419 / 1,289
第20話
(8)
しおりを挟む
どこか楽しげな口調で呟いた賢吾に両膝の裏を掴まれ、足を抱え上げられる。何をされるのかと身構える間もなく、柔らかな膨らみに舌が這わされた。唇を噛んで声を堪えた和彦だが、淫らな愛撫にすぐに理性は陥落する。
熱い口腔に含まれて舐られると、はしたなく腰を揺すり、放埓に声を上げて感じてしまう。刺激が強すぎてつらくなってくるが、和彦がいくら賢吾の頭を押し退けようとしても、愛撫がとまることはない。
「はっ……、やめ……、つらい、んだ」
和彦は必死に訴えながら、押し寄せてくる快感に爪先を突っ張らせる。顔を上げた賢吾に再び足の指を舐められ、柔らかな膨らみを指で刺激される。弱みを弄られると、意識しないまま上擦った声が出る。賢吾がそんなことをしないと知ってはいるが、容赦なく潰されるかもしれないという恐れは、一方で強烈に甘美だ。
「うあっ、あっ、あっ、あぁっ」
「涎を垂らしっぱなしだな、先生。そんなに、ここを弄られるのはいいか?」
「……うる、さっ……」
震えを帯びた声で言ったところで、賢吾を悦ばせるだけだ。涙が滲んだ目で和彦が睨みつけると、今にも舌なめずりしそうな表情を浮かべた賢吾が、広げた両足の間に再び顔を埋める。ただし、次に濃厚な愛撫を施されたのは――。
「んんっ」
全身を駆け抜ける快美さに、和彦は必死に布団を握り締めた。
賢吾の舌が内奥の入り口に這わされ、蠢く。繊細な部分を、繊細な動きでくすぐられると、身悶えたくなるような感覚が湧き起こる。はしたないからと、必死に声を押し殺していた和彦だが、舌が内奥に入り込んでくると、身悶えながら喘ぎ声をこぼす。
すっかり反り返ったものを賢吾に舐め上げられ、内奥には今度は指が挿入される。しっかりと、付け根まで。
「これだけ可愛がってやったんだ。しっかり俺を甘やかして、感じさせてくれよ、先生」
和彦の内奥を指で解した賢吾が、耳元にそんな囁きを注ぎ込んでくる。すぐに囁きの意味を理解した和彦は、手の甲で涙を拭ってから応じた。
「……ぼくはいつでも、あんたに甘いだろ」
「本当に、減らず口だ。少なくとも、この状況で言うことじゃねーな」
笑いを含んだ声で言った賢吾が、熱い欲望を内奥の入り口に押し当て、一気に挿入してきた。苦痛とも愉悦ともいえる感覚が下肢から押し寄せ、きつく目を閉じた和彦は喉を反らす。
もう少し優しく動けと言いたかったが、賢吾の欲望を襞と粘膜に擦りつけられ、その逞しさを体の内で感じていると、容赦ない激しさが愛しくなってくる。傲慢なこの男に求められているという事実が、和彦の官能をより深いものにする。
「あっ、ああっ――。賢吾、さんっ……」
「いい具合だ、先生。いやらしい襞で俺のものをしゃぶりながら、尻全体でグイグイ締め上げてくる」
賢吾は露骨なことを言いながら、和彦が何を求めてくるかわかっているように、思わせぶりな手つきで帯を解き、浴衣を脱いだ。背を見ることは叶わないが、肩にのしかかる大蛇の刺青の一部を見て、それだけで和彦は喉を鳴らす。
両手を伸ばして、肩から腕にかけて刺青を撫でる。すると賢吾は、和彦の欲望を握り、ゆっくりと上下に扱き始めた。
「うあっ、あっ、あっ……、いっ、いぃ」
内奥深くを抉られながら欲望を扱かれ、大蛇の刺青に触れる。和彦にとってはどれも、強い快感を引き出される行為で、奔放に乱れることを自分でも抑えられない。賢吾は、そんな和彦を見下ろし、唇に薄い笑みを刻んでいた。
「出したいか?」
短く問われ、和彦は夢中で頷く。欲望を扱く賢吾の手の動きが速くなり、手荒い愛撫に呆気なく翻弄される。強い眼差しで見つめられながら、精を噴き上げて下腹部を濡らしていた。さらに精を搾り取ろうとするかのように柔らかな膨らみを揉みしだかれ、悲鳴を上げて和彦は身を捩る。しかし内奥は、確かに歓喜していた。
