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第九章 野性動物
酔いと理性 ①
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「くぅぅぅ・・・凄い味ですね!舌がピリピリします・・・それに・・・汗がドバドバ出てきます!代謝が凄い!」准一の額から汗が拭き出した。
「どうですか?中々でしょう!」誠ニは笑顔で准一に答えた。
「なんだか、喉が焼けるようで、体の底からエネルギーが湧いてきます!うわぁ体が焼けるように熱い!ビール!」誠ニは一気に残っていたビールを飲み干した。
「今、ビールのお代わりをお持ちしますので、少々お待ちください・・・」誠ニは厨房へとビールを作りに行く。
「准一、大丈夫?顔が真っ赤だよ!」和也は心配し、准一に声を掛けた。
「おぉっ!和也ぁ・・・大丈夫だ!酒に酔っている訳じゃないんだ・・・体が、若い頃の体力が蘇るみたいだよ!」准一は上機嫌だ。
「はい、兄貴、ビールお待たせしました・・・!そう言えばまだ自己紹介しておりませんでしたね、そちらのがちむち君は私のことは知っておられましたけど・・・」
「私は淵野辺誠ニと申します・・・」誠ニは丁寧に頭を下げる。
「淵野辺さん、色々とありがとうございます。俺は槙田准一、高校の教員で、ラグビー部の顧問です。そこの元気でデカイのは智成、ちょっとクールに見えるあいつは茂、俺の教え子たちです!」
「でもってこいつは俺の息子で良一、和也は俺の大学時代、ラグビー部の後輩なんですよ・・・」准一は上機嫌でビールジョッキを片手に一人一人を説明して回った。
「父ちゃん、顔が茹蛸みたいに真っ赤だぞ!スゲェ酔っ払ってるんじゃないの?大丈夫か?・・・」
「でも淵野辺教授と知り合えるなんて光栄です!」良一は興奮し誠ニの手を握る。
「こちらこそ、良一君、よろしくね、しかし良一君はお父さんそっくりだね!」誠ニは良一の手を強く握り返した。
「淵野辺教授・・・俺は自分では父ちゃんに似てると思ってないけど、みんなに言われるんですよ・・・」
「いやぁそっくりだよ!良一君、お父さんに似て男前だし、がちむちだし、お父さんと同様にケツの盛り上がり方なんて、最高にエロイっ!・・・いや、下半身がガッチリしていて、ガタイ系アスリートとしては最高の体だと思って・・・」
「良一君がウチの大学の学生だったら俺のゼミに誘うんだけどなぁ・・・」
「本当ですかっ!あっ!俺、編入して淵野辺教授のゼミに入る!」良一は興奮する。
「コラっ!良一!お前はラグビーのスポーツ推薦で特待生入学なんだから、編入なんてできる訳がないだろう!」
「父ちゃん、顔真っ赤にして怒るなよ・・・冗談に決まってるだろう・・・」
「へえぇ、良一君は特待生入学なんだ!名門の東日本体育大学で特待生なんて、将来はラグビーの全日本代表も夢じゃないね?!」誠ニは感心した。
「まぁそれほどでも・・・あるかな・・・淵野辺教授、俺は本当、東日本体育大学ラグビー部の、自分で言うのもなんですが、先輩なんかを差し置いてスタープレーヤーなんです!」
「おい、良一!お前はそう言う高飛車なところがいかんのだ!もっと謙虚さを持て!ちゃんと先輩を立てろ!」准一は厳しい口調で物を言う。
「嫌だね・・・父ちゃん、ちょっと先輩だからって俺より弱い奴らなんて立ててどうするんだよ!ラグビーに限らずスポーツは強い者が偉い!弱肉強食だろ!」
「良一・・・お前って奴は・・・」准一は苦い顔をした。
「まぁまぁ・・・槙田先生と良一君は本当に仲がよろしいんですね・・・だから本音で言い合える・・・」誠ニは微笑んだ。
「いやぁ、淵野辺さん・・・俺の育て方がいけなかったのか・・・本当に良一は生意気で世間知らずで、お恥ずかしい限りです・・・」
