思いつきによる短編集

日野リア

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勇者と魔王 IF

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 気がつくと、目の前は真っ白だった。
 雪が降っている。

 しんしんと静かに積もっていく雪が、体を芯まで凍らせていた。あまりの寒さにぶるっと体を震わすと、急いで上着にくるまる。さっきまで何してたっけ。

「あっ! ちゃまる! おまえこんなとこにいたのか! 」

 なんだかとても長い夢を見ていた気がする。
 脱走して行方不明だったちゃまるが魔王で僕が勇者の夢。あれ?最後はどんな結末だったんだろう。夢は結末を見てはいけないっていうし、まあいいか。

「母さんとこからこんなとこまで来たのか? うわ、まってまって。まてって~~~。」

 ちゃまるは勢いよく飛びついてきて、得意の顔面舐め回し攻撃を繰り出す。

「探しものは見つかりましたか? よかったですね。」

 不意に、声をかけられた。
 けれど、顔を上げた先には誰もいない。でも、聞いたことのある声だった。一体だれだったのだろうか。


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6月

ずぶ濡れの子犬を拾った。
母さんが動物嫌いだから不安だったけど、あまりにみすぼらしくて家に置いてくれることになった。

名前はちゃまるにした!

夜、肌寒くて寒かったから一緒に寝た。
鼻を擦り寄せてきてすごくかわいい。

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