ごめん。ジーザスに乗るのが久しぶりだったから嬉しくて。」
「もう!ジーザス、二人も乗せて重かったわよね。ごめんね。」
ルースの愛馬ジーザスの顔を撫でるとぶるるるっと顔を振った。
「いやジーザスは力持ちだもんね。でもよく頑張ったよ。ほら、お食べ。」
ご飯の草をやりながらルースはジーザスを撫でている。
「じゃあ私達もランチにしましょう。やっぱりこういった外で食べるのはサンドイッチに限るわね!」
もう空気が違う。
空気が美味しいとかよくわからなかったが
こういうことなんだと思う。
朝から頑張って作ったサンドイッチを並べる。
まあさすがは公爵家。食材がいいのでかなり高級そうなサンドイッチが出来上がってしまっていたが…。
ローストビーフにエビ…私が作ったサンドイッチですが美味しそうです。
たくさん作ったのでお付きの人の分もある。
私はシートを広げてランチの用意をし始めた。
何とか支度ができたからルースを呼ぼうとした。
しかし私の足は一緒止まった。
ルースは木の幹に体を預けて腕組みをしていた。何か遠くをみるかのようだった。怖い目をしている。表情に冷たさを感じる。
先日も見た同じルースを見た。あれは一体誰なの?怖い。近寄りがたさを感じる。
「お昼の支度できた?」
しかしルースは私に気づくといつもの笑顔をして近寄ってきた。
「うん!さあ食べよう。」
私も普通に笑う。
引きつってないわよね?
湖のほとりでのピクニックは本当に楽しい。綺麗な景色に囲まれて目の前にはルースが美味しそうにサンドイッチをたべる。楽しそうに笑う。何だか幸せだ。さっきのは何だったんだろう。
体調悪いのかな。
あの周りまでも凍りつきそうな怖い目。無表情な…。
今は笑っているんだから…気にしない。気にしない。
「ごめん!」
ルースが謝る。
「ルースのせいじゃないから謝らないで。」
「だって…」
「ジーザス濡れちゃうからもっとこっちに来て。」
せっかく湖のほとりでピクニックをしていたのだが夕立にあってしまった。
雨が真っ直ぐ落ちてくる。少し前から黒い雲があったので急いで帰り支度をしたが間に合わなかった。
「おかしいな…夕方くらいまで大丈夫なはずだったんだ。」
たまたま、この木何の木くらいの大きな木があったから雨宿りしている。
「降ってきたのは仕方ないわ。この辺は海に近いし、山もあるし天気は変わりやすいわ。すぐ上がるはずだから待ちましょう。」
ルースが近い…。すぐ隣に立っている。少しでも横に体を傾けると触れてしまいそうだ。ドキドキする。そう…だって好きな人がこんなに近くにいるんだもの。
私はチラッと隣のルースを見た。
彼はじっと雨を見ていた。青い瞳が前を見ている。
また背が伸びた。私が小さく思える。彼は男で私は女なんだと実感する。
彼のさらりとしたストレートの金髪は雨に濡れてしまっている。前髪がかなり目にかかっている。
遠くで雷鳴がし始めた。
その濡れた髪をみていたらあの日のルースを思い出してしまった。
思い出さないようにしている。怖かったから。
しかし駄目だ。受けた衝撃が強すぎる。見たのは本当に一瞬だけだ。
でもただただ怖かった。彼の周りの空気すら冷たく、ピンと張り詰めたような感じがした。自分の歩く先の一点だけを見つめ、氷のように冷たい目をしていた。ルースではないみたいだ。
あの時確かに彼のいつもの碧眼が赤に光った。その瞳で私の方をみた一瞬、体が動かなかった。赤い鋭い光がルースが纏う周り全ての空気痛く感じさせていた。
あんなルースは見たことがない。
今でもあの時のルースを思い出すと怖い。少し震える。
「寒い?震えてる。」
ルースの問いかけに私がハッと我に返った。
私は彼を見た。彼の瞳は青かった。やはり気のせいだ。気のせいだったんだ。
「シャーリー?何?ずっと僕を見てるけど何か考え事?
ほら僕の上着も着るといいよ。ほら。」
ルースが私に自分の上着をかけようとした瞬間、雷鳴が鳴り響き空全体が光った。
稲光がルースの後ろ側に走った。その光があの時のルースの赤い瞳を鮮明に思い出させた。あの時のルースに感じた痛いくらいの冷たい恐怖が蘇った。怖い…怖い。
「やっ!」
「えっ?」
思わずルースの手を跳ねてしまった。
私は手を口に当てた。肩が震えてしまっている。
私が予想外の行動で彼の手から上着が落ちた。
「あっ。違うの…」
何が違い?怖いんでしょ?私、ルースが怖い。
「また、妄想してた?僕が突然声かけたからびっくりした?」
違う…怖い。ルースを怖いと思ってしまった。
…そんな自分が嫌で、怖い。
「シャーリー…???」
わかってしまう。ルースに気付かれてしまう。
…しかし目を逸らしてしまった。
あなたにおすすめの小説
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
❲完結❳乙女ゲームの世界に憑依しました! ~死ぬ運命の悪女はゲーム開始前から逆ハールートに突入しました~
四つ葉菫
恋愛
橘花蓮は、乙女ゲーム『煌めきのレイマリート学園物語』の悪役令嬢カレン・ドロノアに憑依してしまった。カレン・ドロノアは他のライバル令嬢を操って、ヒロインを貶める悪役中の悪役!