「槙田先生、お気になさらず・・・スタープレーヤーはそのくらいでないと務まらないですからね!」
「ここで会ったのも何かの縁ですから・・・良一君、大学は違うかもしれないけど、もし良かったら俺のゼミに遊びにおいで!アスリートのメンタルトレーニングを教えてあげるから!」
「えぇっ?本当ですか?淵野辺教授のあの 有名なアスリートのメンタルトレーニング講座を受けられるんすか?超ラッキー!」
「淵野辺さん・・・普段忙しいのに良一なんかの為にそんなお気遣いはしないでください・・・こいつも図に乗るので・・・」准一は申し訳なさそうに誠ニに言う。
「槙田先生・・・槙田先生のお気持ちは凄く良くわかります!良一君はきっと優秀なんでしょうが・・・今のウチに身につけた方が良い、いや、これから更に強くなる為のチームワーク理論なんかも必要だと思いました・・・」
「淵野辺さん、その通りなんです・・・流石、大学の先生だ!」
「いやいや、槙田先生、本当にここで出会えたのも何かの縁なので・・・私で良ければ是非お力になりたいです・・・」
「淵野辺さん、あなたはいい人だっ!ありがとう!」准一は誠ニの手を握り深々と頭を下げた。
「いえいえ、槙田先生・・・お気になさらず・・・」誠ニも准一の手を握り返した。
「ところで・・・ここにお集まりの皆様は全て槙田先生の、か ん け い 者 なんですね!」誠ニはニヤッとしながら関係者の部分を人差し指を立てて、ゆっくりとアクセントをつけて准一に伝えた。
「ぶぅぅっ・・!」准一は飲んでいたビールを思わず吹き出す・・・
「もう、父ちゃん汚ねぇなぁ~・・・でも父ちゃんの下の素性は淵野辺教授ににバレてるじゃん・・・!」良一はゲラゲラと笑う。
「バカっ!良一っ!・・・えっ!?あっ・・・まぁその・・・かんけい者って・・・ただの教え子と後輩と、息子です・・・」准一は狼狽える・・・
「うん?私は何か変な事を言いましたか?!皆さん槙田先生を慕って集まってくれるなんて凄いなぁって思って・・・か ん け い 者 って言ったつもりなんですけど・・・」誠ニはさりげなく淡々とした口調で准一に返した。
「あぁ・・・そうですよね・・・普通そうですよね!俺、ちょっと酔っ払っちゃって・・・」
「普通?普通じゃない『関係者』ってどう言った意味があるんですか?」
「いやぁ・・・その・・・淵野辺さん、そんなに気にしないでください・・・」
「あっ、そうですよね・・・まぁいいか・・・ところで・・・准一さんとお呼びしてよろしいでしょうか?何だか槙田さんとは気が合いそうで、仲良くしたいと思いました。私の事は誠ニと呼んでください・・・」
「あ、俺も准一でいいです・・・和也も俺の事は准一って呼び捨てだし!」
「では私の事も誠ニと呼び捨ててください!その方が親しみも湧きますし!これからはフランクにやりましょう!」
「あ、はい・・・誠ニ!」
「よろしくお願いします、准一・・・じゃあこれからは無礼講で!」
准一と誠ニは互いにフランクに名前を呼び合った。
「ほらね・・・あの淵野辺教授はただもんじゃない・・・最初は不機嫌で警戒していた槙田先生の懐にスゥーっと入っちゃった・・・しかも槙田先生は淵野辺教授に好意を持ち、今じゃ完全に淵野辺教授のペースになっていますね・・・」茂は和也に耳打ちした。
「そうだった・・・誠ニさんは常に計算高い・・・あの時俺は誠ニさんの手のひらの上で散々と転がされてしまったっけ」和也は誠ニに一番最初に出会ったエピソードを思い出していた。
(第一巻 第七章 苦悩 参照)
「准一、新しいビール持って来ました・・・早速、お近付きの記念で乾杯しましょう!」誠ニは准一にお代わりのビールジョッキを手渡した。
「おぅそうだった・・・誠ニと乾杯しないとね・・・でも誠ニ、仕事中に飲んで大丈夫なの?」
「准一、実は今日は仕事じゃなくてボランティアでやっているので・・・」
