オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ

文字の大きさ
99 / 120

小話 裏庭の談笑

ここは王宮の裏。
裏庭の小道を抜けて真っ直ぐ行くと古びた扉に突き当たる。
古くて開かない扉には幾重にもツタが絡まる。
その横には小さな一人分入れるくらいの小さな新し目の扉がある。
私はそこを通って親友に会いに来る。

小さな墓石に花を備える。
墓石の誇りを払い汚れを落とす。
蝋燭を立てて火を灯す。
手を合わせて祈る。
墓石に向かって話しかける。

それがいつもの彼女に会う時の私の手順。

寒い冬の日だ。風が冷たい。
夜には雪が降るかもしれないわね。

マリー。お久しぶりね。一か月ぶりくらいかしら?
今日はいろいろお話があるの。

私達の息子達が結婚するのよ。
もうそんな歳になったのね。ふふふ
あなたが亡くなって13年。
あんなに小さかったレオンハルトもルーズローツも結婚するのよ。早いわね。
レオンハルトはいろいろ手続きやら式典があるからまだまだ先の話なんだけど新年には婚約を公表するわ。
ルーズローツはもうエドワード様がノリノリでね。
あのいつも冷静なエドワード様がニコニコした笑顔で書類を陛下に押し付けているのを見てたら笑ってしまったわ。

ルーズローツと初めて会った時は冷たい目をしていて心配していたけど、今はすごく穏やかに優しく笑うの。
エドワード様はじめザイン家の人たち、シャーリーのおかげね。あの子の周りにはあの子を愛している人達がいてくれる。

あなたの笑った顔に似ているわ。なんだか泣けてしまうわ。

あなたは小さい時から私と一緒だったわ。
私の家に住み込みで働くあなたを気に入った私がわがままを言ってあなたをわたしの侍女にしてもらってからずっと一緒だったわね。

15歳になった時、あなたははじめて話してくれた。
ここがあなたの知っている物語の世界だと。
私達がその物語の主要人物の親なんだと聞かされた時は本当驚いたわ。まさか、15歳で今から生まれる自分の息子の話をされたんですもの。ふふふっ。

でもあなたは真剣だったから私はそんなあなたの話を信じたのよ。
だからいろいろ二人で相談したわね。本当にあの時は楽しかったわ。

そんな物語に振り回されて子供達が幸せになれないのは困るからと試行錯誤した上、婚約期間を短くして設定より早く陛下と結婚したのよね。
幼なじみのベス、今やシュライン伯爵夫人だけどね、まで巻き込んでね。
だからレオンハルトもルキシスも一年早く生まれた。

私達はこれで物語は無くなるだろうと喜んだ。
でも…
あなたがルーズローツを身篭った時、どんなに私達が設定を変えてもやはり物語は存在するんだとわかったてしまった。

あの時は本当にごめんなさい。私がしっかりしていればあなたを苦しめることはなかったのに。

二人目の子供を死産して、もう子供が産めないとわかったあの時あなたにあんなことを頼まなければよかった。
あなたにかわりに陛下の子を産んで欲しいと泣いて叫んであなたに縋らなければがよかった。
わたしはあの時どうかしていたのかもしれない。
なのにあなたはあなたが笑って受け入れてくれた。
陛下も私が毎日毎日泣き喚くから仕方なかったのよね…。

もう陛下の子供を産めないのに、子供を授かって愛しそうにお腹をさするあなたを見て私は嫉妬した。
あなたに酷い言葉を言ってしまった。あなたを傷つけた。

そしてあなたは私の前から居なくなった。
わたしは後悔しかなかった。
あなたが大切だった。そんな一時の嫉妬心よりあなたを失った悲しみの方が大きかった。
必死に探した。時には自分で歩いて街を探した。森にも行った。陛下も協力してくれた。

ようやく探し当てたあなたは病魔に侵されていた。
この病気はこの世界では治らないんです。と寂しそうにルーズローツを抱きしめていたあなたを忘れたことはない。

栄養の偏り、ストレスからくる病気だと王宮の医師は言っていた。
全ては私のせいよね。ごめんなさい。
あなたに頼りすぎていた。
私は自分のことしか考えていなかった。

だけど、あの時あなたは笑った。私といれて良かった。
わたしの側にいれて幸せだった。
そう言ってくれたから今は救われている。
だから私は生きてこられた。
あの二人を見守っていくと決心した。

ルーズローツは本当は私の手で育てたかったのよ。
あなたの子は私の子だと思っているわ。愛しい。
でも将来のことを思うと無理だった。
王太子の異母兄弟なんて政治的に火種になる。
陛下と何度も話をしてエドワード様に託した。それがよかったのか少しずつ笑うようになった。
しかし私の心配はつきなかった。
だってあなたの物語と同じだった。
出生の闇、ザイン家の闇を負わせることになってしまった。

