そしてふたりでワルツを

あっきコタロウ

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外伝(むしろメイン)

閑話五   (  ゜▽゜)だいいっかい。みずでぽうであそぼ( ゜▽゜ )( ゜▽゜)

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メイン:吾妻&スラム&ヘルトゥ  ジャンル:会話文または実況中継


**********************






『あーあー。マイクテス、マイクテス。エコー強くねッスか? だいじょぶ? よし、そんじゃあ。さて! はじまるッスよ。第一回、吾妻邸主催”水鉄砲大会”! 場所は吾妻領にある雑木林! 実況はオレ! スラムの王のご機嫌な左腕、ボコ! 解説はボスのボスジュンイチ! よろしくッス!』

「うん」

『解説席横の特別観覧席にはお姫様カミィに座ってもらっちゃってまス!』

「プリンおいしぃねぇ」

『それでは早速、選手入場です! 銀チーム! スラムの王、オレ達のボスことマリク! アーンド、スラムの王の静かな右腕、デコ! 対するみどりチームは、なんだかんだで国に居着いた元旅人、ヘルトゥ!』

「手加減しねーぞ」
「私だってそのつもりだよ」

『さっそくにらみ合う両チーム。選手達が狙う賞品は! 最新ハイパー高性能ウルトラファンタスティックめっちゃすごいオーブン! なんと世界にたったひとつ、ボスのボスジュンイチ自らが構築したというオリジナルチューン!』

「これひとつでオードブルからデザートまで数千種類のレシピに対応可能だよ」
「ほわぁ? デザート? たべたぁい」

『庭いじりに続き料理にも興味を持ちはじめたボスと、故郷の料理を手軽に自作したいヘルトゥ! これは両者絶対に欲しいアイテムだーッ! それにしても二対一で良いんスかこれ?』

「実力的には互角だと思うよ」

『むむ……オレらのボスがひとりじゃ勝てねーって言うんスか? それはちょっとムカつく。やっちゃえボス! そんな余裕顔したイケメン、コテンパンにしちゃえ! それじゃあ、対戦、開

「オラァ!」

『さすがボス! ややフライング気味にいきなり攻撃! デコとの連携で挟み撃ちだぁ! そう、それがオレらスラムのやりかた! 卑怯だろうとなんだろうと勝ったほうが勝ちィ!』

「やれやれ、血気盛んなのは若さゆえかな?」

『ヘルトゥ、余裕ぶっこいて回避! なんか動きもムカつく。優雅ぶっての反撃! おっと! これが、ボスの胸に命中。濡れたッス! 減点ひとつめ! このゲームは、ふたつ減点で負けのルール!』

「クソっ、やられ……あぁっ!? なんじゃこりゃ!」

『なんとおおぉ!? ボスの服が……服が溶けた! こ、これ……誰得なんスか! 解説さん、コメントを!』

「ついでに衣類の繊維を溶かす新薬の試験も兼ねてるんだ」

『ついでが邪魔すぎる! 野郎のポロリなんか見てもなんも楽しくねーッスよ! いつのまにか自分は膝にお姫様乗せてイチャついてるし! オレもう実況やめたい!』

「なんて恐ろしいゲームだ。景品に釣られて参加したものの、少し後悔しはじめたよ。景品と引き換えに尊厳を失うかもしれないとは……ブフッ」
「テメー! 笑ってんじゃねーよ! クソっ、邪魔だ!」

『ボス、濡れた服を脱いだ! オレが憧れた褐色の筋肉は執事になってからも減ってねース! そーいやオレ、ダンベルとか買ってから一回も使ってないなぁ』

「丸裸にしてやる」
「ご勘弁願いたいね」
「デコ、貸せ」

『ボス、反撃開始! デコの水鉄砲も奪い取って両手で乱射! デコはといえば、落ちてる木の枝を投げてヘルトゥの逃げ道を塞ぎはじめた! 見たかヘルトゥ、スラム組のコンビネーション。イエイ!』

「おっと。厳しいね」
「余裕かましてられなくなったろ! あそこの侯爵様が『互角だ』つったんなら本当にそうなんだろうからな。勝ち目が無ぇわけじゃねえってことだ!」

『久しぶりに見たボスの悪い顔! やっぱ怖え! そんでボスとデコの連続攻撃! やった! ヘルトゥの肩にイッパツくらわせたーッ! これで減点ひとつ同士! お互いにリーチッス!』

「やってくれるね」
「舐めてっからだよ。油断してんのが悪い」
「そう、だね!」

『ヘルトゥ、横に飛びながら撃つ! ボスも飛んで回避! 攻撃は当たらず……どあーーッ! ボス、ボス、ズボンッ! 股ッ!』

「おおおおおおおおお!?」

『当たりはしなかったけど、撥ねた水が運悪くボスの股にッ! な、何が起きたかはご想像にお任せして一旦CM!』


~CM~

【のびのびー。のびのびちーっぷす。そとはパリッと、なかはノビッと! おもちーだーよー。プリン味、新発売!】

~CM明け~


「ボス、これを」
「助かる!」

『とんでもないことになりかけたボスに、ナイスアシストがはいる! デコがどこからか白い布を取り出してボスに投げた! さて、布を身に付けたボ……ボスーーッ! それは無い! それは無いッスよ!』

「あ? 仕方ねーだろ! 丸出しよかマシだ!」

『ウッ……。フリフリレースのエプロンを身に付けたボスがヘルトゥを追って走る! 林の奥へ!』

「ジュンイチくん、わたしちょっと眠くなっちゃったからおうち帰る」
「それじゃぁ一緒にベッドへ行くよ」

『この解説席からじゃ、雑木林の奥は見えない! ボス、実況してください!』

「バカヤローそれどころじゃねー! うわああ、デ、デコーー!」

『デコに何があったんスか! そ、そういえばこのゲーム、デコが撃たれても減点ッスかね? 解説さんどうッスか? ってあぁっ!? 居ない! どこ行ったんスか、ボスのボスジュンイチー! っと、林の奥から三人が戻ってきたけど……オエエエエエッ!』

「この勝負、私の勝ちでいいかい?」
「クソッ、やられた。まさかあんな作戦で来るとは。ヘルトゥ、お前も結構泥臭ぇんだな」
「ふふふ。元旅人だからね。汚いことにも多少は慣れているさ」
「そりゃそうか。ちょっと印象かわったわ。デコ、怪我は?」
「問題無いです」

『デコ、隠して! どうどうとブラブラさせながら歩いてくんなって!』

「風が吹き抜けると気持ちが良い」

『聞いてねー! も、もう! とりあえず、えーっと。第一回、吾妻邸主催”水鉄砲大会”! 勝者、翠チームのヘルトゥ! 提供は吾妻でお送りしました! あるのかどうかわからんけどまた次回! ば、ばいびー!!』

「マイクオフっと。いやー、ぶらぶらさせたデコとフリフリエプロンのボス、並ぶとやべーッスよ。あっ、ちょ! まだ放送してんの? とめてとめて!」




***エンドロール***

実況:ボコ
解説:ジュンイチ

銀チーム選手:マリク、デコ
翠チーム選手:ヘルトゥ

のぼり作成:カミィ

提供・協力:吾妻

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。



閑話五 END
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