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千花のこれから
しおりを挟む「よく分からないとこもあるけど2人はサクラちゃんの世界で仲良しだったからまた話したかった、てことだね?」
ずっと黙っていてくれていたマークスさんが話しかけてきた。
「はい。突然現れて無理を言ってしまって申し訳ありませんでした、マークス・ユーノ卿」
「…さっきまでの言葉でお願い。サクラちゃんにあれでオレにこれはちょっと困るから。マークスでいいよ」
「ありがとうございます、マークス様」
「うん、様もいらない、オレも崩させてもらうから。サクラちゃんの友達ならどうしようか?ハルト。環境もそんなに良くないみたいだ、栄養失調気味の報告もある」
え、千花大丈夫なの??
「そんな心配そうな顔しないでよ桜、ちゃんと食べてる。貧乏貴族はこんなもん」
ぬくぬくのんびりと暮らしてた私相当恵まれてるんだな、分かってはいたけど。
「……そうだな。ミルフルール嬢、私は近い内臣下に下る。サクラも一緒だしついて来ないか?侍女としてになると思うが、今より良い環境で生活できるだろう」
「よろしいのですか?私はとても有り難いですが」
「え、千花が侍女さんとか嫌です」
友達だもん。対等がいい。
「桜…それは無理だって。ここめっちゃ縦社会」
「だって千花にお茶淹れてもらったりとか変、友達がいい」
「サクラ、対外的に侍女として雇っても邸の中では好きにして良い。話し相手だけでも問題ないのだから」
「………それ以外は方法がないですか?」
「今の状況だとない。彼女の家が建て直されるか結婚でもすれば友人付き合いもできるようになるだろう」
うーん、我儘言ってもどうにもならなそう。
分かりましたと返事をして、とりあえず千花のこれからが決定。またお喋りしたり出来る様になるの嬉しい。
「桜と友達続けるなら結構な豪商捕まえないとだなー」
「えぇ、千花がちゃんと好きになった人と結婚してよ」
「いやまぁそれは大前提なんだけどさ。完全平民だと公爵夫人とお茶会とか周囲が黙ってないわ、爵位ない金ないのがお友達はねぇ…いくら本人が良いって言っても」
「領地に引きこもってノンビリ暮らす予定だから構わんぞ」
「いやちょっと待って、その前に公爵夫人になる予定じゃないから」
「え、桜殿下とラブラブしてんじゃないの」
してない。
「手ぇ繋いで仲良くきゃっきゃ観光してたじゃん」
…あんまりしてない。
「目下アピール中だ、とりあえず一緒に居てくれれば良い」
「へぇ……今度2人で詳しく話そうね」
ニヤニヤしないで千花。こっ恥ずかしい。
「ではミルフルール嬢も一緒にとりあえず王都に来るということで。私達は今日はここで明日別の場所に1泊するが、準備はすぐ出来るか?帰りは此処を通るからその時でも良いが」
「そうですね…家にはそちらから連絡して頂けるのですよね?それなら今日荷物をまとめて明日の朝此方に向かいます」
「じゃあ馬車もう一台用意させとくね、明日玄関前に寄せとくから荷物はそこに」
どんどん決まってく。馬車同じでいいじゃんとか口挟む隙ないなぁ。
仕事先にも報告するから、と千花はその足で部屋を出ていった。
マークスさんとも別れて、私達は離れの部屋に戻る。
「ハルト様ありがとうございました、千花のこと助けてくれて」
よく分かんなかったけど、今の千花があんまり良い環境で生活してなかったことはわかった。
「うん、大したことはない。サクラは金を全く使わんし…領地に行ったらもう少し使うようにしてくれな?経済がまわらない」
「すごいお世話になってるのにこれ以上?」
「そう、これ以上。とりあえずドレスを一着作っておこう、その内陛下に呼ばれる」
うわぁ、会いたくない。
「そんな嫌な顔をするな、王としてではなく俺の父親として礼を言いたいだけだろう」
お礼言われることしてない。むしろ籠絡して変なことにしやがってこの野郎的なことになりそう。
「ならん。それにしばらくは大丈夫だろう、俺も見せないと言い張っているから」
「それは助かります」
「陛下に会うと婚約内定を婚約者にしろと煩く言われるだろうからな、サクラにズバッと断られたくない。なあなあにしておきたい」
「あはは、そんな理由なんですか」
嫌いじゃないし、今日だって格好良かったけど相変わらずあんまりドキドキしない。
「まだ3ヶ月だ、今世諦めていたのにこうやって一緒に居られるのが本当に幸せなんだ。今日友人と話すサクラを見て尚更思ったよ、好きが青天井の勢いだ」
「青天井」
「俺は語彙が少ない。サクラに好きだとか愛してるとしか言えないから、どうにかバリエーションを増やして伝えられないかと模索中」
十分少女漫画な王子様です、ハルト様。
「頑張るよ、おやすみサクラ」
王子様はおやすみのキスをして寝室に行った。
次の日は予定通りやってきた千花と合流して、領地予定地をまわってからそのまま王都と予定地の間で一泊して、王都に戻った。
温泉旅行が楽しすぎたのと千花に会えた嬉しさであんまり印象に残ってないけど、過ごしやすそうな穏やかな土地だった。
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