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第47話
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ちょうどよくというべきか、まだシャワーを浴びておらず、着替える必要もない。ダウンコートを羽織った和彦は、賢吾からもらった千円札と小銭を念のためポケットに突っ込むと、部屋の鍵を持ってロビーへと降りる。賢吾の姿はなかったが、すでに二人の組員がいて、しきりに周囲を警戒している。
一人で気ままに山を歩く生活に慣れきっていたが、もう、そういうわけにはいかないのだと、改めて思い知らされる。和彦は、組員に促されるまま壁際に置かれたソファに腰掛けると、小声で話しかけた。
「夜なのに、バタバタさせてすまない」
「気にしないでください。――むしろ、組長が出歩く気になられて、我々はほっとしたと言いますか……」
どういう意味だと首を傾げて表情で問いかけたが、組員は視線を逸らして誤魔化された――わけではなかった。エレベーターの扉が開き、組員を伴った賢吾が姿を見せる。ふと気づいたが、足元は革靴に変わっていた。
「……寝てたのか?」
目の前に立った賢吾に問われる。
「起きてたけど……」
「寝癖がついてるぞ」
和彦が慌てて自分の頭を撫でると、賢吾はニヤリとした。
外に出る前にフロントで、一番近いコンビニの場所を聞いておく。玄関前で待っていた賢吾に追いつくと、何をしていたのかと聞かれた。
「コンビニの場所を聞いたんだ」
「だったら俺たちも、朝メシ用に何か買っておくか」
そんなことを話しながら建物を出ると、コンビニの場所を和彦に問うことなく賢吾が歩き出す。賢吾にも目的地があるらしいと察して、黙ってついていく。数メートル離れて、組員たちも。
照明が灯ってはいるがなんとなく薄暗い商店街を通ってみると、ほとんどの店が閉まっている。閉店時間だというのもあるだろうが、空き店舗も目につく。今の時間なら、ホテル裏の路地のほうがまだ人気があるようだ。いわくありげな一団が歩いていても注目されないのは、ある意味ありがたいが。
「――今の時間までずっと、飲んでたのか?」
賢吾と並んで歩いていて、なんとなく間がもたないと感じて会話を振る。
「そのつもりだったが、予定が変わった。マッサージを呼んで、腰を揉んでもらってた」
「……本当につらかったんだな」
「来たのは、じいさんのマッサージ師だったぞ」
「うん……?」
なぜそんな説明を付け加えるのかと、和彦はちらりと視線を向けたが、賢吾は澄まし顔だ。なんとなく理由を察したが黙っておいた。
静かな商店街を吹き抜けていく風はひんやりとはしているものの、肩をすくめるほど寒いわけではなく、ダウンコートしか羽織るものがなかったとはいえ、大げさだったかもしれない。昼間までは、雪が残った地域にいたというのが信じられないほどだ。
「――静かなもんだな」
商店街を通り抜けたところで、ぽつりと賢吾が洩らす。車は一台も通っておらず、暗い道を街灯が照らしている。
「なあ、どこに――」
向かっているのかと、さすがに問おうとしたとき、和彦の鼻先をほんのりと甘い匂いが掠める。最初は気のせいかと思ったが、風に乗って確かに匂っている。きょろきょろと辺りを見回す和彦に、賢吾がふっと表情を和らげた。
「お前の鼻を頼りに、目的地に着けるかもな」
「ぼくは犬じゃないぞ。……で、どこに向かってるんだ」
「たぶん、あっちのはずだ」
なんとも頼りにならないことを言って、賢吾が左の道を指さす。
「根拠は?」
「ホテルの俺の部屋から見えた。角を曲がったら着くはずだ」
賢吾の言葉は正しかった。角を曲がってすぐに和彦の視界に飛び込んできたのは、暗い中でもぼんやりと浮かびあがる赤い鳥居で、にんまり笑って賢吾が頷く。
「ほらな」
どうやらホテルの部屋の窓から、和彦と賢吾は同じものを見ていたようだ。
小さな神社だが、長い石階段が続いており、足元が暗い中、ここを上がる気には到底なれない。もっとも、賢吾の目的は神社で参拝することではないようだ。石階段の横にある小道に向かいだしたので、和彦もあとをついていく。すぐに戻ってくるという賢吾の言葉を受け、組員たちは鳥居の側で待機だ。
