オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ

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その31 温室にて

頭がスッキリしてる。
ん~と手を上に上げて伸びた。
窓から光が入ってくる。朝?
いやいや太陽が割と高くまで登っていた。昼が近いみたいだ。

昨日はいろいろあった。
疲れていたから朝早く起きてからまた寝てしまったんだわ。
あら?まだルースの部屋じゃない?
ずっとルースのベッドを占領してるの!

「シャーリー?起きた?」

扉を開けてルースが入ってきた。

「今、君の家から着替えが届いたよ。よく寝れた?もう昼だよ。
まあ疲れていたから仕方ないけど。結局朝もご飯も食べてないし、お風呂も入ってないよ。
一応魔法はかけたからベタベタしてないと思うけど。
先にお風呂に入るかい?ゆっくり湯船に浸かって疲れを取るといいよ。」

「ええ……そうね。あ、ありがとう…。」

確かにさらりとはしてるし服も着替えて…ん?

「サンドラに来てもらってるから何かあれば呼ぶといいよ。
今呼んだ方がいい?あ、着替えさせたのはサンドラだから安心して。」

先に言われた。

「ルース…ごめんなさい…。私ずっとベッド使ってて…」
「気にしないで。僕のベッド広いから大丈夫だよ。」
「へっ?」
「また、あの後シャーリー寝ちゃったんだけど、まだ、朝早かったし、心配だったから一緒に寝てだけど気づかなかった?
シャーリーぐっすりだったからね。」

えっーー!隣で寝てたの!?一緒のベッドで?

あ、でも昨日あんな怖いことがあったけどなんかずっと暖かかったな。
ずっと何かに包まれている…包まれて?つまり隣で抱き…抱きしめてくれていたんだ。
なんだかちょっといいなって思った。

ようやくお風呂にも入り、ようやくお昼ご飯にありつけた。
ちなみに、昨日の朝から久しぶりのご飯だ。なんだか食欲というものを忘れていたが、いざ目の前に並ぶと食べられるものだ。

あれからザイン侯爵様、タチヒア様、エルシーお姉様に丁寧にお礼を言った。
カール兄様には通信用魔法石でお礼を伝えた。

ひとまず今日はまだ、疲れているし、体も見たところは何もないが何かあったら困るのでザイン家でゆっくりしていけばいいと言われた。
エルシーお姉様が治癒魔法が使えるので何か体に変調があればすぐに駆けつけてくれるらしい。

まったり、だらだらした日を過ごす。
太りそうだわ。

今は温室で本を読んでいる。
外は冬だから寒い。
しかしこの温室は光をすごく吸収して暖かい。
気持ちいい。お茶を飲みながらマカロンを頬張る。
至福のひとときだ。

いつの間に揃えたのか分からないが私の服は家から持ってきてもらったものではない。
何だか新しい。
更に新しいリボンが私の髪に揺れている。綺麗な深い水色だ。
まあ当然ザイン家の紋章入りだ。服もこの色に合わせてある。
リボンが先か?服が先か?ん…どっちだろ?
そんなたわいもないことを考えていたらまた寝てしまった。

「シャーリー?起きた?」
どのくらい寝ていただろうか。起きたらルースの顔が上にあった。
どうも膝枕をさせていたようだ。
「ん…おはよ…」
「もう寝ぼけたシャーリー可愛い。」

チュッ。

「って、ん??」

私はルースにキスされた頬を押さえながら彼を見た。
このキス魔め。

「僕が来たのに気づかないくらいよく寝てたから起こせなかったよ。
まだ疲れてるよね。もう怖いのは大丈夫?」
「大丈夫。何だかゆっくりして暖かくて気持ちいいから忘れちゃってたわ。」
「シャーリー。本当にごめんね。」
「ルースのせいじゃないわよ…ん?いやルースのせいだよね。」
ルースがちょっと不貞腐れていた。
「でも、僕自身は何もやってないんだけどな。何でかな?」
「それでもいいじゃない。」
私はルースの肩に頭を置いた。
「そうだね。」
ルースの左手が私の右頬に触れてそのまま軽く上を向かされた。
優しくキスが降ってくる。幸せだ…。

お茶を入れ直して貰って2人で雑談をしていたが突然ルースが爆弾発言をしてきた。

「あと二週間で新年だ。そしたら僕達は16歳だ。すぐに結婚しよう!」
「へっ?!」

今日の早朝にようやく幼なじみから恋人に昇格したばかりですが?
普通そんなにはやく昇進しませんよね?

