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番外編 三人の座談会 *
「何だ?何で私が責められるんだ!」
あ~あ。また始まったよ。
「だいたいレオンハルト殿下が煩いんだよ。」
俺は机の上のスイートポテトを口に入れた。
「ムーも食べるか…」
あきれているのは俺だけではない。
チビ猫姿のムーも隣であくびをしている。
スイートポテトを半分にして机に乗せたらムシャムシャと食べ始めた。
机の上にあるのはシャーリーの作ったスイートポテトだ。
レイクルーゼ王太子妃殿下の大好物だ。
俺も大好きだ。
ちなみにこの二人のこういった会話が始まると
いそいそとレイクルーゼ様とシャーリー、そしてリーフィアは決まって
こっそりいなくなる。
シャーリーを大好きなリーフィアはもういつでもシャーリーにくっついている。
俺よりも好きみたいで少し嫉妬してしまう。
今、王宮の立派な応接間にいるのは男三人だ。
あ、プラス一匹の猫。
つまらないな。
あー、帰りたい。
そもそも事の発端は些細なこと。
またどうでもいいことだ。
二人はギャンギャン叫んでいる。
世間では従兄弟だが本当は異母兄弟だったな。
まあ似てるな。
性格が…。
いじっぱり…。
おかげでいつも兄弟喧嘩の先が見えない。
日頃割といけすかない、あ、いやいやクールな態度をしているルースも王太子殿下の前だとお子様だ。
ああ、シャーリーは問題外。
彼女に対しては溺愛しかないな。
尻尾を振る犬だろ。
しかしうるさいから早く終わらせようか。
「ところで喧嘩の原因って何だった?」
「はっ?こいつがわけわかんないこと言うからだ!」
「殿下が言ったんじゃないか?」
「何を?」
「「へっ?」」
…二人とも覚えてないのか。
多分10分くらい前の話なんだが。
あーあ。面倒くさっ。
「「あー!思い出した!!」」
二人同時かよ。
やはり兄弟だ。
「「ケーキのイチゴを先に食べるか、後に食べるかだ!」」
はい?
二人揃って何言ってんだ。
ブッブーッ。
不正解。
「シャーリーがケーキを作るからってお前たちに聞いたんだよ。ケーキを作るのに上に乗せるのをイチゴにするかメレンゲのお菓子にするかって…」
二人は顔を見合わせた。
あーやってらんない。
「そうだった?」
「そうだったような気がするな。」
「で、レオンハルト殿下がメレンゲがいいって言ったら、ルースがイチゴがいいって言い出したんだよ。」
「だってイチゴだと先食べてしまうから、何も無くなってしまうだろ?」
「じゃあ残しておけばいいだけだろ。」
「嫌だ!先に食べる!」
「イチゴは途中、生クリームにつけながら食べるんだよ。」
「それに私はメレンゲのお菓子が好きなんだ!」
「それならそうと始めから言えばいいんじゃないか?」
…どちらかというとかまってもらいたい兄と塩対応な弟って感じか?
「あのさ、シャーリーは多分イチゴもメレンゲも載せてくれると思うよ。」
「シャーリーは優しいからね。きっとそうしてくれるね。」
ルースがうんうんうなづいた。
隣で腕を組んだ王太子殿下もそれに賛成のようだ。頷いている。
これで兄弟喧嘩も終わりだ。
…と、思った。
「何でレオンハルト殿下が頷くの?おかしいよね。シャーリーが優しいって言って頷けるのは私だけだよね?」
「優しいって思ってもダメなのか!」
「シャーリーの優しさを感じていいのは私だけなんだから、だめ。」
「はあ?何なんだ!私は褒めているんだぞ。」
「シャーリーは私のだ!褒めていいのも私だけだ!」
はい…。
二人ともお子ちゃまです。
喧嘩するほど仲がいいんだからもういいや。
俺はムーを膝の上に乗せてさっきの残り半分のスイートポテトを机に置いた。
ムーは手で引き寄せて食べ始めた。
俺ももう一つ手に取り食べながら窓の外をみた。
どんよりとした低い空から白いものが降ってきた。
あ、雪…どうりで寒いと思った。
「で、二人とも来週のクリスマスのプレゼントは用意したの?」
「「した!」」
クリスマスはこの国には無いお祭りだ。
しかしレイクルーゼ王太子妃殿下、シャーリーが元いた世界にはあったらしい。
あ、本当は周りには内緒なんだけど二人共身内には隠すつもりなさそうにいつも楽しく話しているから知っているんだ。
リーフィアからこんな話をしていたとか、あんな話をしていたとかよく聞かされる。
しかしレイクルーゼ王太子妃殿下にその記憶がなければあの時俺はシャーリーを殺していたかもしれない。
レイクルーゼ様には感謝してもしきれない。
シャーリーにも申し訳ない気持ちをいつも持っている。
それでもシャーリーはいつも俺に普通に接してくれる。救われている。
割とすさんだ子供時代を送ってきたような気がする。
今、この暖かい空間にいられるのも彼女達のおかげだ。
俺には初めてのクリスマスだ。
クリスマスにはプレゼントをあげるみたいなんだ。
リーフィアはもちろん、レイクルーゼ様やシャーリーにも何かあげたいな。
みんなでお揃いにするとリーフィアも喜んでくれるかな?