さきほど鼻先を掠めた甘い香りの正体は、すぐにわかった。小道に沿って植えられた梅の木が花をつけていた。ただ、もう時期は終わりに近いのか、地面には梅の花びらが大量に落ち、特別な模様のように小道を彩っている。
「――今年は忙しくて、梅の花が咲いてたかどうかも気にしてる余裕はなかったが、ようやく見られた」
枝の先に残った梅の花に顔を寄せ、賢吾がそんなことを言う。何気なく寄越された眼差しに、和彦は身を震わせた。小さな梅の花程度では、この男が持つ華には到底敵わない。闇に覆われつつある状況ではなおさらだ。
凄まれたわけでもないのに臆した和彦は、無意識に後退りかけたが、それを許さないように賢吾に手招きされる。逆らえるはずもなく、側に寄る。
「〈向こう〉に戻ったら、一度ぐらいのんびりと花見をやりたいな。満開の桜の下で」
「……のんびりじゃない花見はあるんだろ、あんたは」
「今年の花見会は、例年より少し遅くに開かれる。主に総和会内での事情のせいだが、なぜか、俺のせいになっている。俺とオヤジが揉めたせいだってな。いい迷惑だぜ。この際だからと思ったんだろうが、俺を目くらましに使いやがって」
さすがに今年は、和彦への花見会の参加要請はなかったと告げられ、苦笑で返す。父子の揉め事の原因が何であるかも知られているだろうから、好奇の目に晒される事態は避けられるというわけだ。
「ヤクザの組長なんてやっているくせに、苦労性だよな」
「今のご時世、どこの組の組長もこんなもんだぞ」
「でも、あんたが今抱えている苦労は、本来ならしなくていいものだ」
和彦が言おうとしていることを汲み取ってくれたのか、賢吾は短く笑い声を洩らした。
「おまえを迎えに行くことぐらい、苦労なんて思っちゃいねーがな」
そういう意味で言ったのではないが、賢吾もわかったうえで、あえて軽い言い方をしたのだろう。組員が離れた場所で待機していてよかったと、心底、和彦は思った。賢吾のこんなセリフを他人に聞かれたら――。
知らず知らずのうちに熱くなった頬を強く擦ってから、ぼそりと呟く。
「……大蛇の執着は怖い」
「とっくに骨身に染みてたはずだろ。それとも、離れている間に忘れたか?」
ふわりと風が吹き、梅の花が一瞬強く香る。和彦は乱れた髪を掻き上げようとして、その手を賢吾に掴まれた。
「今日ずっと思っていたが、伸びた髪も、なかなかいい」
「クリニックを再開する前に切りに行く。……寝癖が目立って仕方ない」
もったいないと呟いた賢吾に促され、来た道を引き返そうとしたとき、和彦はさりげなく切り出した。
「――……本当は、今日のうちに帰ろうと思えば帰れたんだろ。とめられたとか言ってたけど。多少の無茶なら簡単にやる男揃いなのに、事故が怖いとか……」
運転の交代要員もいて、それで一泊すると聞かされたときから、違和感はあったのだ。賢吾なりの目的があるかと思って何も言わないでいたが、梅の花の香りと、賢吾のまとう空気が優しくて、気が変わった。
「ヤクザだって、事故は怖いぜ。腰も痛くなるしな」
「それで納得しろというなら、かまわない。別に文句があるわけじゃないし」
沈黙は、十歩も歩かないうちに破られた。
「――俺としては冷静なつもりだったが、行きの車の中で考えてな。お前を連れ戻すにしても、時間が必要じゃねーかって」
「なんの時間が……?」
「俺が聞きたい。お前の内面は複雑すぎて、ときどき俺は見守るしかできなくなる。迂闊に手を出して、壊したくないからな」
複雑すぎるといいながら、和彦の内面を見抜いている節のある賢吾は、きっと予感していたのだろう。鷹津から引き離した和彦が、その鷹津の元に心の一部を置いてきてしまうことを。
「お互いが冷静になる時間、とでも思っておけ」
「……ごめん」
和彦の謝罪の意味を、賢吾は問うてこない。
組員たちと再び合流すると、和彦の当初の目的であったコンビニへと向かう。一人真剣にヨーグルトを選んでいると、さりげなく隣に立った賢吾に耳打ちされた。
「ケーキがあるぞ。買ってやろうか?」
「どうしてケーキなんだ」
「今年のお前の誕生日に、何もしてやれなかったからな」
咄嗟に何も言えず、ただ賢吾の真意を探ってしまう。すると賢吾は苦笑した。
「そう身構えるな」
「別に……、身構えて、ない」
組員たちがカゴに次々と、売れ残っていたおにぎりやパンを入れているのを見て、和彦はホットスナックのコーナーを指さす。