「いやだな。あんなシチュエーションであんな感動的な事を言われたら我慢できないよ。
ねぇ、シャーリー。覚えてないの?シャーリーからプロポーズしてくれたのに。
嬉しかったけど、やっぱり僕からしたかったな。」

感動的…へっ?!プロポーズ…あっ…たしかに…覚えてます…。

「しかし準備とかがあるしね…すぐにはね。ふふ…」

ルースが少し不服そうな顔をした。

あ~!もう死ぬからいいやって思ってました。
結婚式の誓いの言葉を…確かに言いましたね。
やってしまいました。何故あの時そのセリフを言ってしまったんだ。
一生の不覚…。
まあ、確かにそのつもりはありました。
ルースのことを受け入れるつもりでした。

ルースが私の手を取った。
ニヤリと笑った。

ん?何だこの艶かしルースは?色気出して来た。
嫌!バックにバラが咲く。キラキラしてる。
来るな!だいたいルースの行動は読めてる。
ダメ!!

ルースが立ち上がった。そして私の手をひいた。
私も立ち上がった。

すっとルースが私の前に左足を立てて膝まづいた。

金色のストレートの髪が温室のガラスを通して届く光に照らされた。
碧眼が下から私を見つめる。
その顔に胸が最高潮に張り詰めた。

「シャーロレ…「待って!ちょっと待って!」
「へっ?」
「ルース…少しだけ待って。」

私は叫んだ。

「はぁ!シャーリー今止める?おかしくない?めちゃくちゃいいところだよ?分かる?」
「わかってる。わかってるけど。ごめんなさい。」
「シャーリー!僕は本気なんだよ。何なの!もう!」
「と、に、か、く、サンドラを呼んで。」

ルースは渋々サンドラを呼んだ。
頬が膨れている。かなり拗ねている。

サンドラはすぐにやって来た。
私が持って来て欲しい物があることを一言告げると

「今お持ちします。お待ち下さい!至急とってきます。」

ルースは首を傾げている。

本当に数分でサンドラは四角い箱を持って帰ってきた。
忍者?割と屋敷と距離あるわよ。
さすができる40代。

「お嬢様~。私は本当に嬉しゅうございます。
ヴィクセレーネの家からお着替えと一緒に持ってきておいて本当にようございました。うううっ」
「サンドラなら絶対に持って来てくれてるって思ったわ。やっぱりサンドラがいてくれてよかったわ。ありがとう。ほら泣かないで。」

サンドラは割と涙もろい。

「お嬢様~勿体ないお言葉です。でも嬉しいです。ようやく…あんなことがあり一時はどうなるかと思いましたが…うううっ…」
「何だ?何があったんだ?」

ルースが引いている。
少し大柄のおばさんが泣いているのだ。まあ仕方ないだろう。

「サンドラ本当にありがとう。」
サンドラはハンカチで覆っていた顔をあげてルースに向かって言った。
「ルーズローツ坊っちゃま!くれぐれもくれぐれもお嬢様をお願いいたします。
昨日のようなことがあれば力づくでもお嬢様を連れて帰らせていただきます。
はい!どうぞ。」

バンッ!

「は?」

サンドラはルースに四角い箱を叩きつけて?渡して去っていった。

「何だったんだ?シャーリー、これ。何か渡されたけど…」

私はにっこり微笑んで言った。
「開けて。」
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