「シャーリーへのクリスマスプレゼントは何がいいだろうな。」
「アイザック!今何か言った?」
…しまった。
ルースがこっちを少し怖い顔で睨んだ。
心で思っていたが口に出してしまっていた。
本当にシャーリーって言葉に反応しすぎ。
「何でアイザックがシャーリーにクリスマスプレゼントを渡すの?」
「あ、いや。そう…ああ!リーフィアがそう!悩んでいたんだ。」
「リーフィア様が?」
セーフ…危なかった。
「リーフィアはシャーリーが大好きだから、何かあげたいなって言っていたんだよ。」
「まあ、シャーリーはみんなに好かれてるからね。さすがは私のシャーリーだ。ふふん。」
…いやいやなぜお前がえらそうに言うんだ。
「おい!ルース。お前が褒められているわけではないんだ。えらそうにするな!
シャーリーがみんなに優しいのはお前には全く関係ないだろ!」
そうだ!もっと言ってやれ!
しかしようやく終わりそうだったのにな・・・。
「ムー、もう一個食べるか?」
まだまだ続く。
やっててくれ。
まあ俺が少しは悪いのか・・・。
そろそろリーフィアたちも戻ってくるだろう。
帰ってきたらリーフィアと街に行ってクリスマスプレゼントでも探そうか。
「そういえばふと疑問に思うことがあるんだ。」
さっきまで騒いでいたレオンハルト殿下が静かに話し始めた。
「クリスマスなんて知らないのに私は毎年この時期母上からプレゼントを貰うんだ。」
「生まれた日じゃないのか?」
「いや、私は夏のはずだ。」
「じゃあ何で?」
レオンハルト王太子殿下とルースは考え込んでいた。
「クリスマスを知っていた?」
ルースがぽそりと言った。
ムーが髭をピクピクさせた。
「ねえ、ムー何か知っている?」
ルースがムーに話しかけた。
少しため息をついて俺の膝の上で丸くなった。
「おいこら、ちびネコ!何か知っているんだろう!」
レオンハルト王太子殿下が叫んだ。
ルースが首根っこをつかんで俺の膝の上から連れて行った。
レオンハルト王太子殿下とルースに連れ去られたムーは
面倒くさいなって顔をして目の前の金髪碧眼の兄弟を見ていた。
まあムーも言えないわな。
あの二人が異母兄弟なのは身近な人間はみんな知っている。
しかし口に出す人はいない。
それはレイクルーゼ様でもシャーリーでも同じだ。
弟だと分かっていても、兄だと分かっていてもあの二人はそれを見せることはない。
まさかルースの母親のマリーの話をするわけにはいかないだろう。
レイクルーゼ様とシャーリは王妃さまからマリーの事は聞いて知っているようだ。
だからシャーリーがスイートポテトを持ってくると必ず王妃様に差し上げにいく。
そしてみんなで裏庭に行くらしい。
リーフィアもたまに一緒に連れて行ってもらうらしい。
リーフィアが俺に話してくれた。
ムーが俺の方をちらっと見た。
さあそろそろムーを助けてあげようか。
俺はリーフィアと念話ができる。
『リーフィア、そろそろ戻ってきてくれないか。
クリスマスプレゼントを買いに行く時間がなくなるよ。』
そうリーフィアに呼びかける。
ムー、あと少し頑張ってくれな。
あ~あ。また始まったよ。
「だいたいレオンハルト殿下が煩いんだよ。」
俺は机の上のスイートポテトを口に入れた。
「ムーも食べるか…」
あきれているのは俺だけではない。
チビ猫姿のムーも隣であくびをしている。
スイートポテトを半分にして机に乗せたらムシャムシャと食べ始めた。
机の上にあるのはシャーリーの作ったスイートポテトだ。
レイクルーゼ王太子妃殿下の大好物だ。
俺も大好きだ。
ちなみにこの二人のこういった会話が始まると
いそいそとレイクルーゼ様とシャーリー、そしてリーフィアは決まって
こっそりいなくなる。
シャーリーを大好きなリーフィアはもういつでもシャーリーにくっついている。
俺よりも好きみたいで少し嫉妬してしまう。
今、王宮の立派な応接間にいるのは男三人だ。
あ、プラス一匹の猫。
つまらないな。
あー、帰りたい。