「ボランティア?」
「そうなんですよ。可愛い和也の為に一肌脱いだんですよ!」
「か、可愛い和也?!ボランティアだったら、じゃあ酒飲んでも平均なんだ・・・」
「そうです・・・ただ、この後もちゃんと給仕はするからご安心を・・・では准一、乾杯!」
誠ニはまずは准一と乾杯し、その後はビールジョッキを持って各々を回った。
「よろしくなっ・・・和也・・・」誠ニは和也のところに乾杯で回った際に、低い声で目をギラっとさせて言った。
「何だかヤバい展開になりそうだ・・・」和也は瞬間的に思った。
「と、ところで誠ニ、さっき可愛い和也って言ってたけど・・・誠ニと和也はどう言う関係なんですか?」
「実は、俺はさっきからずっと気になっていたんです・・・」准一は和也との席の間に立ち飲みしている誠ニに唐突に聞いた。
「ま、まずい・・・!誠ニさんとの関係が准一にバレちゃう!」和也は咄嗟に思った。
和也は准一と誠ニの2人のやり取りを、気持ちをハラハラさせながら聞き耳を立てる・・・
「オット・・・鋭い質問ですね?!・・・俺は和也のことが好きだけど、和也には想い人がいるみたいで・・・俺は全然相手にされないんです・・・どうぞご心配なく!」誠ニは笑いながら准一に話す。
「ホッ・・・そうですか・・・いやぁそうなんですね!」准一に笑顔が戻った。
「きっと、和也の想い人は准一じゃないかって思っているんですけど、違いますか?」誠ニはニヤッとして准一に聞く。
「あぁ・・・そ、そうですね・・・想い人ですか・・・」
「いやいや、そんな・・・俺たちは男同士だし、お互いに家族もいるし・・・和也は俺のただの後輩で友達です・・・」准一はサラッと返答した。
「えっ?!准一・・・今、ただの後輩で友達って言った?!俺はただの・・・後輩?!友達?!」
和也も秘伝のスパイスの影響と酒の酔いめもあり体は火照り、少し意識はボーっとし始めていたが・・・准一からサラッと発せられた、「ただの・・・後輩で友達」と言う言葉に何だか納得が出来ない気持ちになるのだった。
※淵野辺教授=誠ニ 槙田先生=准一
「どうですか?中々でしょう!」誠ニは笑顔で准一に答えた。
「なんだか、喉が焼けるようで、体の底からエネルギーが湧いてきます!うわぁ体が焼けるように熱い!ビール!」誠ニは一気に残っていたビールを飲み干した。
「今、ビールのお代わりをお持ちしますので、少々お待ちください・・・」誠ニは厨房へとビールを作りに行く。
「准一、大丈夫?顔が真っ赤だよ!」和也は心配し、准一に声を掛けた。
「おぉっ!和也ぁ・・・大丈夫だ!酒に酔っている訳じゃないんだ・・・体が、若い頃の体力が蘇るみたいだよ!」准一は上機嫌だ。
「はい、兄貴、ビールお待たせしました・・・!そう言えばまだ自己紹介しておりませんでしたね、そちらのがちむち君は私のことは知っておられましたけど・・・」
「私は淵野辺誠ニと申します・・・」誠ニは丁寧に頭を下げる。
「淵野辺さん、色々とありがとうございます。俺は槙田准一、高校の教員で、ラグビー部の顧問です。そこの元気でデカイのは智成、ちょっとクールに見えるあいつは茂、俺の教え子たちです!」
「でもってこいつは俺の息子で良一、和也は俺の大学時代、ラグビー部の後輩なんですよ・・・」准一は上機嫌でビールジョッキを片手に一人一人を説明して回った。
「父ちゃん、顔が茹蛸みたいに真っ赤だぞ!スゲェ酔っ払ってるんじゃないの?大丈夫か?・・・」
「でも淵野辺教授と知り合えるなんて光栄です!」良一は興奮し誠ニの手を握る。
「こちらこそ、良一君、よろしくね、しかし良一君はお父さんそっくりだね!」誠ニは良一の手を強く握り返した。
「淵野辺教授・・・俺は自分では父ちゃんに似てると思ってないけど、みんなに言われるんですよ・・・」
