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番外編 エリーの場合 (2/4)
三年前にこの国はダマガラン王国と力を合わせてシルバーサ王国を征服させていた。
今やシルバーサの領地だった一部はキルナス領になっていた。そこを任されたのが俺だった。
今や俺はキルナス領地を支配する辺境伯となっていた。
以前罪を犯した俺にこの国は寛大な処置を取ってくれた。
レオンハルト王太子殿下の口添えもあった。
しかし何より赤のザイン家と青のリンデトレス家の双方を手の内に入れておきたいというのが王家の考えだ。
何だか変な身分を貰うといろいろ面倒なことばかりだ。
わからないことばかりで困り果てている。
シルバーサ領だったところの連中もまだまだ言うことを聞かない。
妻のリーフィアは呑気に歌を歌っている。
まあ、いつ聞いても綺麗な声、心地よい歌声だ。
彼女はハイエルフの為、今でも若く美しい。
本当に彼女に出会えてよかったと思っている。
息子のエリックは19歳。
娘のライラは15歳になった。
一番下の娘ナディアは13歳だ。
先日、ルースが何やらエリックの周りで嫌な動きがあると言っていた。
ひとまず気をつけてはいるが今のところ平和だ。
話は聞いたが考えすぎではないのか?
単にエリックを好きな令嬢がやり過ぎているのではないか?
そんなことを考えてリビングのソファーに座っていたら目の前にエリックが転移してきた。
「ああ、おかえり。」
「父上、ただいま帰りました。」
今、エリックは王太子殿下の第一王子リアン様の側近として王宮に勤めていた。
こことは距離があるから大体帰りは転移して帰ってくる。
って、王宮からルースの家でエリーと会ってから帰ってくるのだが…。
エリーはそのうちエリックと結婚してくれるルースの末っ子だ。若い時のシャーリーを見ているようだ。
割と性格も似ている。
親子だから仕方ない。でもシャーリーの方が天然か?
「今日は少し遅かったな。」
「少しエリーと話し込んでしまいました。」
…話していただけなのか?
少し疑問に思ってしまう。
二階から降りてくる足音がした。
リーフィアか。
「あら?エリック。帰っていたの?ご飯今から作るわね。
少しシャーリー様と通信していたら話し込んでしまったわ。アイザックももう少し待っててね。」
割と妻リーフィアはシャーリーに懐いている。
何だかリーフィアといい、エリックといいこの家はシャーリー好きばかりだ。まあ人の事は言えないか。
「リーフィア、手伝うよ。」
ハイエルフのリーフィアに料理を作らせるとかなり不安なものになる。もともと料理なんてしないみたいだし、健気に頑張って作ってくれるところは本当に可愛い。
「アイザック、ありがとう…えっ…!!アイザック!!何?」
リーフィアの背中を押して台所に行こうとした瞬間、あたりが暗くなった。
「何だ?」
「父上、右だ!右に何かいる。」
私はエリックの言葉通り右に何かいるのを感じた。
「誰だ!!」
魔力を感じる。
何だかこの嫌な感じは。背筋がゾクリとする。
「リーフィア後ろに下がるんだ!」
突然黒い物体が目の前に現われた。
部屋の中にだ。
あとから掃除が大変だから部屋の中はやめて欲しいところだ。
「エリック!外に出るぞ。」
窓からエリックが外に出た。
その何かはエリックについて外へ向かった。
狙いはエリックか!
「ルース!来れるか!!」
私はこのところルースと協力して仕事をすることが多い。
なのでルースにつながる魔法石を常に常備していた。
ルースにつながる魔法石にそれだけ言って俺はエリックとそいつの後を追って外に出た。
エリックの体から青い炎が立ち上がる。
そうエリックの魔力は桁違いに強い。
多分指一振りで周りを吹き飛ばすことができるだろう。
エリックが制御なしに魔力を発動すると彼の体は青い炎につつまれる。
我が息子ながらなんて魔力だ。近くにいるだけで押しつぶされそうだ。
「お前は何者だ!」
エリックを追った何かは黒いものの塊にしか見えない。
何も言わない。ただウーッと唸り声がするだけだ。
形づくられずゆらゆら揺れている。
三つある目だけが金色に光っている。
「アイザック!どうした?」
ルースが転移魔法で現れた。
「ルース!申し訳ない。」
「今から夕飯なんだよ。シャーリーの料理が冷めてしまう。早く終わらせて私は帰るよ。って何だあれは?」
「どうもエリックが狙いのようだ。」
「エリックの魔力を狙っているのか?
