13 / 15
SF
FPSダイブ
しおりを挟むVRFPSゲームが流行りだして数年、技術の進歩は留まることを知らず、限りなくリアルに近い感覚を肌で感じることができるようになってきた。
VRダイブ技術は世界中の人々を魅了し、今ではほとんどの人間がゲームに限らず様々な分野で使用しているのだ。
ダイブ機器を起動する。
ブウゥン、とうるさくない起動音がして意識は広大な海の中へとさらわれる。
―――目を開く。
「よお。今日も時間通りだな! 」
明日もいつもの時間に、と約束をしたのは昨日のことだ。自分たち、限られたメンバーだけの待機ロビーに三人が集まった。
「さあ今日も暴れましょ! 」
「いっちょやりますか! 」
ビル群が立ち並ぶエリア。
所々で爆音と爆風が吹き荒れ、銃声がひっきりなしに鳴り響く。グレネードを投げるか、銃口を置くか。腰のポーチからグレネードを取り出そうとした時、横からの殺気にはっとなる。
いつのまにか回り込まれていたのか。
一斉に叩き込まれる銃弾にみるみると体力ゲージが減った。
「ごめん! 一旦引く! 」
コンテナの陰で避けながら後方の味方の所まで引く。
危なかった。
「ふんぬぅ! 」
そこに狙ったように別の場所から通された射線からの銃撃をハルトが大盾で防ぐ。大きな巨体に似合わず繊細で細かな微調整で周りからの攻撃を防いでくれているが、このままではジリ貧だった。物資が尽きるのも時間の問題だ。
「空間を繋ぐわ。それまで耐えて…! 」
「――――――リリン、下だ! 下に入り込まれたぞ!! 」
索敵をしていたマーカスからの報告に焦りはさらにつのる。
手に意識を集中し、空間を広げるようにそのまま駆け出す。青い軌跡が拠点にしていたビルから離れ、戦場の外にまで伸びる。
「繋いだ! そっちは大丈夫!? 」
「………大丈夫だリリン! すぐこのバカを連れて向かう! 」
「バカって俺のことか!? 」
何かがあったらしい。
念の為に開いた空間に銃口を合わせた。通れるのは味方だけというわけではないからだ。
ハルトたちは言ったとおりすぐに来た。
何故か二人とも煤だらけで黒く汚れているが。
「何かあった? 」
「あ~、このバカが攻め込まれないようにって、持ってたグレネードを全部ばら撒いてな。」
でもおかげで抑えれただろ、とマーカスは得意げだ。
「よし! ここから反撃ね! 」
「了解だ。」
「さあ、終わらせるか。」
―――――――――――――――――――――――――
元ネタは某FPSです。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる