34 / 63
後編 ヒールが使えない治癒士〜ついに魔力覚醒!?〜
第三十二話 大器晩成型
しおりを挟む
「ノエル、今日くらい休んだら?あなた、まだ魔力が完全に回復していないのよ!」
「母ちゃん、でも俺元気だぞ!」
「もうノエルったら!あなたからもノエルに言ってやってよ!」
セリアに詰め寄られたオスカーは、困ったように笑いながらノエルを諭した。
「そうだな、ノエル、さっきみたいに、くれぐれも無茶はするなよ!体が辛くなったらその場で休むんだぞ」
「わかったよ、父ちゃん!じゃあ行ってくる!」
**バタン** と、ノエルは扉を閉めて、家を飛び出して行った。
「あなた……そんな事言って、ノエルは本当に大丈夫なの?」
「あぁ、多分な……」
「『多分』って何よ!ノエルにもしもの事があったらどうするのよ!魔力暴走を起こしたばかりなのよ!」セリアは怒りだした。
セリアの剣幕に、オスカーは顎を摘みながら考え込んだ。
「そのことなんだが……多分だけど、魔力暴走の結果で魔術神経が急激に発達したのか、それとも魔術神経が少し発達してきたから魔力暴走が起きたのか……」
「それこそ『卵が先か、ニワトリが先か』という話なんだがな……」オスカーはポツリと呟いた。
「ん?卵が先か、ニワトリが先か?あなた、それはどういう意味なの?」
「あ、いや、いいんだ、セリアなんでもない……。ただ一つ言えるのは、ノエルは規格外かもしれないということだ」
「規格外……。私も最初は期待したんだけど、資質は十分なのに、初級ヒール一つ使えないなんて、本当に規格外なのかしら?」
「治癒士になることにもあまり興味がないみたいだし、もしかしたら落ちこぼれなんじゃないかって、不安になるわ」セリアは不安気に視線を落とした。
「まぁまぁセリア、決め付けるのはまだ早い!きっとノエルは大器晩成型なんだよ」
「あなたって本当に呑気ね……」
***ギルド前***
「おはようノエル!今日こそはブラウンスライムを討伐よ!」マリーベルが話しかけてくる。
「ん?今日はサリーサは一緒じゃないのか?」
「サリーサはしばらく来ないわよ……。だから二人で行きましょう!今日もブラウンスライム討伐よ!」
「……そ、そうっすね」
***再びヌカルンダ草原***
「『ファイアーボール!』やったわ、当たった!『次はアイスランス!』やっぱり当たるようになった、私って天才!」
「当たったけど、倒せねぇじゃん……」ノエルは薄ら笑いを浮かべた。
「何よ!二回当てれば倒せるんだからいいじゃない。それにノエル、あなたパーティなんだから弱ったブラウンスライムにトドメを刺したっていいのよ?」
「あっ、そうか。パーティってそう言うものだよなぁ。すっかり忘れていた」
「ブラウンスライム一人十匹討伐って言うのは二人で二十匹討伐すればいいんだからね!」
「そうだよな……どうして俺はそんな当たり前の事が気づかなかったんだろう」(空手は個人競技だし、団体戦だって結局は個人競技だったからかな……)
ノエルは、前世の染み付いた思考を苦笑いで振り返るのだった。
「母ちゃん、でも俺元気だぞ!」
「もうノエルったら!あなたからもノエルに言ってやってよ!」
セリアに詰め寄られたオスカーは、困ったように笑いながらノエルを諭した。
「そうだな、ノエル、さっきみたいに、くれぐれも無茶はするなよ!体が辛くなったらその場で休むんだぞ」
「わかったよ、父ちゃん!じゃあ行ってくる!」
**バタン** と、ノエルは扉を閉めて、家を飛び出して行った。
「あなた……そんな事言って、ノエルは本当に大丈夫なの?」
「あぁ、多分な……」
「『多分』って何よ!ノエルにもしもの事があったらどうするのよ!魔力暴走を起こしたばかりなのよ!」セリアは怒りだした。
セリアの剣幕に、オスカーは顎を摘みながら考え込んだ。
「そのことなんだが……多分だけど、魔力暴走の結果で魔術神経が急激に発達したのか、それとも魔術神経が少し発達してきたから魔力暴走が起きたのか……」
「それこそ『卵が先か、ニワトリが先か』という話なんだがな……」オスカーはポツリと呟いた。
「ん?卵が先か、ニワトリが先か?あなた、それはどういう意味なの?」
「あ、いや、いいんだ、セリアなんでもない……。ただ一つ言えるのは、ノエルは規格外かもしれないということだ」
「規格外……。私も最初は期待したんだけど、資質は十分なのに、初級ヒール一つ使えないなんて、本当に規格外なのかしら?」
「治癒士になることにもあまり興味がないみたいだし、もしかしたら落ちこぼれなんじゃないかって、不安になるわ」セリアは不安気に視線を落とした。
「まぁまぁセリア、決め付けるのはまだ早い!きっとノエルは大器晩成型なんだよ」
「あなたって本当に呑気ね……」
***ギルド前***
「おはようノエル!今日こそはブラウンスライムを討伐よ!」マリーベルが話しかけてくる。
「ん?今日はサリーサは一緒じゃないのか?」
「サリーサはしばらく来ないわよ……。だから二人で行きましょう!今日もブラウンスライム討伐よ!」
「……そ、そうっすね」
***再びヌカルンダ草原***
「『ファイアーボール!』やったわ、当たった!『次はアイスランス!』やっぱり当たるようになった、私って天才!」
「当たったけど、倒せねぇじゃん……」ノエルは薄ら笑いを浮かべた。
「何よ!二回当てれば倒せるんだからいいじゃない。それにノエル、あなたパーティなんだから弱ったブラウンスライムにトドメを刺したっていいのよ?」
「あっ、そうか。パーティってそう言うものだよなぁ。すっかり忘れていた」
「ブラウンスライム一人十匹討伐って言うのは二人で二十匹討伐すればいいんだからね!」
「そうだよな……どうして俺はそんな当たり前の事が気づかなかったんだろう」(空手は個人競技だし、団体戦だって結局は個人競技だったからかな……)
ノエルは、前世の染み付いた思考を苦笑いで振り返るのだった。
40
あなたにおすすめの小説
弱いままの冒険者〜チートスキル持ちなのに使えるのはパーティーメンバーのみ?〜
秋元智也
ファンタジー
友人を庇った事からクラスではイジメの対象にされてしまう。
そんなある日、いきなり異世界へと召喚されてしまった。
クラス全員が一緒に召喚されるなんて悪夢としか思えなかった。
こんな嫌な連中と異世界なんて行きたく無い。
そう強く念じると、どこからか神の声が聞こえてきた。
そして、そこには自分とは全く別の姿の自分がいたのだった。
レベルは低いままだったが、あげればいい。
そう思っていたのに……。
一向に上がらない!?
それどころか、見た目はどう見ても女の子?
果たして、この世界で生きていけるのだろうか?
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた
季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】
気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。
手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!?
傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。
罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚!
人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる