オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ

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番外編 里帰り

「ジェシリア=ミュンヘンダーク」
です。

私は目が点になった。
ヴィクセレーネ家の玄関でジェシー様が可愛らしい首を傾げて挨拶をした。
藤色の髪に似合う天使の微笑みだ。

「は?」
私はジェシー様とお兄様を交互に見た。

今日はお兄様の婚約者の方が家に来るからと言って
ようやくヴィクセレーネ家に帰らせて貰った。
ようやくだ。

新年から二か月も経った。
しかもルースは自分も行くとずっと叫んでいた。
全力でご遠慮させていただきました。
で、今日は夕方まで自由をもぎ取った!
アイム ウィナー!!

で、私はジェシー様の目の前に立っている。
私の隣にお兄様がいる。

「ねぇ、お兄様?」
「ん?」
「今日はお兄様の婚約者を紹介してくれるんでしょう?」

お兄様はすっと私の隣からジェシー様の隣へと移動した。

「だから、彼女が私の婚約者だ。」
「はい?」

私の隣でお父様とお母様はうなづいている。
お兄様はさりげなくジェシー様の腰に手を回している。

ジェシー様が微笑んだ。

「いつから?えっ?」
「姉さん、知らなかったの?2年前だよ。」
「え…ええ。えー!」

挙動不審になっている。
ジョーカスまで知っていたなんて。

「だって家に来たのは片手で足りるくらいですから。」
「まあ、来てもシャーリーはルースと街に行ってたりしてたからな。」
「それに黙っていた方がバレた時に楽しいでしょう?」

ジェシー様…そういうことに楽しみを見出す方なんだったんですか?

「ジェシーがどうしても卒業するまで待って欲しいと言ったからね。結婚式はジェシーが卒業してすぐにできるように用意している。ようやく仕事も一段落したしゆっくりできそうだ。」

…私も卒業するまで待って欲しかったんですが。
嵌められました…

「よろしくね。シャーリー。
あ、でもシャーリーはザイン家からあまり戻ってこれないわね。あまり会わないかもね。ふふふ」

ジェシー様…割と痛いところを突きますね。

「なんでお兄様と?」
「ああ、以前お母様がどっかのお茶会に行った時に気分が悪くなってジェシーに付き添われて帰ってきた時があってね。」
「その後、手紙が来てたまにお会いしていたんですよ。」

…お兄様。一目惚れですか…!

「当時私はルキシス様に憧れていて、親友のケイン様からお近づきになろうと画策してたら何故かこうなってしまいました。」

…ジェシー様、そんなことお兄様の隣で言っていいんですか?

「ルキシスのおかげだな。」

って知ってるんですね…。

「ケイン様が親身になってくれるので。ふふふ。」

藤色の髪をお兄様が手に取りキスを落とす。
「今日も綺麗だよ。」
「あら、ケイン様もカッコいいですわ。」

これは誰でしょうか?
私のお兄様の筈ですよね?
こんなに甘々になる人だったのですね。

と、いうか…この国って割とオープン。
ルースはオープンすぎるけどね。
って周りみんな気付いていたのに全くわからなかった私はルース曰く天然らしい。
自覚します。

「さあさあ、ジェシーさん中に入って。」
お母様がジェシー様を中に誘う。
ジェシー様は優雅に頭を下げて家に入った。

「姉さんも早く!」

私は玄関でボーッとしてしまった。
ジョーカスが手を引く。
状況についていけなかった。

しかしお兄様とジェシー様はお似合いだ。
まあ、いいんじゃない。

「ジョーカスはまだいないの?」
ジョーカスが嫌そうな顔をした。
「姉さんは本当、天然だよ。」
ん??
ジョーカスにも言われてしまった。

夕方ルースが迎えに来た。
早い!夕方っ4時くらいじゃない?6時でもよかったのよ。
3時って小学生すら学校から帰ってくるかこないかの時間よ!

「あら、ルーズローツ様。ご機嫌よう。」
「ミュンヘンダーク嬢。お久しぶりです。」
「あら、義理の弟になるんですから堅苦しくなくていいのよ。」
「ありがとうございます。それではジェシリカ姉様。
よろしくお願いしますね。」
「ルースも知ってたの?」
「知らないのシャーリーくらいだよ。」
「へっ?」

疎外感半端ない。

それでも久しぶりにヴィクセレーネ家で夕飯を取った。
ジェシー様もヴィクセレーネの家族と打ち解けていてよかった。



「えっー!レイクルーゼ様もカトレア様も知っていたんですか?」
「当然よ。知らないのはあなただけじゃなくて?」

「シャーリーは僕のことだけ考えていればいいんだよ。」
隣のルースが頭を引き寄せて髪にキスを落とす。
レイクルーゼ様、カトレア様、ジェシー様の前なんですが…!
恥ずかしくて死にそうだ。

「もう真っ赤になって可愛い。早く家帰ろうか。」
「まだ午後の授業があるからダメ!」

レイクルーゼ様が呆れてる。
「本当にいつになったら慣れるの?」
「いつになっても慣れません!慣れたくありません!」

今まではルースに対してだったレイクルーゼ様の呆れ顔は
今や私に向けられる。

「ふーん。」
ルースの目が…何か企んでる時の目だ。
逃げるが勝ち!

「昼放課が終わってしまうから、私は魔科の校舎に戻りますね。」

いそいそとその場を離れようと頭を下げてクルリと後ろを向いて歩こうとした…その途端ルースに手を引っ張っられて
後ろ向きのままルースの胸に頭が当たった。

「いつになっても慣れないんだ。」
あ、嫌だ。この目…。
狙った獲物を手に入れたルースの目だ。

ルースは片手でネクタイを緩めた。
この頃本当に色気半端ない。

「じゃあ、シャーリー、ごゆっくり。」

ってお三方!どこ行くんですか?
ひらひらと手を振っている。
お楽しみって感じの笑いを抑えないでください!

「慣れたくないって、嫌だな。僕は早く慣れて欲しいんだよ。」

「ひゃん!」

ルースの唇が後ろから首筋に触れた。

「だから…午後の授業が…」
「ん…まだまだ、調教が足りないかな。
ほら、いつでも僕を欲しがって。」

だから…午後の!!

ここは裏庭だ。
前にも言ったようによく逢引に使われる。
それだけ死角が多い。

「シャーリー、愛してる。」

絶対慣れない!!









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