「婚約者のイリアスから殺されないように頑張ってるだけなのに、なんでみんな、次々と告白してくるのよ!?」
これはそんな頭を抱えるカレンの学園物語。
おまけに他のライバル令嬢から命を狙われる始末ときた。
ヒロインはどこいった!?
私、無事、学園を卒業できるの?!
恋愛と命の危険にハラハラドキドキするカレンをお楽しみください。
乙女ゲームの世界がもとなので、恋愛が軸になってます。ストーリー性より恋愛重視です! バトル一部あります。ついでに魔法も最後にちょっと出てきます。
裏の副題は「当て馬(♂)にも愛を!!」です。
2023年2月11日バレンタイン特別企画番外編アップしました。
2024年3月21日番外編アップしました。
***************
この小説はハーレム系です。
ゲームの世界に入り込んだように楽しく読んでもらえたら幸いです。
お好きな攻略対象者を見つけてください(^^)
*****************
魔法学園の悪役令嬢、破局の未来を知って推し変したら捨てた王子が溺愛に目覚めたようで!?
朱音ゆうひ@4月1日新刊発売!
恋愛
『完璧な王太子』アトレインの婚約者パメラは、自分が小説の悪役令嬢に転生していると気づく。
このままでは破滅まっしぐら。アトレインとは破局する。でも最推しは別にいる!
それは、悪役教授ネクロセフ。
顔が良くて、知性紳士で、献身的で愛情深い人物だ。
「アトレイン殿下とは円満に別れて、推し活して幸せになります!」
……のはずが。
「夢小説とは何だ?」
「殿下、私の夢小説を読まないでください!」
完璧を演じ続けてきた王太子×悪役を押し付けられた推し活令嬢。
破滅回避から始まる、魔法学園・溺愛・逆転ラブコメディ!
小説家になろうでも同時更新しています(https://ncode.syosetu.com/n5963lh/)。
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
婚約破棄された公爵令嬢は冤罪で地下牢へ、前世の記憶を思い出したので、スキル引きこもりを使って王子たちに復讐します!
山田 バルス
ファンタジー
王宮大広間は春の祝宴で黄金色に輝き、各地の貴族たちの笑い声と音楽で満ちていた。しかしその中心で、空気を切り裂くように響いたのは、第1王子アルベルトの声だった。
「ローゼ・フォン・エルンスト! おまえとの婚約は、今日をもって破棄する!」
周囲の視線が一斉にローゼに注がれ、彼女は凍りついた。「……は?」唇からもれる言葉は震え、理解できないまま広間のざわめきが広がっていく。幼い頃から王子の隣で育ち、未来の王妃として教育を受けてきたローゼ――その誇り高き公爵令嬢が、今まさに公開の場で突き放されたのだ。
アルベルトは勝ち誇る笑みを浮かべ、隣に立つ淡いピンク髪の少女ミーアを差し置き、「おれはこの天使を選ぶ」と宣言した。ミーアは目を潤ませ、か細い声で応じる。取り巻きの貴族たちも次々にローゼの罪を指摘し、アーサーやマッスルといった証人が証言を加えることで、非難の声は広間を震わせた。
ローゼは必死に抗う。「わたしは何もしていない……」だが、王子の視線と群衆の圧力の前に言葉は届かない。アルベルトは公然と彼女を罪人扱いし、地下牢への収監を命じる。近衛兵に両腕を拘束され、引きずられるローゼ。広間には王子を讃える喝采と、哀れむ視線だけが残った。
その孤立無援の絶望の中で、ローゼの胸にかすかな光がともる。それは前世の記憶――ブラック企業で心身をすり減らし、引きこもりとなった過去の記憶だった。地下牢という絶望的な空間が、彼女の心に小さな希望を芽生えさせる。
そして――スキル《引きこもり》が発動する兆しを見せた。絶望の牢獄は、ローゼにとって新たな力を得る場となる。《マイルーム》が呼び出され、誰にも侵入されない自分だけの聖域が生まれる。泣き崩れる心に、未来への決意が灯る。ここから、ローゼの再起と逆転の物語が始まるのだった。
<完結>溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
本編完結済み。
続きのお話を、掲載中です。
続きのお話も、完結しました。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。