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第二章 メインヒロイン決定戦 

シリー伝説の鍛冶師の話を聞く

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 課金ガチャを終え、満足のいったシリー達は、ダンジョンの行先をAランクダンジョン トリニティー迷宮ラビリンスに決定した。現在はもうすぐダンジョンに着く所だ。

 しかも、Aランクダンジョンを選んだのは全員一致の選択だった。

 勇者並みのジョブに、まだレベルが低いとはいえ、ほぼSランクで埋め尽くされたモンスターカードを装備し、全員がBランク以上の武器と防具を装備している。この完全防備で弱腰になる方がおかしい。

 生徒達は、全員がジョブをSR+『平均バランス戦士ソルジャー』に設定してある。 
 このジョブは、はじめて2回以上獲得したレア度SRのもので、+が付きSRとSSRの中間的なレア度になっている。それは英雄ランキング上位の勇者や聖者とほぼ変わらない性能になっているのだ。

平均バランス戦士ソルジャー
 アクティブスキル装備枠が5 魔法装備枠が5
 回復魔法装備枠が5 パッシブスキル装備枠10

 バランスの取れたどの武器にも相性が良いジョブだった。ただしほとんどの者がスキルには、『平均バランス戦士ソルジャー』分の5つとレア度SR以上の被りで獲得した≪ 鑑定技 ≫の分しかセットが出来ない。課金ガチャの基本ルールは、R以下で獲得した一般のクラスのものは、異世界と同じで、装備してレベルを上げる事で、Lv5Lv10Lv15Lv20と段階的に一つずつスキルを獲得する。ただしクラスをセットしている場合のみ、そのクラスで覚えるスキルを使用出来る。

 なので前回ダンジョンを攻略したメンバー以外は、鑑定技のスキルと『平均バランス戦士ソルジャー』で獲得したスキルや魔法しかセットが出来ていない。

 今回のダンジョン攻略は
 有用なクラスとスキルを見極め、いち早く必要なものを獲得出来るかどうかにかかっている。

「シリー先生。本当にありがとう。とても恐ろしい場所に向かっているのに、私とてもワクワクするわ。」

「わはははは。スカーレット。私も楽しみだよ。」

 エクレアが、シリーとスカーレットの間に割り込んでくる。

「ねー。シリー先生。ダンジョンの宝をゲットしたら、それはどう使うつもりなの?」

「そうだな。使えるものだったら、各自分配したり、欲しい者が貰ったり、使えないものだったら売って、次の課金ガチャを引く為のお金にしたら良いんじゃないか? そろそろ、お前等からお金を受け取るんじゃなく、ダンジョン攻略で得たお金を、課金ガチャに使用するフェーズに入っていると思っているしな。」

「あらシリー先生。私はまだまだたくさんお金を使って貰うわよ。自分が強くなる為の投資で全然悪い気はしないわ。いえ。むしろリターンが大きすぎて感謝しかない。」

「スカーレット。話に割り込まないで。シリー先生。Aランクダンジョンなら、かなりの金額が稼げるはずよ。ダンジョンは数年で作り変わる。帝国内のAランクダンジョンならほぼ未踏破で残されている。いらない宝は、ゴールド商会に売る気はない? 今回の件で私はシリー先生を信用した。私も強くなりたいの。だからなるべく割高で買い取って貰うわ。」

「わはははは。ありがとう。エクレア。では、みんなが欲しくない宝は、全部ゴールド商会に買い取ってもらおう。みんなそれで良いか?」

「もちろんです。」「「はーい。」」「僕は感動しています。全て売却しても大丈夫です。」
「先生には、それ以上の物を貰ってるわよね。」

 宝の件に関しても全員が納得している。落ちこぼれだった自分達がたった数日で、英雄になれる希望を見た。反対するものなどどこにもいない。エクレアがまたシリーに話しかける。

「ところで先生。聖なる召喚獣、課金ガチャ様と武器と防具について話していたよね? ユーノー連邦国のラビュという都市にある。鍛冶店バロンと伝説の鍛冶師 リンドブルクの話を知っているかな?」

「いや。知らないが。」

「世界にあるAランク以上の装備は、ほとんどが、その鍛冶店バロンで作られたものなの。高品質の武器や防具が市場に出回らないのも、そういう武器はバロンにまで行って買うしか方法がないからなのよ。しかも、鍛冶店バロンは冒険者を選ぶ。強くなければ武器屋防具を売ってくれないわ。」

「わはははは。じゃあ。いつか俺達もその鍛冶店バロン行かなきゃならないな。」

「そうね。本当に英雄を倒すなら必要になるわね。」
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