「だったら、コロッケを買ってくれ」
「他には?」
「……ちょっと高いアイス」
賢吾は惚れ惚れするような笑みを浮かべる。和彦のささやかなワガママが嬉しくて仕方ないといった様子で。
一人で気ままに山を歩く生活に慣れきっていたが、もう、そういうわけにはいかないのだと、改めて思い知らされる。和彦は、組員に促されるまま壁際に置かれたソファに腰掛けると、小声で話しかけた。
「夜なのに、バタバタさせてすまない」
「気にしないでください。――むしろ、組長が出歩く気になられて、我々はほっとしたと言いますか……」
どういう意味だと首を傾げて表情で問いかけたが、組員は視線を逸らして誤魔化された――わけではなかった。エレベーターの扉が開き、組員を伴った賢吾が姿を見せる。ふと気づいたが、足元は革靴に変わっていた。
「……寝てたのか?」
目の前に立った賢吾に問われる。
「起きてたけど……」
「寝癖がついてるぞ」
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外に出る前にフロントで、一番近いコンビニの場所を聞いておく。玄関前で待っていた賢吾に追いつくと、何をしていたのかと聞かれた。
「コンビニの場所を聞いたんだ」
「だったら俺たちも、朝メシ用に何か買っておくか」
そんなことを話しながら建物を出ると、コンビニの場所を和彦に問うことなく賢吾が歩き出す。賢吾にも目的地があるらしいと察して、黙ってついていく。数メートル離れて、組員たちも。
照明が灯ってはいるがなんとなく薄暗い商店街を通ってみると、ほとんどの店が閉まっている。閉店時間だというのもあるだろうが、空き店舗も目につく。今の時間なら、ホテル裏の路地のほうがまだ人気があるようだ。いわくありげな一団が歩いていても注目されないのは、ある意味ありがたいが。
「――今の時間までずっと、飲んでたのか?」
賢吾と並んで歩いていて、なんとなく間がもたないと感じて会話を振る。
「そのつもりだったが、予定が変わった。マッサージを呼んで、腰を揉んでもらってた」
「……本当につらかったんだな」
「来たのは、じいさんのマッサージ師だったぞ」
「うん……?」
なぜそんな説明を付け加えるのかと、和彦はちらりと視線を向けたが、賢吾は澄まし顔だ。なんとなく理由を察したが黙っておいた。
静かな商店街を吹き抜けていく風はひんやりとはしているものの、肩をすくめるほど寒いわけではなく、ダウンコートしか羽織るものがなかったとはいえ、大げさだったかもしれない。昼間までは、雪が残った地域にいたというのが信じられないほどだ。
「――静かなもんだな」
商店街を通り抜けたところで、ぽつりと賢吾が洩らす。車は一台も通っておらず、暗い道を街灯が照らしている。
「なあ、どこに――」
向かっているのかと、さすがに問おうとしたとき、和彦の鼻先をほんのりと甘い匂いが掠める。最初は気のせいかと思ったが、風に乗って確かに匂っている。きょろきょろと辺りを見回す和彦に、賢吾がふっと表情を和らげた。
「お前の鼻を頼りに、目的地に着けるかもな」
「ぼくは犬じゃないぞ。……で、どこに向かってるんだ」
「たぶん、あっちのはずだ」
なんとも頼りにならないことを言って、賢吾が左の道を指さす。
「根拠は?」
「ホテルの俺の部屋から見えた。角を曲がったら着くはずだ」
賢吾の言葉は正しかった。角を曲がってすぐに和彦の視界に飛び込んできたのは、暗い中でもぼんやりと浮かびあがる赤い鳥居で、にんまり笑って賢吾が頷く。
「ほらな」
どうやらホテルの部屋の窓から、和彦と賢吾は同じものを見ていたようだ。
小さな神社だが、長い石階段が続いており、足元が暗い中、ここを上がる気には到底なれない。もっとも、賢吾の目的は神社で参拝することではないようだ。石階段の横にある小道に向かいだしたので、和彦もあとをついていく。すぐに戻ってくるという賢吾の言葉を受け、組員たちは鳥居の側で待機だ。
さきほど鼻先を掠めた甘い香りの正体は、すぐにわかった。小道に沿って植えられた梅の木が花をつけていた。ただ、もう時期は終わりに近いのか、地面には梅の花びらが大量に落ち、特別な模様のように小道を彩っている。
「――今年は忙しくて、梅の花が咲いてたかどうかも気にしてる余裕はなかったが、ようやく見られた」
