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第二章 メインヒロイン決定戦 

シリー生徒達に課金ガチャを紹介する

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 シリーはSランク鑑定技を二つ獲得した事で、クランメンバーにそのクラスをつけている。生徒達は自分で自分のステータスを自由に操作できるようになったのだ。 

 鑑定技
 ①鑑定②クラスチェンジ③ジョブチェンジ④モンスターカード操作 
 現在生徒達は四種類のスキルを使用する事が出来る。
  
 教壇に立つシリーは、ゆっくりと話始める。

「お前等は教会関係者が持つクラスと同等のクラスを装備している。ここから先は自分達の持つ才を考慮して、自分達自身で自分を強化する事になる。」 

 今の七英雄は一流の魔法学園で特別教室に入り、その能力も日々進化している。その事は、弟が魔法学園に入った途端に化け物のように強くなった事でシリーが一番よく知っているのだ。 

 正直な所、並大抵の努力でそれに追いつく事は出来ない。 

「この俺ならまだしも、お前等が七英雄を倒す道は茨の道だ。だが、この俺がいる限り、それも決して不可能ではない。がはははははは。」

「「はい。」」

「俺の能力について、まだ不安な物もいるだろう。人間は未知のものに恐怖を抱く生き物だからな。この短期間で俺は俺の能力をクランメンバー、つまり、お前達にも見せられるまでの域に到達した。では、早速登場して貰おう。課金ガチャ君だ。出て来い課金ガチャ。俺はお前を召喚する。」

 シリーがそう言うとシリーの目の前に課金ガチャが召喚された。

「おおー。シリーさん。クランメンバーに私が見えるまでに成長したのですね。おめでとうございます。皆様はじめまして。私はシリーさんの能力で召喚された課金ガチャというものです。以後お見知りおきを。」

 生徒達や副担任のハンナは、全員が驚愕きょうがくし立ち上がった。召喚魔法というものは、伝説の魔法として、書物に記載されているのみ。実際に目の前で使われる事など、誰も想定していなかった。虹ランク冒険者というのも珍しい事だが、召喚魔法を使えるという事はそれ以上希少な体験だった。

 スカーレットとアマンダが両手を組みシリーを羨望の眼差しで崇めている。
「やっぱり先生は凄い。」「これがシリー先生の奇跡だわ。」

 ニックは泣いて感動している。

「シリー先生。最高。」

 他のメンバーもそれぞれ信じられないといった様子で、称賛の声を呟いている。

 生徒達が落ち着いた所でシリーが課金ガチャに言う。

「今回は一気に3000万ゴールドを使う。おすすめの使い方はあるか?」

「そうですね。それだけあれば、シリー先生の強化を優先するなら英雄ヒーロー課金ガチャを10回ですね。それでも100個の商品が出ます。ですがレア度R(Aランク相当)までの商品はダブリがありません。更にはコンプリーとするとモンスターカードのレア度がコンプリートしたランクのものが出なくなります。」

「そうなると、どうなるんだ?」

「レア度SR(S相当)とレア度SSR(SSランク相当)までの商品はダブリが出るとクランメンバーにも付ける事が出来ます。ですから、150万ゴールドで幻想ファンタジー課金ガチャを20回引くと、商品は200個。それだけクランメンバーが早く強くなれる可能性が高くなるという事です。」

「なるほど。」

「でも、いずれはもっと上のランクのものが必要になりますし、それまでにたくさんの課金ガチャを引かなければなりませんから、先にレア度が出やすい英雄ヒーロー課金ガチャを引いておいた方がお得だと思いますよ。シリーさんだけが使えるスキルでクランメンバーが急激に強くなる事だってありますからね。」

「あははははは。そうか。それなら、幻想ファンタジー課金ガチャをたくさん引こう。」

「ちょっとシリーさん。話を聞いていましたか?」

「ああ。ちゃんと聞いたぞ。強くなりたいのは俺じゃない。生徒達が優先だ。」

「まったく、無欲というか、姿や態度が変わっても、お人よしな所は変わりませんね。それならば、一回ずつ幻想ファンタジー課金ガチャを引いて、レア度Rまでのコンプリートが達成した段階で英雄ヒーロー課金ガチャに変更するのはどうでしょう? 先程も言ったように、結局はレア度が高いものをどれだけ獲得出来るかは、生徒さん達の強さにも繋がります。」

「がはははは。分かった。お前がそう言うならそうしよう。」


 いつでも笑いながら奇想天外な事をする、ちょっと変わった性格のシリー。授業はいつだって教えない。生徒にはいつも自分で考える事を要求する。しかし、シリーと課金ガチャの話を聞いていた生徒達は、シリーの生徒想いで優しい本当の心の部分に少しだけ触れたような気がしていた。改めてこの人について行こうと考えた生徒達だった。
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