ムー!何だかわかるか?」
「魔獣の成れの果てだ。一体ではない。何体も重なりあっている。」
このデカイ白い虎はムーシェル。ルースの召喚獣の白虎だ。凄まじい攻撃力を持っている。
「どういうことだ?何故魔獣があのような姿になるんだ?」
ルースとムーシェルの話を遮るようにエリックが攻撃をした。明るい青の光が弾けて大きな音と共に凄い風が吹いた。
黒い物体は崩れた。
しかし少しずつ集まりもとの姿に戻る。
「あいつらはもともと弱い魔獣だ。しかし闇の魔力を感じる。どこかでそれを取り込んだようだ。」
「取り込んだって?」
「自然とどこかで摂取したのか誰かに与えられたかだ。しかし多分後者だ。」
「なんでわかるんだ?」
「彼らには闇の魔力は大きすぎる。手は出さないはずだ。耐えられない。だから魔力が暴走し悶え苦しんでいる。本来なら死に至るはずだがどうも彼らには死なせてもらえないよう何らかの術がかかっている。この苦しみから逃れるにはどうすればいいか教えられているようだ。」
「エリックか?」
「多分エリックの魔力を欲する者がいる。」
「まて!ムー。ちょっと待て。おかしくないか?
エリックの魔力を狙っているやつはこんな弱い奴らにエリックがてこずるわけないのをわかっているはずじゃないか…!」
「ルース…!!急げ!家に戻れ!!」
俺の叫びにルースは頷いた。
この考えが間違えなければ…
エリックにその声が聞こえたのか慌てて顔をこっちに向けた。
ルースと一瞬目を合わせたエリックはそれに気づいたようだ。最大に近い魔力で青い光を一気に放った。
目の前の黒い塊はさぁっと霧のように消えて何もいなくなった。
同時にルースは転移魔法を使って私の前から姿を消した。
「父上!まさか…」
「エリック!私達も行くぞ。リーフィア頼んだ!」
リーフィアがバタバタ二階に上がっていく。多分みんなに連絡をするのだろう。
「エリック!狙いはエリーだ!!急げ!」
今やシルバーサの領地だった一部はキルナス領になっていた。そこを任されたのが俺だった。
今や俺はキルナス領地を支配する辺境伯となっていた。
以前罪を犯した俺にこの国は寛大な処置を取ってくれた。
レオンハルト王太子殿下の口添えもあった。
しかし何より赤のザイン家と青のリンデトレス家の双方を手の内に入れておきたいというのが王家の考えだ。
何だか変な身分を貰うといろいろ面倒なことばかりだ。
わからないことばかりで困り果てている。
シルバーサ領だったところの連中もまだまだ言うことを聞かない。
妻のリーフィアは呑気に歌を歌っている。
まあ、いつ聞いても綺麗な声、心地よい歌声だ。
彼女はハイエルフの為、今でも若く美しい。
本当に彼女に出会えてよかったと思っている。
息子のエリックは19歳。
娘のライラは15歳になった。
一番下の娘ナディアは13歳だ。
先日、ルースが何やらエリックの周りで嫌な動きがあると言っていた。
ひとまず気をつけてはいるが今のところ平和だ。
話は聞いたが考えすぎではないのか?
単にエリックを好きな令嬢がやり過ぎているのではないか?
そんなことを考えてリビングのソファーに座っていたら目の前にエリックが転移してきた。
「ああ、おかえり。」
「父上、ただいま帰りました。」
今、エリックは王太子殿下の第一王子リアン様の側近として王宮に勤めていた。
こことは距離があるから大体帰りは転移して帰ってくる。
って、王宮からルースの家でエリーと会ってから帰ってくるのだが…。
エリーはそのうちエリックと結婚してくれるルースの末っ子だ。若い時のシャーリーを見ているようだ。
割と性格も似ている。
親子だから仕方ない。でもシャーリーの方が天然か?
「今日は少し遅かったな。」
「少しエリーと話し込んでしまいました。」
…話していただけなのか?