そもそも事の発端は些細なこと。
またどうでもいいことだ。
二人はギャンギャン叫んでいる。
世間では従兄弟だが本当は異母兄弟だったな。
まあ似てるな。
性格が…。
いじっぱり…。
おかげでいつも兄弟喧嘩の先が見えない。
日頃割といけすかない、あ、いやいやクールな態度をしているルースも王太子殿下の前だとお子様だ。
ああ、シャーリーは問題外。
彼女に対しては溺愛しかないな。
尻尾を振る犬だろ。
しかしうるさいから早く終わらせようか。
「ところで喧嘩の原因って何だった?」
「はっ?こいつがわけわかんないこと言うからだ!」
「殿下が言ったんじゃないか?」
「何を?」
「「へっ?」」
…二人とも覚えてないのか。
多分10分くらい前の話なんだが。
あーあ。面倒くさっ。
「「あー!思い出した!!」」
二人同時かよ。
やはり兄弟だ。
「「ケーキのイチゴを先に食べるか、後に食べるかだ!」」
はい?
二人揃って何言ってんだ。
ブッブーッ。
不正解。
「シャーリーがケーキを作るからってお前たちに聞いたんだよ。ケーキを作るのに上に乗せるのをイチゴにするかメレンゲのお菓子にするかって…」
二人は顔を見合わせた。
あーやってらんない。
「そうだった?」
「そうだったような気がするな。」
「で、レオンハルト殿下がメレンゲがいいって言ったら、ルースがイチゴがいいって言い出したんだよ。」
「だってイチゴだと先食べてしまうから、何も無くなってしまうだろ?」
「じゃあ残しておけばいいだけだろ。」
「嫌だ!先に食べる!」
「イチゴは途中、生クリームにつけながら食べるんだよ。」
「それに私はメレンゲのお菓子が好きなんだ!」
「それならそうと始めから言えばいいんじゃないか?」
…どちらかというとかまってもらいたい兄と塩対応な弟って感じか?
「あのさ、シャーリーは多分イチゴもメレンゲも載せてくれると思うよ。」
「シャーリーは優しいからね。きっとそうしてくれるね。」
ルースがうんうんうなづいた。
隣で腕を組んだ王太子殿下もそれに賛成のようだ。頷いている。
これで兄弟喧嘩も終わりだ。
…と、思った。
「何でレオンハルト殿下が頷くの?おかしいよね。シャーリーが優しいって言って頷けるのは私だけだよね?」
「優しいって思ってもダメなのか!」
「シャーリーの優しさを感じていいのは私だけなんだから、だめ。」
「はあ?何なんだ!私は褒めているんだぞ。」
「シャーリーは私のだ!褒めていいのも私だけだ!」
はい…。
二人ともお子ちゃまです。
喧嘩するほど仲がいいんだからもういいや。
俺はムーを膝の上に乗せてさっきの残り半分のスイートポテトを机に置いた。
ムーは手で引き寄せて食べ始めた。
俺ももう一つ手に取り食べながら窓の外をみた。
どんよりとした低い空から白いものが降ってきた。
あ、雪…どうりで寒いと思った。
「で、二人とも来週のクリスマスのプレゼントは用意したの?」
「「した!」」
クリスマスはこの国には無いお祭りだ。
しかしレイクルーゼ王太子妃殿下、シャーリーが元いた世界にはあったらしい。
あ、本当は周りには内緒なんだけど二人共身内には隠すつもりなさそうにいつも楽しく話しているから知っているんだ。
リーフィアからこんな話をしていたとか、あんな話をしていたとかよく聞かされる。
しかしレイクルーゼ王太子妃殿下にその記憶がなければあの時俺はシャーリーを殺していたかもしれない。
レイクルーゼ様には感謝してもしきれない。
シャーリーにも申し訳ない気持ちをいつも持っている。
それでもシャーリーはいつも俺に普通に接してくれる。救われている。
割とすさんだ子供時代を送ってきたような気がする。
今、この暖かい空間にいられるのも彼女達のおかげだ。
俺には初めてのクリスマスだ。
クリスマスにはプレゼントをあげるみたいなんだ。
リーフィアはもちろん、レイクルーゼ様やシャーリーにも何かあげたいな。
みんなでお揃いにするとリーフィアも喜んでくれるかな?