淫らな蠕動を味わうように、賢吾がやっと覆い被さってくる。和彦は必死に広い背に両腕を回し、大蛇を抱き締めた。
「――いやらしい、オンナだ」
賢吾の声と言葉に鼓膜を愛撫される。追い討ちをかけるように内奥に熱い精を注ぎ込まれ、和彦は全身を駆け抜ける絶頂感に、恍惚としていた。
熱い口腔に含まれて舐られると、はしたなく腰を揺すり、放埓に声を上げて感じてしまう。刺激が強すぎてつらくなってくるが、和彦がいくら賢吾の頭を押し退けようとしても、愛撫がとまることはない。
「はっ……、やめ……、つらい、んだ」
和彦は必死に訴えながら、押し寄せてくる快感に爪先を突っ張らせる。顔を上げた賢吾に再び足の指を舐められ、柔らかな膨らみを指で刺激される。弱みを弄られると、意識しないまま上擦った声が出る。賢吾がそんなことをしないと知ってはいるが、容赦なく潰されるかもしれないという恐れは、一方で強烈に甘美だ。
「うあっ、あっ、あっ、あぁっ」
「涎を垂らしっぱなしだな、先生。そんなに、ここを弄られるのはいいか?」
「……うる、さっ……」
震えを帯びた声で言ったところで、賢吾を悦ばせるだけだ。涙が滲んだ目で和彦が睨みつけると、今にも舌なめずりしそうな表情を浮かべた賢吾が、広げた両足の間に再び顔を埋める。ただし、次に濃厚な愛撫を施されたのは――。
「んんっ」
全身を駆け抜ける快美さに、和彦は必死に布団を握り締めた。
賢吾の舌が内奥の入り口に這わされ、蠢く。繊細な部分を、繊細な動きでくすぐられると、身悶えたくなるような感覚が湧き起こる。はしたないからと、必死に声を押し殺していた和彦だが、舌が内奥に入り込んでくると、身悶えながら喘ぎ声をこぼす。
すっかり反り返ったものを賢吾に舐め上げられ、内奥には今度は指が挿入される。しっかりと、付け根まで。
「これだけ可愛がってやったんだ。しっかり俺を甘やかして、感じさせてくれよ、先生」
和彦の内奥を指で解した賢吾が、耳元にそんな囁きを注ぎ込んでくる。すぐに囁きの意味を理解した和彦は、手の甲で涙を拭ってから応じた。
「……ぼくはいつでも、あんたに甘いだろ」
「本当に、減らず口だ。少なくとも、この状況で言うことじゃねーな」
笑いを含んだ声で言った賢吾が、熱い欲望を内奥の入り口に押し当て、一気に挿入してきた。苦痛とも愉悦ともいえる感覚が下肢から押し寄せ、きつく目を閉じた和彦は喉を反らす。
もう少し優しく動けと言いたかったが、賢吾の欲望を襞と粘膜に擦りつけられ、その逞しさを体の内で感じていると、容赦ない激しさが愛しくなってくる。傲慢なこの男に求められているという事実が、和彦の官能をより深いものにする。
「あっ、ああっ――。賢吾、さんっ……」
「いい具合だ、先生。いやらしい襞で俺のものをしゃぶりながら、尻全体でグイグイ締め上げてくる」
賢吾は露骨なことを言いながら、和彦が何を求めてくるかわかっているように、思わせぶりな手つきで帯を解き、浴衣を脱いだ。背を見ることは叶わないが、肩にのしかかる大蛇の刺青の一部を見て、それだけで和彦は喉を鳴らす。
両手を伸ばして、肩から腕にかけて刺青を撫でる。すると賢吾は、和彦の欲望を握り、ゆっくりと上下に扱き始めた。
「うあっ、あっ、あっ……、いっ、いぃ」
内奥深くを抉られながら欲望を扱かれ、大蛇の刺青に触れる。和彦にとってはどれも、強い快感を引き出される行為で、奔放に乱れることを自分でも抑えられない。賢吾は、そんな和彦を見下ろし、唇に薄い笑みを刻んでいた。
「出したいか?」