しかしシャーリーと会ったのがルーズローツを劇的に変えた。あなたの話だとレオンハルトの婚約者になるシャーロレットは悪役令嬢で自分勝手な子だったけど、実際の彼女は明るく可愛い子だったわ。

会ってみたい?
心優しい子よ。あなたも気にいるわよ。

ただね、レオンハルトの母としては複雑なのよね。
初めはシャーロレットはレオンハルトの婚約者になることがほぼ決まっていた。

突然困った顔をしてエドワード様からルーズローツが婚約者としてシャーロレット嬢が欲しいと言っているんだが…と聞かされた時は驚いた。

陛下も私もエドワード様もルーズローツの望むことは叶えてあげたかった。
結局シャーリーはルーズローツに取られちゃったわね。
少し前にはレオンハルトも少し残念がっていたわ。

でもあの二人は本当にお互いを思っている素敵なカップルよ。レオンハルトの入る余地なんてなかった。

マリー、ルーズローツは大切なものを手に入れたわ。
闇の中にいても必ずシャーリーが光の世界に連れ出してくれる。二人で闇に堕ちてもあの子達は二人で手を取りあって必ず這い上がってくるわ。

あなたが残してくれた手紙はもういらないわね。

『ルースが15歳になった時、あの子が深く闇に落ちて何も望まない眼をしているのならこれを読んで。そしてそこに書かれている令嬢にこの手紙を渡して欲しい。どうか必要ないことを願うわ。お願いね。みんなが幸せになるのを私は天から見守っているわ。あなたの幸せもね。』

あなたの最後の言葉。

ルーズローツは明るく優しい子に育った。隣には寄り添ってくれる子もいる。あの子を包み込んでくれている。もう大丈夫。安心して。

私は目の前の炎の中に手紙を入れた。
二つの手紙の一つには何が書いてあるか知らない。見ていない。
チリチリ言いながら少しずつ黒く焼けて行く。
煙が私の目の前に広がる。
そして少しずつ灰になって風に舞い空に消えて行く。

燃えカスの一欠片が風に舞う。
一瞬書かれた文字が読めた。
〝裏モー〟
と3文字が書かれていた。

その欠片もチリチリと燃えて灰にな

り風に巻上がった。

もう必要ない。
あの子達がちゃんと自分達の物語にしてくれたわ。
あの子達は自分の幸せを自分の手で掴みとった。

今度、シャーリーとレイチェを連れてきましょうか?
あの子達なら貴女に会わせても大丈夫。
心優しい子達だから泣いてしまうかもね。

特にレイチェは涙脆いのよ。
あなたを見ているようだわ。
あの子の仕草とか何かあなたを思い出してしまうの。
どうしてかしらね。
王太子の地位に生まれて、恋愛を諦めていたレオンハルトが自ら手を差し伸べた子よ。
ちゃんとあの子も恋をしてくれた。

レイチェもシャーリーに負けず、いい子よ。
わたしは二人とも大好き。
でも何の因果か分からないけど二人とも転生者なの。
あなたと話が弾むかもね。

マリー、大丈夫よ。心配しないで。
まあ、空から見ていると思うけど。
ルーズローツもレオンハルトも幸せになるわ。
見ててあげてね。

あ、そうだ。これ置いておくわ。
シャーリーが作ったんだって。美味しいわよ。
久しぶりに食べたわ。
あなたと同じ味がするの。
スイートポテト、あなたはよく作ってくれたわね。
今でも私の大好物なのよ。

わたしは立ち上がった。
パンパンとスカートの裾を叩いた。

「グレース、やはりここか。」

後ろから声をかけられた。
穏やかで優しい声。
振り返るまでないわね。誰かなんてすぐわかる。

「陛下。ごめんなさい、探しました?」
振り向きながら答えた。

「まあ、ここしかないと思ったから探してはないか。
マリーと話をしていたのか。」
「ええ。嬉しいことがあったからマリーに話しに来たの。」
「そうだな。ゆっくり話せたか?でも、寒いぞ。ほら体が冷えてる。話は済んだのか?さあ、戻ろう。」
「またすぐに来るわね。マリー。」
「今度はルースとシャーリーを連れてくるといい。」
「私もそうしようと思っていました。
その時はレオンもレイチェも一緒がいいわ。きっとマリーは喜ぶわ。ふふふっ」

陛下が私に手に持っていた上着をかけてくれた。
上着をわざわざ持ってきてくれたんですね。
でも上着もあなたの手も冷たくなっていますよ。
お待たせしてしまいましたね。

