モブ以下転生者のゲーム世界無双〜序盤で死ぬモブの女の子を守るために最強になったら、物語に巻き込まれました〜

あおぞら

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第2章 ソラの幼馴染

第53話 刻一刻と迫る最後

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 俺はゆっくりと刀を振り上げる。

 するとニークは『ヒィィィィィッ!』と言いながら周りの兵士に喚き散らす。

「お、お前達ッ! ボサっとしていないでとっとと我を守るのだッッ!! じゃないと死刑だ!!」

 中々動かない兵士達に死刑という言葉で脅して、無理やりやらせるわけね……。

 正直こんなところでみんな死にたくないだろうな。

 しかも自分が嫌っている第2王子の命令で。

 流石に関係のない兵士まで何かしようとは思わない。

 と言うかこれで殺したりする奴は結構やばいと思う。

 まぁこの世界では違うんだろうけど。

 俺は刀を下ろすと共に、兵士と生徒、教師全員にある魔法をかける。

「【エリアスリープ】ッ!」

 そう言った瞬間、ニークと俺と学院長を除いた全てが眠りについた。

 それを見たニークと学院長は驚愕に目を剥いている。

「なッ……!? どう言うことだ!? おいッ! 早く起きて我を守れ! そして奴を殺せッ!」

 ニークは寝ている兵士に喚く。

 学院長は俺をじっと見たままだ。

 まぁこの人は後で記憶を消して仕舞えば良いか。

 俺は腕の中で眠っているサラに目を向ける。

 サラは心地よさげに寝ているが、目元は涙が溜まっており、頬には涙が流れた跡ができていた。

 それを見て更に怒りが増幅する。

 ああああッッ!! くそッッ! 俺がもっと早く助けていれば……いや今はそれよりサラを寝かせないと……。

 俺は爆発しそうな怒りをギリギリ抑えながら、サラを魔法の指輪から出したベッドに寝かせる。

「少し待っていてくれ……すぐに終わるから……」

「……んぅ……」

 俺が腕を抜けば、サラが身をよじる。

 その姿に癒されるが、先ほどの泣き顔が忘れなれない。

「もう2度とこんな目には合わせないからな……」

 俺は最後にそれだけ言って、サラのベッドの横に《古代結界魔道具》を設置して発動させる。

 これでサラは誰も傷つけることはできない。

 俺は再びニークの方を向き直り、一言。

「それじゃあ始めようか、クズ野郎」

 俺はゆっくりと歩いていく。

 それと同時に学院長に本気の殺気を。

 ニークには気絶しないギリギリの殺気を浴びせる。

 すると学院長は一ミリも動けなくなり、顔は冷や汗でびしょびしょだった。

 ……美人の汗かいているところは見ないほうがいいな。

 俺はスッと目を逸らしてニークを見るとヒイヒイ言っていた。

 その姿が太ったブタに見えて無様だなと思ってしまったが、それではブタに失礼だと思いすぐに止めた。

 俺はニークの目の前に立って奴の首を掴んで持ち上げる。

「ぐあッ!? や"、や"めろ"ッ!!」

 俺が圧倒的に優位な立場にあると言うのに、こいつはまだ命令口調なんだな……。

 まだまだ足りないと言うことか。

「お前はまだちっとも反省していないことが分かったから、今からお前の四肢を一つずつ折っていく。止めてほしければ土下座するんだな」

 俺は奴に顔を近づけながら脅す。

 奴は俺が怖いらしいが、それでもプライドが土下座を許さない様だ。

 はぁ……しょうがないな……。

「それじゃあまずは右足から行くぞ」

 俺は足を闇夜で斜めに切り落とす。

「ぎゃああああああああッッッッ!!??」

 奴は空中で大量の血を流しながらジタバタ暴れる。

「暴れるな、落としてしまうだろうが」

 俺は奴の首をより強く握る。

「んぐッッ!? や……やめ…………ッ」

「なら土下座すると言え」

 俺がそう言った途端に、奴は顔を思いっきり顰める。

 その瞳には『なぜこの俺が下賎な奴に』と言う感情がありありと伝わってくる。

 これだけしてもまだダメか。

 なら次行こう。

「次は右手だ」

 俺右手を切れ味の悪い鉄の短剣で切り落とす。

 闇夜は綺麗に斬れるから比較的痛くないが、この短剣は斬ると言うよりは、無理やり押し潰すような感じなので、先程とは次元の違う痛みが奴を襲う。

「いぎゃややややああああああッッ!! アガッッ」

 奴はあまりの痛さに涙や鼻水を垂れ流しながら気絶してしまった。

 俺は奴の鳩尾を殴って無理やり起こす。

「ガハッッ!? グゥゥゥゥゥ……いだい……もうやめ"でぐれ"……。なんでもする! だからどうかやめてくれッッ!!」

 俺は奴の首を離す。

 するとニークは地面に叩きつけられて咳き込みながら悶絶している。

「早く土下座しろ」

 俺は土下座を促す。

 するとニークは懐からあるものを取り出した。

 それは俺が前回使っていた転移石と同じものだった。

「デュフフ! 我が謝るわけがないだろうが!! お前は絶対に死刑にしてやるからなッ! 覚悟しておけッッ!!」

 そう言って転移石を割って転移してしまった。

 俺は一度刀を納めて、未だに動けないでいる学院長の元に一瞬で移動する。

「学院長、貴女にはこの出来事の記憶を消さしてもらいます」

 俺がそう言うと、ガタガタ震えながら聞いてきた。

「記憶を消すなど今の魔法では不可能なはず……それは脅しなのか?」

「残念ながら俺も魔法は使えませんが、そのかわりこんなものがあるのですよ」

 俺は懐からある魔道具を取り出す。

「これは対象の記憶を好きなようにいじれると言う魔道具です。まぁ一回しか使えないのと、同じ人には一度しか使えないのが欠点ですが」

 俺がそういうと、更に震え出す。

「君は……一体何者なんだ……?」

 俺はどうせ学院長の記憶は消すので、魔道具を発動させながら本当のことを言う。




「俺は1人の少女を救うために転生した、世界最強の男だ」




 俺は発動したのを確認すると、あのクズ野郎が逃げた場所に転移した。






☆☆☆






 ソラが消えると、全員が次々と目を覚まし出した。

 それを見ていた学院長は、空を見ながら呟く。

「私は一体何をしていたんだ……?」

 それはこの場にいる全ての人間の思いを代弁したのもだった。

 

 みんなが首を傾げている間、第2王子の最後はもうすぐそこに迫っていた……



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