短く問われ、和彦は夢中で頷く。欲望を扱く賢吾の手の動きが速くなり、手荒い愛撫に呆気なく翻弄される。強い眼差しで見つめられながら、精を噴き上げて下腹部を濡らしていた。さらに精を搾り取ろうとするかのように柔らかな膨らみを揉みしだかれ、悲鳴を上げて和彦は身を捩る。しかし内奥は、確かに歓喜していた。
淫らな蠕動を味わうように、賢吾がやっと覆い被さってくる。和彦は必死に広い背に両腕を回し、大蛇を抱き締めた。
「――いやらしい、オンナだ」
賢吾の声と言葉に鼓膜を愛撫される。追い討ちをかけるように内奥に熱い精を注ぎ込まれ、和彦は全身を駆け抜ける絶頂感に、恍惚としていた。
85
あなたにおすすめの小説
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
奇跡に祝福を
善奈美
BL
家族に爪弾きにされていた僕。高等部三学年に進級してすぐ、四神の一つ、西條家の後継者である彼が記憶喪失になった。運命であると僕は知っていたけど、ずっと避けていた。でも、記憶がなくなったことで僕は彼と過ごすことになった。でも、記憶が戻ったら終わり、そんな関係だった。
※不定期更新になります。
かわいい美形の後輩が、俺にだけメロい
日向汐
BL
過保護なかわいい系美形の後輩。
たまに見せる甘い言動が受けの心を揺する♡
そんなお話。
【攻め】
雨宮千冬(あめみや・ちふゆ)
大学1年。法学部。
淡いピンク髪、甘い顔立ちの砂糖系イケメン。
甘く切ないラブソングが人気の、歌い手「フユ」として匿名活動中。
【受け】
睦月伊織(むつき・いおり)
大学2年。工学部。
黒髪黒目の平凡大学生。ぶっきらぼうな口調と態度で、ちょっとずぼら。恋愛は初心。
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
星を戴く王と後宮の商人
ソウヤミナセ
BL
※3部をもちまして、休載にはいります※
「この国では、星神の力を戴いた者が、唯一の王となる」
王に選ばれ、商人の青年は男妃となった。
美しくも孤独な異民族の男妃アリム。
彼を迎えた若き王ラシードは、冷徹な支配者か、それとも……。
王の寵愛を受けながらも、
その青い瞳は、周囲から「劣った血の印」とさげすまれる。
身分、出自、信仰──
すべてが重くのしかかる王宮で、
ひとり誇りを失わずに立つ青年の、静かな闘いの物語。
帝は傾国の元帥を寵愛する
tii
BL
セレスティア帝国、帝国歴二九九年――建国三百年を翌年に控えた帝都は、祝祭と喧騒に包まれていた。
舞踏会と武道会、華やかな催しの主役として並び立つのは、冷徹なる公子ユリウスと、“傾国の美貌”と謳われる名誉元帥ヴァルター。
誰もが息を呑むその姿は、帝国の象徴そのものであった。
だが祝祭の熱狂の陰で、ユリウスには避けられぬ宿命――帝位と婚姻の話が迫っていた。
それは、五年前に己の采配で抜擢したヴァルターとの関係に、確実に影を落とすものでもある。
互いを見つめ合う二人の間には、忠誠と愛執が絡み合う。
誰よりも近く、しかし決して交わってはならぬ距離。
やがて帝国を揺るがす大きな波が訪れるとき、二人は“帝と元帥”としての立場を選ぶのか、それとも――。
華やかな祝祭に幕を下ろし、始まるのは試練の物語。
冷徹な帝と傾国の元帥、互いにすべてを欲する二人の運命は、帝国三百年の節目に大きく揺れ動いてゆく。
【第13回BL大賞にエントリー中】
投票いただけると嬉しいです((꜆꜄ ˙꒳˙)꜆꜄꜆ポチポチポチポチ
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる