守るべきモノ

神崎

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海岸

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 夕方に差し掛かったとは言っても、こんな明るいうちにラブホテルなど利用するのは不倫カップルや高校生くらいだろう。特にこんなに人気のないところだ。いる人も限られてくる。
 光っているボタンを押して、エレベーターへ向かおうとしたときだった。
「ちょっとお兄さん。」
 普段はあまり声をかけられることはなかったが、スタッフルームらしきドアからおばさんが顔をのぞかせる。
「男同士は使えないんだよ。」
「悪いな。こいつ女なんだよ。」
 顔を赤くして黙っている泉をいぶかしげに見ていたが、泉はまだ迷っているのか大和の方を見て言う。
「赤塚さん。あのやっぱり……。」
 声を聞いておばさんは納得したのだろう。首を横に振ってドアの向こうに少し下がると、手に何かを持って泉に手渡した。
「コレを持って行きなさい。」
「何?」
 手に乗せられたのはコンドームと何かのドリンク剤のような小瓶だった。
「元気になるから。」
 その言葉に泉の顔が赤くなる。そして返そうとしたが、大和がそれを受け取った。
「悪いな。ありがとう。」
「こっちこそ失礼なことを言ったよ。お嬢さんに飲ませると良いよ。緊張してるみたいだしね。」
「処女なんだよ。」
「優しくしてやりな。」
 するとエレベーターに泉を乗せると、大和も乗り込んだ。その間に泉にそのもらった小瓶を見せる。
「催淫剤かな。見たことあるわ。でも使ったことはねぇな。」
「……赤塚さん。あの……こんな事をしたら礼二に顔向けが出来ないんじゃないんですか。」
「出来ないよ。しばらく顔を見れないかもな。」
「だったら……。」
「そんなこと関係ねぇよ。」
 エレベーターが階について、ドアが開く。光っているライトのドアを開けると、泉を入らせた。そして大和も部屋にはいる。薄暗い部屋は、どことなく昔の雰囲気を感じた。
 深い色合いの絨毯。大きなベッド。窓にはカーテンではなく、木枠がはめられていて外を見ることは出来ない。そして片隅にあるソファーに荷物をおいた。
「安い部屋だから仕方ねぇな。風呂はどうなってんのかな。」
 そういって大和は勝手に部屋を物色する。大きなベッドの枕元には、コンドームが二つあった。それを見て泉は逃げ帰ろうと出口へ向かう。だが風呂場から出てきた大和がそれを止める。
「今日だけ、俺のモノになって。」
「……赤塚さん。私……。」
「知ってるよ。俺のことを別に好きとか思ってねぇのなんかわかってる。でも今日しかなかった。」
 大和は泉を引き寄せると背中から抱きしめた。
「俺のことだけ見て。」
「……。」
 求められたことなんか無かった。ずっと礼二のことだけを見ていた。だがそれで良いと思わないでほしい。何も知らない女を、自分のしたいようにしているだけなのだから。
 泉の体を離すと、こちらに向けた。うつむいている泉をのぞき込むように見て唇を重ねる。何度も唇を重ねて、唇を割った。たどたどしい舌が大和を受け入れている。そう思えた。

 最後の一枚を脱がせると、ベッドに横たわらせた。確かに胸が小さい。そして礼二は手が大きな方だ。コレでは手が余ってしまうだろう。
「あまり……みないでください。」
 泉は恥ずかしそうに手で胸や性器のあたりを隠す。だがその行動がさらにかき立てるようだった。大和も服を脱ぐと、その泉の腕を避けた。するとつんと乳首が立っている。
「期待してんじゃん。」
「してないです。あ……。」
 指で触れると、泉はびくっと体を震わせた。
「感度良いな。ほら。乳首だけで超感じてるし。」
 つまみ上げるように胸に触れる。そして舌でなめあげるとついに声を抑えきれなかったようだ。
「あっ……。んっ……。」
「そんな色っぽい声出すと、ますますしたくなるな。普段とは違うし、どこの誰が見てコレを男だと思うんだろうな。」
「止めてくださいよ。そんなことを言うの……んっ……ダメ……あっ……。」
 顔がもう真っ赤になっている。そう思いながら、手は下へ向かった。もう相当濡れていて、音が立ちそうだ。
「感じやす……。お前、催淫剤とか使ったら死ぬかもな。」
 性器の上も立っているようだ。そこを指ではじくように触れると、さっきよりも声を上げた。
「あっ!あっ!ダメ……そこ……。あっすぐに……。」
 指が中にはいる前に絶頂を迎えてしまった。そして指が濡れている。それを舐めると、大和は少し笑った。
「泉。大和って呼べよ。」
「や……。」
 顔を赤くさせながら、泉は名前を呼ぶ。
「大和……。あっ中に!」
 指を突き立てて、十分ほぐしてやる。ずいぶん狭いのは経験が礼二しかないからか。それともあの男がそんなに大きくないのか。
 本当は直接したい。だが今日は出来ないだろう。二本目の指を抜いて、大和は枕元のコンドームを漬ける。そして息を切らせてぐったりしている泉の性器に自分を押し当てた。
「は……。」
 思った以上だ。きゅんと奥に押し込まれていくような感覚がした。
「すごい濡れてるな。」
「知らないです。」
「それにそんなにしめんなよ。ほら……んっ……。すぐ出るだろ?もう少し味あわせて。」
 奥まで入り込み、大和は泉の唇にキスをした。すると泉はそのまま舌を絡ませてきた。もう入ったことで覚悟が出来たのかも知れない。
「あっ……。う……あぁっ!変になる!あっ!そんなに突かないで。奥!ああああ!」
 相当気持ちいいはずだ。自分もすぐに出てしまいそうなのを押さえているのだから。がくがくと体が震え、ぐったりとした泉を起きあがらせると、自分の膝の上に載せる。そして、下から突き上げた。
「あっ……。うっ!」
「背中に捕まれよ。ほら。爪立てて良いから。」
「んっ……。」
 動く度にぐちゃぐちゃと音がする。そのまま大和は泉を見上げると、キスをする。
「舌出して。そう……。んっ……。舌でも感じそうだな。泉。ほら。さっきより濡れてる。こんなにどろどろで……やらしいヤツ。」
「ダメ……あっ……また……。」
「イキそう?イケよ。今日だけなんだろ?今日だけ俺のでイケよ。」
 入っているところの上。先ほど触れた堅いところに指をはわせる。すると泉は大和の体を思いっきり引き寄せた。すると大和はその肌に唇を寄せる。証を付けるように。
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