拝啓、消えたあなたへ

夜咲

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集中治療室

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ここはどこ...

私は真っ暗な部屋で床に寝ている。

いや、部屋なのか?壁も見えない。ただただ真っ暗な空間が続いて、もちろん誰もいない。

遠くから足音が聞こえた。その足音は近づいてくると共に雨が降り始めた。

赤い。真っ赤な雨。

「翔太さん?」

足音の正体は翔太さんだった。何も言わず翔太さんは私を抱きしめた。

私は涙が溢れてきて真っ赤な雨と涙で濡れる。

「翔太さん、離さないでね。ねえ遠くに行っちゃだめでしょ?」

「離さないよ。何言ってんの?俺はずっと愛莉のそばにいるよ」

「だよね。本当に、私何言ってるんだろう」

その時、翔太さんの足が消えた。どんどん翔太さんが消えていく。

そして、私も消えた。

「りさん、佐野愛莉さん、佐野愛莉さん」

私は病院のベットで寝ていた。横には看護師さんがいる。

「翔太さんは、伊藤翔太はどこですか?会わせてください」

「伊藤さんは集中治療室にいますのでお会い頂く事はできません」

病室を出ると翔太さんの御家族が座っていた。
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