「いやぁそっくりだよ!良一君、お父さんに似て男前だし、がちむちだし、お父さんと同様にケツの盛り上がり方なんて、最高にエロイっ!・・・いや、下半身がガッチリしていて、ガタイ系アスリートとしては最高の体だと思って・・・」
「良一君がウチの大学の学生だったら俺のゼミに誘うんだけどなぁ・・・」
「本当ですかっ!あっ!俺、編入して淵野辺教授のゼミに入る!」良一は興奮する。
「コラっ!良一!お前はラグビーのスポーツ推薦で特待生入学なんだから、編入なんてできる訳がないだろう!」
「父ちゃん、顔真っ赤にして怒るなよ・・・冗談に決まってるだろう・・・」
「へえぇ、良一君は特待生入学なんだ!名門の東日本体育大学で特待生なんて、将来はラグビーの全日本代表も夢じゃないね?!」誠ニは感心した。
「まぁそれほどでも・・・あるかな・・・淵野辺教授、俺は本当、東日本体育大学ラグビー部の、自分で言うのもなんですが、先輩なんかを差し置いてスタープレーヤーなんです!」
「おい、良一!お前はそう言う高飛車なところがいかんのだ!もっと謙虚さを持て!ちゃんと先輩を立てろ!」准一は厳しい口調で物を言う。
「嫌だね・・・父ちゃん、ちょっと先輩だからって俺より弱い奴らなんて立ててどうするんだよ!ラグビーに限らずスポーツは強い者が偉い!弱肉強食だろ!」
「良一・・・お前って奴は・・・」准一は苦い顔をした。
「まぁまぁ・・・槙田先生と良一君は本当に仲がよろしいんですね・・・だから本音で言い合える・・・」誠ニは微笑んだ。
「いやぁ、淵野辺さん・・・俺の育て方がいけなかったのか・・・本当に良一は生意気で世間知らずで、お恥ずかしい限りです・・・」
「槙田先生、お気になさらず・・・スタープレーヤーはそのくらいでないと務まらないですからね!」
「ここで会ったのも何かの縁ですから・・・良一君、大学は違うかもしれないけど、もし良かったら俺のゼミに遊びにおいで!アスリートのメンタルトレーニングを教えてあげるから!」
「えぇっ?本当ですか?淵野辺教授のあの 有名なアスリートのメンタルトレーニング講座を受けられるんすか?超ラッキー!」
「淵野辺さん・・・普段忙しいのに良一なんかの為にそんなお気遣いはしないでください・・・こいつも図に乗るので・・・」准一は申し訳なさそうに誠ニに言う。
「槙田先生・・・槙田先生のお気持ちは凄く良くわかります!良一君はきっと優秀なんでしょうが・・・今のウチに身につけた方が良い、いや、これから更に強くなる為のチームワーク理論なんかも必要だと思いました・・・」
「淵野辺さん、その通りなんです・・・流石、大学の先生だ!」
「いやいや、槙田先生、本当にここで出会えたのも何かの縁なので・・・私で良ければ是非お力になりたいです・・・」
「淵野辺さん、あなたはいい人だっ!ありがとう!」准一は誠ニの手を握り深々と頭を下げた。
「いえいえ、槙田先生・・・お気になさらず・・・」誠ニも准一の手を握り返した。
「ところで・・・ここにお集まりの皆様は全て槙田先生の、か ん け い 者 なんですね!」誠ニはニヤッとしながら関係者の部分を人差し指を立てて、ゆっくりとアクセントをつけて准一に伝えた。
「ぶぅぅっ・・!」准一は飲んでいたビールを思わず吹き出す・・・
「もう、父ちゃん汚ねぇなぁ~・・・でも父ちゃんの下の素性は淵野辺教授ににバレてるじゃん・・・!」良一はゲラゲラと笑う。
「バカっ!良一っ!・・・えっ!?あっ・・・まぁその・・・かんけい者って・・・ただの教え子と後輩と、息子です・・・」准一は狼狽える・・・
「うん?私は何か変な事を言いましたか?!皆さん槙田先生を慕って集まってくれるなんて凄いなぁって思って・・・か ん け い 者 って言ったつもりなんですけど・・・」誠ニはさりげなく淡々とした口調で准一に返した。
「あぁ・・・そうですよね・・・普通そうですよね!俺、ちょっと酔っ払っちゃって・・・」
