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13話
しおりを挟む中々駐車場の空き無く時間が掛ったがなんとか観光地価格の駐車場に止め、江ノ島灯台に行く前にエマが楽しみにしていた砂浜にやって来た。
砂浜に着くとサンダルを脱ぎ俺が止める前に海に向かって走り出した。俺は放置されたサンダルを拾い追いかける。
エマは波打ち際で波を不思議そうに眺め何を思ったのか海水を手ですくい口に付けようとした。
「エマ、汚いから止めなさい」
「ええ~本当にしょっぱいか試したかったのに」
「ここら辺の海は大腸菌が多いからお腹壊して後で大変だよ」
普通の日本人なら腹を壊すほど菌が発生してる事は考え難いが、異世界人のエマには免疫が無いかもしれないし、どっちにしてもここの海はどう見ても綺麗じゃない。
「綺麗な海は無いの?」
「有るけど遠いいな」
「今度連れて行って、ちゃんと働くから」
「泊りじゃないと行けないから連休が取れたらな」
「ホント?楽しみにしてる」
まだ梅雨前だってのにエマは子供みたいに海ではしゃぎまくった。
まっ、想像どおり海から上がると足は砂まみれで海の家はまだオープンしてないし周りには水道も無い、結局砂を落とすのにかなりの時間を使った。
「えへへ、泳ぎたいね」
「えへへじゃないよ、もっと暑くならないと泳げないよ」
「お水ちょっと冷たかった」
そんな事を話しながら江ノ島灯台に向かっていると、お土産屋さんが立ち並ぶ一角に差し掛かると甘い匂いがするお店にエマが引き寄せられた。
「エマ、さっき食べたばかりでしょ」
「もうお腹にスペース開いたから大丈夫」
「なんのこっちゃ、喉が渇いたからちょっと寄るか」
「やったー」
そして南国風店内にはいると女の子たちが美味しそうにパンケーキを食べているのが目に入る。
「パンケーキ♪パンケーキ♪」
「また食べるの?」
「毎日パンケーキでも良い」
「ふと・・飽きるよ」
そんなこんなでエマはまたクリームたっぷりのパンケーキとコーラ、俺もコーラを頼み休憩していると。
「右京さん、今日は海に連れてきてくれてありがとう、私今はなんのお返しもできないけど・・・」
「エマ、そんな事気にするな俺も楽しいから良いんだよお返しなんて」
「でも私、私ばかりで・・・」
「良いんだよ気にするな、その内店でこき使うから」
「はい」
俺はエマの喜んでる顔を見てるだけで満足だ、何時かは異世界に帰ってしまうのだろうけど俺も貴重なこの時間を楽しもう。
パンケーキを食べのんびり休憩をしてから再度灯台を目指し歩き始めたが、エマには土産屋が珍しいのか一向に先へ進めないでいた。
「右京さん、ちょっと待って下さいこのお店」
「どうしたの?」
エマが胸元のネックレスを取り出し俺に見せ耳元で話始めた。
「右京さん、このお店魔石が売ってます、魔石が有ればこれみたいな色々な魔道具が作れます、右京さんの身を守る物とか作りたいので買っても良いですか?」
「良いけどどれが魔石なの?」
「そこに並んでいる物の半分くらいは魔石です」
「マジで、この1個100円のも?」
「はい、良い石とそうでない物もありますが私の持っている物より良い物もあります」
「よし分かった、好きなだけ買って良い」
「本当ですか?」
「全部はダメだけど、1個数百円なら良いぞ」
それからエマは1個1個手に取り吟味しながら選んでいた。
それからかれこれ2時間いまだに1つ1つ傷などをしらべ吟味しているがカゴには数十個の魔石と言われるパワーストーンが入っている。まっこれが有れば俺も英語やフランス語で困ることが無いなら安い買い物だ。
「エマ、この大きな水晶はどうだ?」
「それは偽物だから」
値札の下に人工水晶って書いてある、天然じゃないと使えないのか、しかし一目見ただけで分かるのか流石だな。
結局この店で3万円近く買い物をして、俺はお土産屋でカードを使う羽目に。
「これでいろいろ作って売ればお金稼げますかね?」
「いやいや、魔道具なんて売ったら大変なことに成るから止めて、それよりエルフの村でも魔石は貴重なんでしょ?お土産にしなよ」
「でもー健康維持とか疲労回復とか軽いのなら良いでしょ」
「それでも日本では効能をうたって販売してはいけないので売れないよ」
「えっそうなんですか?ごめんなさいこんなに買わせてしまって」
「良いよ、向こうに帰ってからこれ見てたまに思い出して」
「嫌です私帰りません」
「そうだなまたこっちに来れるかも知れないからな、ほらエスカレーターに乗るぞ」
「これまだ怖いので掴まっても良いですか?」
「良いぞ」
エマは俺の腕にしがみつきエスカレーターの前でうまく一歩が踏み出せないでいるので、俺が腰に手を回しエマを軽く持ち上げエスカレーターに乗せる。
「この階段乗ろうとすると先に行っちゃうので難しいです」
「でももう大丈夫だろ」
「でも怖いからまだ掴まってても良いですか?」
「まあ~良いけど」
腕が柔らかい物に包まれてるから俺は良いけど、エマも真っ赤になってるけど良いのかな。
「すごい綺麗、お日様が沈んでいく」
「そうだなホントだったら鶴岡八幡宮にも行こうと思ってたけど、夕日が見れて予定とは違ったけど綺麗だな」
「私海に落ちるお日様見るの初めてです、不思議ですね」
「なんで?」
「お日様の火が海の水でなんで消えないのか不思議で」
「いやあれは、海に落ちてる訳じゃないんだよ」
「でも今沈んでますよ」
「この世界が球体なの知ってる?」
「球体な訳ないじゃないですか」
「よし、帰ったらパソコンでこの世界のことを教えてあげよう」
「この石みたいに球体なら海の水が下に流れちゃうじゃないですか?」
「帰ってからゆっくり教えてあげる」
「嘘教えるのは無しですよ」
「ほら太陽が完全に沈む」
「沈んでも明るいですね」
「太陽は見えないけど、まだ空気に反射してから徐々に暗くなるよ」
そのまま暗くなるまで海を眺めながらエマと地球についてと天体について語ったがエマに引力の説明したが、俺も上手く説明できず帰ってからグークル先生に頼ろう。
「月は見えないんだすか?」
「月はー・・・あそこに有るよ」
「つっき、月が綺麗ですね」
「おっ灯台もライトアップされて綺麗だよ」
「・・・・・」
ライトアップをエマは黙って見ている、エマの世界にはライトアップなんて無いのかな、帰りは遠回りして都内の夜景を見せてあげるかな。
「エマそろそろ、みんなにお土産買って帰ろう」
「はい」
「どおしたエマ、なんか元気ないけど」
「大丈夫」
「そうか、さっき向こうの世界のこと話したから寂しくなったか?」
「違う・・・もう大丈夫」
それでもやっぱりなんか落ち込んでる様に思える。夕食は夜景が見える構想ビルのレストランでも連れて行くかな。
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