少し疑問に思ってしまう。
二階から降りてくる足音がした。
リーフィアか。
「あら?エリック。帰っていたの?ご飯今から作るわね。
少しシャーリー様と通信していたら話し込んでしまったわ。アイザックももう少し待っててね。」
割と妻リーフィアはシャーリーに懐いている。
何だかリーフィアといい、エリックといいこの家はシャーリー好きばかりだ。まあ人の事は言えないか。
「リーフィア、手伝うよ。」
ハイエルフのリーフィアに料理を作らせるとかなり不安なものになる。もともと料理なんてしないみたいだし、健気に頑張って作ってくれるところは本当に可愛い。
「アイザック、ありがとう…えっ…!!アイザック!!何?」
リーフィアの背中を押して台所に行こうとした瞬間、あたりが暗くなった。
「何だ?」
「父上、右だ!右に何かいる。」
私はエリックの言葉通り右に何かいるのを感じた。
「誰だ!!」
魔力を感じる。
何だかこの嫌な感じは。背筋がゾクリとする。
「リーフィア後ろに下がるんだ!」
突然黒い物体が目の前に現われた。
部屋の中にだ。
あとから掃除が大変だから部屋の中はやめて欲しいところだ。
「エリック!外に出るぞ。」
窓からエリックが外に出た。
その何かはエリックについて外へ向かった。
狙いはエリックか!
「ルース!来れるか!!」
私はこのところルースと協力して仕事をすることが多い。
なのでルースにつながる魔法石を常に常備していた。
ルースにつながる魔法石にそれだけ言って俺はエリックとそいつの後を追って外に出た。
エリックの体から青い炎が立ち上がる。
そうエリックの魔力は桁違いに強い。
多分指一振りで周りを吹き飛ばすことができるだろう。
エリックが制御なしに魔力を発動すると彼の体は青い炎につつまれる。
我が息子ながらなんて魔力だ。近くにいるだけで押しつぶされそうだ。
「お前は何者だ!」
エリックを追った何かは黒いものの塊にしか見えない。
何も言わない。ただウーッと唸り声がするだけだ。
形づくられずゆらゆら揺れている。
三つある目だけが金色に光っている。
「アイザック!どうした?」
ルースが転移魔法で現れた。
「ルース!申し訳ない。」
「今から夕飯なんだよ。シャーリーの料理が冷めてしまう。早く終わらせて私は帰るよ。って何だあれは?」
「どうもエリックが狙いのようだ。」
「エリックの魔力を狙っているのか?
ムー!何だかわかるか?」
「魔獣の成れの果てだ。一体ではない。何体も重なりあっている。」
このデカイ白い虎はムーシェル。ルースの召喚獣の白虎だ。凄まじい攻撃力を持っている。
「どういうことだ?何故魔獣があのような姿になるんだ?」
ルースとムーシェルの話を遮るようにエリックが攻撃をした。明るい青の光が弾けて大きな音と共に凄い風が吹いた。
黒い物体は崩れた。
しかし少しずつ集まりもとの姿に戻る。
「あいつらはもともと弱い魔獣だ。しかし闇の魔力を感じる。どこかでそれを取り込んだようだ。」
「取り込んだって?」
「自然とどこかで摂取したのか誰かに与えられたかだ。しかし多分後者だ。」
「なんでわかるんだ?」
「彼らには闇の魔力は大きすぎる。手は出さないはずだ。耐えられない。だから魔力が暴走し悶え苦しんでいる。本来なら死に至るはずだがどうも彼らには死なせてもらえないよう何らかの術がかかっている。この苦しみから逃れるにはどうすればいいか教えられているようだ。」
「エリックか?」
「多分エリックの魔力を欲する者がいる。」
「まて!ムー。ちょっと待て。おかしくないか?
エリックの魔力を狙っているやつはこんな弱い奴らにエリックがてこずるわけないのをわかっているはずじゃないか…!」
「ルース…!!急げ!家に戻れ!!」
俺の叫びにルースは頷いた。
この考えが間違えなければ…
エリックにその声が聞こえたのか慌てて顔をこっちに向けた。
ルースと一瞬目を合わせたエリックはそれに気づいたようだ。最大に近い魔力で青い光を一気に放った。
目の前の黒い塊はさぁっと霧のように消えて何もいなくなった。
同時にルースは転移魔法を使って私の前から姿を消した。
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