「普通?普通じゃない『関係者』ってどう言った意味があるんですか?」
「いやぁ・・・その・・・淵野辺さん、そんなに気にしないでください・・・」
「あっ、そうですよね・・・まぁいいか・・・ところで・・・准一さんとお呼びしてよろしいでしょうか?何だか槙田さんとは気が合いそうで、仲良くしたいと思いました。私の事は誠ニと呼んでください・・・」
「あ、俺も准一でいいです・・・和也も俺の事は准一って呼び捨てだし!」
「では私の事も誠ニと呼び捨ててください!その方が親しみも湧きますし!これからはフランクにやりましょう!」
「あ、はい・・・誠ニ!」
「よろしくお願いします、准一・・・じゃあこれからは無礼講で!」
准一と誠ニは互いにフランクに名前を呼び合った。
「ほらね・・・あの淵野辺教授はただもんじゃない・・・最初は不機嫌で警戒していた槙田先生の懐にスゥーっと入っちゃった・・・しかも槙田先生は淵野辺教授に好意を持ち、今じゃ完全に淵野辺教授のペースになっていますね・・・」茂は和也に耳打ちした。
「そうだった・・・誠ニさんは常に計算高い・・・あの時俺は誠ニさんの手のひらの上で散々と転がされてしまったっけ」和也は誠ニに一番最初に出会ったエピソードを思い出していた。
(第一巻 第七章 苦悩 参照)
「准一、新しいビール持って来ました・・・早速、お近付きの記念で乾杯しましょう!」誠ニは准一にお代わりのビールジョッキを手渡した。
「おぅそうだった・・・誠ニと乾杯しないとね・・・でも誠ニ、仕事中に飲んで大丈夫なの?」
「准一、実は今日は仕事じゃなくてボランティアでやっているので・・・」
「ボランティア?」
「そうなんですよ。可愛い和也の為に一肌脱いだんですよ!」
「か、可愛い和也?!ボランティアだったら、じゃあ酒飲んでも平均なんだ・・・」
「そうです・・・ただ、この後もちゃんと給仕はするからご安心を・・・では准一、乾杯!」
誠ニはまずは准一と乾杯し、その後はビールジョッキを持って各々を回った。
「よろしくなっ・・・和也・・・」誠ニは和也のところに乾杯で回った際に、低い声で目をギラっとさせて言った。
「何だかヤバい展開になりそうだ・・・」和也は瞬間的に思った。
「と、ところで誠ニ、さっき可愛い和也って言ってたけど・・・誠ニと和也はどう言う関係なんですか?」
「実は、俺はさっきからずっと気になっていたんです・・・」准一は和也との席の間に立ち飲みしている誠ニに唐突に聞いた。
「ま、まずい・・・!誠ニさんとの関係が准一にバレちゃう!」和也は咄嗟に思った。
和也は准一と誠ニの2人のやり取りを、気持ちをハラハラさせながら聞き耳を立てる・・・
「オット・・・鋭い質問ですね?!・・・俺は和也のことが好きだけど、和也には想い人がいるみたいで・・・俺は全然相手にされないんです・・・どうぞご心配なく!」誠ニは笑いながら准一に話す。
「ホッ・・・そうですか・・・いやぁそうなんですね!」准一に笑顔が戻った。
「きっと、和也の想い人は准一じゃないかって思っているんですけど、違いますか?」誠ニはニヤッとして准一に聞く。
「あぁ・・・そ、そうですね・・・想い人ですか・・・」
「いやいや、そんな・・・俺たちは男同士だし、お互いに家族もいるし・・・和也は俺のただの後輩で友達です・・・」准一はサラッと返答した。
「えっ?!准一・・・今、ただの後輩で友達って言った?!俺はただの・・・後輩?!友達?!」
和也も秘伝のスパイスの影響と酒の酔いめもあり体は火照り、少し意識はボーっとし始めていたが・・・准一からサラッと発せられた、「ただの・・・後輩で友達」と言う言葉に何だか納得が出来ない気持ちになるのだった。
※淵野辺教授=誠ニ 槙田先生=准一
応援ありがとうございます!
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