31 / 53
松本いろいろ
『R.U.R.』シアターランポン(古市ビル4階・長野県松本市) 2025/6/14
しおりを挟む
『何故今か?』わかった気になってアフタートークでは質問せず、聞けばよかったと思い返している。
「ロボット」という言葉の起源とされるSF界隈ないし工学分野において重要な意味を持つ戯曲。実際のところ、現代のロボットが意味する高度なメカと言うよりは、クローンに近い人工生物という印象。より人に近い。寿命があり、それが極端に短い設定というのも非人道的である。
技術の進歩への警鐘もあると思うのだけど、個人的には植民地支配や階級社会辺りへの課題提起に感じた。権力と知識を持つものは持たざるものを侮るべきでないし、知識を持たざるものはその知識によって自らの生が成り立っていることを知らねばならない。前者は革命前の貴族のそれであるし、後者はクメールルージュや文化大革命を思わせる。そう、人同士でやっているのだよ、それを。
人類とロボットの絶滅に向かう過程はどうにも息苦しいが、未来が提示されることに優しさを感じる。味わい深い。
どうなんだろうな、働かなくなったら繁殖って止まるのかな。それだけ疑問だったり。あと、我々がいなくても台頭する生物はいくらでもいるような気もする。それはそれでよい気はする。というより、次に滅ぼされるのではなく、穏やかに譲っていける心持ちでありたいと感じる。いや、これは単なる今の自分が望む世代交代なんかも。
今回、いつもの演出の方ではなかったのと、原作が手堅くそれに忠実であったように見えるので、所謂「シアターランポン」色ではなかったかもしれない。それでも、この土地、この劇団、この芝居、何より演劇自体に真摯に向き合う意志を強く感じた。
ちょっと個人的行きづらさがあり、実質『土砂降りボードヴィル』以来の観劇だと思ってる。いや、髙山さんのとか別役三部作とか見ごたえがあるのも観てきたけども。人狼もご一緒してたりするけど。それでも、自分が触れていいのか少し躊躇いがある。まぁ、いいものはいいのだから仕方ない。
あの時の熱意をそのままに経験が積み重ねられた表現、次回も気になる。色んな意味で。楽しみ。
「ロボット」という言葉の起源とされるSF界隈ないし工学分野において重要な意味を持つ戯曲。実際のところ、現代のロボットが意味する高度なメカと言うよりは、クローンに近い人工生物という印象。より人に近い。寿命があり、それが極端に短い設定というのも非人道的である。
技術の進歩への警鐘もあると思うのだけど、個人的には植民地支配や階級社会辺りへの課題提起に感じた。権力と知識を持つものは持たざるものを侮るべきでないし、知識を持たざるものはその知識によって自らの生が成り立っていることを知らねばならない。前者は革命前の貴族のそれであるし、後者はクメールルージュや文化大革命を思わせる。そう、人同士でやっているのだよ、それを。
人類とロボットの絶滅に向かう過程はどうにも息苦しいが、未来が提示されることに優しさを感じる。味わい深い。
どうなんだろうな、働かなくなったら繁殖って止まるのかな。それだけ疑問だったり。あと、我々がいなくても台頭する生物はいくらでもいるような気もする。それはそれでよい気はする。というより、次に滅ぼされるのではなく、穏やかに譲っていける心持ちでありたいと感じる。いや、これは単なる今の自分が望む世代交代なんかも。
今回、いつもの演出の方ではなかったのと、原作が手堅くそれに忠実であったように見えるので、所謂「シアターランポン」色ではなかったかもしれない。それでも、この土地、この劇団、この芝居、何より演劇自体に真摯に向き合う意志を強く感じた。
ちょっと個人的行きづらさがあり、実質『土砂降りボードヴィル』以来の観劇だと思ってる。いや、髙山さんのとか別役三部作とか見ごたえがあるのも観てきたけども。人狼もご一緒してたりするけど。それでも、自分が触れていいのか少し躊躇いがある。まぁ、いいものはいいのだから仕方ない。
あの時の熱意をそのままに経験が積み重ねられた表現、次回も気になる。色んな意味で。楽しみ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる


