セックスの価値

対面

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　胸に手を当て、その乳首をぎゅっとつまみ上げると春川は高く声をあげる。そして意を決してその下にも手を伸ばした。わずかな茂みの奥はすでにぬるぬると愛液が溢れている。そしてその性器の上にある部分に触れるともうすでに固くなっているようだった。
「んっ。」
　春川も桂の性器に手を伸ばしていた。体勢的には口を使えないので指や手のひらで刺激を加えると、彼の吐息も徐々に激しくなっていく。
「すごい、ぐちゃぐちゃ。春。触る前からこんなにぐちゃぐちゃで、本当、どこが不感症なんだよ。」
「あなたも……こんなになってるわ。」
「んっ。春。そこ……あまりいじるな。いれたくなるから。」
「気持ちいいってことでしょ？」
　あまりいじられたくない。出来るなら、彼女の口か、彼女の中で果てたいのだ。
　その濡れた性器の中にまずは中指を入れる。まだ狭い。それにぎゅっと締め付けてくる。指一本でこの狭さか。彼の期待が膨らんでくる。
「んっ……。」
「また濡れてきたな。」
　指を抜き差ししているとまるでお漏らしでもしたようにそこが濡れてしまう。タオルを当てて、指を追加した。二本入れて、今度は指を曲げる。
「あっ！」
「良いとこ当たった？そうか。あんたはここが好きなんだな。」
　どうやら当たったところが気持ちいいところだったらしい。さらにぎゅっと締め付けてきた。
　そしてそこを重点的に責めて、片手では乳首を摘む。もう固すぎて、痛みすら覚えるのにやめないで欲しいと思う。
　やがて性器の中に入っている指の抜き差しがどんどんと激しくなると同時に、彼女の手が止まる。そして頬が赤くなり息が荒く、声も甘くなっていった。
「あっ……あっ……。啓治……。」
　体の震えも徐々に大きくなると、愛液がどんどん溢れてきた。
「だめ。イく。そんなに激しくしたら……んっ！イく！イっちゃう！」
　ぐちゃぐちゃという音もどんどん高くなる。今だ。
　指を抜くと、彼女のその性器から汁が溢れた。
「ああああ！」
　潮を噴く所を見ても今まで何とも思わなかった。それで絶頂を迎えられるとは限らないと思っていたから。だが彼女は彼にもたれ掛かり、体を預けていた。
「大丈夫？ヤりすぎた？」
　低い声が聞こえる。とぎれそうな意識だったけれど、彼は体を離し彼女を横にすると、唇にキスをした。
「やばい。」
「何が？」
「意識がどっかイっちゃいそうだった。」
「これからが本番なのに？」
　それもそうだった。彼女は少し笑うと、彼の首に手を回す。そして唇にキスをすると、彼はその手を離した。そしてそのまだ汁でグチョグチョになった性器に顔を近づける。
「ちょ……。」
「舐めさせて。」
「ちょっと待って。」
　ただでさえ敏感になっているところに、舌なんて這わされたらさらにイってしまう。だが彼はその言葉を無視して、そこに舌を這わせた。ぬるっとした感触がして、思わず声をあげた。
「あっ！」
　赤く充血している性器は、止めどなく愛液が溢れている。そしてその上のクリトリスも赤くなっていた。それに舌を這わせると彼女はまた高くあえぐ。
「あっ！あっ！」
　じゅるじゅると音を立てて、そして指も這わせた。
「春。」
　彼はそこから口を離すと、彼女をみる。もう赤くてとろけそうな目をしている。その様子を見て、彼はベッドサイドの引き出しからコンドームの袋を破る。すると彼女が体を起こした。そして彼の手を掴む。
「何？」
「付けさせて。」
「つけたい？良いよ。」
　そう言って彼は彼女にそれを手渡す。そして彼女はそれを性器の先にあてがい、付けていく。
「コレでいいの？」
「あぁ。じゃあ、乗る？」
　彼の膝の上に乗るということだろう。彼女は膝を折り、その彼の所にあてがう。
「んっ……大きい……。」
「まだ先しか入ってない。」
「大きいから……。」
　彼女は声をあげながら、彼自身を入れ込んでいく。気持ちいい。狭くてぎゅっと締め付けてくる。そしてぬるぬるしていた。
「名器だな。お前。」
「そんなの知らないわ。」
「こんなに絞まるの、あんまり知らないけどな。」
「経験豊富なのに？」
「あぁ。お前だからだろう。」
　ついに奥まで入ってしまった。それだけでもう果てそうだ。
「すげぇ絞まる……。」
　それ以上に彼女の意識が絶えそうだ。上になっているから意識があるのかもしれない。
「春。」
　彼は上半身だけ体を起こすと、その腰に手を置いて体を支えた。そして彼女の中に打ち込んでいく。
「あっ！あっ！」
「あーすげぇ……。」
　水の音がして、彼の太股も愛液で濡れていく。それでも彼女の胸に触れ、その先を指ではじいた。そのたびにまた声をあげる。
「んっ！奥……。」
　自然と彼女の腰も動いている。
「好き。春。」
「私も……好きよ……んっ！啓治！」
　ぎゅっと背中に伸びる手。そして彼はその肌にもう一つ、跡を付ける。その間にも水の音と肉がはじく音が響いていた。
　体勢を変え、そこを抜く度に愛液が溢れ、入れる度にズブズブという音が響く。タオルの上に愛液が滴り、そして彼女は何度も何度も絶頂に達した。
「……くっ……。春。だめだ。もうイく。」
「啓治。好き。あっ！またイく！イっちゃう！」
「一緒に。イくか？」
　彼女を抱き上げて、首に手をかけさせる。そして激しく彼女の中に打ち込んだ。
「ああああ！」
「うっ！」
　彼女はそのまま彼にしがみつき、そして彼も彼女の腰に手を当てて、そのまま果ててしまった。
　そのまま入れたままで、二人はしばらく抱き合っていた。やがて彼女の方から少し体を離すと、彼が彼女の目を見る。そして軽くキスをした。
「好き……。」
「俺も好きだ。」
　外はまだ暗い。このまま夜が続けばいいと、二人は本気で思っていた。