枝の先に残った梅の花に顔を寄せ、賢吾がそんなことを言う。何気なく寄越された眼差しに、和彦は身を震わせた。小さな梅の花程度では、この男が持つ華には到底敵わない。闇に覆われつつある状況ではなおさらだ。
凄まれたわけでもないのに臆した和彦は、無意識に後退りかけたが、それを許さないように賢吾に手招きされる。逆らえるはずもなく、側に寄る。
「〈向こう〉に戻ったら、一度ぐらいのんびりと花見をやりたいな。満開の桜の下で」
「……のんびりじゃない花見はあるんだろ、あんたは」
「今年の花見会は、例年より少し遅くに開かれる。主に総和会内での事情のせいだが、なぜか、俺のせいになっている。俺とオヤジが揉めたせいだってな。いい迷惑だぜ。この際だからと思ったんだろうが、俺を目くらましに使いやがって」
さすがに今年は、和彦への花見会の参加要請はなかったと告げられ、苦笑で返す。父子の揉め事の原因が何であるかも知られているだろうから、好奇の目に晒される事態は避けられるというわけだ。
「ヤクザの組長なんてやっているくせに、苦労性だよな」
「今のご時世、どこの組の組長もこんなもんだぞ」
「でも、あんたが今抱えている苦労は、本来ならしなくていいものだ」
和彦が言おうとしていることを汲み取ってくれたのか、賢吾は短く笑い声を洩らした。
「おまえを迎えに行くことぐらい、苦労なんて思っちゃいねーがな」
そういう意味で言ったのではないが、賢吾もわかったうえで、あえて軽い言い方をしたのだろう。組員が離れた場所で待機していてよかったと、心底、和彦は思った。賢吾のこんなセリフを他人に聞かれたら――。
知らず知らずのうちに熱くなった頬を強く擦ってから、ぼそりと呟く。
「……大蛇の執着は怖い」
「とっくに骨身に染みてたはずだろ。それとも、離れている間に忘れたか?」
ふわりと風が吹き、梅の花が一瞬強く香る。和彦は乱れた髪を掻き上げようとして、その手を賢吾に掴まれた。
「今日ずっと思っていたが、伸びた髪も、なかなかいい」
「クリニックを再開する前に切りに行く。……寝癖が目立って仕方ない」
もったいないと呟いた賢吾に促され、来た道を引き返そうとしたとき、和彦はさりげなく切り出した。
「――……本当は、今日のうちに帰ろうと思えば帰れたんだろ。とめられたとか言ってたけど。多少の無茶なら簡単にやる男揃いなのに、事故が怖いとか……」
運転の交代要員もいて、それで一泊すると聞かされたときから、違和感はあったのだ。賢吾なりの目的があるかと思って何も言わないでいたが、梅の花の香りと、賢吾のまとう空気が優しくて、気が変わった。
「ヤクザだって、事故は怖いぜ。腰も痛くなるしな」
「それで納得しろというなら、かまわない。別に文句があるわけじゃないし」
沈黙は、十歩も歩かないうちに破られた。
「――俺としては冷静なつもりだったが、行きの車の中で考えてな。お前を連れ戻すにしても、時間が必要じゃねーかって」
「なんの時間が……?」
「俺が聞きたい。お前の内面は複雑すぎて、ときどき俺は見守るしかできなくなる。迂闊に手を出して、壊したくないからな」
複雑すぎるといいながら、和彦の内面を見抜いている節のある賢吾は、きっと予感していたのだろう。鷹津から引き離した和彦が、その鷹津の元に心の一部を置いてきてしまうことを。
「お互いが冷静になる時間、とでも思っておけ」
「……ごめん」
和彦の謝罪の意味を、賢吾は問うてこない。
組員たちと再び合流すると、和彦の当初の目的であったコンビニへと向かう。一人真剣にヨーグルトを選んでいると、さりげなく隣に立った賢吾に耳打ちされた。
「ケーキがあるぞ。買ってやろうか?」
「どうしてケーキなんだ」
「今年のお前の誕生日に、何もしてやれなかったからな」
咄嗟に何も言えず、ただ賢吾の真意を探ってしまう。すると賢吾は苦笑した。
「そう身構えるな」
「別に……、身構えて、ない」
組員たちがカゴに次々と、売れ残っていたおにぎりやパンを入れているのを見て、和彦はホットスナックのコーナーを指さす。
「だったら、コロッケを買ってくれ」
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「……ちょっと高いアイス」
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