そして今まで心配させてしまいましたわね。

「マリー、よいお年を…」


感想 3

あなたにおすすめの小説

毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。

克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。

❲完結❳乙女ゲームの世界に憑依しました! ~死ぬ運命の悪女はゲーム開始前から逆ハールートに突入しました~

四つ葉菫
恋愛
橘花蓮は、乙女ゲーム『煌めきのレイマリート学園物語』の悪役令嬢カレン・ドロノアに憑依してしまった。カレン・ドロノアは他のライバル令嬢を操って、ヒロインを貶める悪役中の悪役!    「婚約者のイリアスから殺されないように頑張ってるだけなのに、なんでみんな、次々と告白してくるのよ!?」   これはそんな頭を抱えるカレンの学園物語。   おまけに他のライバル令嬢から命を狙われる始末ときた。 ヒロインはどこいった!?  私、無事、学園を卒業できるの?!    恋愛と命の危険にハラハラドキドキするカレンをお楽しみください。   乙女ゲームの世界がもとなので、恋愛が軸になってます。ストーリー性より恋愛重視です! バトル一部あります。ついでに魔法も最後にちょっと出てきます。 裏の副題は「当て馬(♂)にも愛を!!」です。 2023年2月11日バレンタイン特別企画番外編アップしました。   2024年3月21日番外編アップしました。              *************** この小説はハーレム系です。 ゲームの世界に入り込んだように楽しく読んでもらえたら幸いです。 お好きな攻略対象者を見つけてください(^^)        *****************

魔法学園の悪役令嬢、破局の未来を知って推し変したら捨てた王子が溺愛に目覚めたようで!?

朱音ゆうひ@4月1日新刊発売!
恋愛
『完璧な王太子』アトレインの婚約者パメラは、自分が小説の悪役令嬢に転生していると気づく。 このままでは破滅まっしぐら。アトレインとは破局する。でも最推しは別にいる! それは、悪役教授ネクロセフ。 顔が良くて、知性紳士で、献身的で愛情深い人物だ。 「アトレイン殿下とは円満に別れて、推し活して幸せになります!」 ……のはずが。 「夢小説とは何だ?」 「殿下、私の夢小説を読まないでください!」 完璧を演じ続けてきた王太子×悪役を押し付けられた推し活令嬢。 破滅回避から始まる、魔法学園・溺愛・逆転ラブコメディ! 小説家になろうでも同時更新しています(https://ncode.syosetu.com/n5963lh/)。

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜

矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】 公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。 この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。 小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。 だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。 どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。 それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――? *異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。 *「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。

婚約破棄された公爵令嬢は冤罪で地下牢へ、前世の記憶を思い出したので、スキル引きこもりを使って王子たちに復讐します!

山田 バルス
ファンタジー
王宮大広間は春の祝宴で黄金色に輝き、各地の貴族たちの笑い声と音楽で満ちていた。しかしその中心で、空気を切り裂くように響いたのは、第1王子アルベルトの声だった。 「ローゼ・フォン・エルンスト! おまえとの婚約は、今日をもって破棄する!」 周囲の視線が一斉にローゼに注がれ、彼女は凍りついた。「……は?」唇からもれる言葉は震え、理解できないまま広間のざわめきが広がっていく。幼い頃から王子の隣で育ち、未来の王妃として教育を受けてきたローゼ――その誇り高き公爵令嬢が、今まさに公開の場で突き放されたのだ。 アルベルトは勝ち誇る笑みを浮かべ、隣に立つ淡いピンク髪の少女ミーアを差し置き、「おれはこの天使を選ぶ」と宣言した。ミーアは目を潤ませ、か細い声で応じる。取り巻きの貴族たちも次々にローゼの罪を指摘し、アーサーやマッスルといった証人が証言を加えることで、非難の声は広間を震わせた。 ローゼは必死に抗う。「わたしは何もしていない……」だが、王子の視線と群衆の圧力の前に言葉は届かない。アルベルトは公然と彼女を罪人扱いし、地下牢への収監を命じる。近衛兵に両腕を拘束され、引きずられるローゼ。広間には王子を讃える喝采と、哀れむ視線だけが残った。 その孤立無援の絶望の中で、ローゼの胸にかすかな光がともる。それは前世の記憶――ブラック企業で心身をすり減らし、引きこもりとなった過去の記憶だった。地下牢という絶望的な空間が、彼女の心に小さな希望を芽生えさせる。 そして――スキル《引きこもり》が発動する兆しを見せた。絶望の牢獄は、ローゼにとって新たな力を得る場となる。《マイルーム》が呼び出され、誰にも侵入されない自分だけの聖域が生まれる。泣き崩れる心に、未来への決意が灯る。ここから、ローゼの再起と逆転の物語が始まるのだった。

<完結>溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。 本編完結済み。 続きのお話を、掲載中です。 続きのお話も、完結しました。

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。