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前世の縁
しおりを挟む「千花!会いたかった!!わー懐かしい、3ヶ月ぶりだ~」
「こっちから見たら30年経ってるんだけど、桜からしたら3ヶ月なんだ。もうちょっと涙涙の再会になるかとドキドキ待ってたんだけど」
「え、いや感動の再会してるじゃん。ホラ見て私ちょっと涙目。てか30年なんだ、何がどうなってここに居るの?前世の記憶持ったまんま転生する人がいるって話はハルト様に聞いたけど」
えーと、千花と離れた時17歳で…ん?よくわかんないな。
「千花がいつ死んだとか覚えてないんだけど、とりあえずあれから20年以上生きてた記憶あるからその辺りじゃないかな。ミルフルールが22歳だから」
え、じゃあ40年ぶりじゃん。
「学園に入学したタイミングで前世思い出したんだよ、そこからまだ10年間経ってないし約30年」
「えぇ、千花一人だけ大人になっちゃって…」
「逆でしょ、桜一人だけ時間がおかしいんでしょ。ねぇ、あの時消えたのはここに来たからってことなの?」
えーと、召喚の話とかしていいのかな。内容知ってる人あんまりいないって言ってたけど。
チラッとハルト様を見る。
「口外しないだろうし良いんじゃないか。知ったところで何も出来ん」
「そうですか、それじゃ…えーと、ハルト様に召喚されました」
「召喚」
「だよね、そんな反応になるよね。なんかね、私がもうすぐ死ぬってタイミングで呼んで、来世一緒に居たかったんだって。死ななかったのでこうなってます」
「全然わかんない」
「補足しよう、サクラが目の前から消えたのでずっと探していた。この世界に居ないことが分かったので転生しているであろうサクラの魂を呼んだ、死の前に召喚し次世への縁を結ぶ儀式を行って」
詳しい説明ありがとうハルト様。
「それは…ハート侯爵令嬢が消えたのは学園の皆が知っておりましたが…その代わりに桜が?魂が同じだったから…なんで?」
「ゲームやめたじゃん、そのタイミングでサクラ消えたんだって」
「えぇ?ゲームやめたら消えるんだ」
びっくりだよね。
「シナリオがズレたのはサクラがゲームを辞めたから…桜が死ぬ前に召喚したらあのタイミングだった…それがこっちでは7年後の今」
「なんかそんな感じ。死ななかったのは事故とかだったのかも」
「ふぅん…なんとなくわかった。魂同じとか意味不明だけど」
千花はソファに深く座り直して、意味不明だけどってもう一度呟いた。
「ねぇ、私も聞きたい。私消えてどうなった?パパとママ大丈夫だった?」
「あぁ…桜が消えてから慌てて桜の家行ったんだけど、桜の存在自体消えてた。バッグとか持ってったけど桜を知らないし私のこともわかんなくてめっちゃ不審人物」
消えた…
「存在も消してく術だったのかな?私には残ってるしバッグとか桜が存在した証拠あるわけじゃん。桜がどうなったのかわかんないしめっちゃ心配してたよ、バッグ見る度に思い出してた」
「そっか……消えたのか。パパとママ悲しませないで済んで良かったのかな」
「どーだろ、わかんない。わかんないけど桜がこっちで楽しそうにしてて良かったよ、あのまま向こうで死んで葬式出たりしてたら心配することも出来なかったし」
「……全部消えちゃったか…」
ハルト様が背中をさすりながら心配そうに私を見る。
大丈夫。ちょっとショックだけど、多分大丈夫。記憶に残って悲しませちゃうより全然いい。
千花が覚えててくれたのは嬉しいけど、やっぱり心配させてしまってた。
「ねぇ、千花が覚えててくれて嬉しい。心配させちゃったし、良かったとは言えないけど、でも嬉しい。ありがとう千花、今日も話しかけてくれて、裸になってまで話そうとしてくれてありがとう」
「裸の話はもういい…あぁ恥ずかしかった。私名ばかりとはいえ一応お嬢様やってるからね」
「あぁ、男爵令嬢様。あはは、千花がお嬢様になっちゃった」
似合わなーい。
「あんたもじゃん、ハート侯爵家令嬢様」
「私本物じゃないもん、籍だけそのまま借りてる感じ。へぇ、ハート侯爵家って言うんだ。家名同じなの親戚か何か?」
「違うよ、ほらゲームで最初に選ぶじゃん侯爵家か男爵家か」
乙女ゲームの話?
「男爵家選ぶとステ上げとか頑張んないといけなくて侯爵家よりハードモードではじまるわけよ。ゲームだとハート男爵令嬢とハート侯爵令嬢どっちかしか存在しないから同じまんまなんじゃん」
んん?
「それで行くと千花はヒロイン?」
「そうだね、ダブルヒロイン的な感じで転生したのかも」
「マークスさんとくっつかなかったの?」
オレ?って顔してマークスさんが自分の顔指さしてる。
「ゲーム思い出したと同時に桜のことも思い出したわけじゃん。桜に激似でヒロインやってる侯爵令嬢が気になって攻略どころじゃないよね、近付きもしなかったわ。それにゲームと現実は違うわけで…桜関係なくてもやってないかな」
そんなもんなんだ。
「ゲームが現実になっちゃったら恋愛どころじゃないよ~、政略とかも拒否反応でるしすっかり男爵家のお荷物令嬢よ。肩身狭いから今日だって普通に仕事帰りだったんだから」
「仕事?」
「大したことしてないけどね~、たまに売り子とかして私、自分の食い扶持稼いでんの。行き遅れの名ばかりお嬢様なのよ、庶民と何も変わんないね」
「大変じゃん」
「まぁ、ほら私見た目はいいからさ。そのうち商人の息子とか捕まえて結婚するよー、平民ならまだ全然行き遅れじゃないし」
千花はすっかりたくましいお姉様に成長しておられる。これが3ヶ月と30年の違いかな。
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