「シャーリーへのクリスマスプレゼントは何がいいだろうな。」
「アイザック!今何か言った?」
…しまった。
ルースがこっちを少し怖い顔で睨んだ。
心で思っていたが口に出してしまっていた。
本当にシャーリーって言葉に反応しすぎ。
「何でアイザックがシャーリーにクリスマスプレゼントを渡すの?」
「あ、いや。そう…ああ!リーフィアがそう!悩んでいたんだ。」
「リーフィア様が?」
セーフ…危なかった。
「リーフィアはシャーリーが大好きだから、何かあげたいなって言っていたんだよ。」
「まあ、シャーリーはみんなに好かれてるからね。さすがは私のシャーリーだ。ふふん。」
…いやいやなぜお前がえらそうに言うんだ。
「おい!ルース。お前が褒められているわけではないんだ。えらそうにするな!
シャーリーがみんなに優しいのはお前には全く関係ないだろ!」
そうだ!もっと言ってやれ!
しかしようやく終わりそうだったのにな・・・。
「ムー、もう一個食べるか?」
まだまだ続く。
やっててくれ。
まあ俺が少しは悪いのか・・・。
そろそろリーフィアたちも戻ってくるだろう。
帰ってきたらリーフィアと街に行ってクリスマスプレゼントでも探そうか。
「そういえばふと疑問に思うことがあるんだ。」
さっきまで騒いでいたレオンハルト殿下が静かに話し始めた。
「クリスマスなんて知らないのに私は毎年この時期母上からプレゼントを貰うんだ。」
「生まれた日じゃないのか?」
「いや、私は夏のはずだ。」
「じゃあ何で?」
レオンハルト王太子殿下とルースは考え込んでいた。
「クリスマスを知っていた?」
ルースがぽそりと言った。
ムーが髭をピクピクさせた。
「ねえ、ムー何か知っている?」
ルースがムーに話しかけた。
少しため息をついて俺の膝の上で丸くなった。
「おいこら、ちびネコ!何か知っているんだろう!」
レオンハルト王太子殿下が叫んだ。
ルースが首根っこをつかんで俺の膝の上から連れて行った。
レオンハルト王太子殿下とルースに連れ去られたムーは
面倒くさいなって顔をして目の前の金髪碧眼の兄弟を見ていた。
まあムーも言えないわな。
あの二人が異母兄弟なのは身近な人間はみんな知っている。
しかし口に出す人はいない。
それはレイクルーゼ様でもシャーリーでも同じだ。
弟だと分かっていても、兄だと分かっていてもあの二人はそれを見せることはない。
まさかルースの母親のマリーの話をするわけにはいかないだろう。
レイクルーゼ様とシャーリは王妃さまからマリーの事は聞いて知っているようだ。
だからシャーリーがスイートポテトを持ってくると必ず王妃様に差し上げにいく。
そしてみんなで裏庭に行くらしい。
リーフィアもたまに一緒に連れて行ってもらうらしい。
リーフィアが俺に話してくれた。
ムーが俺の方をちらっと見た。
さあそろそろムーを助けてあげようか。
俺はリーフィアと念話ができる。
『リーフィア、そろそろ戻ってきてくれないか。
クリスマスプレゼントを買いに行く時間がなくなるよ。』
そうリーフィアに呼びかける。
ムー、あと少し頑張ってくれな。
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